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トンネル効果というものを聞いたことがあるだろうか。ざっくり説明すると、物体が通常では通り抜けできない壁を通り抜けてしまう現象のことである。 このトンネル効果は、素粒子のような極めて小さい物体ならよく起こるものだが、通常人間が意識するようなレベルの大きさでは全くといってもいいほど起こらない。 この記事では、実際に人間が壁を通り抜けられる確率を具体的に計算して、それがいかに非現実的であるかを解説する。 粒子としての性質と波としての性質 上の図は、粒子を壁に飛ばしている様子を表す。赤い線の出っ張りが壁を表している。 運動しているあらゆる物体は、粒子としての性質と共に、波としての性質を併せ持つ。したがって、粒子を壁に飛ばすという行為は、波をポテンシャルに入射させる行為に置き換えができる。 この波の絶対値の2乗は、粒子の存在する確率(存在確率)という物理的意味を持つ。波があるところに粒子が存在しうる
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