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大阪万博
eeyannka.hatenablog.com
〇崑崙を越へタクラマカンの黄砂来る (こんろんをこえタクラマカンのこうさくる) 〇日本海瀬戸内海経て霾(つちふ)るや 河童三子 〇霾(つちふ)るや狸とてゐる山見せず 々 〇工場の煙隠して霾(つちふ)るや 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇ジンギスカン走りし日より霾れり 有馬明人(1930━2020)
〇開帳や曼荼羅仏の薄眼開く (かいちょうやまんだらぶつのうすめあく) 〇開帳や弥勒菩薩の薬指 河童三子 〇印結ぶ大日如来御開帳 々 〇天平の仏衣の襞や御開帳 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇開帳の仏は焦げて在しけり 村井渓雪(不詳)
〇春昼の頭こっくり頷けり (しゅんちゅうのあたまこっくりうなずけり) 〇春昼やキャベツが届く蝶つれて 河童三子 〇春昼やこくりこっくり老ひゆかむ 々 〇春昼や釣り舟一つ光る海 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇春昼や代官坂に猫の飯 堀川けい子(不詳)
〇苗代や農学生の半ズボン (なわしろやのうがくせいのはんズボン) 〇苗代や水田の雲の上歩く 河童三子 〇育苗の覆ひ取られて青田かな 々 〇苗代の名に小町とかひとめぼれ 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇李咲く村苗代をかがやかす 萩原麦草(1894━1965)
〇亀鳴くや桃花譚より戻りしと (かめなくやとうかたんよりもどりしと) 〇鳴く亀に吾前世を訊いてみむ 河童三子 〇亀鳴くや冲より晴れて山の雲 々 〇こつと鳴る座骨の音や亀の鳴く 々 ブル便り 「となりのトトロ」より 〈此の一句〉 〇亀鳴くや源兵衛堀の河童ども 龍岡晋(1904━1983)
〇啄木忌地を犯すごと田水くる (たくぼくきちをおかすごとたみずくる) 〇詩のいのち吾にも呉よ啄木忌 河童三子 〇鳴き砂の砂泣かせをり啄木忌 々 〇啄木忌古き聖書の破れ易き 々 ブル便り 「となりのトトロ」より 〈此の一句〉 〇便所より青空見えて啄木忌 寺山修司(1935━1983)
〇白保人の裔なる吾や朧月 (さぶぴとぅのえいなるわれやおぼろづき) 〇モディリアーニ巴里に溺るる朧月 河童三子 〇朧夜やドラキュラは棺の中に 々 〇オペラ座から三辻目の路地朧月 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇ローマにて夫と仰ぎし朧月 品川鈴子(1932━2016)
〇雨の玉真っ直ぐ掴み麦青む (あめのたままっすぐつかみむぎあおむ) 〇青麦と冲行く船の濡れてをり 河童三子 〇青麦や海へ繋がる夢描かむ 々 〇海へ走る風の道より麦青む 々 ブル便り 「となりのトトロ」より 〈此の一句〉 〇青麦に日日沈む地の憂ひ 飯田蛇笏(1885━1962)
〇春眠や剃髪の尼手招きす (しゅんみんやていはつのあまてまねきす) 〇春眠に句作の指を折りてをり 河童三子 〇春眠の目覚めるときの海の底 々 〇春眠や海穏やかに雲の下 々 ブル便り 「となりのトトロ」より 〈此の一句〉 〇春眠のあれはたしかにアマゾン河 櫂未知子(1960━)
〇雀の子ちちチチ鳴ひて父呼ぶか (すずめのこちちちちなきないてちちよぶか) 〇子雀や首かたぶけて世間見る 河童三子 〇仔すずめの屑ねだりをるパン屋の軒 々 〇子すずめの胸の早鐘吾手中 々 ブル便り 「となりのトトロ」より 〈此の一句〉 〇仔雀の死しておもかげやや老けぬ 中村草田男(1901━1983)
〇桜鯛鳴門の渦を見し目玉 (さくらだいなるとのうずをみしめだま) 〇桜鯛片目入りたる潮汁 河童三子 〇観潮のあと桜鯛食ぶ予定 々 〇ミロの絵の哀しみの彩桜鯛 々 ブル便り 「となりのトトロ」より 〈此の一句〉 〇南天の一枝飾りて桜鯛 高木晴子(1915━2000)
〇寂庵の門閉ざされて竹の秋 (じゃくあんのもんとざされてたけのあき) 〇尼寺の裏一山の竹の秋 河童三子 〇竹の秋 オン バザラ タラマ キリク 々 〇御仏は千手観音竹の秋 々 ブル便り 「となりのトトロ」より 〈此の一句〉 〇雀飼ふ男ありけり竹の秋 原裕(1930━1999)
〇山はまた雪化粧して彼岸入る (やまはまたゆきげしょうしてひがんいる) 〇ぼた餅はこし餡にして彼岸入る 河童三子 〇彼岸入旦那寺の廟開いてをり 々 〇彼岸入遍路に道を教えけり 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇彼岸入斎粥熱き禅の寺 竹川貢代(不詳)
〇炒り卵菜飯に混ぜて一人かな (いりたまごなめしにまぜてひとりかな) 〇雨やんで山現れぬ菜飯かな 河童三子 〇中辺路の目張り菜飯に樹の根っこ 々 〇老いるほど菜飯の色を好むかな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇箸置いて菜飯の色を賞でにけり 江国滋(1934━1997)
〇春潮と島の飯屋の朝の客 (しゅんちょうとしまのめしやのあさのきゃく) 〇春潮や共に網ひく島仲間 河童三子 〇春潮の香のせて島の帰り船 々 〇春の潮海老飼うと言う島の人 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇春潮を眼下に源平いくさ跡 薮田 郁子(不詳)
〇朧月貨物列車が夢の中 (おぼろづきかもつれっしゃがゆめのなか) 〇朧月底の海鼠(なまこ)の眠りにも 河童三子 〇停泊船冲に浮かびぬ朧月 々 〇スフィンクスちょっと欠伸や月朧 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇海に入りて生れかはらう朧月 高浜虚子(1874━1959)
〇種袋芥子の種もソラマメも (たねぶくろからしのたねもそらまめも) 〇袋種冷蔵庫出て目覚めけり 河童三男 〇抽斗はいのちの種のざわめくや 々 〇芥子種神のもらさぬ設計図 々 ブル便り 福音館「ことばあそびうた」より 〈此の一句〉 〇働きし大きな手なり種袋 今井つる女(1897━1992)
〇春愁や雨と曇りの狭間かな (しゅんしゅうやあめとくもりのはざまかな) 〇春愁の路面電車の安全帯 河童三子 〇亀の首目を閉じしまま春愁う 々 〇我思う故に我在り春愁う 々 ブル便り 福音館「ことばあそびうた」 〈此の一句〉 〇海原と大空われは春愁 鈴木鷹夫(1928━2013)
〇陽炎や坂の上よりバス現るる (かげろうやさかのうえよりバスあらわるる) 〇さよならと振り向かず陽炎の中へ 河童三子 〇陽炎や砂丘に伏せし捨て小舟 々 〇陽炎に烏の遊ぶ千鳥足 々 ブル便り 福音館「ことばあそびうた」より 〈此の一句〉 〇五感衰へ陽炎となる母か 奥坂まや(不詳)
〇春の水石に滑りて光るかな (はるのみずいしにすべりてひかるかな) 〇石鎚の伏流水や春の水 河童三子 〇春水の石を攫ひて深むかな 々 〇猫の舌小皿を舐める春の水 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇春水となりて流転の始まれり 岡本まち子(不詳)
〇時々に窓截る鳥や雪の果て (ときどきにまどきるとりやゆきのはて) 〇妹が吾を呼び来る雪の果て 河童三子 〇雪の果て平家の村へかずら橋 々 〇雪の果て傘寿ちょう道半ば 々 ブル便り 福音館「ことばあそびのうた」より 〈此の一句〉 〇いよいよの雪の果とも思ふべし 本岡歌子(1915━2008)
〇ぼて振りの持ち来めずらし月日貝 (ぼてふりのもちくめずらしつきひがい) 〇朝刊のビニール袋月日貝 河童三子 〇如月の今日尽きる日や月日貝 々 〇月日貝旨味も味も月日かな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇夕月の色をかかげて月日貝 片山由美子(1952━)
〇柊咲く億劫になる水仕ごと (ひいらぎさくおっくうになるみずしごと) 〇一本の柊に一房の花 河童三子 〇家守る柊の花香も秘そか 々 〇いつの間に柊咲きし石に落つ 々 婆ごころ 朝から雨模様でした フェンスには一日中 雨の雫が溜っていて 乾くことも流れるこもありません 夕方暗くなると 冲を通る船は ボー、ボー、と汽笛を鳴らして行くのですが 少し寂しく響きます。
〇のびやかに野面を太鼓秋まつり (のびやかにのづらをたいこあきまつり) 〇トラックに神乗り給ふ秋まつり 河童三子 〇秋祭でんでん太鼓鳴りにけり 々 〇海光や山光迫る秋まつり 々
◯金木犀逢魔が時に出逢ひたる (きんもくせいおうまがどきにであいたる) 〇行く人のまた戻り来る木犀下 河童三子 〇木犀の金に埋もれし隣墓かな 々 〇金木犀藤井聡太八冠なる 々
〇雪崩込む銀漢崖っぷちの家 (なだれこむぎんかんがけっぷちのいえ) 〇島の灯や銀漢近く灯らせて 河童三子 〇幼き夢銀河の岸に上がるかな 々 〇遥かなる銀河仰ぎて丘に住む 々
〇玉の尾や狗尾草の夢のあと (たまつけてえのころぐさのゆめのあと 〇犬よりも野良ねこ多し猫じゃらし 河童三子 〇カルデラに金の産毛や猫じゃらし 々 〇猫じゃらし触れて感覚目覚めけり 々
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