平野勝之監督の新作「監督失格」を、一足先に試写で観た。 とても客観的な「批評」なんて出来ない。そもそも、私は自分に多大な影響を与えた平野監督の「由美香」に関しても、未だに語れないのだ。言葉を生業にする者として情けない話だが、言語化出来ないでいるのだ。何十回も観たのに。自分の中に入り込み過ぎて、突き放して「批評」なんて出来ない。 だからただ、思うことだけを綴ってみようと思う。それしかできないのなら、できることを、言葉で。 平野勝之については、以前ブログに書いているので、知らない方はまずその記事を読んでください。 *「歌餓鬼抄」 ――全身映像作家・平野勝之―― 私と平野勝之監督「由美香」との出会いは26歳のときだった。 20代初め、キスもしたこともない処女の女子大生時代に代々木忠のセックス・ドキュメンタリー作品に出会い強い衝撃を受けた。しかし当時はネットも無く、女の身で「AV」との接点はそこで