ある会社のIR担当者は自社のIRについて詳しく知っているわけですが、我々通訳者はある業界だけでなくたくさんの業界の、そして各業界内で無数の企業のIRを見てきています。自動車部品メーカーA社、B社、C社全部のIRを横串で見た上でそれぞれを比較・分析出来る希有な立場にあります。 さらに言うと、通訳者の立ち位置がおもしろいのは、企業(発行体)側についてIR通訳を行うこともあれば投資家側につくこともある、という点ではないでしょうか。今はコロナでアレですけど、平時であれば外国人投資家と一週間都内、あるいは日本各地を共に転々とし、一日5件とかのミーティングをこなし、1日6回一緒にタクシーに乗り、なんなら夜も一緒に飲みに行き、みたいなこともしています。自然、投資家サイドの本音を聞く機会も多く、そういう多面的な視点をIRご担当のみなさまと共有することには一定の価値があるのではないか、と思った次第です。