無珍先生がはじめて柘榴を食べて、ほおばったその口からつやつやしたルビー色の粒をこぼしながら「メロンとライチの次に好きだ!」と相好を崩している。小学3年生のガキンチョの「おいしい!」と思う心の跳躍は、私なんぞが「おいしい!」と思う心のたぶん100倍ぐらいだ。 時効なので告白。私が子供の頃は柘榴というのは遊んでいる時に喉が乾いてそこいらの棒なんぞで実を叩き落として道に落ちて割れたのを集めてボソボソ食べるものだった。人の家の壁の上からはみ出している柘榴とかである。端的にいって柘榴泥棒。今回はスーパーでみかけて「おおっ」と思って買ったのだったが、なんか、あの道端に座り込んで頬張る柘榴の味も教えてやりたいけど、無理だよなあ。