司法の最終判断を担う最高裁裁判官を辞めさせるべきか有権者が意思表示できる2024年の国民審査に、「異変」があった。 形骸化が叫ばれて久しい制度だが、辞めさせたいとする票の割合である罷免率が34年ぶりの高水準に達していた。 ウェブ、SNS(ネット交流サービス)、そしてドラマ――。裁判官や専門家への取材から、意外な理由がおぼろげながら見えてきた。 罷免率、急上昇の怪 11・46%、11・00%、10・52%、10・01%、9・97%、9・82%。 今回の国民審査は10月27日の衆院選と同時に投票された。 前回衆院選(21年10月)後に最高裁裁判官になった6人が対象となり、罷免率は4人が10%を超え、平均は10・46%だった。 国民審査は、有権者は辞めさせたいと考える裁判官に「×」を付け、×の数が有効票の50%を超えれば罷免される仕組みだ。 このため結果としては「全員信任」となったのだが、前回の