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ドラクエ3
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「生きていくの大変じゃないですか?」――そんな実感を出発点に、作家の鈴木みのりさんがこの社会で生活し、生き延びていくための方法を、さまざまな会いたい人に聞きに行く連載が始まります。 お金の話、暮らす場所の選択肢、コミュニティ形成の仕方……。安全を確保しながら生活を成り立たせるためにそれらは必要不可欠ですが、「一つひとつどう対処しながら暮らしているのか?」という具体的な話については、社会におけるマイノリティ性が重なっていくほど、ひらかれた場所で共有されることが少ない状況にあります。この連載では、鈴木みのりさんが自分とどこか近いところがあると感じる人たちに、「実際にどうやっていますか?」と率直に問いかけ、対話を行い、その内容を後日振り返って考察した文章をお届けします。「生きていくの大変じゃないですか?」と感じたことのある人のもとに、届きますように。 vol.1:能町みね子さんと話したい。「生き
言葉にならない違和感が生まれるきっかけになったできごとや、社会に存在する問題まで、ひとつの「問い」を立てて、公募を含めたさまざまな人の声を集める「声のポスト」の企画。複数の声から、それぞれの思いや語りが同時に存在する社会そのものを見つめていきます。 第二次世界大戦の「終戦」から今年で79年。日本は広島・長崎の原爆投下、沖縄の地上戦をはじめとして、あらゆる場所で市民を含む多くの人々が甚大な被害を受けました。そして、太平洋戦争以前から日本が押し進めていたアジア各国や南洋諸島への植民地化・占領などによっても、多くの命が奪われました。先日は広島・長崎の平和式典におけるイスラエルへの対応も話題になりましたが、現在もイスラエルによるパレスチナの人々の虐殺をはじめとした中東における戦闘、ロシアによるウクライナ侵攻など、戦争は今もまさに世界中で起き続けており、「過去にあった話」では決してありません。 自分
年収は高いほうがいい。貯金はあればあるほどいい。お金を持っていればいるほどいい――。いまの社会のなかで、働くこととお金について考えてみようとするとき、当たり前のようになっているそんな価値観があります。しかし一人ひとりに合った働き方や生き方の形は、必ずしもそうした価値観の中だけに存在するわけではありません。 頭に思い浮かんだ不必要な物をつくる「無駄づくり」主宰の藤原麻里菜さんと、リメイクブランド「途中でやめる」を手がける山下陽光さんは、生産性や効率性といった観点からは「不要なもの」とされる価値観を屋号に掲げながら、お金を稼ぎ、暮らしを成り立たせています。そんな二人に話を聞いてみることで、いまよりも自分がもっといきいきと働けたり、我慢や無理をしないで暮らしていけたりするような労働やお金との付き合い方のヒントが見つかるかもしれません。 記事の前編では、好きなことで長く働くための方法、スマホやSN
2023年5月に刊行された、アセクシュアルの著者による経験と、100人のインタビューにもとづくルポエッセイ『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』。本書の刊行を記念して下北沢B&Bで行われたトークイベント「フツーの恋愛、性愛ってなに?」のレポートをお届けします。 イベントに登壇したのは、重なりながらも異なる研究領域を持つ羽生有希さん、中村香住さん、深海菊絵さん、松浦優さんの4名です。 『ACE』の訳者でもあり、クィア・フェミニズム理論が専門の羽生有希さんは、本書が「フェミニズムやクィアスタディーズの議論を一部批判しながら、それをさらに前に進める形で展開している」ことを魅力として挙げました。また、メイドカフェにおける労働についての研究に従事し、クワロマンティック実践についても発信している中村香住さんは、「エースについてのステレオタイプを覆すような非常に豊かな記述であり、これを多
身体も社会もあらゆるものが変わっていく真っ只中を生き、そしていつかこの世界を去っていくことが決まっている人生を生きるわたしたちは、何を拠り所に生き、どんなふうに年齢を重ねていけるとよいのでしょう。そのことについて、「生まれてくることの取り返しのつかなさ」や生死について考えてきた川上未映子さんに聞きたいと思いました。 2011年から2022年までの12年間の日々を書きとめた『深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集』には、40代以降に訪れた心身の変化と、この10年の社会の変化がちりばめられています。さまざまなトピックを横断しながら触れられているのが、「今」というものの再現不可能性。20代、30代の頃とは変わってきたという文章の書き方や、自分を大切にするやり方についても聞きながら、生まれて死んでいくことのその過程を、観念と実践を行き来しながら文章にしてきた川上未映子さんに、今とこれからをど
「話を聞く」ことは、日常のそこかしこにあるありふれた行為ですが、「聞かれていない」という思いが心を翳らせることがあります。そう考えると「聞く」を見つめなおすことが、人の想いや存在がそこに「在る」ことを肯定する行為にもつながるのかもしれません。 今回は、「聞く」という行為をめぐって、翻訳者・ライターの斎藤真理子さんと、映像作家・作家の中村佑子さんをお迎えして話を聞きました。斎藤さんは、日本におけるいまの韓国文学の盛り上がりを翻訳を通して支えてきた立役者でもあり、朝鮮の歴史を丹念に追いながら、隣の国の声を日本に届けてきました。中村さんは、母や病をテーマにしながら、眩しい光のもとではかき消されそうな声や存在にまなざしを向け創作をおこなっています。 文学や映像の分野で活動をしながら、ともに子どもを育ててきた/育てている二人は「聞くことは難しい」と声を揃えます。それでも同時に、他者の声に耳を閉ざさず
新宿3丁目と2丁目の間の並木道沿いに立つ、細長い雑居ビル。その急な階段を5階まで上がった先に、アートギャラリー「KEN NAKAHASHI」はあります。新宿御苑を望む、大きな窓。自然光に包まれた、決して広くはないそのスペースには、けれど、都会の喧騒のなかにぽつんと空いた静寂のような、自分や世界に向き合わせてくれる時間が流れています。 2014年に前身ギャラリー「matchbaco」としてスタート。2016年から現在の名前となったこのスペースを運営するのが、中橋健一さんです。幼少期には陶芸の世界に没頭。一度は金融の世界で働くものの、大病を機にふたたび芸術の道に転じた中橋さんにとって、ギャラリーとは治癒の場であり、アーティストとともに生き方を考える空間でもあるようです。 ギャラリー開始から10年目となる節目のタイミングで、自らのインタビューを一緒につくってくれませんか、と相談をもらいました。「
松本市で文章を書きながら暮らしている星野文月さんと、俳優・ドラマトゥルク・演劇ワークショップなどの活動を行っている有吉宣人さん。4月から松本で同居を始めることになった二人は、「恋愛関係ではない」という前提条件をお互いに交わして暮らしています。「男女が共に暮らす」ということが当たり前に恋愛・性愛関係と結びついているとされがちなこの世界で、呼びようのない関係性を模索する二人が、同じ部屋から日々を綴る連載です。 ・「恋愛関係なしで、私とパートナーシップを築く実験をやってみませんか?」(星野文月) ・自分が男性であることがこわいし、関係性に名がつくことに違和感があるけれど (有吉宣人) 恋愛、というものがわからない、というかどんどんよくわからなくなってしまった。 これが恋愛の状態なのかな? と感じる経験は今までにも何度かあったけれど、そういう最中の自分じゃない感じ、というか、脳や体がずっと何かに支
社会のことから、ごく個人的なことまで。me and youがこの場所を耕すために考えを深めたい「6つの灯火」をめぐる対話シリーズ、「i meet you」。音楽やエッセイ、日記、小説、漫画などさまざまな方法で物語を伝える、韓国・ソウル生まれのアーティストのイ・ランさんにお話をうかがいました。このテキストは、me and youの本『わたしとあなた 小さな光のための対話集』に収録されたものを一部編集しています。 ※この取材は2022年4月に行われました。 この世界に生きる誰かの一日。眩しい光が差し込み、祝福される一日だけではなく、悲しくてやりきれない思いや、生きていくしんどさを抱え、心に蓋をせざるをえない誰かの一日。誰からも慰められたことがないかもしれない一日が、そこかしこに無数にあります。だけど他の人の、あるいは自分自身の仄暗い部分に対して、なるべく気づかないように、見ないように、なかった
映画監督の金子由里奈さんと、ライターでありアナーカ・フェミニストの高島鈴さん。同じ年に3日違いで生まれたという蠍座の二人は、お互いの作品について深い敬意を表す表現者どうしであり、ともに暮らした経験を持つ元同居人でもあります。 今回の対談記事では、金子さんが監督を務めた映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(通称「ぬいしゃべ」)』や、高島さんの著書『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』についてのお話もまじえながら、出会いのきっかけや同居時代のエピソード、そして、二つの作品に共通している「大丈夫じゃない」状態を認めた上で生を肯定する姿勢について、たっぷりとお話をうかがいました。記事の終盤には、今、新しい環境に戸惑う人に届けたい言葉も記載しています。 取材中にふと、「お互いのことになると、しゃべりたいことがいっぱい出てきちゃう」と漏らした二人。時に楽しく、つねに真剣な会話の
1960年代、法律で中絶が禁止されていたフランス。2022年に『ノーベル文学賞』を受賞した作家アニー・エルノーが、当時体験した自身の実話をもとに書き上げた「事件」を映画化した『あのこと』は、望まぬ妊娠をした大学生が、自らが願う未来をつかむためにたった一人で戦う12週間を描いた作品。主人公のアンヌを演じて『セザール賞』を受賞したアナマリア・ヴァルトロメイの来日にあたり、コラムニストの山崎まどかさんがインタビュー。
社会のことから、ごく個人的なことまで。me and youがこの場所を耕すために考えを深めたい「6つの灯火」をめぐる対話シリーズ、「i meet you」。アメリカのZ世代にまなざしを向け、アメリカ事情・カルチャー・アイデンティティにおける変化の現象からこれからの社会のかたちを考える竹田ダニエルさんにお話をうかがいました。このテキストは、me and youの本『わたしとあなた 小さな光のための対話集』にも収録されています。 「世代」という言葉は、「その年代の人々の特徴」を語るためによく使われます。あるいは、マーケティングの用語として耳にすることもあるかもしれません。「世代」とひとことで言っても、一人ひとりの生育環境も、考え方ももちろん異なり、決して個人をひとくくりにはできません。そのうえで、世代の違いによってお互いを「わかりあえない」と感じたり、逆に「世代でくくることには意味がない」とい
言葉にならない違和感が生まれるきっかけになったできごとや、社会に存在する問題まで、ひとつの「問い」を立てて、公募を含めたさまざまな人の声を集める「声のポスト」の企画。複数の声から、それぞれの思いや語りが同時に存在する社会そのものを見つめていきます。 性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか? そんな問いかけからはじまった、me and youがナビゲーターを務める音声コンテンツ『わたしたちのスリープオーバー』が、1周年を迎えました。 できるだけ安心できる場所で、個人的な「性」の経験や感情に向き合う環境をつくること。性にまつわる正しい知識を学び、その知識をもとに、自分で考えはじめてみること。 それによって、人生のどこかのタイミングで「とるにたらないことなのだ」と思ってしまっていた、あるいは社会によって思わされてきてしまった、自分自身の心やからだ、セックス、性差別、セクシュアリ
ジェーン・スーさん&堀井美香さんに聞く安心・安全な場。ここではわたしを貶める人はいないPodcast『OVER THE SUN』。「あ、こういう50歳がいてもいいんだな」と慣れてもらうことをしてる 2024/04/12
社会のことから、ごく個人的なことまで。me and youがこの場所を耕すために考えを深めたい「6つの灯火」をめぐる対話シリーズ、「i meet you」。東京大学でフェミニズム/クィア理論を研究している清水晶子さんにお話を伺いました。このテキストは、me and youが制作中のブック(クラウドファンディングの支援者の方々へのリターンの他、書店でも販売予定)にも掲載予定です。 ここ数年で、SNSではフェミニズムに関する発言が活発になり、国や企業による「ダイバーシティの推進」も進められるようになりました。一方で、異なる考えを持つ人同士のわかりあえなさが浮き彫りになったり、聞こえのいい言葉でフェミニズムやダイバーシティが語られることに対する違和感が生じたりすることも増えているのではないのでしょうか。 女性、セクシュアル・マイノリティ、人種、民族など、これまでの歴史のなかでマイノリティによる規
社会のことから、ごく個人的なことまで。me and youがこの場所を耕すために考えを深めたい「6つの灯火」をめぐる対話シリーズ、「i meet you」。歌人、エッセイスト、批評家、絵本の翻訳などさまざまな領域で活動する穂村弘さんにお話をうかがいました。このテキストは、me and youが制作中のブック(クラウドファンディングの支援者の方々へのリターンの他、書店でも販売予定)にも掲載予定です。 「わかりあえた」と思える瞬間は、心地よさや救いをもたらすこともある一方で、強力な共感の磁場は時に同調圧力として働くこともあり、また、何かについてわかりきったと感じてしまうことは、他者や物事の複雑さを単純化することにもなりえます。 歌人の穂村弘さんは、世界に対して「馴染めなさ」や「わからなさ」を抱え続けるなかで、恐れ、震えるような「驚異(ワンダー)」の感覚と相性のよい短歌の形式で作品をつくり続けて
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