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ドラクエ3
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アフガン・ハウンドの「ホープ」は、飼い主のヘンリーさんと同じワイルドな毛だ。英国の写真家ジェラード・ゲシングス氏は、飼い主に似ているイヌをテーマにした写真シリーズの一環として、このペアを撮影した。(Photograph by Gerrard Gethings) 世界中でおこなわれた15の研究をレビューした最近の論文で、イヌとその飼い主は見た目と行動が似ているだけでなく、共に過ごす時間が長くなるにつれて性格の類似性が深まっていくことが示された。論文は2024年9月29日付けで学術誌「Personality and Individual Differences」に掲載された。イヌは飼い主に似るという説を裏付ける科学的根拠がまたひとつ加わった。 多くの研究で、ボランティアの被験者にイヌと飼い主の写真を正しく一致させられるかを調査していた。その結果、正解の割合が偶然の確率(チャンスレベル)を上回る
ネコがニャーと鳴くのは人に対してだけだが、何を言わんとしているのかを理解するのは難しい。(PHOTOGRAPH BY MARTIN POOLE, DIGITALVISION / GETTY IMAGES) 「ネコにはボキャブラリーがあります。そして、注意を払っていれば、飼いネコをより理解できるようになります」と言うのは、飼いネコのニーズを理解する「最高のツールの提供」を目指したAI(人工知能)アプリ「にゃんトーク(MeowTalk Cat Translator)」の生みの親であるセルゲイ・ドレイジン氏だ。にゃんトークは無料アプリで、飼いネコの鳴き声を録音すると、「イライラしてる(I’m annoyed)」「餌ちょうだい!(Feed me!)」など、短いせりふに翻訳してくれる(編注:一部サービスは有料)。 翻訳の精度を評価できるようになっており、それによってコンピューターモデルが改良されてい
2022年6月29日、米国アイダホ州ヘイリーのフリードマン記念空港を移動中のプライベートジェット。毎年7月になると、世界で最も影響力のある人々がサンバレー会議に出席するためにプライベートジェットでやってくるため、この小さな空港は危険な3Dテトリス状態になる。(Photograph by Ellen Hansen, The New York Times/ Redux) プライベートジェットの利用が急増している。11月7日付けで学術誌「Communications Earth & Environment」に発表された論文によると、プライベートジェットからの二酸化炭素(CO2)排出量は2019年から2023年までの間に46%も増えており、その最大の要因は超富裕層による利用だ。 この研究によると、2019年から2023年までのプライベートジェットでのフライトの約半数が自動車での移動も可能な500キ
2005年8月29日に米国に上陸したハリケーン・カトリーナは、米史上最大級の被害を出した。こうした災害の被災地では幽霊の目撃談がたびたび聞かれる。 (Photograph by Erika Larsen, Redux) 奇妙なことに、壊滅的な森林火災、ハリケーン、記録的な洪水の後などには、幽霊を見たという話を実際によく聞くようになる。これには、自然災害によって大きな被害を出した地域の人々が受けるトラウマが関係しているようだ。 悲しみは脳に強い影響を与えると話すのは、災害精神医学の専門家レスリー・ハートリー・ギース氏だ。「愛する人を亡くした後、その姿を見たり声を聞いたりしたという人は多いです。そして、自分は頭がおかしくなったのだと思うのです」。ギース氏は、2023年にハワイで発生した山火事の生存者のカウンセリングを行った。(参考記事:「【解説】ハワイ王国の古都ラハイナで焼失した歴史的遺産」)
生物多様性が危機にあることを示す国内、国際2つの報告書が10月に相次いで発表された。 環境省と日本自然保護協会は、里山や里地に生息する鳥や蝶(チョウ)など身近な生物の個体数が急速に減少していることを示す報告書を10月1日に発表した。長期間にわたる大規模全国調査の一環の結果で、鳥類ではスズメやオナガなどの種が、また蝶類では国蝶のオオムラサキといった以前はなじみ深かった種が、絶滅危惧種認定基準以上の減少率であることが明らかになった。 また、世界自然保護基金(WWF)は生物多様性の豊かさを示す指数が、自然環境の損失や気候変動により過去50年で73%低下したとする報告書を10月10日に発表。生態系は回復不可能な状況に近づいているなどと強い危機感を示した。 気候変動や森林破壊・環境汚染といった人為的要因によって絶滅の危機に瀕している生物は増え続けている。国連・生物多様性条約第16回締約国会議(COP
2024年7月19日、米シアトルで開催された音楽イベント「キャピトルヒル・ブロック・パーティー」で、チャペル・ローン氏のパフォーマンス中に最前列に集まったファンたち。ローン氏は同年にブレイクしたポップスターだが、8月に「ファンによる行き過ぎた行為に迷惑している」と発言し、セレブとファンとの距離感をめぐる論争を引き起こした。(Photograph by Chona Kasinger, The New York Times, Redux) 2024年にブレイクを果たしたポップシンガーのチャペル・ローン氏が、ファンによる行き過ぎた行為(ストーカー行為、望まない接触、彼女の友人や家族の安全を脅かすような接触)に対して8月に声を上げると、有名人とファンとの関係、いわゆる「パラソーシャル関係」の弊害について大論争が巻き起こった。 一般にパラソーシャル関係とは、例えば、一ファンが有名人を愛していても、有
アフリカゾウの子どもの中には、まれにおとなのゾウの糞を食べるものもいる。消化を助ける酵素を摂取しようとしているのかもしれない。(Photograph By Jasper Doest, Nat Geo Image collection) うんちが私たち人間のメニューに載ることはまずないが、多くの動物にとって、うんちは普通の食べ物だ。 科学者たちは、シカがアジアゾウの糞(ふん)を、イヌやキツネザルが人間の大便を、サラマンダーがコウモリのグアノ(糞化石)を食べていることを確認している。スペインのグアラ山脈ではメスのヤギがハトのグアノを食べているし、ブラジルの大西洋岸森林では、ネズミやオポッサムがカワウソのトイレを訪れて糞を食べている。 タンザニアで行われた研究では、ズキンハゲワシは、新鮮な死骸よりもタンパク質を豊富に含むライオンの糞に強い関心を示したという。2023年5月に学術誌「Vulture
北極圏の気温は地球上で最も急速に上昇しており、そこに暮らす動物たちに困難をもたらしている。(PHOTOGRAPH BY OLE JORGEN LIODDEN/NATURE PICTURE LIBRARY) ホッキョクグマはワモンアザラシを狩るため、海氷を何キロも歩き、氷の割れ目や穴を探す。しかし、一部の地域で、氷がホッキョクグマの足を傷つけていることが明らかになった。北方に暮らす2つの集団が裂傷、脱毛、皮膚の潰瘍、そして、毛皮と主に足への着氷に苦しんでいるという報告が、10月22日付けで学術誌「Ecology」に発表された。ひどい2頭の例では、肉球に最大直径30センチの氷塊が着き、出血を伴う深い切り傷を負い、歩くのも困難な状態だった。 論文の著者は、米ワシントン大学の生態学者クリスティン・ライドラ氏とカナダ、ヌナブト準州環境局の野生生物学者スティーブン・アトキンソン氏だ。 アトキンソン氏は
ブルネル氏の写真プロジェクトからの一枚。同プロジェクトは、見ず知らずの他人同士がなぜそれほど似ているのかについての研究に活用されている。(Photograph by François Brunelle, @francoisbrunelle.doubles) 先日、米ニューヨークのワシントンスクエア公園で開催された「ティモシー・シャラメそっくりさんコンテスト」には、数千人の人々が集まり、警察も出動するほどの大騒ぎとなった。人気俳優に驚くほど似ている人たちが、なぜ大勢存在するのだろうか。そして、血縁関係がないにもかかわらず、生き写しと思われるほどよく似ている人々の遺伝子は似ているのだろうか? はたして性格は? 行動はどうなのか? など、この機会にそっくりな人を研究してわかったことを紹介しよう。(参考記事:「双子が明かす生命の不思議」)
イラクにあるシャニダール洞窟で数十年前、ネアンデルタール人の遺骨9体が発見されたことがきっかけで、ネアンデルタール人が意図的に死者を埋葬していたのかをめぐる議論が持ち上がった。(Photograph by Younes Mohammad, Middle East Images/Redux) 石器時代、ほぼ移動生活をしていた人類は、自分たちの縄張りを示す手段をほとんど持っていなかった。しかし、中東のレバントと呼ばれる地域で発見された古代の埋葬跡を分析した結果、現生人類であるホモ・サピエンスとネアンデルタール人がそれぞれ死者を埋葬し、その場所を、自分たちの土地であることを示す目印にしていたのではないかとする論文が9月6日付で学術誌「L'Anthropologie」に発表された。 「死者の埋葬というイノベーションは、実はレバントで始まりました」と、イスラエル、ハイファ大学の考古学者オムリー・バル
食べ物のことばかり考えてしまう「フードノイズ」を、肥満治療薬で軽減できるという報告がある。(Photograph by Edwin Tan, E+ via Getty Images) 精神を疲弊させ、日常生活に支障が出るほど食べ物のことばかり考えてしまうことを「フードノイズ(食べ物の雑音)」という。これは、新しい概念でもなければ、診断名でもない。しかし、糖尿病治療薬「オゼンピック」や肥満症治療薬「ウゴービ」といったGLP-1受容体作動薬に、フードノイズを抑え、人によっては完全に消してしまう驚きの副次的な効果があるという報告が医療者や患者から出てきており、注目を集めている。 「GLP-1薬を投与したら、それまで食べ物のことばかり考えていたのに、心がとても落ち着いたと報告してくる患者がたくさんいます」と話すのは、肥満医学の専門家で、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の医学・医学教育学教
ヘモグロビンのおかげで、赤血球は肺と体内の全細胞との間で、酸素と老廃物である二酸化炭素を運ぶことができる。鉄分はヘモグロビンに必須の成分であり、十分な量がない場合、細胞の酸素需要を満たすことが難しくなる。(Micrograph by Susumu Nishinaga, Science Photo Library) 世界では20億人以上の人々が鉄分不足に悩まされている。鉄分はいくつかの重要な体の機能にとって欠かせないミネラルであり、不足している人は、疲労感、息切れ、めまい、頭痛といった症状、さらには心臓病などを経験することが少なくない。 鉄分不足はあらゆる年齢の男女がなりうるが、妊婦など特に影響を受けやすい人々もいる。鉄分不足を放置すると、貧血、つまり健康な赤血球の不足へ容易に進行する。鉄分の不足は、貧血の原因として最も一般的だ。厚生労働省の令和元(2019)年国民健康・栄養調査によれば、日
長距離レースならヒトはウマと互角に渡り合える。それほどの持久力をヒトはなぜ備えているのだろうか。(Photograph by Gerard Lacz, VWPics / Redux) 35歳のニコール・ティーニー氏の足は鉛のように重く、肺は呼吸するたびに焼けるようだった。50マイル(約80キロメートル)のウルトラマラソンは、最終コーナーにさしかかっていた。彼女は疲れ切っていたが、後続のランナーがすぐ後ろにいるので、ペースを落とすわけにはいかなかった。何しろこれは普通のレースではない。ティーニー氏の後ろを走っているのはヒトではなくウマだった。彼女はウマと競走しているのだ。 彼女にとってこのレースは、不可能とも思えることを成し遂げる5年間におよぶ努力の総仕上げだった。ゴールに近づく頃には「体は勝手に動いていた状態でした」と彼女は言う。「いちど立ち止まったら、再び走り出すのは難しいだろうと分かっ
ビールに独特の味と香りを与えるホップ。細胞や動物を対象とした研究では、ホップの成分が健康効果をもたらす可能性が示唆されている。(Photograph by David Levene, eyevine/Redux) 毎年、オクトーバーフェストなどの秋の祭事が盛り上がる時期には、ビールが脚光を浴びる。近年、この飲料には科学者からの注目も集まっている。なぜなら、ビールの原料のひとつであるホップには、健康を促すさまざまな性質があることがわかってきたからだ。(参考記事:「9月なのになぜオクトーバーフェスト? 世界最大のビールの祭典」) ビールの健康効果では「ホップこそが主役です」と、米カリフォルニア大学デービス校のビール醸造科学教授グレン・フォックス氏は言う。実験室内での数多くの研究や、少人数ながらヒトを対象にした小規模研究からは、ホップに含まれる物質には抗菌、抗腫瘍、抗炎症、血糖値の調整といった幅
私たち人間とイヌの関係は何万年も前にさかのぼる。確認されている最古のイヌの化石は、1万4000年以上前のものだと考えられている。写真は、イヌを連れた男性の絵がひつぎ(サルコファガス)に描かれたもの。(Photograph by Richard Barnes) イエイヌ(Canis lupus familiaris)の進化は長い期間にわたって起こった。その間、オオカミとイヌは交雑を続けたため、イヌ科動物の化石やDNAの分析は難しい。氷河期のオオカミとイヌの化石の中には、「初期イヌ(incipient dog)」と呼ばれるものがある。完全なオオカミでもイエイヌでもなく、その中間的な進化の初期段階のものだ。 初期イヌのうち、記録上最古の化石のものの1つは、1860年代にベルギーのゴイエ洞窟で発見された大きな頭蓋骨だ。この化石の年代は約3万6000年前で、現代のオオカミよりは先史時代のイヌに近く、
多くの鳥は一夫一妻のつがい関係を結び、雌雄共同で子育てをする。つがいの雌雄は仲がよく、協力し合っているように見える。しかし、つがいは仲がよいなどというのは人間の幻想にすぎず、オスとメスは相手を利用して、いわば利己的にふるまっている。 鳥はオスもメスも、一羽だけでは子を残すことができない。受精が必要なだけではなく、両親で餌を運ばないとヒナを育て上げることのできない種が多いからだ。 体温を保つことのできない、ふ化後間もないヒナなどは、抱いて温めることと餌をとってきて与えることの両方が必要となる。一羽で世話をできるはずがない。自分の子を残すためには、パートナーとの共同作業が必要となる。「子はかすがい」のたとえの通り、子育てのためにつがいの絆が維持されるのである。
2024年の秋から東京・上野の国立科学博物館(科博)で開催される特別展「鳥~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~」。科博初の鳥をテーマとする特別展で、最新の系統分類をもとに600点以上の世界の鳥が展示される。同展の監修者が鳥の魅力、不思議やひみつなど、展示の背景にある興味深い鳥の世界を紹介する(編集部)。
カエルの絶滅種Notobatrachus degiustoiのオタマジャクシとおとなの復元図。現在のアルゼンチン、パタゴニア地域の水たまりに暮らしていた。(ILLUSTRATION BY GABRIEL LÍO) これまでで最も古いオタマジャクシの化石が発見された。外見はおなじみのオタマジャクシとそっくりだが、1つだけ違いがある。巨大なのだ。場所はアルゼンチンのサンタクルス州で、研究チームは10月30日付けで学術誌「ネイチャー」に論文を発表した。化石は1億6800万〜1億6100万年前のものだと推定されており、これまでの記録を3000万年ほど上回る。 この発見は、カエルが少なくとも1億6100万年の間、オタマジャクシの段階を経てきたことを示す確かな証拠だ。「多くの専門家が考えていたことが見事に証明されました」とドイツのボンにあるライプニッツ研究所の爬虫両生類学者アレクサンダー・ハース氏は話
動物園で眠るジャイアントパンダの赤ちゃんを一目見ようと、来園者たちが群がっている。 私たちは、絶滅寸前だったジャイアントパンダのように、かわいいと思う種の保護活動に投資する傾向が強い。(Photograph By Ami Vitale, Nat Geo Image Collection) コビトカバの「ムーデン」やキングペンギンの「ペスト」、フタユビナマケモノ の「モレ」、アザラシの「ビスケッツ」など、動物園や保護施設にいる動物のかわいい赤ちゃんを、インターネットは瞬く間に人気者にする。しかし、私たちがかわいいものを見たとき、脳の中では何が起こっているのだろうか? なぜ私たちはSNSでかわいいものを他人と共有したいと思うのだろうか?(参考記事:「話題のコビトカバとはどんな生きものか、普通のカバとどう違う?」) 「私たちがかわいさを求めるのは、それが気持ちいいからです!」と、中央大学の教授で
妊娠は足にも負担をかける。むくんだり歩き方が変化したりするだけでなく、靴のサイズが大きくなったまま元に戻らなくなることもある。(Photograph by Alex Brosa, Getty) 妊娠すると足が大きくなり、出産後も元に戻らなくなることがある。なかには、靴のサイズが0.5~1センチ変わってしまう人もいる。変わるのは大きさだけではない。多くの女性は、妊娠中に足のひどいむくみや歩行の変化、扁平足(へんぺいそく)などを経験する。この問題は今まで見過ごされがちだったが、もっと真剣にとらえるべきだと、一部の科学者たちは警告している。 「妊娠も一時的な状態だから、出産すれば(足も)元に戻るはずだと軽く考える医師がいます」と、米アイオワ大学の整形外科・リハビリテーション学准教授であるニール・シーガル氏は言う。しかし、そうではない女性も多くいることは、これまでの研究で示されている。 そこで、妊
女優マーガレット・ハミルトン扮する『オズの魔法使い』の「西の悪い魔女」のスクリーンテストの様子。先の尖った黒い帽子をかぶり、顔にはイボという姿。この画像は、悪役魔女の象徴的な緑の肌に敬意を表してカラー処理したもの。(Photograph by WARNER BROS MGM / RGR Collection / Alamy) 古代ヨーロッパの多神教に基づくウィッカを信仰するジャーナリストのマーゴット・アドラー氏は著書『Drawing Down the Moon: Witches, Druids, Goddess-Worshippers, and Other Pagans in America(月に導かれて:米国における魔女、ドルイド、女神崇拝者、その他の異教徒たち)』で、こう書いている。(参考記事:「魔女の魔術に呪文詠唱…米国で人気急上昇の『ペイガニズム』とは」) 「『魔女』という言葉は、
ビタミンやミネラルを豊富に含むナッツ類には、血圧を下げ、認知機能を向上させ、コレステロール値を下げるなど、多くの健康効果がある。アーモンドは食物繊維が豊富で、クルミは心臓に良いなど、種類ごとの効果を知っておくことは有益だ。(Photograph by Tanja Ivanova, Getty) ナッツ類にビタミンやミネラルが含まれていることはほとんどの人が知っているが、どんなふうに健康に良いかについてはどうだろうか。ナッツ類を取ることには、がんリスクの低下、骨の強化、血糖値の安定化による糖尿病リスクの低下などの効果がある。2019年に学術誌「Advances in Nutrition」に発表された研究によると、毎日28gのナッツ類を食べることで、心血管疾患のリスクが21%も下がるという。 最も驚くべきは、ナッツ類はカロリーが高いにもかかわらず、適量の摂取であれば体重増加を促さないことかもし
第2次世界大戦時代の爆撃機「ホルテンHo229」の実物大の複製。この複製を製造したのは世界トップクラスのステルス爆撃機の専門家たちだ。 ノースロップ・グラマン社の復元プロジェクトチームは、この複製を用いて、“ヒットラーのステルス爆撃機”が第2次世界大戦時代のレーダーに対して、本当にステルス性能を持っていたのか調査した。その結果、実際にレーダー回避能力を持っていることが判明した。ただし、設計者にその意図があったのか偶然なのかは、謎として残っている。 Photograph by Linda Reynolds/Flying Wing Films 忘れ去られていたナチスドイツの先進的な戦闘爆撃機が、現代のステルス爆撃機の専門家たちの手により復元された。第2次世界大戦当時、ドイツの科学力は未来的な戦闘爆撃機「ホルテンHo229」を生み出したが、実戦配備には間に合わず、量産にまでは至らなかった。 今回
トゥグンブラクは、近年発見されたばかりのシルクロード沿いの中世の山岳都市だ。ドローンを用いたリモートセンシング技術のライダー(LiDAR、光による検知と測距)調査により、この都市の城壁や防御壁の存在が明らかになった。(Imaging by SAlElab, J. Berner, M. Frachetti) ナショナル ジオグラフィック協会から資金提供を受けた研究チームが、かつてヨーロッパと東アジアを結ぶ交易路として栄えたシルクロード沿いの標高2000~2200メートルの高地で、これまで知られていなかった中世都市の遺跡を発見したとする論文を2024年10月23日付けで学術誌「ネイチャー」に発表した。 ウズベキスタン南東部の山岳地帯でドローンを用いたライダー(LiDAR、反射光を利用して詳細な3D地図を作成するリモートセンシング技術)調査を行い、6世紀から11世紀にかけて繁栄した2つの都市の様
最新の研究によれば、週末に1日か2日運動するだけでも、1週間を通して規則的に運動するのと同じくらい病気の予防効果があるという。(PHOTOGRAPH BY DINA LITOVSKY, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 忙しい1週間に運動する時間を組み込むのが大変だという人は、あなただけではない。だが2024年9月26日付けで医学誌「Circulation」に発表された最新の研究によれば、1週間の1日または2日に150分(2時間半)以上の運動を詰め込むいわゆる「週末戦士」には、150分以上の運動を週全体に分散させる人と同じくらいの健康効果があるという。どちらのグループも糖尿病、高血圧、精神疾患を含む200以上の病気のリスクが減っていたと判明した。 「身体活動は多くの病気のリスクに影響を与えることが知られています」と、論文の最終著者であり、心臓電気生理学と循環器学を専門とす
オリエントスズメバチは濃度80%のアルコールを代謝できることが、新たな研究でわかった。(PHOTOGRAPH BY NITZAN COHEN) 人間は通常、楽しみやストレス解消のために酒をたしなむ。一方、天然のアルコール(エタノール)を摂取する動物もいるが、主にカロリーのためだ。エタノールに含まれるカロリーは、砂糖のほぼ2倍。しかし、大半の脊椎動物は4%を超える濃度のエタノールを摂取すると悪影響を受ける。 ところが、アジア、アフリカ、ヨーロッパに広く生息するオリエントスズメバチ(Vespa orientalis)は80%という高濃度のエタノールを代謝できることが実験で明らかになった。論文は2024年10月21日付けで学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された。(参考記事:「“太陽光発電”するオリエントスズメバチ」) 自然界では、植物の果実や花蜜などが腐敗・発酵するときにエタノ
「ウーパールーパー」「アホロートル」とも呼ばれるメキシコサラマンダーは、飼育下での繁殖が簡単で、老化や再生医療の分野で人気の研究対象となっている。(Photograph by Iva Dimova, iStock / Getty Images Plus) 人間にとって、老化は避けられないものだ。しかし、かわいらしい姿で人気の両生類メキシコサラマンダー(ウーパールーパー、アホロートルとも)は、どうやらその運命をある程度回避できているようだ。査読前の論文を投稿するサーバー「bioRxiv」に発表された新たな研究により、わずか4歳で彼らの「老化時計」の一種である「エピジェネティック・クロック」が止まることが明らかになった。 メキシコサラマンダーはおとなになっても巨大な赤ん坊のような外観をしている。見た目が若々しいだけではない。絶滅の危機にひんしているこの生きものは、体の衰えや病気をほとんど経験せ
出血性脳卒中患者の脳内の出血(中央右の赤い部分)を示す、MRA(磁気共鳴血管撮影法)による彩色3D画像。動脈はピンク色で示されている。(Image by Zephyr/Science Photo Library) 脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)になる人が世界中で増えている。かかった後の生存期間は以前よりも長くなり、生存率も上がっている一方、患者の年齢層は若くなりつつある。 2024年10月号の医学誌「Lancet Neurology」に掲載された新たな研究によると、脳卒中後に生存している人は世界中で増えており、70歳以上の成人では発生率や有病率が増えていないどころか、むしろいくらかの減少が見られる。しかし、若い成人、特に55歳未満では脳卒中の発生率が増えているという。 「脳卒中は何歳であろうともかかる可能性があると知っておくことは重要です」と、米疾病対策センター(CDC)傘下の米国
最近の研究では、関節過可動性の人は、新型コロナウイルス後遺症や、体位性頻脈症候群、肥満細胞活性化症候群、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群といった慢性疾患を発症するリスクが高いことが示唆されている。(Photograph by Inge Nandrup-Bus, Getty Images) 体の関節が普通よりも柔らかいことを、「関節過可動性」または「二重関節」というが、個人差は大きい。単に手足を人より大きく広げられる人もいれば、何度も脱臼を繰り返す人もいる。手足の可動域が広いだけなら、パーティーの話題作りにちょうどいいかもしれないし、ダンサーや体操選手なら有利になることもある。 しかし、多くの人にとって、関節過可動性は結合組織(全身の組織どうしをつないで体を支える組織)が弱いことを示しており、それが慢性的な痛みや胃腸障害など、さまざまな健康問題を引き起こすことがある。 さらに、新型コロナウイル
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