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衆院選
okamoto7.hatenablog.com
明日から『グラフとネットワーク』という講義が始まるので,いろいろと思うことを書いておく. まず,このような授業をやることを依頼されて,それでシラバスとか考えて,立ち上がったわけだけども,この講義の名前が『グラフ理論』になりそうだったが,それは避けられた.もっとも,『グラフ理論』をやってもよいわけだし,私が『グラフ理論』の講義をすることもできるし,実際『グラフ理論』の講義もやったことがあるのだけれども,この『グラフとネットワーク』は「グラフ理論」の講義ではない.実際依頼された内容を考えれば『グラフ理論』などという名前を付けることは,学生に対して間違った印象を与えるだけで,害悪であるとさえ思える. よく大学の講義名に「○○」のあとに「理論」をつけて『○○理論』としてしまうものがあるが,それが本当に「○○理論」なのかどうかということを反省する必要がある.日本の大学において『グラフ理論』という名前
英語の発表で「Future works」と書いてあったり,話していたり,そういうことがあるが,正しくは「Future work」だと思う.個人的な感覚なのかもしれないけど. 「Future work」は今後の研究内容のことをいうけど,「works」と複数形になっていると作品を意味しているように見えるから「Future works」は今後の作品になる(と思う). 関連して,Douglas Westの「The Grammar According to West」はとても参考になる.
今日が締切だということに気づいていなかったので忘れるところだった.なんとか提出. 全然進まない.査読者のいってることが分からなくもないけど,よく分からない. グラフ理論―連結構造とその応用 (基礎数理講座) 作者: 茨木俊秀,石井利昌,永持仁出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 2010/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 90回この商品を含むブログ (1件) を見る 「グラフ理論」というタイトルだけども,内容は「グラフ・アルゴリズム」である.しかも,フロー,カット,連結度に焦点を絞ったもので,かなりマニアック (褒め言葉) である.こういう高度な内容のものが日本語で読めるということは嬉しいことだと思う.中身はちゃんとしてる気がするので,第1章をうまく読み飛ばせば,セミナーの輪講にあってるのではないかと思う.
指名を受けたので記事書こうかと思ったけど, okamoto7先生ので十分だと思ったので止め. (id:smoking186さん) えー. もうこの話題関連から抜け出せなくなってるのかも.若干古いところから引いてきますが. 不正確だったり自己流の表現だから悪いという人は、「わかりやすさ」というものの本質を理解していない。「わかりやすさ」とは突き詰めれば「不正確さ」だ。厳密に正しい説明をするとわかりにくいから、あえて不正確に表現して分かりやすくする。 http://mechag.asks.jp/131404.html あえて極論っぽく書かれてるのかもしれませんが,「不正確でいる」ことと「端折る」ことは全然違うと思うんです.はい. それと,不正確な記述をしていることを意識しているかそうでないか,とか,不正確な部分に疑問を抱かれたときにそれを正確にできるかそうでないか,とか,そういうことが重要なの
アルゴリズムを語る上で,次は重要だと思ってます. アルゴリズムは数学的な抽象概念で,それをコンピュータ上に実現したものがプログラムである.抽象的なアルゴリズムと具体的なプログラムは分離されなくてはならない.さらに,プログラムはそれが採用するプログラミング言語に大きく依存する. アルゴリズムについて数学的に証明すべきことは「正当性」と「計算量」であり,それらは分離されなくてはならない.さらに,それらはアルゴリズムや問題が採用する計算モデルと計算量評価モデルに大きく依存する. 思考を明確にするためには,分離できるところをとことん分離していく立場を取ることが重要だと思います (いわゆる「分析」). ということを前提として,「私ごときがアルゴリズム本を書くことにした訳」にdankogaiさんからコメントをいただいたので,私見を述べます. 「裸のアルゴリズム」が正しいか否かを証明するのは、数学の証明
京都にいたのは2時間ぐらいでした.京大からタクシーをひろって駅までいこうとした直前に京大のH氏に出会い,立ち話をしそうになったので,「新幹線に乗らないといけないから」といってなんとか振り切ろうとしましたが「新幹線なんか遅れてもいいじゃん」というような理由になっていないような理由で引き止められ,2分ぐらい立ち話をしてしまったため,京都駅で猛ダッシュをしてぎりぎり新幹線に乗れたところだったので,かなり疲れました. その後,コマゼミに予定通り到着.品川駅でも走ったため予定よりも早く駒場に着きました. 久々のコマゼミは楽しかったです. f(n)=f(n-1)+f(n-2)という式で定義されているとすれば,2次元ベクトルv(n)=(f(n), f(n-1))^Tを定義して,2行2列行列Aを第1行が(1,1),第2行が(1,0)となるように定義すれば.v(n)=Av(n-1)という線形漸化式が成り立つ
影響力がありそうな方の次のエントリ2つを見て, プログラマーでなくても名前ぐらい覚えておきたいアルゴリズムx10 アルゴリズム百選 - フィボナッチ数列にO()を学ぶ アルゴリズムについてこうなんというか不正確な記述がたくさんあって,書いている本人が理解してるかどうかも判断しにくい文章にたくさんブックマークがついていて,しかもそのような方がアルゴリズムに関する書籍を執筆しようとしているという状況がなんかこわいです. 明日の発表準備を終わらせた.自分がよく理解していないところもあるので,もう少し予習しないと.
他にすることがいろいろあるような気がするけども,最近あまり論文を読んでいないと思い,とりあえずInformation Processing Lettersの今年上半期の目次と興味のあるアブストラクトを眺めてみることに. Simple deterministic wildcard matching Peter Clifford and Raphael Clifford Information Processing Letters Volume 101, Issue 2, 31 January 2007, Pages 53-54 http://dx.doi.org/10.1016/j.ipl.2006.08.002 文字列マッチングでテキストとパターンの両方にワイルドカードを許し,ワイルドカードを高々1つ許容するパターン生起を全部正確にdeterministicに求めるアルゴリズム.テキスト長
1+2+...+n = O(n) となることをいまから証明しますが,もちろんこれは間違っています. (真実は 1+2+...+n = n(n+1)/2 なので.) どこがまちがっているでしょう?というのがクイズです. 証明 nに関する数学的帰納法. n=1のとき,左辺は1で右辺はO(1).1=O(1)なので成立. n>1のときを考えると,1+2+...+n=(1+2+...+(n-1))+n = O(n-1)+n = O(n)+n = O(n). ここで,「1+2+...+(n-1)=O(n-1)」という帰納法の仮定を用いた. 証明終 このクイズはいろいろ示唆に富んでると思うのです.考えてみてください. (誰に向かって言ってるのか不明ですが.) 数学セミナー 2007年 11月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2007/10/12メディア: 雑誌 クリック: 4回この商
なんか日常的な生活に戻ったかも. 12月に東工大で行なわれる最適化ワークショップで講演させていただくこととなった. チュートリアル的なもの,ということなので,最近考えている「組合せ最適化理論の三次元描像」というタイトルで組合せ最適化の理論家がどのような考え方をするのかということの私見を講演してみたい. いまのところ予定している内容は以下の通り. 組合せ最適化の理論は「問題指向」のアプローチを取る.これは問題が与えられてから,それに対してどのようにアプローチをしてアルゴリズムを設計するか考える方向.それに対してメタヒューリスティクスや遺伝的アルゴリズムの研究は「アルゴリズム指向」のアプローチを取ってるのではないだろうか?つまり,まずアルゴリズムありきで,それを問題に対してどのように適用するのか考える. 組合せ最適化の理論は問題を分類しようとする.まず,問題がうまく解けるかどうかの分類を行なう
オンラインアルゴリズムとストリームアルゴリズム (アルゴリズム・サイエンスシリーズ―数理技法編) 作者: 徳山豪出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2007/08/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 38回この商品を含むブログ (11件) を見る ようやく目にすることができました. 今年度は既にいろんなところに行き過ぎで,書籍すら買う余裕がなさそうなので未購入だけど,何とかして読みたいです. ぱらぱら立ち読みしたところ,本論と関係ないあとがきやまえがきや補足のところが個人的には好きです. まぁ,本論はぱらぱら読んだだけでは分からないので仕方ないですが. ちなみに,オンラインアルゴリズムとは一言でいうなら「分からない未来に対するアルゴリズム」で,それを統計的に扱おうとすると予測理論になるのですが,そうではない形で理論展開するところが面白いわけです. 一方,ストリームアルゴリズム
高等学校情報/情報の科学/負数と小数のデジタル表現 - Wikibooks の「関連する用語」の記述がひどい,と私の中で話題に. そこでは次のように書かれています. さて、情報科学で「ガロア体」(ガロアたい)という用語があるのだが、その正体は、単なる合同式、もしくは、その合同式の理論を必要に応じて定義拡張しただけのものである。 ガロアというと、数学史などでも紹介される偉大な天才数学者だが、しかし「ガロア体」という用語は、かってに情報科学者どもが使ってるだけな用語なので、もし大学などでガロア体という用語を聞いたら「でも単なる合同式だろ」と読者は脳内で置き換えよう。 ※ けっして独自研究でwikibooks編集者の「『ガロア体』なんて概念は無駄だし、存在しない」とか(独自研究で)言ってるのでなく、出版社名は忘れてしまったが2001年ごろに出版されていた離散数学(りさんすうがく)の大学1年レベル
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