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衆院選
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2018.12.05 第354回 長短金利逆転はリセッション入りを予知するのか カテゴリ:カテゴリ未分類 12月4日の市場では、ダウ平均株価は約800ドルの急落となりました。米国債3年物の利回りが高く、5年物の利回りが低くなるという、長短金利の逆転が11年ぶりに発生。これが将来のリセッション(景気後退)入りのシグナルととらえられ、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領追悼で翌日の市場が休場だったこともダウ急落を後押ししました。リセッションによって貸し出しがこげ付いたり、長短金利差の縮小、逆転で金利収入が確保できなくなるとの懸念から、特に銀行株セクターは軒並み5%近く下落しました。しかし、そもそもこの長短金利逆転、本当にリセッション入りを占うにあたって正しいシグナルなのでしょうか。 確かに過去50年を振り返ると、米国債2年物と10年物の利回りの逆転が起きると、しばらくしてリセッションが訪れるとい
2015.06.29 第330回 ギリシャ問題、今後の展開を考える カテゴリ:カテゴリ未分類 (この原稿は日本時間6月29日(月)午前5時現在の情報を元に執筆しています) 膠着状態が続いていたギリシャ問題は先週末、大きな展開を見せました。週末のEUとの会合を前にした26日金曜夜、ギリシャは突然、債権者からの提案を受け入れるかどうかの国民投票を実施することを発表。ゲーム理論的に言えば「囚人のジレンマ」状態に陥っていた両者ですが、ギリシャの出方が決まったことで、ほぼ自動的にEUの出方も決まることになり、EUは全会一致でギリシャへの救済措置を6月30日で終了させることを決定しました。私はここ数ヶ月間、ギリシャ情勢について聞かれることがあっても、あまりに政治色が強くコメントを控えてきたのですが、この決定で今後の、少なくとも中長期的な展開が見えてきたような気がします。 3年前になりますが、2012年
2014.11.15 第325回 消費税増税と追加緩和:「そもそも」を考える カテゴリ:カテゴリ未分類 日本ではここに来てようやく、消費増税が見送られ、日銀が追加緩和に踏み切るという、正しい方向に経済政策の舵が切られようとしています。日本の経済政策決定において常々感じていることなのですが、我々のように金融・ファイナンスの世界に居る人間からすると当然と思われることでも、経済の専門家である経済学者やエコノミストの一部の方にはそう映っていないことが多く、それ故に賛成と反対が拮抗し、最悪の場合には正反対の政策が取られてしまうケースが日本では多々あります。 そしてそれは多くの場合、経済を近視眼的に見てしまい、「そもそも」という視点が失われていることから来ることによるものだと考えています。例えばそもそも、経済を成長させるにおいて必要な要素は何でしょうか?最も重要な要素の一つは、人間が心理的に、昨日より
2014.09.05 第322回 アメリカ株式の適正水準は? カテゴリ:カテゴリ未分類 8月下旬、ダウと並ぶアメリカの代表的株価指数であるS&P500指数が初めて2,000の大台に乗せました。金融危機のときには一時683まで下げていましたから、その後5年半で3倍近くになったことになります。5年半で3倍というとかなり大きな上昇率のように見えますが、年率にすると22%程度の上昇率で、それが5年半続いて3倍近くになったというだけです。 この間、皆さんは「アメリカ株は買いだ」と思いながらも、実際にアメリカ株に投資することを躊躇させるような多くのメディアを何度も目にされたことと思います。特に昨年春、S&P500指数は2000年のITバブル崩壊以来、初めて本格的に高値を更新しました。そしてそれ以降、断続的に最高値を更新する日が相次ぎ、より多くのメディアが「アメリカ株はバブルだ」などという報道を目にされ
2014.07.30 第321回 タックス・インバージョンが促す法人税減税 カテゴリ:カテゴリ未分類 アメリカの金融市場で今、最もホットな話題と言えばこの、タックス・インバージョン(Tax Inversion: 節税のための本社移転)でしょう。これは法人税のより低い国に本社を移すことによって節税を図る、というものです。アメリカの法人税率は日本と並び、世界で最も高いことで知られていますが、2000年以前から主に、タックスヘイブン(税金がゼロかゼロに近い国・地域)に本社機能を移す動きは散見されていました。しかし今年に入ってからは、特にヨーロッパに狙いを定めたタックス・インバージョン目的と見られる大型の買収が立て続けに発表されています。 現在、アメリカの法人税率は州税を含むと(州税がゼロの州もありますが)、40%近くになります。これに対して、イギリスは2008年に30%であった法人税率の段階的引
2014.06.27 第320回 低長期金利、低変動率が示すもの カテゴリ:カテゴリ未分類 昨年はバーナンキ前FRB議長が議会証言で量的緩和縮小の可能性に言及して以来、5月から9月にかけて10年物米国債利回りが1.6%台から3%まで急上昇する場面がありました。しかし今年に入って低下を始め、ここ数カ月は概ね2.6%前後での落ち着いた動きとなっています。またS&P500指数の1日の変化率が4月半ば以降、1%以下にとどまる日がこれまで47営業日続いています。これを反映する形でシカゴで取引されているS&P500変動率指数も金融危機前以来の低水準となっています。この低長期金利、低変動率は今後の株価動向について、何を示しているのでしょうか。 まず長期金利の低下について考えたいと思います。連銀は今年から量的金融緩和の縮小を開始し、このまま行けばこの秋にも量的緩和は終了する事になります。そして早ければ来年
2014.03.12 第317回 何故メディアの情報を鵜呑みにしてはならないか カテゴリ:カテゴリ未分類 これはさる1月13日、横浜にて開催された楽天証券新春講演会2014で講演させていただいた内容を要約したものです。 「米国債がデフォルトすればリーマンショック以上」 2013年10月初旬、インターネットでこのようなニュースの見出しを目にする事がありました。もちろん米国債がデフォルトしたからといって、金融市場にリーマンショック以上のショックが走る事など有り得ません。米国債というのは、米国政府が満期の際に米ドルで返済する事を約束する証文であって、その米ドルを印刷する権限を持っているのは米国政府に他なりません。なのでまず、米国政府の返済能力については疑う余地はありません。 とはいえ当時、法定債務上限の引き上げを巡って議会での協議が難航していたので、実務的な要因で短期的に利払いが遅れる、という意
2014.03.04 第316回 何もしない=マイナスの時代 カテゴリ:カテゴリ未分類 これは去る1月13日、横浜にて開催された楽天証券新春講演会2014で講演させていただいた内容を要約したものです。 「何もしない≠ゼロ。何もしない=マイナスの時代」 これは1年前の2013年1月、同じ横浜での楽天証券新春講演会で最初にご覧いただいたスライドです。日本では長い間円高が続いてきたので、資産を日本円で保有している皆さんにとってはこれまで「何もしない」事が、資産を守る有効な手段でもありました。私の講演会にお越しいただいた方には何度もお話させていただきましたが、私はここ数年講演等で「円高は一旦始まると5年間続く。今回の円高は金融危機の起点である2007年7月に始まったので、2012年で終了する可能性が高い。」と申し上げてきました(第288回 日本にとって本当のリスク:円安(2011年11月11日
2013.11.06 第313回 FRB新議長指名イエレン氏の「最適コントロール」 カテゴリ:カテゴリ未分類 大方の予想通り、オバマ大統領は10月9日、米連邦準備理事会(FRB)の次期議長としてイエレンFRB副議長を指名しました。今後上院での承認手続きが順調に進めば来年2月、FRB初の女性議長が誕生する事になります。米株式市場はイエレン氏の指名を既に好意的にとらえていますが、私は、その好影響はさらに中長期にわたって表われてくると考えています。それは彼女の現状の景気認識及びその処方箋としての金融政策の考え方が結果的に、株式市場そして米国経済にとって非常に優しいものであるからです。 市場ではイエレン氏は金融緩和に積極的なハト派として知られています。しかし90年代にはインフレ抑制に重点を置いた発言や講演も目立つなど、決して常に金融緩和を推進する立場にいたわけではありません。しかし、アメリカ経済は
2012.07.23 第299回 ギリシャvs日本 カテゴリ:カテゴリ未分類 消費税が引き上げられようとしています。消費税の引き上げはいずれ必要でしょう。しかしその前にやるべき事がある、というのは正にその通りですし、そもそも今回の消費税引き上げに至る経緯は何とも欺瞞に満ちたものだったと言わざるを得ません。 私の知る限り、消費税引き上げの議論が本格化したきっかけは東日本大震災だったと思います(第281回 復興増税は人災(2011年4月18日))。震災から1年経ち、今年から復興需要の影響(と言っても反動の範囲)が数字にも表れてきていますが、それを捉えて税を徴収しようという発想には呆れました。先日講演で「日本の名目GDP(国内総生産)は19年前も今も全く同じで475兆円」というお話をしました。日本ではGDPが成長しそうになると必ず、それを押さえつけようとする力が湧き出てくるのは不思議です。 そし
2012.02.17 第292回 2012年米国経済・株式相場の見通し(2) カテゴリ:カテゴリ未分類 これは去る1月28日、横浜にて開催された楽天証券新春講演会2012で講演させていただいた内容を要約したものです。 金融危機は2007年7月に始まりました。住宅価格の下落をきっかけに証券化商品など様々な資産の価格下落が顕在化してきました。資産の価値は減少しても負債の価値は減少してくれませんから、その差額である自己資本はどんどん減少していったのです。そして資産に対する負債の比率が高い、即ちレバレッジの高い主体ほど自己資本が減少するスピードが速く、破綻が訪れていきました。 金融危機が始まって、最も早く破綻、又はそれに近い状態に陥ったのは、2007年にこのコラムでも数回にわたって取り上げたモノライン(金融保証会社)で、レバレッジは100倍以上でした。次に50-60倍の政府系住宅金融機関、リーマン
2012.02.07 第291回 2012年米国経済・株式相場の見通し(1) カテゴリ:カテゴリ未分類 これは去る1月28日、横浜にて開催された楽天証券新春講演会2012で講演させていただいた内容を要約したものです。 投資において最も大きなチャンスが提供されるのは相場が転換する時です。株式、債券、為替、商品など様々な金融商品の中で、今年はドル・円に最も大きなチャンスが訪れる、即ち相場の転換点が近付いていると考えています。そこで今回は最初に、ドル・円の見通しについてお話させていただきたいと思います。 近年、ドル・円相場は概ね日米の2年物国債の利回り差に連動するような動きをしてきました。しかし金融危機をきっかけにドル金利もほぼゼロに張り付くようになり、以降利回り差という指標が役に立たなくなりました。そこで2年前にこの講演会でご覧いただいたのがマネー供給量の日米欧の比較です。金融危機以降、アメリ
2011.11.11 第288回 日本にとって本当のリスク:円安 カテゴリ:カテゴリ未分類 先月、テレビ東京「MプラスEx」に出演させていただく機会がありました。滅多にお邪魔できない番組でもあり、中長期的観点から今後の投資についてお話させていただいたつもりです。番組の時間枠に入りきらなかった内容も含めて、以下ご紹介したいと思います。 アメリカ経済は大まかに見ると10年の景気サイクルで動いています。一番分かりやすいのは非農業部門雇用者数の増減で見た雇用情勢です。当然の事な がら景気の良い時は雇用が増加し、景気の悪い時は雇用が減少します。アメリカの雇用情勢はこの上下動を約10年のサイクルで繰り返しているのが分かりま す。 アメリカ経済が10年サイクルで上下する中、概ねその半分(5年)は景気の拡大期であり、残り半分は景気の収縮期です。歴史的にアメリカは景気の悪 い時には金利を引き下げて=ドルを下
2011.04.18 第281回 復興増税は人災 カテゴリ:カテゴリ未分類 大震災直後に書いた前号 第280回 財政・金融政策総動員を!がんばれ日本(2011年3月16日)で、 「日本はしばしば正解と正反対の経済政策をやってしまう」「増税など正解と正反対の事をやってしまう典型だ」と申し上げました。しかし信じられないこと に、ここ数週間で復興増税の議論が本格化、本当にますますその正反対の方向に突き進んでしまっています。このままだと復興増税という人災によって、日本経 済が二度と立ち直れなくなるかもしれない、危機的状況だと感じています。 問題の第一は、復興増税案です。数百年に一度というショックを目に当たりにし、今後時間の経過と共に消費者心理、投資家心理は冷え込んでいくでしょ う。短期間なら耐えられても、原発処理に少なくとも数カ月かかる、電力供給が不足等の状況では、夏~秋にかけて存続の危機にさらさ
2011.03.16 第280回 財政・金融政策総動員を!がんばれ日本 カテゴリ:カテゴリ未分類 東日本大震災において被害に遭われました方、心よりお見舞い申し上げます。 また救助活動に関して、これからも数多くの奇跡が起こる事をお祈りしています。 私は1993年にNYに来て以来、同時多発テロや金融危機という、100年に一度と言われる大きなショックを目の当たりにしてきました。しかし結果的に、アメリカはそのいずれのショックも乗り越えてきています。大まかに言えばアメリカがそれらのショックを乗り越えてくる事ができたのは第一に、思い切った政策のおかげであり、第二に市場の力を味方に付ける事が出来たから、だと思っています。 今回の日本の災害は100年に一度どころのショックではありません。しかも運の悪い事に、財政的にも金融的にも日本に余裕のない時に起こってしまいました。しかしだからと言って日本がこのショック
2010.11.17 第274回 QE2バブル崩壊へ カテゴリ:カテゴリ未分類 11月4日付けワシントンポスト紙へのバーナンキFRB議長の寄稿を読んで首をかしげてしまいました。「(QE2が与える効果として)株価の上昇は消費者の資産を増加させ、信頼感の増加を通じて支出を刺激する。支出の増加は所得や利益向上を通じて経済成長を支える。」-実際8月末、ジャクソンホールで同議長がQE2(第二弾量的緩和策)を示唆して以降、その期待から株式相場は上昇してきました。しかし前回書かせていただいた通りQE2は世紀の大実験であり、FRBの使命である「雇用の最大化と物価の安定」に本当に寄与するかどうかは、現時点では誰にも分かりません。ましてや今後の株価上昇を前提にするのは疑問と言わざるを得ません。私はむしろ、ジャクソンホール以降の株価上昇の方がバブル(QE2バブル)だと考えているからです。 確かに金融危機後実施さ
2009.05.22 第243回 木を見て森を見ないGM、クライスラーの処理方法 カテゴリ:カテゴリ未分類 昨年7月12日大阪での楽天証券セミナーで申し上げた通り、株式相場を見ている我々にとっては、自動車大手GMやクライスラーの破綻は時間の問題でした。しかし延命措置に次ぐ延命措置が採られた挙句、ようやくクライスラーが破産法を申請したのは先月末でした。GMも6月1日の期限をもって破産法を申請する可能性が高いでしょう。この間、財務的には到底続きそうにないところ、株主は蚊帳の外で、専ら債権者とUAWが交渉を続けるという、実質的には破産法申請後の債権者集会の姿でした。政府も、債権者も、UAWも、誰もアメリカの一つの象徴と言える自動車大手破綻のスケープゴートになりたくないがための延命措置でしたが、ようやくオバマ大統領がその役割を担った事で一件落着したかに見えます。しかしその処理は、アメリカの資本市場
2009.03.23 第238回 官民投資プログラムの効果は?(1) カテゴリ:カテゴリ未分類 本日、市場が待ちに待ったいわゆる「バッドバンク構想」である官民投資プログラム(PPIP: Public-Private Investment Program)の詳細が米財務省から発表されました。これが好感され、NYダウは500ドル近くの上昇となりました。2月初め、「バッドバンク構想の発表間近」と期待させられた挙句、結局何も具体化していなかったと判明して株価が急落する場面がありましたが、ちょうどその水準を回復するに至りました。 米財務省のウェブサイトにも掲載されていますが、PPIPは以下のような仕組みです。 1. 銀行が額面100億円の不良債権をオークションにかける 2. 民間のファンドが入札、仮に84億円で落札したとする 3. a. 落札金額の14分の1(6億円)を民間のファンドが出資 b. 1
2008.11.10 市場の波乱材料?:12月大手証券会社決算 カテゴリ:カテゴリ未分類 今夏以降、講演会や運用報告会で申し上げてきた事ですが、私はアメリカの株式相場は10月半ばか12月半ばに安値を見る可能性が高い、と考えてきました。今年の主要株価指数の動きを見てみますと、決算がピークに達するタイミング(特に1月半ば、7月半ば)に向けて大きく下落している事が分かります。最近の市場は決算発表を非常に怖がっているのです。その意味では毎年恒例の投資信託の決算、税金対策の売りとも重なり、決算ピークをむかえる10月半ばに向けて株価が下落すると予測するのはそれほど難しい事ではありませんでした。実際10月は第二週、第三週、第四週といずれも下値をトライしましたが、今の所はそれが安値となっています。 そして今、次の関門となる12月半ばを意識しなければならないタイミングに差し掛かっています。私が12月半ばと申
2021.06.01 第362回 「ニンフレ懸念」~インフレを怖がり過ぎるリスク~ カテゴリ:カテゴリ未分類 新型コロナウイルスワクチンが広く普及したアメリカで、現在株式市場にとって最も大きなリスクとされているのはインフレ、そしてそれに伴う量的緩和の縮小や長期金利の上昇でしょう。一般に、株式市場にとって大きなリスクとされているものであっても、それが材料として織り込まれてしまえば、下落要因にはなりません。従って現在大きなリスクとされているインフレのケースでも、実はインフレ動向そのものよりも、インフレがどれだけ市場に織り込まれているかを把握する方がずっと重要です。確かにインフレや、それに伴う量的緩和の縮小や長期金利の上昇は株式市場にとってマイナス要因ですが、現在、それらの織り込み具合は非常に面白い状況にあると思います。 2月に米10年物国債利回りが1%から1.5%に急騰したこともあり、長期金利
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