朝ドラ『あんぱん』第12回〜13回では、パン食い競争の優勝賞品が「ラジオ」であることが話題に。町の人々が「奮発したな〜!」と驚くなか、釜じい(朝田釜次・吉田鋼太郎)が「ラジオをもろうてきてくれ」と頼むシーンが多くの視聴者の心を打ちました。 ラジオが特別な家電として登場したこのシーン、実は単なるノスタルジーではありません。当時のラジオは、価格も、普及率も、そして人々にとっての存在価値も、今とはまったく違う“夢の箱”だったのです。 この記事では、昭和10年(1935年)のラジオを取り巻く価格・放送受信料・普及率・社会的背景をもとに、ドラマ『あんぱん』で描かれたラジオの意味や、釜じいの想いがどれほど深いものだったのかを紐解いていきます。