サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大阪万博
syunpo.exblog.jp
●内田樹著『下流志向』/講談社/2007年1月発行 これは惨憺たる悪書である。途中で投げ出したくなった。話題のベストセラーということで手にとってみたのだが、ここに展開されている議論の主要部分はほとんど与太話といいたいくらいだ。現代若者論としては、まことに意表をついた奇抜な筋立てで、それなりの話芸を感じさせはするものの、アカデミックな言説としての説得力はまったく感じられなかった。社会学者や教育学者、たとえば、本田由紀や内藤朝雄、宮台真司、上野千鶴子らの一人とサシで議論すれば、本書の根幹を成す主張はたちどころにメッキが剥がれることだろう。 内田によれば、現代の若者は「学びからの逃走」の道に踏み込み、さらには「労働からの逃走」の道を進んでいる。その要因を経済学の「等価交換」の概念を援用しつつ、内田はそれらしく解釈してみせる。 教室における生徒も、労働市場における若者も、ともに「等価交換」としての
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『ブックラバー宣言』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く