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この投稿では、モスクワを訪問した森喜朗元首相のウクライナ問題に関する発言(9月9日のEU批判のスピーチ)について、私の強い懸念を述べたい。安倍首相のプーチン宛て親書を携えて訪露した森喜朗元首相がモスクワで行ったスピーチには、にわかには信じ難い内容が含まれている。9月9日、森氏はナルイシキン下院議長と共に出席した日露フォーラムでスピーチをした。 そこには、次のようなウクライナ問題に関する森氏の私見とEUの対露政策を批判する言葉があった。翌日森氏はプーチン大統領と会見しているが、同様の見解を伝えた可能性がある。ちなみに、欧米諸国は対露制裁の一環として、ナルイシキンに対するビザ発給を停止したが、日本は彼を受け入れている。 森氏は、「ウクライナの問題には長い貴国の歴史、そしてそれぞれの時代の複雑な関係があり、私たちはそれに関わる資格はない。ロシアの国家や国民は、かつての領土であるだけに、住民が多く
ロシア非難に加わらない国は「ロシア寄り」なのか ロシアによるウクライナ侵略戦争の状況は膠着しており、ロシアの進軍の速度が遅いと同時に、ウクライナの迅速な反攻も、経済制裁によるロシアの戦意喪失もすぐには見通せない。そのような中で、日本は欧米のことばかり見ているが世界にはロシアを支持する国も多い、世界が一致してロシアを押さえ込むことはできないのだから、欧米とウクライナはロシアに譲歩して戦争を早く終わらせるべきだ、という意見が少しずつ増えているように見える。果たして、こうした意見は正しいのだろうか。 対ロシア制裁を行っている国が、欧米以外には日本、韓国、台湾、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなど少数にとどまるのは事実である。しかしイラン、北朝鮮など他の国々に対してこれまで行われてきた制裁を見ても、国連安全保障理事会決議によるもの以外に独自に制裁を発動した国は多くない。経済的に余裕の
第一、マルクス著「資本論」第一巻の概要 (1)商品と貨幣 マルクス著「資本論」第一卷は資本の生産過程を扱う。マルクスは商品の分析から始める。商品は使用価値(「効用」)と交換価値(「価格」)を有する。商品は自然物に人間労働が加わった労働生産物であり、貨幣との交換(「販売」)を目的として生産される。(註1)(註2) 使用価値を生産するのが具体的有用労働であり、交換価値を生産するのが抽象的人間労働である。それは基本的に労働時間によって決定される。労働時間は商品を生産するための個別的具体的な労働時間ではなく、社会的に必要とされる一般的平均的な労働時間である。「商品の価値はその商品を生産するために必要な社会的平均的な労働時間によって決定される」(「価値法則」)。(註3)(註4) 商品の価値は貨幣によって表示される。それが価格である。商品の価格は需要供給の変動により価値を離れて変動するが、長期的平均的
議論概要: (1)保坂メンバーより報告 「ソ連・ロシアにおけるKGBの視点」 1991年の八月クーデターから30年が経った。ソ連という巨大な国は、ソ連共産党とソ連国家保安委員会(KGB)によって束ねられていたが、後者については知らないことがまだまだ多い。独立後のロシアがプーチンをトップとした「KGB国家」に変貌を遂げた背景を理解するためには、ソ連崩壊前夜にKGB内部で起こっていた「ペレストロイカ(改革)」を理解することが不可欠である。また、本研究会のテーマでもある「ロシアの論理」を考える上で、KGBによる外国人研究者に対するアプローチは特に注意すべき問題である。以下の3つのテーマを取り上げる。 ①いかにしてKGBはペレストロイカ期の移行経済に浸透したか。 ②グラスノスチ(情報公開)による言論の自由や独立メディアの登場、そこから発生するKGB批判に対しKGBがいかなる方策をとったか。 ③ ソ
NATO不拡大の約束はなかった ―プーチンの神話について 袴田 茂樹 日本国際フォーラム評議員/安全保障問題研究会会長/青山学院大学名誉教授 ウクライナ問題が深刻になり、ロシアの軍事進攻の可能性の有無が喫緊の国際問題になっている。最大の問題は、ロシアが昨年の2月頃および昨年末に、10万から12万余りのロシア軍をウクライナ国境に配備し、今年初めにはベラルーシにも軍を展開したことだ。その前提となっているのが、「1990年代初めに、NATOは1インチも拡大しないとNATOや米国はロシアに約束したのに、口頭の約束だったのでそれを破って、西側は1997年以来次々とNATO拡大を続けてきた」とのロシア(プーチン)側の主張だ。 ちなみに昨年12月23日の毎年恒例の大記者会見で、プーチン大統領は英国記者の「あなたは無条件に、ロシアが本当にウクライナや他の主権国家を攻撃しないことを保証することができるか?」
設立の当初より、政策提言の活動は、当フォーラムの活動の中核を成すものであった。政府から独立した民間・非営利の立場から外交国際問題というもっとも公共性の高い問題について、公平・中立な権威ある意見を発表し、政府に建言するとともに、国民世論の形成に資したいというのが、当フォーラムの目的である。 当フォーラムの政策提言活動は、「政策委員会による政策提言」、「緊急提言委員会による政策提言」、「調査研究活動に伴う政策提言」の3つのカテゴリーからなる。設立当初は、いわゆる冷戦時代で、当フォーラム内部の世界観や外交戦略の集約は比較的に容易であり、「政策委員会」および「緊急提言委員会」における政策提言の取りまとめについても同様であった。しかしながら、その後、国際社会の多極化や無極化が進行するポスト冷戦時代に突入するにつれ、世界秩序の分析や地域情勢の判断には多様な研究者の複眼的なアプローチが求められるようにな
意見広告 受 け 入 れ る か 、 が 問 わ れ て い る の で す 。 着 実 に そ の 体 制 を 強 化 す べ き で す 。 れ を 開 始 し た こ と を 契 機 に 、 今 後 と も 浦 日 本 大 学 名 誉 教 授 慶 ど の よ う な 態 勢 を 整 備 し て 、 外 国 人 を は 、 本 年 九 月 に 第 三 国 定 住 難 民 の 受 入 鵜 應 の 条 件 で す 。 ど の よ う な 制 度 を 設 計 し 、 は 、 受 入 れ の 可 否 で は な く 、 受 入 れ 要 が あ り ま す 。 ま た 、 難 民 支 援 に つ い て 今 日 の な い 、 と い う 現 実 で す 。 問 わ れ る べ き な 家 族 移 民 受 入 れ の 環 境 整 備 を 進 め る 必 昇 し て く る で し ょ う
財団法人日本国際フォーラム(会長今井敬)は、2003年2月19日にその拡大緊急提言委員会を開催し、下記の同委員会有志アピール「イラク問題について米国の立場と行動を支持する」を審議、採択のうえ、同委員会有志39名の連名により、これを2月20日付けで新聞発表いたしました。 日本国際フォーラム緊急提言委員会は、激動する内外情勢のなかでその変化に対応し、適時適切な政策提言を緊急に行なうことを目的として設立され、1993年のウルグアイ・ラウンド交渉最終段階では同年2月5日「『コメ輸入の関税化』受入れを決断しよう」との緊急提言を発出して、その後の国民的決断をリードし、また2001年には当時鈴木宗男議員の影響下で進行していた「二島先行返還論」を批判して同年6月29日「対露政策に関する緊急アピール」を発表して、大きな反響を呼びました。 今般、イラク、北朝鮮情勢が重大な局面に入るなかで、本件アピール「イラク
習近平“新時代”の中国経済 さる2021年6月14日、当フォーラムは、大西康雄科学技術振興機構特任フェローを講師に迎え、「習近平“新時代”の中国経済」と題して第337回国際政経懇話会を開催した。 「新時代」は、習近平時代を象徴する言葉である。彼がトップについてから9年が経過し、来年には第20回中国共産党全国代表大会を迎える。この間の経緯について、経済を中心に以下3つの観点から振り返る。... more ハイブリッド戦争:ロシア外交の最前線を読み解く さる2021年5月31日、当フォーラムは、廣瀬陽子 JFIR上席研究員/慶應義塾大学教授を講師に迎え、第336回国際政経懇話会を開催した。 ハイブリッド戦争は、2014年のクリミア併合・ウクライナ東部での危機勃発を理解する「鍵」であり、より広い旧ソ連地域研究においてもロシアの軍事作戦・外交戦略として極めて重要で... more
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