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自己愛性人格障害が形成される要因は、大きく二つに分類できます。 一つ目のタイプは、幼少期からの逆境体験、つまりトラウマによって形成されるものです。このタイプの人々は、幼少期に受けたトラウマによって身体内部が常にストレスにさらされ、脳と身体を繋ぐ神経系が過剰に敏感になっています。彼らは安心感を得ることが難しく、常に他人の目を気にしながら、自分のポジションを確保しようとしています。その結果、自己防衛として「闘争・逃走」反応や、「凍りつき・死んだふり」といった過剰な防衛反応を取るようになります。 二つ目のタイプは、軽度の発達障害の傾向があり、遺伝的要因が強く影響しているものです。このタイプの人々は、生まれつき神経系が繊細であり、凍りつきやすく、パニックに陥りやすい特徴を持っています。彼らは、自身の生まれ持った資質の弱さと、トラウマや発達障害という宿命を背負いながら、常に脅かされ続ける環境の中で生
▶ポリヴェーガル理論(多重迷走神経理論) この理論は、トラウマを扱うセラピストや、一般の方にも役立つ理論です。ほど良い母親に育てられた子どもは、社会交流システムの腹側迷走神経の働きにより、外の世界の人々と創造性豊かに喜びを育むことができます。しかし、虐待やネグレクトを受けたり、慢性的なストレスに曝されている子どもは、通常の人とは異なる神経系が働き、この世界を眺めるようになります。トラウマを負った人のなかには、交感神経と背側迷走神経の成すがままになっており、用心深いトラウマ後の防衛が布置され、外の世界の人々との交流を難しくさせます。虐待やネグレクトを受けた子どもや医療、事故、事件等の小児期トラウマの受けた子ども達の生活場面を観察していくと無意識のうちに人間は神経系の働きの成すがままになっていることが分かります。 ポリヴェーガル理論は1995年ステファン・ポージェス博士によって発表された神経系
自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)を持つ人たちは、単なる行動や性格特性だけでなく、時折外見的な共通性も持つことが研究で指摘されています。中でも、目の動きや顔つきにはその特徴が現れやすいと言われています。彼らの視線は、周囲の状況や人々の反応を鋭敏に捉えようとするものであり、そのために、どこか警戒しているかのような独特の目つきを持つことがあります。 この警戒心は、彼らの脳が周囲の情報を非常に鋭敏にキャッチし、それに基づいて「敵か味方か」、「興味を持てるものか」、「好き嫌いするものか」などを即座に評価しようとするためです。そして、何かの脅威や危険を感じ取ると、彼らの体は無意識のうちに防衛態勢をとります。具体的には、肩が上がったり、首が硬直したり、奥歯を強く噛み締めたりと、体全体に緊張感が現れることがよく観察されます。 トラウマを抱えた人たちの心の内側には、感じている痛みや苦しみ、過去
1. 境界性パーソナリティ障害の特徴と対人関係の課題 境界性パーソナリティ障害を持つ人々は、身体の中に深いトラウマを抱えており、原始的な防衛反応が常に作動しています。そのため、一人で静かにしているだけでも、寂しさや落ち着かなさ、イライラが募り、じっとしていられなくなります。特に、嫌な出来事や予測不能な状況に対しては、神経が過剰に反応し、恐怖や不安が一気に押し寄せます。これにより、胸のざわつきや身体の凍りつくような感覚、悪い記憶の蘇り、さらには体調の悪化が引き起こされます。これらの不快な状態が続くと、交感神経や背側迷走神経が過剰に働き、身体の感覚や感情、思考が混乱し、常に不安定な状態に陥ってしまいます。根底には自己感覚の欠如があり、自分が自分でなくなる恐怖や慢性的な虚無感に苛まれています。 2. 対人関係の難しさ 境界性パーソナリティ障害を持つ人々は、対人関係において数々の失敗を経験しており
目次 1.自己愛と恋愛すると 2.自己愛と結婚すると 3.DVやモラハラの影響 4.身体と怒りのメカニズム 5.自己愛の行動パターン 6.自己愛の思考パターン 7.自己愛の完全主義 8.自他の区別の無さと集団 9.相手を鏡のように使う 10.自己愛からターゲットに 11.自己愛と言い争うこと 12.自己愛の負の感情の大きさ 13.自己愛と接する事の注意点 14.自己愛から逃げる勇気 15.自己愛性人格障害への対処 16.自己愛性人格障害の克服 17.自己愛と仲良くなる方法 18.その他 19.瞑想による神秘体験の変容 自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)を抱える人々は、心の中に深いトラウマというハンディキャップを抱えており、実際には無力さを併せ持っているため、自分自身をありのままの姿で受け入れることができません。彼らは自らの弱さを隠すために仮面をかぶり、偽りの姿で生きています。こ
目次 1.自己愛の病理とは何か? トラウマの影響は身体に出る トラウマの影響が日常生活に 病的な自己愛は自己不全感 自己愛者が成長していく過程 2.自己愛性パーソナリティ障害のチェック50項目に飛ぶ 自己愛は、ナルシシズムとも呼ばれます。この言葉は、ギリシア神話に登場するナルキッソスという美少年が、自分の姿が泉に映るのを見て恋に落ちたという物語に由来しています。ナルシシズムは、自己意識が過剰になりやすく、その結果として病理的な自己愛へと発展することがあります。 ナルシシズムが強い人は、鏡に映る自分の姿に対して強い感情を抱きます。理想に近い自分を見れば満足感を得られますが、逆に理想とかけ離れた自分が映っていると、深い失望を感じてしまいます。このような人々は、理想の自己像を手に入れようと、細部にまでこだわり、自分を完璧に見せようと努めます。しかし、理想に届かない現実に直面すると、欲求不満に陥り
自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)を持つ人々の背後には、幾重にも重なる背景や感情があります。その多くは、生まれながらの資質や成長過程のアンバランス、そして時には幼少期のトラウマ体験に起因しています。生い立ちの中でのさまざまな経験が、自分という存在を隠したり、恥じたりする原因となっています。そして、そのような過去を抱えながら、社会との関わりの中で心の痛みや葛藤を乗り越えようとします。 彼らの心の中には、「私は人間である」という当たり前の実感が欠けていることが多いです。これは、子どもの頃の親子関係や外傷体験からくるもので、社会や人間関係の不条理さへの不満や恨み、そして自分の存在の虚しさといった深い心の傷が根底にあります。その心の痛みを忘れるため、彼らは自分に価値があると信じ、自分を特別な存在として位置付けることで心の安定を求めます。 しかし、その結果、彼らは誇大な妄想を持ち、自分を
当相談室は、複雑性PTSD、解離性障害、トラウマベースのパーソナリティ障害、発達障害、離人症/現実感喪失、うつ病、摂食障害、心身症といった、心的外傷に起因するさまざまな症状の回復に特化したカウンセリングルームです。これらの症状は、日常生活や人間関係に大きな影響をもたらすことが多く、個人だけでなく、家族や恋人にも負担を与えることがあります。 当相談室の目的は、このような症状を持つ方々の心の傷を癒すため、そして彼らが再び社会で豊かな人生を歩むためのサポートをすることです。また、トラウマを持つ方と接する家族や恋人も、その困難さを共有しています。彼らの感じる苦しみや不安にも寄り添いたいと考えています。心的外傷は個人の問題だけでなく、家族や大切な人々の間にも影響を及ぼすものです。そのため、ここでは家族や恋人も含めたカウンセリングを提供しています。 当相談室にお越しになられる方々は、家庭環境や人間関係
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