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大阪万博
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新宿のブックファーストに行った。学生時代、何度も来た店だ。久しぶりの店内は、家具屋さんが入ったりしてちょっとリニューアルされていたけど、新書コーナーの位置とかは変わっておらず、脳内マップの感覚のままたどり着くことができた。 祥伝社新書の棚を物色していた、その時である。 「あの、そのスニーカーめちゃめちゃかわいいですね。どこで買ったんですか?」 見ると、白いTシャツにサックスブルーのシャツを羽織った青年だった。若くて大学生かなと思った。清潔感があり、ヘルシーな笑顔を絶やさない。 「ああ、無印で買ったんですよ。4000円ぐらい」 「無印で売ってるんですか! 実は僕、今まさにそういうスニーカー履きたいなと思って探してたので……でも無印にあるんですね。見たことなかったです」 「あー、今はもう無くなっちゃったのかな。ライムグリーンのやつなんですけど」 「わあ、いいですね。オシャレ……無印男子、ですか
渋谷駅で銀座線に乗った。ロングシートにはすでに1席おきに人が座っていた。合間に入るのははばかられた。空いている優先席に座った。 駅を経るごとに乗客が増え、たちまち満席になる。車内に立っている人たちを見る。……みな若者だな。まだ席を立って譲る必要はなさそうだ。 銀座駅。たくさん人が乗り込んでくる。一人一人、姿を目で確認する。若者、若者、若者……壮年の女性? 老年とはいえない。立ち上がるべきかと思っていたら、その女性は向かいの席のほうを向いて吊革につかまった。自分に背を向けている人に声をかけてまで席を譲る勇気は出なかった。 電車が発車しようとしたとき、僕の席の方に小さな女の子を連れた母親が来た。入口のほうは人でいっぱいになっていた。まだお若い。だがこの満員の車内、女の子のために席を空けるという考え方もあるのでは? いやでもーー。 逡巡した次の瞬間、僕は彼女がかけているメッセンジャーバックにマ
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