いま、全国で書店が減り続けています。福岡県も例外ではなく、この10年間で3割減少。書店がゼロ、もしくは1つしかないという自治体が半数を占めています。人口減少やインターネット書店の普及を背景に、苦境に立つ書店の現状と“これから”を探りました。 (NHK福岡放送局・松木遥希子) 市でただ1つの書店 嘉麻市唯一の書店 筑豊地区にある人口3万5000あまりの嘉麻市。2006年の合併前は1市3町あわせて少なくとも8軒の書店があったといいますが、現在では市内で1つになってしまいました。 届いた本をチェックする仲野さん 創業から70年以上たつというこの書店を経営する仲野千鶴子さん(79)の1日は、朝9時に店を開けることから始まります。仲野さんは昼過ぎにいったん店を閉じると、市内に車で配達に出ます。配達先は図書館から美容室や歯科医院、個人宅などさまざまで、毎日20軒から30軒ほど回るといいます。夕方店に戻