1966年に静岡県のみそ製造会社専務の一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんの裁判をやり直す再審公判が結審した。検察側は死刑を求刑、弁護側は無罪を主張した。判決は9月26日に言い渡される。 ここまでに費やした時間が、あまりにも長過ぎる。死刑判決が確定したのが80年。翌年に行われた再審請求は通らず、2008年に再度行われた再審請求に対して静岡地裁が再審開始を認める決定をしたのが14年だ。その後、地検の即時抗告を受けて取り消しとなったが、23年に東京高裁が再審開始を認める決定を下し、同年10月から静岡地裁で再審公判が進められてきた。 最初の再審請求から43年もかかっている。迅速な裁判には程遠く、再審手続きの仕組みに不備があるとの指摘もある。問題がなかったのか、検証が求められる。 警察に逮捕された後、いったん自白した袴田さんは、初公判で否認に転じ、無罪を主張してきた。弁護側は、自白