米中が生成人工知能(AI)の大規模開発を加速させる中、資金力で劣る日本は得意分野を特化したAIの開発で対抗する構えだ。専門性を高めたAIで市場のニーズに対応、運用コストや消費電力の低減といった〝軽量化〟に注力する。次世代の高速通信技術と合わせ、AI同士を連携させる分散戦略で独自の戦いを展開している。 「ノーAI、ノーフューチャー(AIなくして未来なし)。すぐ慣れます。使いこなしましょう」 楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は1月31日、都内で開いた通販サイト「楽天市場」の出店者向けイベントでこう呼びかけた。 傘下の楽天モバイルは昨年10月、無料通話アプリにAI機能を追加。1月には法人向け生成AIサービスの提供も開始した。 三木谷氏は「楽天のAIはショッピングに特化したもの。効率性が高く、利用料金も安くなる」とアピール。「アインシュタインの(脳の神経細胞をつなぐ)シナプスはシンプルだった」と