米ニューヨークの国連本部で9月22日、「未来のための協定」の採択に先立ち、グテレス事務総長(左)と立ち話をするヤン総会議長(国連提供) 国連安全保障理事会について、「改革の緊急の必要性」を首脳レベルで初めて明記した「未来のための協定」の国連総会での採択の成否は予測できなかった。グテレス事務総長は①交渉決裂②採択延期③採択成功-の3種類の演説原稿を持って議場に入ったと聞く。 採択に難色を示したのは、安保理の常任理事国でありながらウクライナへ侵攻し、安保理の対露非難決議案に拒否権を行使して、改革機運を高める契機を作ったロシア。「反対のための反対」と批判されたロシアを押し切り、協定案を採択へと導く原動力となったのはアフリカ諸国だった。 交渉筋によると、カメルーン前首相のヤン国連総会議長は採択前夜、緊急会合を招集し、ロシアに寄り添う中国の圧力にもひるまず、協定案は「可能な限り広範な合意」を得ている