本日中には、石破茂新政権が発足する。さっそく打ち出される「イシバノミクス」はいくらきれいごとを並べても30年間も続いた慢性デフレから脱出させられるわけではない。鍵は円安基調の維持にある。生真面目な石破さんは円安を受け入れるだろうか。 2012年9月の自民党総裁選の数カ月前、筆者は石破さんに会い、脱デフレ策を提案したことがある。ところが石破さんは、有権者は物価の下落を歓迎し、上昇にはノーだと、真剣だ。デフレとは物価下落以上の幅で賃金が下がる、つまり実質賃金が下がるので、国民が困窮化するのだと説得を試みたが、石破さんは最後まで納得しなかった。以来、石破さんは「反アベノミクス」を貫いてきた。 そして、ことし8月下旬。筆者知り合いの石破さんのブレーンから突如、経済問題で助言を依頼された。石破さんは本欄など拙論に目を通しているとも聞かされた。ならば、とA4判で1枚程度のメモを送付した。要は脱デフレ、