「水の都」として名高いイタリア北部ベネチアがオーバーツーリズム(観光公害)対策として4月に試験導入した旧市街への入場料5ユーロ(約860円)について、地元メディアは15日、徴収総額が当初予想の3倍に上ったと報じた。人の流れは例年とほぼ同等だったといい、観光客数の抑制に役立っていないと批判の声が上がっている。 市は4月以降の連休や週末の計29日を試験導入日に指定し、日帰り客から入場料を徴収。今月14日が最後の試験導入日だった。計約45万人が入場料を支払い、徴収総額は当初予想の3倍となる約220万ユーロだった。市は「収集したデータの検証を進める」としている。 世界的観光地のベネチアではオーバーツーリズムが深刻化している。市が試験導入した入場料は、当初から安過ぎるとして効果を疑問視する声があった。市は来年、入場料を10ユーロに値上げするなど新たな措置を検討しているという。(共同)