新型コロナウイルスの感染「第11波」で、症状を鎮める飲み薬(経口抗ウイルス薬)の役割が医療機関で見直され、処方率が上昇している。感染の主流とされる変異株「KP・3」はワクチンなどで獲得した免疫が効きにくいとされ、感染を広げる恐れのある、せきなどの症状を抑える飲み薬は感染防止に有効。ただ、高額な自己負担のため使用を敬遠する患者も多く、積極的な処方に向けた課題となっている。 「ここにきて一気に感染が増えている」。大阪市旭区の中浜医院では7月以降、新型コロナの患者数が急増。中浜力院長によると、多いときで1日に約20人と2カ月前の10倍以上という。 全国約5千の医療機関から厚生労働省に報告された新型コロナ新規感染者数は、8月5~11日で4万9208人。1医療機関当たりでは10・48人で、2週連続で減少した。ただ、増加基調に転じる直前の4月29日~5月5日の2・27人に比べると高い水準だ。 第11波