妻にアルコールの一種である「メタノール」を摂取させて殺害したとして殺人罪に問われた製薬大手「第一三共」元社員、吉田佳右被告(42)の裁判員裁判が、東京地裁(坂田威一郎裁判長)で続いている。急性メタノール中毒が死因であることに争いはなく、「殺人」を主張する検察側に対し弁護側は「妻は自らメタノールを摂取した可能性がある」と反論。殺害の決定的な証拠はなく、警察官ら十数人の証人尋問が予定される公判は、2カ月近い長期戦となる見込みだ。 夫は潔白を主張「すべて間違っています」 今月2日に開かれた初公判。裁判官、裁判員を前に、被告は身の潔白を訴えた。 「私は最初から言っている通り、妻に殺意を抱いたことはありませんし、メタノールを摂取させたことはありません」 「妻がなぜ命を落とすことになったのか、私にはわかりませんが、私は無実です。噓は何一つ言っていません」 被告は令和4年1月14~15日ごろ、東京都大田