人前で演奏するとき、自分の演奏する姿を意識したことはありませんか? お客さんの目にどう映っているのだろう、表情が硬いかな、衣装はどうしよう…など、気になることもあるかもしれません。また、音楽を聴くときも、ライブコンサートやインターネット、DVDなどで、演奏を「見る」ことも多いのではないでしょうか。 では、演奏する姿は、演奏や鑑賞にどう影響するのでしょうか? 演奏を「見る」ことと、「聴く」ことは、どう関わり合っているのでしょうか? 最終回では、これらのトピックについてお話します。 演奏する姿は何を伝えるのでしょうか?この疑問に答えるべく、いろいろな研究が行われています※1。たとえば、反射マーカーの点々で表された身体の動きだけで、演奏表現の大きさが伝わるか調べた研究があります※2。実験では、バイオリニストが、身体の各部の関節に反射マーカーを付け、3通りの表現の大きさ(無表情・通常通り・誇張)で