カール・ジェンセン氏は、2012年に「目覚め」を経験した。 43歳でリタイアしたジェンセン氏デンバー郊外に住むジェンセン氏は、医療器具のソフトウエアエンジニアをしていた。とんでもなくプレッシャーのある仕事だった。FDA(アメリカ食料医薬品局)に提出するために仕事のひとつひとつを記録しなければならず、コードのエラーひとつで患者に危害や死をもたらしてしまうかもしれなかったのだ。 年収は約11万ドル(約1,200万円)で福利厚生もあったのだが、あまりのストレスにその価値があるかどうかわからないほどだった。仕事が終わっても家族とリラックスすることもできず、トイレで吐く日も少なくなかった。体重は10ポンド(約4.5キロ)減った。 2018年8月28日、コロラド州ロングモントの自宅にて、元ソフトウエアディベロッパーのカール・ジェンセン氏。(Ross Taylor/The New York Times)