設計者CAEは線形解析から始めるのが一般的ですが、それは解析の基礎式が材料力学の理論からできているからです。しかし世の中の事象の多くは線形ではなく非線形で表現されるため、設計者CAEにおいてもよりリアルなシミュレーションが求められることが多くなり、非線形解析のニーズが高まりつつあります。非線形解析は、非線形性のタイプから大きく以下の3つに分類できます。 幾何学的非線形(大変形) 材料非線形(弾塑性、超弾性・・・) 接触(有限すべり、摩擦・・・) ではお馴染みの「分布荷重が作用する両端支持ばり」を例にとって線形解析と幾何学的非線形解析による計算結果を比較してみます。 まず図1のように、幾何学的非線形解析では応力が上下面で対称ではなくなります。これは中立面に膜応力が発生するためです。離れた2点間に張られた糸の中点を指で押さえてたわみを与えると糸はピンと張って張力が発生してたわみがあまり増大しま