国内でのオーディオブック市場は1980年代以降、カセットやCD形式で展開されてきたが、価格の高さなどから広がらなかった。しかしスマホが普及し、音声をダウンロードして手軽に楽しめるようになったことで利用者が増加。米アマゾンが世界的に展開する「オーディブル」や、国内最大手の「audiobook.jp(オーディオブックジェイピー)」など複数のサービスが利用でき、商品のラインアップも豊富になった。 audiobook.jpを運営するオトバンク(東京都)の上田渉会長(43)は「特にワイヤレスイヤホンの普及が大きな転機となった」と指摘する。「『耳のすきま時間』が意識されるようになり、そこにオーディオブックがマッチした。時間効率の良さが強みで、3倍速で聴けば、1時間強でビジネス書1冊が読める」。同サービスの会員数は今年、300万人を突破。この10年で約30倍に急拡大している。