寄付額の最大約9割が法人税などから軽減される「企業版ふるさと納税」。その制度を使って福島県国見町に寄付した企業グループが、寄付を原資にした事業で還流を受けた疑いが持たれている。町議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)は10日に報告書を公表し、公平性に疑問をぶつけた。やりようによっては企業本位でねじ曲げられかねないこの制度。継続していいのか。(山田祐一郎、岸本拓也) 企業版ふるさと納税 正式名称は「地方創生応援税制」で、2016年度に始まった。企業が、自治体の地域活性化事業に寄付すると、寄付額の最大約9割が法人税などから軽減される。東京23区など財政が豊かな自治体や、企業の本社が所在する自治体には寄付できない。