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アメリカ大統領選
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リトグラフは、石版石(石灰岩)や金属板(アルミ板・ジンク板)の平らな版面(平版)を、油性インクを引き付ける部分と水分を保つ部分(インクを弾く部分)に化学的処理で分離し、水と油の反発作用を利用して専用のプレス機により刷る版画です。版面に直接描いた絵を、ほぼそのまま紙に刷り取れるのが特徴です。 リトグラフはアロイス・ゼネフェルダー(Aloys Senefelder 1771-1834年)が、1796年ドイツで石灰石に簡単なメモを残していたものを酸で処理した後、石鹸水で消そうとしたことがヒントとなり、その後研究を重ねた結果、1798年に技法を完成させました。 リトグラフの基本的な刷りの工程は、石版石または金属板の上に、リトクレヨンや解墨などの油脂分が多い描画材で描画し、その後、版全面の化学的な製版処理により、描画した部分は水を弾いて油分を引き付ける親油性となり、描画していない部分は水で濡らした時
純色(full color)とは、各色相においてもっとも彩度の高い色をいいます。 色は白・灰・黒などの無彩色と、赤・黄・青などの色みを持つ有彩色に大別できます。有彩色のそれぞれの色相の中で、もっとも彩度が高い太陽光のスペクトルの色(太陽光をプリズムにあてたときに生じる色)を純色といいます。純色は、それ以上彩度を上げることができません。 ほとんどの色は異なる波長の色が混ざったものですが、太陽光スペクトルの色は、それをさらに分解することができない「純粋な色」であるといえます。 この色の純粋さや強さの度合いは、純度によってあらわすことができます。無彩色(白・灰・黒)を純度0とし、無彩色成分に対して有彩色成分の比率が増すにつれて純度も高くなります。また、純色に黒または白を混ぜた色を清色といい、これは色立体の表面部分に並ぶ色に当たります。純色に灰色を混ぜた色は濁色といい、これは色立体の内側に並ぶ色に
ドライポイントは、金属版を直に印刻し、描画をする直接凹版技法(直刻法)のひとつです。版材より硬い鋼鉄製のニードルなどを使用し直接版面にイメージを刻み込みます。こうしてできた版は、印刷すると直接刻まれた刻線の両側にできるまくれにもインクが絡まることで、独特のやわらかく滲み(にじみ)のある描線を表現することができます。 ドライポイントの歴史は古く、1480年頃のドイツでつくられた作品が最古のものとされています。同じ直接凹版技法であるエングレーヴィングと比べると、技法や道具への熟練をあまり必要としないために簡単に自由な線を描くことができるのが特徴です。 ドライポイントは、版に直接線を刻んで描画するために、ニードルなどによって描かれる刻線に沿って押しのけられた金属が線の両側に盛りあがります。この盛り上がりをまくれ(バー、あるいはバール)と呼びます。版にインクを詰めると、まくれの裏にもインクがたまり
色立体(color solid)とは、色を体系的に三次元空間の座標に配置し、相互の関係性をあらわしたものです。 色を正確に伝えるためには、規則的な色の表記方法が必要になります。この色の表示体系をカラー・オーダー・システム(表色系)といい、色相環や色立体によってあらわすことができます。代表的なカラー・オーダー・システムには、マンセル表色系、オストワルト表色系、PCCS(日本色研配色体系)があります。 マンセル表色系は、アメリカの画家で美術教師のアルバート・H・マンセルが1905年に創案したカラー・オーダー・システムです。100色相、明度は11段階、彩度は色相や明度によって再現できる範囲が異なります。マンセル表色系の色立体では、明度は垂直方向の軸、色相は明度の軸を中心とした環、彩度は明度の軸から色相環の外周までの距離によってあらわされます。この色立体を水平に切った断面は、等明度の色相環となりま
色相環(hue circle)とは、色相を環状に配置したもので、色を体系化する時に用いる方法の一つです。色は光の波長の違いによって、赤・橙・黄・緑・青・紫というように連続的に変化して知覚されます。これを連続的に配列し円環状にしたものを、色相環といいます。 色を正確に伝えるためには、規則的な色の表記方法が必要になります。この色の表示体系をカラー・オーダー・システム(表色系)といい、色相環や色立体によってあらわすことができます。現在よく知られているものには、マンセル表色系、オストワルト表色系、PCCS(日本色研配色体系)など数種類があります。マンセル表色系は、基本5色相(赤・黄・緑・青・紫)の中間色相(黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫)を加えた10色相からなります。また、オストワルトの色相環は、基本8色相(黄・橙・赤・紫・青・青緑・緑・黄緑)をさらに各色相を三つに分けた24色相からなります。オスト
主に油彩画の支持体として用いられる、張りキャンバスの構造は、フレーム状に組んだ木枠にキャンバス(画布)を張り留めたもので、作者の表現に合わせて様々な形態やサイズのものを容易に自分で張ることができます。 キャンバスを張る際に必要な材料・道具として、木枠・キャンバス(必ず木枠より大きなサイズのものを用意。一辺の長さ=木枠の長さ+(木枠の厚さ+約2~3センチ)×2)・キャンバス張り器(キャンバスを引っ張るペンチ状の道具)・タックス(釘)・木槌・金槌・はさみ又はカッター・三角定規・釘抜き(マイナスドライバーでも可)などを用意します。張る時の環境は、適度に湿度のある場所や雨の日などが最適です。これは、布地の繊維が湿度により伸縮するためで、乾燥した状態で張ったものは、湿度が上がった時にゆるむ恐れがあります。 キャンバスを張る工程としては、まず木枠を組み立てます。短辺と長辺の木枠の向きに注意し、枠の四隅
「級」とは、写真植字(写植)における文字の大きさを表す日本独自の単位で、1級は0.25mmです。1ミリの1/4(= Quarter)から名付けられたもので、略して「Q」と書かれます。現在、文字はデジタル化され、光学的な写植を使用することはほとんどありません。なお、級は文字サイズの呼称ですが、字送りや行送り、行間のサイズを指定する場合は、「歯」(略して「H」)を使用します。1歯は0.25mmで、文字サイズと同じシステムで働きます。初期の写植機は、印画紙を巻いたドラムを歯車によって回転させることで文字を焼き付けていました。「歯」は歯車の一つ分が1級分(0.25mm)だったことに由来します。 ポイントも同じく、文字の大きさを表す単位の一つです。活版印刷時代から使われている単位ですが、採用される地域やシステムによって、規格のサイズが異なります。例えば、アメリカンポイントは1pt= 0.3514mm
はかり棒やデッサンスケールは、人物・静物・風景など目の前の対象(モチーフ)を描く際に、形態の把握や構図の確認に用いる補助用具です。 はかり棒は、主に描く対象の長さや大きさなどの比率を計測する棒です。 一般的なはかり棒は、真鍮製の真っ直ぐな角棒に目盛りが記入され、長さは30~50cm程度です。また、棒の一端には、ネジによりピアノ線が留められていて、これは角度や垂直水平を計測する際に使用します。しかし基本的には、真っ直ぐな棒であれば何でも使用でき、自転車のスポークや長めの鉛筆でも構いません。 使用例として、モチーフのリンゴとビンの大きさの関係を計測する場合、作者は制作している位置より、人物に対して腕を真っ直ぐ伸ばし、はかり棒をかざします。棒は垂直に立て、目と棒の距離は常に一定に保ちます。まず、片目のみを開き、立てている棒の先端をリンゴの上端と同じ位置になるように合わせます。次に、それを維持した
版面(はんめん、はんづら)とは、本来は印刷物において印刷がほどこされる範囲全体をいいますが、現在ではおもに書籍や雑誌などの紙面で、本文など内容部分が印刷される範囲をいいます。この場合、ノンブルや柱といった副次的な要素は版面の周囲の余白に配置されます。 版面の大きさは、文字を主とした内容の場合、文字の大きさ、1行あたりの字数、字間、1ページあたりの行数、行間をもとにして決定されます。逆にパソコンのワープロソフトやDTPソフトでは、用紙に対する余白の大きさを設定するかたちで版面が先に決定され、字数や行数は自動的に処理されるのが一般的です。 版面をどのように設計するかは、読みやすく美しい印刷物を制作するうえできわめて重要な点であり、そのため、適切な版面のあり方についても、多くの考え方が示されています。 とりわけ欧文の書籍については、ウィリアム・モリスによるものをはじめ、さまざまな説が歴史的に蓄積
岩絵具は、主に鉱石を砕いてつくられた粒子状の日本画絵具です。粒子は砂のように粗く、艶のないマットな質感が特徴です。絵具そのものに接着性はなく、膠液(にかわえき)と加えることにより支持体に接着します。 岩絵具には、天然鉱物でつくられた「天然岩絵具(てんねんいわえのぐ)」、近代に入り人工的につくられた「新岩絵具(しんいわえのぐ)」「合成岩絵具(ごうせいいわえのぐ)」があります。 天然岩絵具は、天然の鉱石を砕いてつくられた岩絵具です。希少で色数が少なく高価ですが、膠液となじみやすく、天然ものは独特の深みのある色がでます。また、焼いて炭化することで暗色を作り色数を増やせます。 新岩絵具は、ガラスに金属酸化物を加えて化学的にできた人工石を砕いた絵具です。色数が豊富で、変色せず、耐久性に優れています。 合成岩絵具は、水晶末や方解末を染料で特殊着色してつくられた岩絵具です。明るい色調の絵具で、中間色や蛍
空気遠近法は、大気が持つ性質を利用した空間表現法です。例えば戸外の風景を眺めてみると、遠景に向かうほどに対象物は青味がかって見え、また同時に、遠景ほど輪郭線が不明瞭になり、対象物は霞(かす)んで見えます。 こういった性質を利用して空気遠近法では、遠景にあるものほど形態をぼやかして描いたり、色彩をより大気の色に近づけるなどして、空間の奥行きを表現します。具体的には、晴天で地上には深緑の山々がそびえるような風景をこの方法で描く場合、その山々の色は遠方に行くほど、深緑から徐々に青味をおび、さらに空の明るい色調へと近づいていきます。また、山の輪郭も遠方の山ほど大気の中に取り込まれるように薄れていくように表現します。 ルネサンス期においては、レオナルド・ダ・ヴィンチも熱心に研究を行ったことが知られています。当時、すでに遠近技法として、線の消失点への収束や、遠くの物ほど小さく見せるなどで奥行きを表現す
色彩遠近法は、色の持つ心理的な作用や視覚的な効果を利用した空間表現法です。色彩は主に暖色と寒色に分けられ、暖色系の赤や黄などは、前方に迫り出してくるような圧迫感を与えます。一方、寒色系の青などは、後方に向かって吸収されていくように感じます。こういった色彩が人間に与える視覚・心理的特質を利用し、それぞれの色彩を変化や対比させることで、遠い近いなどの空間を表現する方法です。 一般的な具体例として、深緑の山々がそびえるような風景をこの方法で描く場合、手前の山は暖か味のある黄色味などを含んだ緑色で描き、遠方の山々を描くに連れて徐々に暖色系の色は薄れ、寒色系の青味をおびた色彩で描くことで、山々が奥へ連なっていくような遠近表現をすることができます。ちなみにこの方法は、空気遠近法の一部も担っています。
ジェッソは、アクリル系樹脂エマルジョンを媒体にした地塗り剤で、チタニウムホワイトと炭酸カルシウム等の体質顔料をアクリルエマルジョンに混合した白色の乳液状の液体です。主に地塗り剤として、支持体の目止め、絵具の定着、発色の補助の役目を果たします。さらに強い隠蔽力があり、また絵具のように色材としても使用できます。また、ジェッソを塗った上からアクリル絵具だけでなく、油絵具や水彩絵具で塗ることもできます。元来、テンペラ画等の下地として用いられていた石膏地をイタリア語でGesso(ゲッソ)といいました。後に白亜地も含めた地塗り剤全般を称し、今日ではこのアクリル系白色目止め地塗り剤を指します。 一般的な使用方法として、原液か原液に20%位の水を加えたものを、刷毛やローラー等で数回方向を変えて重ね塗りをします。一度に厚塗りをせず、薄く何度も塗り重ねることで、白色堅牢でマットな質感の下地ができ、サンドペーパ
遠近法とは、我々の目の前に存在する3次元の空間を、2次元である平面(絵画や図面など)上に「遠い・近い」「高い・低い」「広い・狭い」などの空間的関係性を損なうことなく表現する方法です。 一般に「遠近法」という語は、狭義においては、ルネサンスの時代に確立された「線遠近法」を指します。広義においては、空気遠近法、色彩遠近法、消失遠近法、曲線遠近法、上下遠近法、重畳遠近法、斜投象法など、この他にも多数存在する遠近表現の総称として、この語が用いられます。 西洋絵画の歴史において、遠近感を表そうとする試みは、先史時代から見られますが、これを「線遠近法」として科学的に体系化をしたのは、15世紀、イタリアのルネサンス期に活躍したブルネレスキやアルベルティだといわれています。さらに、ピエロ・デッラ・フランチェスカや、レオナルド・ダ・ヴィンチらの手によって、その理論は完成されたものになっていきます。 一方、東
水張り(みずばり)は、紙を水で湿らせると膨張し、乾くと元のサイズに収縮するという性質を利用し木製パネルなどに張り込む方法のことです。これにより水性系の描画材(水彩画・日本画など)を用いて描く際、水分による紙面の波打ちやたるみを抑えることができ、鉛筆デッサンの際なども、木製パネルと紙がしっかりと固定され描きやすい描画面をつくることができます。 水張りの方法には「パネル張り」と「平張り」があります。「パネル張り」は、木製パネルサイズより一回り大きな紙を、パネル表面を覆うように張り込む方法で、パネル全体を描画面とすることができます。この際、一般的なパネル張りでは、水張りテープを用いて紙を固定しますが、日本画制作での和紙のパネル張りでは、テープの代わりにでんぷん糊を直接パネル側面に塗って固定します。また、「平張り(ひらばり)」は、パネルより小さいサイズの紙を、パネルの表面にフラットな状態で水張りテ
主に油彩画の支持体として用いられる、張りキャンバスの構造は、フレーム状に組んだ木枠にキャンバス(画布)を張り留めたもので、作者の表現に合わせて様々な形態やサイズのものを容易に自分で張ることができます。 キャンバスを張る際に必要な材料・道具として、木枠・キャンバス(必ず木枠より大きなサイズのものを用意。一辺の長さ=木枠の長さ+(木枠の厚さ+約2〜3センチ)×2)・キャンバス張り器(キャンバスを引っ張るペンチ状の道具)・タックス(釘)・木槌・金槌・はさみ又はカッター・三角定規・釘抜き(マイナスドライバーでも可)などを用意します。張る時の環境は、適度に湿度のある場所や雨の日などが最適です。これは、布地の繊維が湿度により伸縮するためで、乾燥した状態で張ったものは、湿度が上がった時にゆるむ恐れがあります。 キャンバスを張る工程としては、まず木枠を組み立てます。短辺と長辺の木枠の向きに注意し、枠の
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