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2月から半年近く連載を続けてきた「リスク資産の複利確率」も今回が最終回です。最終回ではこれまでを振り返りつつ総集編をお送りします。半年間の連載のダイジェストです。 ■問題提起 投資信託などの資産運用では、いま運用している資産の期待リターンとリスクがどれだけなのか、ということがしばしば問題になります。「自分に合ったリスクに抑えておきましょう」とか「そのリスクの範囲で期待リターンはできるだけ高い方がいい」とか、そういうことです。 そして、期待リターンとリスクは通常、1年間という期間で計算されます。例えば「1年間の期待リターンが15%、リスクが20%のポートフォリオ」などと。僕の作ったツール「アセットアロケーション分析」でも、アセットアロケーションを組み合わせることによって、期待リターンとリスクがどうなるのか、ということを過去のデータに基づいて計算することができます。 しかし僕たちは長期投資家で
分からないことがあるとまず理屈から調べてしまうのが僕の性分なわけですが、とはいえ実際にポートフォリオはどんな風に作ればいいのか手っ取り早く知りたくもあり、そのための情報やサービスを集めてみました。 ポートフォリオを設計するときに参考になりそうなしっかりした資料って、本当に少ないんですよね。 世の中には「流動性資金として 30%は残しておいて、外国株を40%、日本株が20%、それにいまなら有望なBRICsを10%ほど組み入れるのも面白そうですね」などと、フィナンシャルプランナーを名乗る人が、根拠も示さず、リターンもリスクも説明してないポートフォリオを紹介するような役に立たないアドバイスがあふれております。はい。 そんな中、ポートフォリオの重要性を国内で最も訴えている人の1人が、マネックスユニバーシティ社長 内藤忍氏。彼の執筆した2冊の書籍は、おそらく一般向けに書かれた書籍としては、もっとも具
ほとんどの本には、投資信託を長期保有すれば複利の効果が働いて有利に増やすことができる、と書いてありますし、僕もそう信じてきました。しかし、これまで調べてきたところでは、話はそれほど単純ではないことが分かってきました。 そのことをはっきりとした形で説明してくれた本を、また買いました。こんどはこの本です。吉本佳生氏の「金融機関のカモにならない! おカネの練習問題50」。 このなかに、このエントリの表題にした「リスクがあるとき、複利はひとり勝ちを生む」ということを解説した部分があります。 これは株や投資信託のようにリスクのある金融商品の複利効果がどのように働くのかを示してくれています。結果は驚くようなものになりますが、順を追って説明しましょう。 この本では例を単純化して、1年後に株価が30%上昇するか、もしくは30%下降するような株を2年間運用したと想定しています。 本から説明を引用しましょう。
投資信託を買おうかな? と思ったとき、いきなり銀行や証券会社の窓口にいくのはちょっと待って。ネットで投資信託の商品情報が調べられるサイトを集めてみました。 これらのサイトで投資信託を比べて探して勉強してから、金融機関の窓口に行くことをお勧めします(もしくはそのままネット証券などで購入するとかね)。良心的な投資信託を選ぶ際には、以前のエントリ「良心的な投資信託を選ぶ10の方法(2007年版)」も、ぜひ参考にしてみてください。 では、サイトの紹介です! (1)モーニングスター 投資信託の情報を探しに行くなら、まずはここ。「ファンド検索」で、レーティング、投資対象、手数料、償還までの期間などなど、細かい条件によって投資信託を絞り込んでいくことができます。もっと手軽に探したいなら、「らくらくファンド検索」。資産運用の目的と、運用期間、目標金額などを入力していくと、お勧めの投資信託をリストアップして
ついに、リスクのある金融資産の期待リターンとリスクが分かれば、自動的に数年後のリターンとリスクも計算できるという公式を前回明らかにしました! 今回はその公式から、長期投資家にとって残念な結果を導き出してしまいますorz。 今回は、結論を先に書いておきます。 結論:よくみかける、「長期でみれば、リスクのある金融商品は複利で増えることが期待できる」という説明は誤りです。 さて、前回のエントリ「最も重要な公式、N年後の確率分布を求める式を記す」で書いた公式(の前半)は、このようなものでした。 ある金融商品の期待リターンとリスクが分かっている(期待リターンは年率)。そして、リスクのある金融商品の連続複利率の収益率が正規分布するとき、以下の式が成り立つ。 N年後の価格(分布) = e正規分布(μ×N、σ×√N) μとσは、金融商品の(期待リターン+1)をm、リスクをsとした以下の式を用いて求める。
先日読者の方からいただいたコメントに、「運用結果がプラスの年もあればマイナスの年もあるのに、本当に複利として投資したお金が増えていくのか?」という質問がありました。これは調べてみなければ! まずは複利について簡単におさらい。 例えば、期待リターンが10%の貯金があったとき、元本が100万円なら、1年目は110万円、2年目は121万円、3年目は133万円、4年目は146万円、5年目は161万円、と、雪だるま式にお金が増えていくこと。複利の効果を知るためには、僕の作った「積立と複利計算」もぜひ試してみてください。 おさらいおしまい。ここからは、期待リターンとリスクのお話し。 定期預金なら毎年確実に最初に決められた利回りでお金が増えていきますが、株式は違います。期待リターンが10%の株式があったとしても、実際には1年後に20%プラスになっているかもしれませんし、5%のマイナスになっているかもしれ
前回の「僕が投資信託を好きな10の理由」に続き、今度はもう少し実用的なテーマ、投資信託の選び方を僕なりに考えてみました。 ふだん投資信託のブログを書いているのだから10個の理由くらいすぐに思い浮かぶだろうと思っていたのですが、実際にはなかなか大変でした。とはいえ、「理由を10個書く」というのは、どうやら自分の考えをまとめるよい方法のようです。それに読む人にとっても分かりやすいのではないかなと。 能書きはこの辺にして、僕なりの「良心的な投資信託を選ぶ10の方法」をどうぞ! 1.信託報酬が安いかどうか これまでの実績がどんなに素晴らしい投資信託だって、将来の実績が約束されているわけではありません。一方で、信託報酬はあらかじめコストとして決定しています。実績が保証されていないのに、コストだけはあらかじめ決まっているのならば、そのコストは低い方がいい。高い信託報酬は問題外です。ついでに、その他の費
ある雑誌から「おすすめの投資信託を10コあげてください」と依頼があって、原稿を書いたのですが、大部分がボツになりました。もったいないのでここに掲載しようと思います。 その雑誌とは月刊誌「Big Tomorrow」。いま発売中の11月号の41ページに、ちょっとだけ僕の書いた文章が載ってます。(ちなみにノーギャラ :-) 以下に掲載するのはそのオリジナル原稿です。ベスト10といいながら、おすすめとして紹介しているのは7つ。そのうち1つは個人向け国債ですけどね。そして、3つはおすすめしない投資信託、ということで全部で10項目です。 投資信託は10年以上保有することで大きな利益を期待する金融商品だ。短期の投資を考えている人にはお勧めしない。選択のポイントは、販売手数料、運用手数料(信託報酬)が安いことが最優先。その中から実績のよいものを選ぶとよい。詳しい情報は証券会社のホームページなどを見て集める
さわかみファンドに投資をしていて、でも最近になってやめた、という人のブログを2つ拝見しました。そこには、よい投資信託を考えるときの難しさが表れていたような気がします。 さわかみファンドへの投資をやめた方のブログ、1つめは空色さんのブログ「Aから始める:企業価値に基づく投資」の私がさわかみファンドをやめたワケです。 空色さんはこのエントリで、 1.さわかみファンドは澤上篤人氏の投資哲学どおりに運用されているのか。 2.さわかみファンドはインデックス投信より有利なのか。 という2つの疑問を感じたことから、さわかみファンドへの投資をやめた、と説明されています。 もう1つのブログは、チャールズ・エルさんのブログ「敗者と勝者のゲーム」から、さわかみファンドへの投資をやめることになった経緯は「さわかみ丸から下船することしました。 その1 ~インデックスファンド化~」から、3回にわたって書かれています。
連載:リスク資産の複利確率(25)~期待リターンに対して、これ以上とってはいけないというリスクの上限がある 前回、期待リターンが同じでもリスクの大きさが変わることで、長期投資の結果が上昇しやすくなるのか、それともそれほど上昇せずに終わるのか、はっきりと確率が変わることを、グラフのピークの位置が変わることで視覚的にみてきました。 どうやら長期投資では、「リスクが高まると、損する確率が高まり、儲かる確率は低まる。ただし儲かった場合の儲けはでかくなるため、期待値は高まっていく」ということが分かりました。 今回はそれをもう少し詳しくみていくことにしましょう。高いリターンを得るには多少なりともリスクをとらなければなりません。リスクをとりたくないなら定期預金の金利で我慢するしかありません。 しかしリターンを得るためにリスクをとりすぎると、前述のように損する確率が高まっていきます。ある期待リターンに対し
いま売りの週刊ダイヤモンド(12/2号)の特集は「投信の罠」。刺激的なタイトルですが、すごくまっとうな記事。保存版間違いなしです! これまで、雑誌の投資信託記事といえば、「この投信が儲かる!」とか「1年で資産が2倍に!」といった、読者をあおるものばかり。しかし、今回の週刊ダイヤモンドの記事は投資信託の問題点にずばりと切り込んだ、かつてない内容です。 まず、投資信託最大のヒット商品「グローバルソブリン・オープン」(通称グロソブ)の問題を指摘。「日本の投信にもたらした「罪」を問う」として、「お客よりも販売会社」のことを考えた商品だと、ばっさり切り捨てます。 続いて、毎月分配型投信、Bシェア投信、リスク限定型・元本確保型投信にもダメだし、ファンド・オブ・ファンズ、テーマ別投信も「プロの選択眼を信用しないことだ」「ネーミングと実態がズレているものも少なくない」と警鐘を鳴らしています。 こうした問題
高い期待リターンを求めて高いリスクをとってしまうと、結局のところ儲かる確率が下がってしまう。一方で、リスクを嫌ってしまうと期待リターンの高い商品はない。では一体どのようなバランスで期待リターンとリスクを考えればいいのでしょうか? 半年以上続けてきた超大型連載も、ついに今回で感動の大団円! 熱い涙でモニタが見えないぜ! さて、これまでリスクのある金融商品というのは複利で増えることを期待したいけれど、実際には複利で増える確率はどう頑張っても完全に過半数以下であることが分かりました。それどころか、同じ期待リターンでもリスクが高ければ高いほど、複利で増える確率はどんどん減っていってしまうのです。 まさに、リスクは期待リターンの敵です。 例えば、期待リターンが4%、リスクが20%の金融商品の1年後と10年後の確率分布をグラフに描いてみると次のようになります。 この中央値の左右の確率がちょうど50%で
大暴落の歴史から学ぶための本として、ジェレミー・シーゲル氏の本「株式投資」があります。この本を開くと、わずか3ページ目に大暴落のときの教訓がこう書いてあります。 1929年の株価大暴落のときにどうすればよかったのか。 毎月15ドルの投資を辛抱強く続けていれば、実は4年以内に短期国債(財務省短期証券)の投資利回りを超える利回りを手にすることができたのだ! シーゲル氏は、株式投資をはじめるタイミングが、たとえ1929年に起きた世界大恐慌で株価が大暴落する直前という最悪な時期であったとしても、ある程度の期間投資しつづけるのであれば、株式投資には優位性があることを伝えています。 このページの最後には、はっきりとこう結ばれています。 たとえ1929年の大暴落の時でさえ、株式への長期投資の優位性は変わらなかったのである。 この歴史から学べることはただひとつ。どんなときでも投資し続けること。です。 [関
勝間和代さんといえば、執筆したビジネス書が売れに売れているいま人気の作家。僕も一冊持っています。その彼女が勧めるアセットアロケーションは、4つのインデックス投資信託の組み合わせです。どんなものでしょうか? 彼女のアドバイスは、ビジネスマン向けのWebサイト「BusinessMedia誠」に掲載されている記事「勝間和代氏が勧める、お金に働いてもらう金融商品(後編) 」で読めます。ポイントを引用してみましょう。 ノーロードのインデックス投信といっても10~20種類あるため、勝間氏は4つのインデックス投信を勧めている。 TOPIXまたは日経平均など日本株式のインデックスファンド 日本債券のインデックスファンド 海外株式のインデックスファンド 海外債券へのインデックスファンド グラフも引用します。 4つの資産に対して同じ比率のシンプルなアセットアロケーションが勝間さんのお勧めするアセットアロケーシ
投資信託を長期で保有した場合、数年後のリターンの平均すなわち期待値は、その投資信託の1年間の期待リターンの複利である。ただし、リスクすなわち結果のばらつきは長期保有すればするほど大きくなり、しかも複利を下回る可能性が高い。複利を上回る可能性は低く、大儲けできる可能性はさらに低いがゼロではない。そして、これらの可能性全体で期待値を計算すると、期待値は複利と同一となる。 これが、僕がシミュレーションによって求めてきた、投資信託を長期保有したときにそのリターンがどうなるかの(いまのところの)結論です。 シミュレーションの方法は間違っていないと思うので、この結論も大きく間違えているとは思っていません。とはいえ、こうした解釈は僕がいままで接してきた情報とは異なるものもあり、シミュレーション直後はいまひとつ結果に自信が持てませんでした。これまで接していた情報とは、例えば「長期投資ではリスクは軽減される
一般に、多くの書籍では投資信託のようなポートフォリオのリターンは正規分布に従うと書いてあります。これは、現代ポートフォリオ理論の前提にもなっている考え方なんですね。 例えば、証券アナリストの教科書的な書籍「証券投資論」の103ページには次のように書いてあります。 幾人かの先駆的研究によって、日次、週次、および月次の投資収益率は正規分布(normal distribution)によって近似できることが明らかにされている。 リターンが正規分布に従うのはもはや常識、という感じです。 ところが、これまで僕は、正規分布ではなく対数正規分布に従うとしてシミュレーションをしてきました。少しその理由をここで補足しておきたいと思います。 最初、僕はセオリーどおりに正規分布に従ったリターンを前提にシミュレーションをしていました(「緊急調査:株式投資に複利効果はあるのか?」参照)。 ところが、このときのグラフを
先日、ネットでいちばん役に立つ投資信託ガイドを目指す「投資信託のガイド|ファンドの海」を公開したばかりではありますが、さきほど出来上がった「投資信託の道具箱|ファンドの海」の公開を開始します! 投資信託の道具箱は、いまのところアセットアロケーションを入力すると、期待リターンとリスクを自動的に計算してくれるページが1ページあるだけですが、けっこうチカラが入ったページになっています。どんなものなのか、ちょっとご紹介。 まずは資産クラスごとの金額の入力。金額で入力することもできますし、パーセンテージで入力することもできます。どちらを入力しているか、入力欄を示す青い枠が示してくれるユーザーインターフェイスを作りました。 入力に反応して自動的に計算が行われ、資産クラスの割合を示す円グラフと、期待リターンとリスクの大きさを示す線グラフが描画されます。特に線グラフはリスクの大きさを示すものとして工夫して
アセットアロケーションを真面目に勉強して自分で計算しようとすると、まず過去の市場ごとのデータが必要になってきます。これがないとリターンとリスクの計算ができないんですね。 必要となるのは、市場ごとの期待リターンとリスク、それに市場ごとの相関係数の3つ。これが分かると、以前のエントリ「アセットアロケーションのリスク計算ページ作成中」で紹介したように、保有する資産の割合からトータルのリターンとリスクが計算できるわけです。もちろん過去のデータを基にした予想として、ですが。 こうしたデータは市場ごとの過去の実績を1年ごとに並べたデータがあれば、そこから自分でいろいろが計算できるのですが、できればすでに過去のデータのリターン、リスク、相関係数が計算済みのものがあると便利。 市場ごとの種類は、せめて国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の4種類はほしいところです。欲をいえば、国内のREIT、国外のREI
ETF(上場投資信託)と比べても、それほど見劣りしないほど低コストで運用されているのが、確定拠出年金専用の投資信託。しかし、この魅力的な商品の多くが一般には販売されていません。 先日のエントリ「続々々、僕がETF(上場投資信託)に熱くなれない理由~国内ETF vs 投資信託」などでも書きましたが、TOPIX(東証株価指指数)に連動する投資信託で、確定拠出年金専用の投資信託と、そうでない投資信託では、信託報酬に年0.4%~0.5%程度の差があります。 例えば、確定拠出年金専用の投資信託は、0.2%弱なのに対し、一般に販売されている投資信託は0.6%強なんですね。 確定拠出年金専用の投資信託の信託報酬 野村DC国内株式インデックスファンド=0.1995% 年金ダイワ日本株式インデックス=0.1785% 一般の投資信託の信託報酬 (野村)トピックスインデックスオープン=0.651% (大和)トピ
株式や投資信託のように株価が変動する金融商品を長期保有した場合、果たして複利で増える確率はどうなるのか? を徹底的に調べ続けるあの連載が、はやくも帰ってきました! 前回の連載の最終回「まとめ:もしくは再検討の予告」からいろいろと調査や勉強をして、またいろいろとブログに書ける内容がたまってきたので、時間をやりくりして連載を開始することにしました。 今回はその連載をはじめるにあたり、あらかじめ目的と前提を整理しておきたいと思います。 この連載「リスク資産の複利確率」の目的は、投資信託のようにリスクがある金融商品を長期保有したとき、本当に複利で増えることを期待していいのだろうか? ということを知ることです。リスク資産を長期保有したときに、複利以上に増える確率はどれくらいなのか(逆にいえば複利以下になる確率はどれくらいなのか)、シミュレーションを行い、できれば確率を表す計算式を求めたいと考えていま
TOPIXを20年保有しつづけても、元本割れリスクが30%もあるというのが前回のシミュレーションの結果でした。今回は別のインデックスでシミュレーションしてみましょう。 まず外国株式でシミュレーションしたらどうなるでしょうか。今回も前回同様に、厚生年金と国民年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人が発表しているリスクとリターンを基にシミュレーションしてみましょう。 外国株式(恐らくはMSCIコクサイ指数)の期待リターンは5%、リスクは19.59%です。TOPIXの期待リターンは4.80%、リスクは22.15%でしたから、外国株式はリターンはやや高く、リスクはやや低くなっています(さすがは国際分散投資ですね)。さっそく、この外国株式の期待リターンとリスクを基に3000回のシミュレーションを繰り返した結果が下記です(対数正規分布に従うと仮定)。ばらつきのグラフを見てみましょう。 グラフを
投資信託のブログを使った不正が行われているのを目の当たりにしてしまいました。投資信託ブロガーの一人としてとても残念ですし、こういうことをあまり取り上げたくもないのですが、こんなこともあるんだ、ということをお知らせするのもありかなあと思いつつの今回のエントリです。 ご注意:以下に紹介するサイトへのリンクは、検索エンジンに記録されない特別な方法(rel="nofollow")で行っています。もしご自分のブログで下記のサイトへリンクを貼る場合には、必ずその特別な方法で行ってください。方法が分からない方は、リンクしないでください。また、ご理解いただけると思いますが、リンク先で広告をクリックしないでください。いずれも不正を働くものを助けることになります。 以下の2つのブログは不正を目的としています。1つめはこのブログ「初心者のためも投資信託入門書」。 もう1つは、「投資信託口コミサイト」です。 どち
ドル・コスト平均法がそれなりに役立つことは、前回のエントリ「ドル・コスト平均法はどれだけ役に立つか?」で分かりました。ただ、多くの解説で見逃している面があると思うのです。 ドル・コスト平均法について、まとまって解説していた中でいちばん参考になったのは、Allaboutの下記の2つの記事でした。 ・ドル・コスト平均法って万能? ・たかがドルコスト平均法!されど 最初の記事では、ドル・コスト平均法の欠点として「一直線に値上がりしている場合には、最初に全額を投資していた方が有利」という例を紹介。こういう相場のときには、ちょっとずつ投資するというドル・コスト平均法の欠点が表れますね。しかし、価格がジグザグに上昇する場合や、ジグサグに下降していく場合には、ドル・コスト平均法はそれなりに有利な投資法のようです。 ドル・コスト平均法についてのほとんどの解説は、このように「平均購入価格が低く抑えられる」「
さて。10年目を分かりやすく太字にしてみました。このデータに従って、平均が2.642、標準偏差が3.073の対数正規分布のグラフを描いてみましょう。このグラフは、10年目のリターンの理論的な結果のばらつきを表しています。横軸にリターンの結果、縦軸がそのリターンに収まったシミュレーションの回数と見立ててください。実際のシミュレーション結果のグラフでもいいのですが、少しガタガタしてみにくいので、理論値のきれいなグラフで代替したわけです。 これをみると分かると思うのですが、期待リターン10%、リスク0.3333..の投資信託を10年保有した場合、1万円で始めた投資が10年目では2万円から3万円ぐらいに増えるケースが最も頻発しており、右側になだらかになっていますので、それ以上に増えたケースもそれなりに発生していて、15万円やそれ以上になっているケースも少数ですが発生していることになっています。 で
投資信託を5年、10年と保有したとき、そのリターンは、よくいわれているように複利で増えていくものなのでしょうか? この単純な問いに、しかし苦労してなんとか答えを出そうとしています。その結果は! これまでは、1年後の投資信託の価格は正規分布に従うという前提でシミュレーションしてきました。そのシミュレーションが間違っていなければ、期待リターンが10%、リスクが33%の投資信託を5年間保有する、ということを5千回繰り返してみた結果はおおむね次のようでした(改題:投資信託の長期投資は複利なのか? 参照)。 1)5年後のリターンを5000回繰り返してみた平均値は、ほぼ複利で増えたのと同様でした。 2)しかし、中央値でみると5000回のうち半数以上は複利に届かない結果でした。 今回のエントリでは、この結果の精度をさらにあげるべく、今度は投資信託の1年後の価格が対数正規分布に従う、という前提でのシミュレ
投資のパフォーマンスを決定するうえで最も重要なのはアセットアロケーションである、という説の起源となる論文「Determinants Of Portfolio Performance」をついに入手しました。その中身をひもといていきましょう。 いきなり本文にあたるのは歯ごたえがありすぎるので、まずは論文の仕様について。 タイトルは「Determinants of Portfolio Performance」。著者は連名で「Gary P. Brinson, L. Randolph Hood, and Gilbert L. Beebower」です。それぞれを日本語で記すとすれば、題名「ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因」、著者「ゲイリー・P・ブリンソン、L・ランドルフ・フッド、ギルバート・L・ビーバウワー」というところでしょう。 続いて掲載紙名と日付の確認。ダウンロードした論文の各ページには
週刊ダイヤモンドが2007年6月16日号で「まるごと一冊 投信・預金・保険 金融商品の罠」という大特集を仕掛けています。この中でも圧巻だったのは、表題をタイトルにした山崎元氏のコラムです。 山崎アニキの指摘は、ずばり3点。以下、コラムの抜粋を書きます。 その1:多分配型の大問題 毎月分配型を典型とする、多分配型の投資信託には、合理的なニーズがあると考えるのか? 単に、販売現場で売りやすいだけではないか。また、売れるからと言って多分配型を続々と商品化する投信会社の運用には見識というものがあるのか? その2:手数料の大問題 同じ会社が運用するプロダクトでも、確定拠出年金向けの運用手数料は、投信の信託報酬よりもずっと安い。投信が「暴利」だといえるのではないか。現在の信託報酬水準は高いとは思わないのか? その3:投信会社経営の大問題 投信会社が販売会社に弱いことが、日本の投信の商品や運用に悪影響を
投資信託の話題に絞ったブログをはじめて、もう4年目。自分でもよくネタが尽きないなあと思いつつ、続いています。しかも、周囲をみれば同じように投資信託を話題にしたブログがたくさん登場してきてうれしい限り。 今回は、そんな投資信託の話題が中心のブログを10コだけピックアップして紹介します。順番はなんとなくですのであまり気にしないでください。 (1) 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー インデックス投資家を公言するブロガー水瀬ケンイチ(みなせけんいち)氏のブログ。インデックス投資を中心に、投資信託にまつわる感想、分析など。最近はETF関連のエントリも増えています。 (2) rennyの備忘録 投資信託に関するトピックを、renny氏ご自身の感想を交えて紹介したり、ご自身の投資スタンスを語られたりと、投資への熱い思いが伝わってきます。 (3) カン・チュンドの ファンドのゴマはこう開け “インデック
おかげさまで、積立と複利計算の方法もいろいろ勉強することができまして、その成果として新しいツールを作ったので公開します! 新しいツール「積立と複利計算」では、毎月の積立額、ボーナス、期待リターン、運用期間などを入力すると、自動的に運用結果をグラフで表示してくれます。こんな感じです。 いちばんの売りは使いやすさ。数字を入れるだけでグラフがぐいぐいと描かれていきますので、ちょっと数字を直して結果を見てみる、という試行錯誤にぴったりです。 使い方の例。 例えば、毎月5万円ずつ積み立てて30年くらいで5000万円に到達するには、期待リターンはどれくらい必要なのでしょうか? 積立額と運用年数を入れたら、あとは期待リターンをちょっとずつ変えていけば運用結果の金額が自動的に計算されるので、5000万円に近づけるような試行錯誤が簡単にできます。 で、期待リターンが5%くらい必要だと分かったら、もう1つのツ
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