O157などの腸管出血性大腸菌感染症が急増している。国立感染症研究所感染情報センターのまとめ(速報値)によると、7月25-31日の週の患者報告数は208例で、増加が続いている直近の4週間で2.5倍以上になった。年明けから31日までの累積の報告数は1798例で、2000年以降の同時期で2番目に多い。 同センターによると、腸管出血性大腸菌感染症は、5月中旬に一度急増し、160例を超える報告が2週続いたが、5月30日―6月5日の週には57例にまで減少。その後、7月上旬から増え始め、7月11-17日の週は129例、18-24日の週は155例、25-31日の週は208例と急増した=グラフ=。累積の報告数は、2000年以降最も多かった01年の1858例に次ぐ。 腸管出血性大腸菌感染症の主な症状は、腹痛、下痢、血便、軽度の発熱など。検出される菌の血清型はO157が最も多く、次いでO26、O111など。
焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」で4名が亡くなる集団食中毒事件が発生して2か月が過ぎた。 「えびす」の運営会社「フーズ・フォーラス」(本社・石川県金沢市)は営業継続を断念し、会社の清算を決めた。 事件直後、報道陣の前で突然土下座して謝罪し、それが「パフォーマンスだ」とさらなる批判を浴びてしまった勘坂康弘・社長(42)が2か月の沈黙を破って口を開いた。 ――この2か月はどう過ごしてきたのか。 「事故後はご遺族や被害者の方に謝罪をして回り、(今後の補償などについて)お話をうかがっている状況です。幸い、ほとんどの方が退院されたと聞いています」 ――捜査の焦点は、食中毒の原因となった腸管性出血性大腸菌O-111が、どこで付着混入したかだ。 「(仕入れ先だった食肉卸業者の)大和屋商店さんとは一度、電話で話をしただけです。その時は、“ユッケ用としてサンプルをいただきましたよね”という確認をしました。ど
今年4月末、生肉ユッケの『O111』による食中毒事件が焼き肉店で次々と発生し、日本中を震撼させた。「食中毒患者数は年間約2万~3万人も。高温多湿になり、細菌が繁殖しやすい6~8月は、食中毒の危険性がもっとも高まる季節です」(女子栄養大学教授 上田成子さん)。まずは、肉や魚など身近な食材に潜む危険な細菌への対処法からリサーチ! 『腸管出血性大腸菌(O157、O111など)』 「食中毒で特に話題になったこの菌は主に牛肉に多く、生で食べるのは非常に危険。しかし75度で1分以上加熱すれば死滅します。菌はカットした断面に付着しているので、ステーキ肉は表面を焼けばOKですが、加工されたハンバーグなどは、中に菌が混ざっている場合があるので、中心部までしっかり火を通してください」(社団法人 日本食品衛生協会 高谷幸さん) ●特徴 「牛などの腸管内に生息。処理段階で肉に付着し出荷されることも。出血性大腸炎な
焼き肉チェーン「焼肉酒家(さかや)えびす」の集団食中毒事件で、3人の死者を出した富山県の砺波(となみ)店が手袋を使わずにユッケ用の肉をカットしたり、カット後すぐに小分け作業をしていなかったりして、不衛生な仕込み作業をしていたことが、国立感染症研究所の専門家チーム(FETP)の中間報告などでわかった。 27日で発覚から2カ月を迎え、富山県警などの合同捜査本部は業務上過失致死傷事件として捜査しているが、えびすを運営するフーズ・フォーラス社(金沢市)の管理体制のずさんさの一端が明らかになった。 専門家チームのまとめなどによると、患者全体の約6割にあたる99人(死者3人含む)が発症した砺波店では、開店前の仕込みでユッケ肉をカットする際、従業員は手袋を使っていなかった。 また、他店舗では、菌の繁殖の拡大を防ぐためカット後、時間をあけずに小分け作業をしているが、砺波店では食感をそろえるため、同時
激しい下痢、血便はすぐ受診 福島第1原子力発電所事故による食品の放射性物質(放射能)汚染や腸管出血性大腸菌による食中毒など、食の安全・安心を脅かす出来事が相次いでいる。自分や家族の生命を守るために、どんな点に気をつければいいのか。 ◆汚染多い生野菜 富山、福井両県の焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」で起きた腸管出血性大腸菌「O(オー)111」による集団食中毒は、生肉の「ユッケ」が原因だった。ドイツを中心に欧州を襲った「O(オー)104」による食中毒は、モヤシやスプラウトなどの新芽野菜が原因とみられている。「野菜で食中毒が」と意外に思う人が多いかもしれない。 しかし、相模女子大学短期大学部の金井美恵子教授(食品衛生学)は「野菜は土壌とのかかわりがあるため、生菌数(雑菌)や大腸菌群の汚染が非常に多い。野菜の中では菌の増殖は緩やかだが、肉や魚、卵などタンパク性の食品が野菜と接触すると、野菜の中の菌
焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件は、同店がユッケとして提供した生の牛肉を食べて4人が死亡、100人以上の患者が出る大事件となった。生肉を食べることが大きな危険を伴うと改めて分かったが、肉の生食は日本の食文化の一つでもある。生食をどう考えればよいだろうか。【立会人・小島正美編集委員、写真・尾籠章裕】 ◆国には指導や注意の責任--東京大名誉教授・唐木英明氏 ◆消費者にもほしい警戒感--スターゼンインターナショナル社長・多賀谷保治氏 ◇事件の教訓とは 立会人 今回の事件の教訓をどう見ますか。 多賀谷 問題となった生肉のユッケは細く切ってあえるわけですから、生肉のハンバーグのようなものです。そんな危ないものを扱っていながら、余った肉を翌日も使っていた。そんな実態から見ると、食中毒が発生し、最悪の場合は人が死ぬかもしれない、という安全への視点があまりにも欠如していたというしかない。
ドイツを中心に欧州で大量感染を引き起こした腸管出血性大腸菌「O104」について、英国などの研究チームは24日までに、問題の大腸菌は毒性を持つ種と体内吸収性が高い種が交配し毒性が強まった新種であることを突き止めたと発表した。AP通信が伝えた。 英アバディーン大のヒュー・ペニントン教授らが大腸菌のDNAを調べた結果、2種の交配種であることが判明。うち1種が人間などの腸内に付着しやすい性質を持っており、大腸菌の毒素の体内吸収を速めたとみられる。 これまでの研究では、今回感染した大腸菌は増殖スピードも速く、通常の大腸菌感染に比較して深刻な合併症を起こす確率が約3倍も高いことが分かっている。AP通信によると、これまでにドイツ国内で約3700人が感染し、計42人が死亡。他にスウェーデンで1人が亡くなっている。 (共同)
トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事 【社会】 O157に感染、3歳女児死亡 三重・伊賀 2011年6月19日 23時40分 三重県は19日、同県伊賀市の女子保育園児(3つ)が腸管出血性大腸菌O157に感染し、合併症の溶血性尿毒症症候群(HUS)で死亡したと発表した。三重県でO157感染者の死亡は統計がある1999年以降初めて。 県健康危機管理室によると、園児は14日午前7時半ごろ腹痛、血便を繰り返し、伊賀市内の病院で胃腸炎と診断され、いったん帰宅。16日に腹痛を訴えたため入院した。17日、けいれんなどが起き、津市内の病院に転院したが、19日早朝、HUSで死亡した。17日に採取した便からO157が検出された。 園児の家族や通っていた保育園の園児に同様の症状はない。今後、県伊賀保健所が感染原因や経路を調査するため家族の検便をし、園児の通っていた保育園などの立ち入り検査も検討する。
野菜が病原性大腸菌に汚染されているとの疑いを受け、野菜を廃棄するドイツ・ハノーバー(Hanover)近郊の農業生産者(2011年5月27日撮影)。(c)AFP/JULIAN STRATENSCHULTE 【5月29日 AFP】食中毒が相次いでいるドイツで28日、新たに80代の女性3人と、30代の女性1人の4人が死亡した。シュレスウィヒ・ホルシュタイン(Schleswig-Holstein)州保健省とハンブルク(Hamburg)の医療機関がそれぞれ発表した。 一連の食中毒によるとみられるドイツ国内の死者は10人となった。うち2人は病原性大腸菌が原因だったと公式に発表されている。ドイツでは今月に入り276人が、病原性大腸菌が引き起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症した。欧州の他の国でも病原性大腸菌の感染やHUSの発症は確認されているが、ドイツが群を抜いて多い。 スペイン南部アンダルシア(A
各店の肉の入荷と重症者らの来店状況食中毒事件の捜査・調査の状況 焼き肉チェーン「焼肉酒家(さかや)えびす」の集団食中毒事件で、ユッケに用いられた肉の卸業者「大和屋商店」(東京都板橋区)が4月14日に受注した肉が腸管出血性大腸菌O(オー)111に汚染されていた疑いが強いことが捜査関係者らへの取材でわかった。 富山県警などの合同捜査本部は、汚染肉の特定につながるとみて、この時期を中心に大和屋での加工や仕入れ・出荷状況を捜査している。 えびすを運営するフーズ・フォーラス(金沢市)によると、仕入れは本社が一括管理し、受注した大和屋は肉を各店に向けて発送していた。 合同捜査本部は、各店ごとに、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症した重症者の最も早い来店日に着目した。 死者3人が出た砺波店(富山県砺波市)では、4月21〜23日の来店客に食中毒患者が集中したが、重症者のなかで最も早い来店日は19
富山県や福井県などで130人以上の患者が発生し、4人が亡くなった焼き肉チェーン店の食中毒事件。原因は、生肉に含まれていたとみられる腸管出血性大腸菌O(オー)111とO157だ。重い中毒症状が起こるのは、これらの菌がつくる「シガ毒素」のせいだ。 大腸に棲(す)む菌、という意味で命名された大腸菌。人間をはじめとする動物の腸内にいる常在菌だ。約180種類いる。 人の腸内に常在する大腸菌は、食物繊維の消化を助ける、人が作り出せないビタミンKを作り出すなど、人と共生している「善玉」だ。 ところが、牛の腸などにいる大腸菌の一部は人には「悪玉」で、下痢などを起こす。総称して「病原性大腸菌」と呼ぶ。 そのうち腸などで出血を起こし、腎臓が働かなくなる溶血性尿毒症症候群(HUS)や、脳神経が機能しなくなる脳症の原因となることもあるのが腸管出血性大腸菌だ。約40種類ある。 大腸菌は、表面の糖鎖「O抗原」の構造
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