県立歴史と民俗の博物館(さいたま市大宮区)が展示品の五輪塔(高さ約80センチ)、同博物館提供=を紛失した問題で、県教育局は23日、所有者である神奈川県鎌倉市の覚園寺に70万円の損害賠償を支払うことで和解したと発表した。 五輪塔は77年、当時の県立博物館が覚園寺から寄託を受け屋外の竹林で展示していた。90年2月、職員がなくなっているのに気付いたが、同館は04年まで紛失の事実を県教育委に隠し、骨董(こっとう)品店などを回り捜していたという。07年3月以降は県民に公表し、情報を求めた。 しかし、有力な情報はなく、昨年12月、覚園寺と損害賠償を支払うことで合意。住職は「お金での解決は望まないが、次の代まで引き継ぎたくない」と渋々納得したという。 五輪塔は、5種の石を積み上げた塔婆の一種。室町時代のものとみられ、文化財指定は受けていない。生涯学習文化財課は「預かった貴重な史料をなくし、非常に残念。県