サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
aspara.asahi.com
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 福島第一原発から23キロにある総合病院で働く血液内科医。住民と共に内部被曝について考える。 【アスパラクラブからのお知らせ】 ブログのコメント投稿の受付は9/26(水)で終了します。27日以降の投稿は掲載しません。あらかじめご了承ください。 坪倉正治 このブログの第20回でも紹介させていただきましたが、今年の7月半ばに相馬市で健康診断がありました。仮設住宅や借り上げ住宅に入居されていらっしゃる方々が対象です。 同時期に相馬市の玉野地区(山側で飯舘村との境のあたり、相馬の中では最も空間線量の高い地区)に居住の方々の健康診断も行われました。今回その結果がまとまり、市のウェブサイトに公表されました。 相馬市では、相馬中央病院にてWBCによる内部被曝検査が今年の6月から始まってお
前回は「遠くの親戚」がトラブルの元になるという話をしました。トラブルになるというほどではありませんが、「遠くの親戚」以外にも、医師患者関係の妨げとなるものがあります。素人の善意のアドバイスが治療方針に大きな影響を与えてしまうことがあります。 例を挙げましょう。慢性C型肝炎のAさんの治療が近所のおばさんのアドバイスによって中止になったことがありました。 インターフェロン療法は慢性C型肝炎の標準的な治療です。うまく治療に成功して体からC型肝炎ウイルスを排除することができれば将来肝がんになったり、肝硬変になったりする危険がかなり減りますが、副作用はありますし、うまくウイルスを排除できないこともあります。 外来でAさんに対してインターフェロン療法のメリット、デメリットを説明し、同意を得て入院の日時まで決まっていました。しかし、入院日も近くなったある日、Aさんが入院をキャンセルしたのです。その理由は
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 「もっと医療面」では、毎週火曜日の朝日新聞朝刊「医療面」のトップ記事をはじめ医療記事をご紹介し、執筆した記者の取材後記をあわせてお届けします。ご感想やご意見を、各記事画面一番下のコメント投稿欄からお寄せください。 出産の痛みを、麻酔で和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」。欧米では半数以上の妊婦が選ぶ国もあるが、日本では3%以下だ。情報提供が足りず、「産みの苦しみ」を重んじる意識も影響しているようだ。産後の回復が早く、高血圧などのリスクがある妊婦にも適しており、高齢出産の増加で関心が高まっている。 神奈川県の女性(36)は7月下旬、北里大病院(相模原市)で、2906グラムの男児を出産した。陣痛開始から出産まで、7時間弱の安産だった。痛みに対する恐怖感があり、4歳、1歳8カ月の子ど
坪倉正治 南相馬市立総合病院での内部被曝検査の結果がJAMA (Journal of American Medical Association アメリカ医学会誌)に掲載されました。 ワシントンポストなどにも掲載されています。この記事はすごく冷静だと思います。 キャンベラ社製のWBCが導入された去年の9月から今年の3月までの検査結果を、大人と子供に分けて報告しています。検出限界以下が、全体で65%、大人で62%、子供で84%という結果です。Cs134とCs137の値の合計がグラフにて掲載されています。 小児1,432人〔女児720人,年齢中央値7歳(6~15歳)〕の中で、235人 (16.4%)からセシウムを検出。身体当たり210~2,953Bq/body (中央値590Bq/body)、体重当たり2.8~57.9Bq/kg (中央値11.9Bq/kg)でした。 一方,成人8,066人 〔女
長尾和宏 世間は、今日あたりから「お盆休み」ですね。 しかし病院には、正月はあってもお盆はありません。 当院は診療所ですが、年中無休ですのでお盆も平常です。 何故か? 理由は単純です。 在宅医療が、365日24時間年中無休を要求されているからです。 実際には、交代で休んでいきます。 ホテルや交通機関などと同じです。 慣れればいいだけです。 お盆の医療機関は閑散としています。 皆さんお墓参りや法事で忙しいのです。 それを逆利用してクリニック内の改装工事をしています。 さて、拙書「平穏死・10の条件」(ブックマン社)が世に出て はや3週間が経過しました。 4刷り、4万部突破との知らせに、私が一番、驚いています。 にわかに、終末期相談が増えました。 メールや電話を活用して、全国の皆さんの悲鳴に応えています。 私自身も悲鳴をあげていますが。 さて、この本を読まれた方の感想文
★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 東京科学医療部・下司佳代子 男性に特有のY染色体は、長い年月をかけて遺伝子を失い、短くなってきた。いずれ消滅するともいわれているが、実は案外しぶといらしい。しかも遠い将来、なくなる日が来たとしても、オトコは生き延びそうなのだ。 ◇遺伝子失い短くなっていくY染色体 ヒトのY染色体を、X染色体と見比べてみよう(図中の写真)。Y染色体は代々、父親から息子へと受け継がれる男性のシンボルだが、その姿は堂々としたX染色体に比べて小さく、みるからに弱々しい。X染色体には1098個の遺伝子があるが、Y染色体には78個しかない。 性を決定する仕組みはさまざまだ。ヘビや鳥類は、XやY以外の染色体によって、ワニは卵が
坪倉正治 前回のブログでご紹介しましたように、ほとんどの子供で検出が無くなってきています。成人での検出率も下がり傾向です。これら自体は喜ばしいことなのですが、気をつけなければならない事例も散見されます。 とある70歳代の男性がWBC検診を受診しました。結果はセシウム134と137あわせて約20000Bq(!)/bodyという結果でした。2012年7月時での検査にも関わらず、です。 奥様も一緒に受診されました。結果は合計で約10000Bq/bodyという結果でした。体重あたりに直しても、300Bq/kgとなります。 いくつかの病院での検査を拝見させていただいておりますが、今まで私が日本で見たことある中で最高値。ベラルーシなどの報告書で散見されるような値でもあります。 実はこの方は、とあるご夫婦からの紹介でした。その2週間ほど前に別の夫婦が受診され、夫がセシウム合計14000Bq/body、奥
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 日々さまざまなカウンセリングに応じる福岡在住の臨床心理士、中島美鈴さんが「悩み方」について考えていく癒し系ブログです。 中島美鈴 《臨床心理士》 前回は、田中さんの復帰に向けた話し合いがなされた場面をご紹介しました。今回はその続きです。果たしてうまくいくでしょうか。 ◇ ◇ 田中さんの職場復帰に際しては、一般的によく用いられる方法である「短時間の労働時間から徐々に延長していく」といった段階的な復帰は、社内の事情により実施できませんでした。 しかし田中さんにとって、これはそれほど大変なことではありませんでした。幸いなことに田中さんには、長時間勤務する体力も集中力も戻っていたからです。 田中さんにとって課題だったのは、勤務時間の長さや仕事量といった量的な問題で
坪倉正治 アップルペクチンをご存知でしょうか?食物繊維の一種、通常の食品にも含まれているもので、ゲル化剤としても機能します。歴史も長く、古くからジャムやマーマレードを作る際に粘度をつけるために用いられてきました。アップルのペクチンなので、リンゴの皮の部分に多く含まれる食物繊維成分ということになります。 EUの委員会では、安全な食べ物とされ摂取量の制限はありません。(もちろん、ひたすら食べ続けるのは良くない可能性はありますが。)アメリカでもgenerally recognized as safeとされている。そんな食品(医薬品ではありません)です。 ご存知の方も多いかと思いますが、ウクライナやベラルーシで子供達の内部被曝を軽減させるために、しばしば使用されてきた食品でもあります(Nesterenkoらによる)。 いくつかの論文や報告書があり、実際に服用中は体内のセシウム量が軽減したという報告
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 世界中の最新医学論文から、坪野吉孝氏(山形さくら町病院精神科・早稲田大学大学院客員教授)が、興味深いものをわかりやすくかみ砕いてお届けします。 ダイエットの方法としても使われている、炭水化物の少ない食事により、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクが高まるという論文が、英国医学雑誌に6月公表された。 研究の対象は、スウェーデンの30~49歳の女性43,396人。1991~92年にかけて、食生活や他の生活習慣を調べた。その後、平均15.7年間の追跡調査を行い、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患1,270例の発症を確認した。 研究では、まず炭水化物(糖質と食物繊維の合計)の一日摂取量によって、摂取量が多い順に上位10%のグループから下位10%のグループまで10グループに分け、そ
前回は牛レバ刺しの規制の話をしました。「牛のレバ刺しが規制されたのは残念だけど、幸いにも豚レバ刺しは禁止されていない」という声もあるようですが、豚レバ刺しにもリスクはあります。その中でも、たぶんあまりよく知られていないE型肝炎の話をします。 E型肝炎は、かつては衛生状態の悪い国でE型肝炎ウイルスに汚染した水を介して流行する病気であり、日本では海外に旅行した人だけがかかる輸入感染症であると考えられていました。 しかし、日本のシカ、イノシシ、ブタにE型肝炎ウイルスが存在することがここ10年ぐらいの間に明らかになりました。これらの動物の肉や肝臓を生で、あるいは加熱不十分のまま摂取することによって感染します。E型肝炎ウイルスははじめから豚の肝臓や血液の中にいますので「新鮮だから大丈夫」とは言えません。 E型肝炎ウイルスに感染すると(運が良ければ不顕性感染で終わりますが)急性肝炎を発症します。食欲不
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 世界中の最新医学論文から、坪野吉孝氏(山形さくら町病院精神科・早稲田大学大学院客員教授)が、興味深いものをわかりやすくかみ砕いてお届けします。 しわ取りの美容整形などで使われるA型ボツリヌス毒素製剤(商品名「ボトックス」など)を、うつ病患者の眉間のしわに注射することで、うつ症状が改善するという臨床試験の論文が精神医学研究雑誌に5月公表された。 A型ボツリヌス毒素には筋肉を弛緩させる作用がある。脳卒中や頭部損傷などによって生じる手足の筋肉の痙縮(筋緊張異常)の治療などに使われる。 また、顔面の表情筋の収縮によって生じる目尻のしわ、眉間のしわ、ほうれい線などを改善するために、美容整形でも使われている。 研究はドイツとスイスの二つの病院で行われた。抗うつ剤を服用中で、眉間にしわの
食品衛生法に基づき、生食用の牛レバーの飲食店での提供が7月1日から禁止されます。 以前はO157などの腸管出血性大腸菌は腸管内にいて、内臓を取り扱う過程でレバーに付着するものと考えられていましたが、はじめから腸管出血性大腸菌がレバー内部に入り込んでいることが新たに確認されたのがその理由の一つです。腸管出血性大腸菌に感染すると、人によって症状に差はありますが、腹痛、下痢、血便を起こし、溶血性尿毒症症侯群や脳症などの重い合併症を伴って死亡することもあります。 リスクを承知で美味しいものを食べたいという個人の権利との兼ね合いもあり難しいところですが、規制はやむを得ないと私は考えます。そう考える理由はいくつかありますが、その一つは腸管出血性大腸菌は二次感染を引き起こしうることがあります。リスクを承知の上で食べた本人だけが病気になるなら自己責任と言えますが、便などを介して周囲の人にも感染させる危険が
★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 東京科学医療部・平和博 インターネットの次世代アドレス「IPv6」を使った本格的なサービスが今月、世界で始まったが、日本が出遅れている。NTT東西の光通信網が原因で、通信に遅延が生じる可能性があるためだ。「v6利用者の拡大が問題解決につながる」として、関係者は取り組みを急ぐ。 ネット推進の中核団体、国際インターネット協会(ISOC)が主催したv6への世界同時移行プロジェクト「ワールドIPv6ローンチ」が行われたのは今月6日。グーグル、フェイスブックなど3千以上が参加し、この日を境に、限定的だったv6サービスを継続的に提供する。 ISOCがv6を推進するのは、ネットの急速な拡大で、現行のアドレスI
坪倉正治特に有識でも何でもないのですが、環境省の懇談会に呼ばれて行ってきました。南相馬市の高村美春さんも一緒です。放射線被曝に関するリスクコミュニケーションをどのように行うかということを議論するという会でした。あえて、その会の内容を論評する気はありませんが、何だか机上のデータが飛び交う会でした。残念ながら机上のデータのみでコミュニケーションは成立しません。もちろん、実際の医療でも、データを根拠にして話をすることはままあります。すべてに根拠がある訳ではありませんが、多くは何かしらの根拠があります。治療法Aと治療法Bがあります。それぞれの治療のメリット、デメリットを説明し、合併症や想定されること、さらに転帰について話をする。二人で対話をしながら、最終的な治療法と方針を決定する。血液がんの治療もその例外ではありません。いつも思うのは、その患者さんの治療法が決定され、方針が決まるのは、説明を聞いた
★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 東京科学医療部・西川迅 原発の安全規制を担う新しい組織について、国会で政府案と自公案の審議が始まった。政治や電力業界などとの距離をどう保つのかが焦点になっている。海外では、組織の独立性をいかに効果的に維持するかをめぐって議論がある。 ◇「ノン」示す独立型主流 フランス原子力安全庁 「原子力規制組織の独立性とは、政治や電力会社に対して『ノン』と言えることだ」 フランスは2006年、三つの省庁の管轄下にあった原発の安全規制や放射線防護などの部局を統合して原子力安全庁(ASN)を発足させた。大統領や国会が任命する委員5人の任期は6年。省庁と意見が対立しても介入されない。 ASNのラショーム次長は「政府
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 病気と付き合うためのワザの数々。患者歴の長いカフェオーナー、「のぶさん」こと鈴木信行さんが考えていきます。 ツイッターもフォローしてくださいね! 鈴木信行 「この薬は一日3回食後に飲んでくださいね。」 このセリフに違和感を感じない医療者って多いんですよね。 私なら、そんな薬剤師は拒否! 急遽、前回のブログの予告から変更させていただきます。 先日、私たちは、医療者・医療系学生向けの講演会を開催しました。 その中で私も講演させていただく時間を貰い、みなさんにメッセージを送りました。 今回は、その中から、いくつかの医療者のセリフの「?」を取り上げて、紹介します。また、患者としてはそれぞれどういう切り返しがいいのかを考えてみたいと思います。 さて、冒頭の薬剤師のセリフ、何がおかし
坪倉正治 前々回と前回で、南相馬市から公表された内部被曝の検査結果について説明しました。 セシウムが検出される人の割合が徐々に減ってきているのですが、生物学的半減期の速度でセシウムが減少していない方が一部にいらっしゃいます。その方たちは、いくらかのペースで食品、水、空気などから慢性的に摂取してしまっているであろうことを紹介しました。 ほとんどの方が、生物学的半減期の速度で低下しているのに対して、慢性的に1日あたり10Bq程度を摂取されている方が一部にいると考えています(より高い人も一部いると思います)。 南相馬市立総合病院の検査結果からは、そのほとんどが汚染食品(家庭菜園を含む)の摂取によると考えています。そうすると、次の問題が生じます。どのようにすればそのリスクをさらに軽減できるのか?(10Bqとっている原因はどの食べ物なのか?)ということです。 南相馬市立総合病院では、ホールボディーカ
坪倉正治 南相馬市立総合病院で行われている内部被曝検査の結果が、5月15日にアップデートされました。 去年の9月から今年の3月末までに検査を終えた約1万人の方々の検査結果がまとめられています。今回の結果には、キャンベラ社製のホールボディーカウンターで行った検査のみが含まれています。 傾向は、以前の公表と大まかには変わりません。徐々にセシウムが検出される人の割合が減ってきています。セシウムは徐々に排泄されて行くこと、および慢性での被曝(検査直前の数カ月での被曝)がかなり低く抑えられていることを示しています。 上記のページの図3(下のグラフです)にあるように、今年3月時点の検査でのセシウム検出率は、子供で1%未満、大人で10%未満となりました。 こんなにも検出率が下がっている現在、ホールボディーカウンターの役割は、去年の3月の段階での被曝を評価することはでは最早なく、今の日常生活での慢性的な被
4月末にイタリア・ペルージャで開かれた「国際ジャーナリズムフェスティバル」で、データジャーナリズムなどのジャーナリズムのイノベーションに取り組むジャーナリストたちの話を聞くことができた。 データのビジュアル化、ソーシャルメディアとの連携、コンピューター支援報道(CAR)の進化形など、その取り組みにかなりの厚みがあることもよく分かった。
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 時に猛威をふるい、大きな脅威になる感染症について、医師・高山義浩さんが現場レポートをまじえ報告します。 高山義浩(感染症医) 学生さん向けに国際保健に関する講義や講演をしているためか、例年、この時期になると夏休みに向けたボランティアがらみの問い合わせをよく受けます。とくに、最近は格安航空券が手に入りやすくなったこともあり、途上国でのボランティア活動を志向する学生さんが増えてきました。 そんな学生さんからの問い合わせは、まあ、だいたい判で押したような内容です。「タイに行きたいのですが、エイズホスピスはどこにありますか?」とか、「ネパールに初めて行きます。よく知らないのでNGOを紹介してください」とか・・・ 思えば、かれこれ15年以上、私はこうした問い合わせに答え続けてきました
100歳を越える高齢女性が発熱と食思不振で入院されました。この女性のお名前を仮にヨシエさんとします(以下、個人情報保護の観点から人物背景を一部改変しています)。同居する息子さん夫婦が在宅で看ておられたようですが、そろそろ限界だったんでしょうね。入院中、このような話が電話でありました。
★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 立体の世界にも、水素や酸素のような「元素」があった。ある種の立体の仲間は、1種類の五面体の組み合わせだけで作れる。複数の「元素」からできた「化合物」の立体グループもある。「立体の元素」なんて聞いたことがないが、最近、日本の数学愛好家と数学者のチームが見つけた。ひょっとして世紀の大発見? ◇平行多面体は元素数1である 「立体の世界にも元素がある」と考え、いくつかの定理を証明したのは、長髪にバンダナ姿で知られる数学者の秋山仁さんと、宮城県立がんセンター病理部長でアマチュア数学者の佐藤郁郎さんだ。秋山さんがモスクワやブダペストの学会で発表すると評判は上々で、論文はハンガリーの数学専門誌に掲載されること
「ダーゼン」を内服した後に痰の切れが改善したら「ダーゼン」が効いたと誤認することがありますし、モルヒネを使った後に患者さんが亡くなったらモルヒネが死期を早めたと誤認することがあります。ヒトの心には、連続して起きた二つの物事の間に関係を読みとってしまう傾向があるようです。ヒトが進化の過程でこうした傾向を身につけてきたのかもしれません。 おそらく、ヒトが進化してきた環境では、見知らぬキノコを食べた後に下痢をしたときに、「キノコのせいで下痢をした」と決め付けるほうが、「キノコと下痢が関係しているとは断定できない。キノコを食べた群と食べなかった群を比較してみないとわからない」などと考えるよりも子孫を残しやすかったのでしょう。後者の方が推論としては正しいのですが。 キノコであれば「疑わしければ食べない」で済みます。しかし、二つの物事の関係を正確に推測したいときには、こうしたヒトの心の傾向を自覚したほ
★朝日新聞の医療サイト「アピタル」トップページへ ★このブログの全バックナンバーへ ★ほかのアピタルブログ一覧へ 世界中の最新医学論文から、坪野吉孝氏(山形さくら町病院精神科・早稲田大学大学院客員教授)が、興味深いものをわかりやすくかみ砕いてお届けします。 長期間の体重増加に対する個別の食物や生活習慣の影響を調べた論文が、ニューイングランド医学誌に昨年6月掲載された。 対象は、米国の65歳未満の肥満ではない女性看護師と男性医療職(歯科医、薬剤師など)あわせて120,877人。最長で20年間の追跡調査を行ない、4年ごとの体重変化と、個別の食物摂取や生活習慣の変化との関係を調べた。対象者は4年間で平均1.51kg体重が増えていた。 1日の摂取量が一盛り増えると余分に体重が増加した食物は、ポテトチップス(0.76kg)、じゃがいも(0.58kg、とくにフライドポテト)、砂糖入り飲料(0.45
坪倉正治 今日は、ひらた中央病院(福島県石川郡平田村)を初めて訪れました。内部被曝検査後の結果説明のお手伝いを依頼されたためです。この病院は、私たちと同じホールボディーカウンター Fast scanを使っている施設であり、いろいろな情報交換をする狙いもあります。 ひらた中央病院は、多くの自治体の住民の方々を対象に内部被曝検査を継続的に行っています。 このサイトで、結果を公表しています。 10組ほどの方々に結果を説明させていただきました。一方、スタッフの方から、こんなエピソードを聞きました。 とある自治体の子どもさんを計測した際、Fast scanの検出限界を超えたセシウムが体内から検出された。その地域では、他の子ども達からは誰からも検出しなかった(検出限界以下だった)のに、その子からだけ検出された。そこで、その子のご両親の内部被曝検査も行った。すると、ご両親からもセシウムが検出された。その
★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 東京科学医療部・佐藤久恵 この春から高校で使われる生物の教科書が大きく変わる。遺伝では、おなじみの「メンデルの法則」が影を潜め、DNAが主役になる。最近、急速に進む生物学の研究成果を大幅に採り入れ、古典的だった内容の「現代化」をめざした。 ◇生物の教科書が「現代化」 「もはやメンデルから語らなくても、遺伝はDNAで説明がつく」と教科書会社啓林館の担当者は力説する。同社は、今春から主に1年生で使われている「生物基礎」、来春から使われる2、3年用の「生物」の内容を大幅に見直した。 従来の「生物1」は、遺伝の章はメンデルが1865年に発表したエンドウマメの交配実験で始まっていた。花の色や種子の形から親
本当は効かない治療なのに効果ありと誤認する要因についてのお話をしています。おそらく誤認の要因として最も大きいのは自然治癒を治療効果と誤認することでしょう。 多くの症状は何の治療もしなくても自然に良くなります。がんですら、ごく稀に自然治癒することがあります。何らかの治療を行ったあとに病気が良くなったら、治療の効果だと考えてしまいがちですが、単に自然に良くなっただけかもしれません。 大事なことなので何度も言いますが、本当に治療効果があるかどうかを調べるには、治療を行った群と行わなかった群とを比較して、差があるかどうかを見なければなりません。 保険診療で使える治療は原則として比較試験で効果が確認されたものだけです。しかし、再評価の結果、効果が証明できなかった薬もあります。 「ダーゼン」という薬は、内科領域では気管支炎の痰の切れが悪いときに処方されていました。私も処方したことがあります。以前のデー
坪倉正治 子供の方が大人に比べて放射線による感受性が高い。これは皆さん既にご存知のことだと思います。小さい子供の内部被曝の程度がいかほどなのか。検出されるとしても出来るだけ少なくあってほしい。我々医療者もそう思っています。しかしながら、今現在小さい子供に対する内部被曝検査には、大きな問題があります。体の小さい子供達を正確に計測できないという問題です。 そもそもホールボディーカウンターは、原発で従事できるような大人を対象にしており、小さい子供用には作られていません。当院の例で言いますと、キャンベラ社製ファストスキャンでは、130cmぐらいを下回ると途端に、カリウムの定量性が怪しくなります。説明書でも4歳以上は計測できますと書かれていますが、大人と同じぐらいの精度で計れているようには思えません。体の大きい小学生や中学生ぐらいなら全く問題ありませんが、乳児などはとてもじゃないですが計測できません
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『朝日新聞アスパラクラブ・ログインページ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く