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ノーベル賞
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こないだ深夜バスで大阪から東京まで移動する必要があって、やることがなくて暇だったので、籠池氏の証人喚問(計4時間ぐらい)を全部見た。それまであまり森友関係のニュースは追いかけていなかったのだが、あのおっさんが喋っているのを4時間も聴いていると人物像のイメージがつかめてきたし、質問者によっては論点をそれなりに整理してしゃべっていたので、ある程度理解が進んできた。 しかし肝心なことはよく分からないというか、証人喚問でやり取りされている論点がどうでも良いことばかりのような気がして、国会と世間の騒ぎ方の方向性が変なのではと思うに至った。それであれこれ検索して記事を読んでいると頭が混乱してきたので、今の時点での理解をメモしておくことにする。時系列が分からなくなりがちなので、下の方に年表もまとめておいた。 主に自分の頭の整理のために書いているものであり、正しさは保証しない。あと、ダラダラと書いてるので
「立憲主義」は流行語 ここ数年で、「立憲主義」という言葉が突如として政治ニュースにおける頻出ワードになりました。もちろん「立憲主義」という言葉自体は私の中高時代の公民・歴史の教科書にも載っていたし、法学の基礎的な教科書にも載っているのでたいていの人が知っているはずです。しかし、もともと立憲主義というのは、17~18世紀の欧米で市民革命を経て憲法に基づく統治形態が樹立されたとか、日本でも19世紀に憲法を制定し議会を設立して近代国家の体裁を整えることが急がれたとかいうような歴史的背景を説明する文脈で登場する言葉です。現実の政治論議で「立憲主義」が論点になることなんてほとんどなく、ここ数年の「立憲主義」ブームはかなり唐突感があります。 この唐突感は単なる私の印象というわけでもない。たとえば昨年出版された憲法学者・木村草太氏の『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』(晶文社)という本の中では、哲学者の國分
炎上して当然 長谷川豊氏が人工透析患者を罵った例の炎上記事は、 人工透析患者の大半が「自業自得」であると断定したこと だから扶助は必要なく自己負担で治療せよと「自己責任論」を振りかざしたこと それができないなら「殺せ」と不穏当な言葉で病人を罵ったこと などが多くの人の癇に障り、騒ぎになりました。それで長谷川氏は、 「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」 というタイトルを 「医者の言うことを何年も無視し続けて自業自得で人工透析になった患者の費用まで全額国負担でなければいけないのか?今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」 に変更したりしたみたいですが、結局テレビ番組を降板させられるまでに至った(記事リンク)そうですね。 1つ目の「自業自得」論については、長谷川氏がいうほど「自業自得」な患者の割合は多くないのでは
学問のすゝめ (岩波文庫) 作者: 福沢諭吉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1978/01メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 414回この商品を含むブログ (125件) を見る 岩波文庫で読める福沢諭吉の著作を復習しようと思いまして、まずは『学問のすすめ』にしました。(以下ただのメモ帳であり書評ではない。) 人文社会科学の分野で福沢諭吉の名が出るとき、主著は『文明論之概略』とされることが多いように思うけど、たぶん一般的なポピュラー度合いでいえば圧倒的に『学問のすすめ』だろう。 福沢の著作は『文明論之概略』『学問のすすめ』『福翁自伝』『西洋事情』の4つだけ読んだけど、面白さでいえばもちろん『福翁自伝』が最強。とくに諭吉のおかんが最強である。 しかし役に立ちそうな教訓が多いのは『学問のすすめ』だ。明治の日本社会を理解するとかいう目的で言えば『文明論之概略』がメインになると思うけど
必読書リストについて 大学の教員をやってる友人から、人文社会科学の必読書の一覧はないかと言われて、このエントリを書いています。 ニューアカというかポストモダン系の人たちがまとめた『必読書150』っていうブックガイドがあるんですが、私はポストモダン思想に共感はしないものの、文系の大学生・大学院生が読むべき古典の一覧表としては、今のところこれが一番なんじゃないかと思っています。 「必読書リスト」みたいなものを掲げると、まぁみんな色々言いたいことが出てくるものです。「これは不要」「あれが入ってない」など好みに基づく各論もあれば、そもそも「古典偏重の教養主義は時代遅れ」とかいう批判もあります。でも私はやはり、「よく言及されているので、読んでるに越したことはない本」の一覧はあった方が良い思っています。 過去のエントリで、必読書リストについて思うことや、古典を読むことの意義についても書いたことがありま
変なビジネス用語 今日、朝日新聞のニュース記事で「ほぼほぼ」という表現が市民権を得てきたみたいな話があり、はてぶのホットエントリに上がっていた。 www.asahi.com これはべつにビジネス用語として紹介されているわけではないんだけど、ビジネスマンがよく使ってるというイメージがある。就職するまでこんな言葉聞いたことなかったし、テレビでも耳にしないので、私のなかでは「変なビジネス用語」の一つとして認識されている。 ちなみに私自身は「ほぼほぼ」という表現は全く使わない。べつに意図的に避けているわけではないんだけど、自分の口から出てくることは絶対ないなという感じ。「ほぼほぼ」と言っている人に文句をいいたいわけではないものの、どうしても気持ち悪いという感覚があって、どんだけ耳にしても自分の口から出ることはないなと。 こういう、「ビジネスマンが使うヘンな言葉」ネタはたびたび盛り上がっていて、たと
子供っぽい理事会提案 日本衛生学会の「タバコ資金で行われた研究の論文投稿や学会発表の禁止について(理事会提案)」という提案文が、にわかにはてブのホットエントリに上がっていた。(もともとは去年の9月に公表されたものみたい。) タバコ資金で行われた研究の論文投稿や学会発表の禁止について(理事会提案) 私は、利益相反の懸念を重視して「タバコ資金」の助成を受けた「タバコの健康への影響に関する研究」を受け付けないというのは、ある面では合理的な判断であり得ると思う(研究テーマ等と関係なく資金源を基準に排除するのは過激だと思うが)。だからこそ、どんな分野でも査読者の選定には注意が払われているわけだし。また、学会が特定の価値観へのコミットメントを宣言し、それと対立する価値観を学術的討議の場から排除することも、「まぁそういう所があってもおもしろいんじゃないの」ぐらいに思っている。 しかしこの理事会提案は、文
Identityについて語ってしまった 昨日、仕事中に、なぜか業務のメールで「日本人はアイデンティティという概念をなかなか理解できないのではないか」というような話をくどくどと語ってしまった。これは昔から気になっている問題だったので、つい考えこんでしまったのだ。 考え込んでしまったきっかけは、WebサービスのID連携に関する用語の整理をしていて、いくつか文書を読んだこと。 たとえばこれ*1。 Provisioning and deprovisioning in an identity federation 会員制のWebサービスどうしでIDを連携して、ユーザが1セットのID・PWで両方のサービスを使えるようにしてやることをSSO(Single Sign-on)というのだが、この文書はそのSSOを実現するためのSAMLという方式について書かれたものである。 SAMLの具体的な方式については本エ
年末年始は風邪で寝込んでいたこともあり,時間がなくなったので年賀状を書くのもサボって論文を書く(ためのデータ解析のやり直し)作業をやってるのだが,息抜きにYahoo!知恵袋でスプラトゥーン関連の質問を検索してたらヘンなのがあった. detail.chiebukuro.yahoo.co.jp スプラトゥーンはプレイヤーを「イラッと」させるところがあり,子どもがキレやすくなってしまうと懸念しているらしい. 知恵袋上で回答も書き込んでおいたのだが,関連する内容を簡単にここにメモしておこう. なお,タイトルがミスリーディングだったかもしれない.本エントリではスプラトゥーンの影響を論じた論文を参照しているわけではなく(そんな論文まだ無いと思う.),テレビゲーム一般についての論文を参照しながらスプラトゥーンの悪影響について考えようと思ったものである. 「ゲーム脳」はトンデモ説? 10年以上前に『ゲーム
これだけは絶対読んどけって本 ↑たまにこういうスレッドが盛り上がるわけですが、必読書リストとしては、いまだに学生時代にみた『必読書150』という本が個人的には最強だと思う。選者の一覧をみれば分かる通り、昔懐かしい「ニューアカ」な香りがぷんぷんする代物で、バイアスももちろんあるんだけど。 『東大教師が新入生にすすめる100冊』も古典を中心に選定したものだけど、あっちはよく読まれた実用書とか、古典と言うよりは戦後日本のベストセラー・ロングセラー系がけっこう混じっているので、『必読書150』の方がオーソドックスだといえる。『ブックガイド60』(現代思想の増刊号)というものもあり、リストだけみたけど、まあ60冊じゃ少ない気がするし、哲学・思想系に限られている。 ま、これら3冊を合体させておけばちょうどいいってところかもしれない。 必読書150 作者: 柄谷行人,岡崎乾二郎,島田雅彦,渡部直己,浅田
敗戦後70年の安倍談話を読むと、前半のあたりにちょっとだけ日本のホシュ派が長年言いたがっていたようなことが盛り込まれていて、安倍首相は満足しているのかもしれない。 百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。 世界を巻き込んだ第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。人々は「平和」を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化す
最近職場でペーパーレス化を進めようという号令がかかり,たとえば資料を紙で印刷して説明するのはやめて,データで送って予め見てもらってから打ち合わせするようにしましょうとかいう話になった.すでに,作成中の資料を印刷して相談にきた若手社員を係長が「印刷しないでって言われてるよね」と叱り飛ばすといった事案も起きている. まぁそんなに厳しいルールでもないので別にいいのだが,ふと「紙のほうが作業効率が高いということが明らかになった場合,それがペーパーレス化によるコスト削減効果を上回っていたら,本末転倒じゃね?」みたいな天邪鬼発言を予定して,裏付けとなる研究が無いか探してみた. というか,そういう研究がネットの記事になっていたのは以前みたことがあったので,まずそれを確認した. まず,発光型のデバイスで読む場合,反射光で読む紙の場合とは脳の反応が異なるという研究があるという記事. プリントアウトした方が間
良心をもたない人たち (草思社文庫) 作者: マーサスタウト,Martha Staut,木村博江出版社/メーカー: 草思社発売日: 2012/10/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (14件) を見る 著者は臨床心理学者。本書の主張は、とにかく「良心をもたない人たち」ってのが一定割合は世の中に存在していて、彼らは「良心のある人たち」が期待するよりもはるかに理解し合うことが難しい(というか不可能な)相手なので、気をつけましょうということである。 トンデモ本っぽく読むこともできると思うが、個人的には納得のいく(頭に実例が思い浮かんでリアリティを感じられる)内容だった。 本書の中で私が主に関心を持ったのは、著者が「良心をもたない人たち」の特徴を規定している記述群で、「あーこれは当てはまる例あるわ」とか思いながら読み進めた。 他にも、「良心」というものをめぐる
都構想を誤解している人たち いわゆる大阪都構想についての住民投票*1で反対が多数となり、都構想はめでたく否決されたわけだが、年代別賛否割合のグラフをみて「若者は賛成多数だったのに70代以上の老人の反対が多かったせいで、改革が妨害された」と論じる「シルバーデモクラシー」論が登場して話題になっている。 若者は新しいものを好み、老人は古きを大事にします。 長く生きた人がその環境に愛着を持ち、変化を嫌うのは仕方のないことです。 少子高齢化が頂点にまで達した社会で、20年後、30年後のために変化を受け入れるのはこれほどまでに難しいものなのかと、改めてこの身に痛感せずにはいられません。 (略) 20代・30代・40代の将来世代を担う若者たちは明確に変化を望み、リスクを取ってでも挑戦しようとする意志をしっかりと表明しました。 シルバーデモクラシーに敗れた大阪都構想に、それでも私は希望の灯を見たい あまり
【追記】本文は読まず、コメント欄から読んで下さい。 私は統計も数学もあまり知らないしプログラミングはまったくの素人ですが*1、統計ソフトの「R」というやつがちょっと面白いので使っています。 で、Rで桁数の大きい数値を表示しようとすると、指数表示になってしまうのがウザいと思いました。 > 1000000000 #10億 [1] 1e+09 みたいな感じです。まぁこれはExcelでもよくあることで、べつに指数表示になっていても単に数字を見るだけなら構わない場合もあるんですが、計算の結果出てきた数値を1の位までコピペしてどっかに貼りたい時とかもあるわけです。 で、ネットで調べるとこれは一応回避する方法があって、options()関数にscipen=数値という引数を指定すればいいらしいということが分かりました。つまり、 > options(scipen=10) > 1000000000 #10億
昨日読んだ、「機能的財政論」、「消費増税は日本の未来に役立つのか」といったコラムに機能的財政論という言葉が出てきていて、以前中野さんの本の中で読んだことはあったけどよく知らないのでググってみたら、M. Forstater(1999). Functional Finance and Full Employment: Lessons from Lerner for Today?というワーキングペーパーがあったので、見出しだけ訳しておいた。ちなみに見出し以外はほとんど読んでないし適当に訳してるので正確かどうかは知りませんw ※のところは私のメモです。 教訓1:完全雇用、物価の安定、そしてそこそこの生活水準を全ての国民に提供すること。それがマクロ経済の根本的な目標であり、国家にはそれの達成に向けて努力する責任がある。 教訓2:政策は、それがそのためにデザインされているところの目標を達成する能力によ
はてなから1月7日に次のようなメールがきてました。 こちらははてなサポート窓口です このたび、midnightseminar 様のサービスご利用において、歌詞の無断転載が行われており、著作権侵害に相当するとして、著作権管理団体であるJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)より削除要請がありました。 今回、削除要請の対象となっているURLおよび楽曲は下記の通りです。 -------------------------- URL:http://kawabata.hatenablog.com/ 楽曲コード:5903289 楽曲名:南国土佐を後にして -------------------------- 楽曲が複数の場合、それぞれメールを送信しておりますので、あわせてご確認下さい。 つきましては、掲載されている箇所をご確認の上、削除を行ってください。 掲載箇所がわからない場合、当該URLを楽
※ひと昔前の競馬について書きますが、当時はまだ馬齢を満年齢ではなく数え年で数えていた時代で、私のなかでは未だに「クラシック」と言えば「4歳」なので、このエントリも当時の表記に合わせて書いています。 競馬を全然みなくなった 今日、たまたまYouTubeでみつけた↓の動画に見入っていました。やはり実況はフジテレビ*1のやつがいいですね。YouTubeだと、フジテレビに削除されるからなのか、あまり見つからないんですけど。 名馬たちの圧勝劇 - YouTube 上の動画は、過去20年ぐらいのスターホースたちが「最大着差」をつけて勝ったレースを集めているので、G Iの前哨戦となっているG IIレース等が多いんですが、ちょうど私が競馬を見ていた時期のレースがたくさん収録されていてとても懐かしかったです。 私は最近まったく競馬を観ないのですが、観ていた当時は普通の人よりは熱心で、競馬場に通っていただけで
選挙に行く奴のほうが馬鹿であるとも言える 昨日ネットをみていたら、 選挙に行かない男と、付き合ってはいけない5つの理由 という記事が話題になっていた。この記事には共感できる部分もあって、3番で言われているように「『なんだかよく分からない』ことに対して何もしない」のは確かに良くないし、5番で言われているように「斜に構えているのが格好良いと思っている」奴はたしかに私も嫌いだ。 しかし、たとえば「彼が『どこに入れても同じだよね』と言っていたら、彼は日本語を読む能力が欠けている」という部分とか、「選挙を放棄するということは、君にも君たちの子どもの将来にも、本気では関心ないよ」という部分は、論理的に間違っていると思う。 筆者はそもそも、「あなたの彼氏が選挙に行かない理由」として5つのパターンしか挙げていない。 「面倒くさい」 「どこに入れても同じ」(政党間に差がないという意味) 「なんだかよく分から
昨日のエントリ(「自意識に詰め腹を切らせる」)で、長年気になっていた「自意識に詰め腹を切らせる」というセリフの出典を確認したのだが、この福田恆存による小林秀雄論は、短い評伝なのに内容が難しくて、久しぶりに「これは何を言ってるんだ……?」と悩みまくってとても疲れたので、一応考えたことをメモしておくことにする。解釈は間違っているかも知れないけど。 自我=自意識の無力さ 私は孫引きで覚えていた「自意識に詰め腹を切らせる」というフレーズを、「まともな人間は、自分の自意識みたいなものには、きちんと自分で始末を付けて生きているものなのだ」という意味に理解していた。「自意識には自分で始末を付けなければならない」ということ自体は正しいと思っているが、福田恆存が小林秀雄を評して言いたかったのは、そういうことではないのだ。 福田の「小林秀雄」を読むと、小林秀雄が「人間は自意識をコントロールして生きなければなら
放射性廃棄物の憂鬱(祥伝社新書269) 作者: 楠戸伊緒里出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2012/03/02メディア: 新書購入: 3人 クリック: 138回この商品を含むブログ (2件) を見る 放射性廃棄物の処分方法を詳細に論じた一般向けの新書である。たぶんあんまり売れている本ではないと思うけど、最近読んだ原発関係の本のなかでは個人的には一番面白かった(発売されたのは先月)。ちなみに本書は、原発本とは言っても、「脱原発か原発推進か」みたいな世間を賑わせている話題は全く出てこない。 高レベル放射性廃棄物の最終処分というのは10万年ぐらいの長期間にわたって管理が必要となるもので、誰もその行く末に責任が持てないから原発反対論の根拠の一つともなってるわけである。しかし著者は、この途方もないスケールの課題を扱いながら、べつに「だから原発なんてやめてしまおう!」みたいな議論にはまったく進まず
いわゆる「コンビニ冷蔵庫事件」に関するブログやらTogetterの記事を読んで、ふと作家の山田風太郎が終戦直後に「プラカード事件」についてのコメントを日記に書きつけていたのを思い出したので、メモしておきます。 コンビニ冷蔵庫事件 7月に、コンビニのバイトの人が冷蔵庫に入ってふざけた写真を撮影し、Twitterに掲載したところ炎上したというのがあって、その後似たような事例が何個も見つかって8月頃まで騒ぎになっていたのでした。 発端となったローソンのアイスのやつは冷蔵庫じゃなくて「冷凍庫」なんですが、ネットの記事だと「コンビニ冷蔵庫」としているものも多いようです。 コンビニ店員がアイスの冷蔵ケース内で寝転ぶ写真、Facebookに ローソンが謝罪、FC契約解除 - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1307/15/news0
ずいぶん前から探していた文献にようやくたどり着くことができたので、将来、だれかがネットで検索して見つけることもあるかもと思い、メモしておきます。 自意識過剰な人々 先日、ある飲み会で、自意識過剰な人たちについてどう思うかというようなこと話題になったことがあった。学会の研究発表会とかで、無意味に知識をひけらかして発表者を困らせようとする奴たまにいるよね、みたいな文脈だったと思う。 自意識過剰というのは、一応ある程度イメージは共有されていると思うのだが、「自慢話が好き」とか「自己顕示欲が強い」とか「承認欲求が強い」とかいうのとは(関係はあるけど)微妙に異なっていると思う。心理学で、自意識の強さを計測する尺度が開発されていてその日本語版もあるようなのだが、それを論じた論文(その1、その2)でも言われているように、要するに自意識というのは単に「自分に対して強い注意(関心)が向いている状態」のことだ
読書会 いま、都内で働いてる学生時代の友人たち数名と、様々な分野の「古典」を中心とする読書会を1~2ヵ月に1回ぐらいのペースで行っています。学生時代もやっていたのですが、最近また始めました。分野としては社会科学や歴史を中心としており、古典といっても岩波文庫に載るレベルのガチの古典だけではなく、比較的新しい本であっても論壇賞を受賞するなどして定評を得ている研究書であれば取り上げたりします。要は「権威」のある本を読むわけですw 学生の頃はけっこう、古典みたいなものにずっと腰を据えて取り組んでいたような気がしますが、就職するとそんなもんなかなか読む気にならない。しかし冷静に振り返ってみると、自分が何度も思い出し、折に触れて言及したくなる書物というのは、だいたい「古典」みたいなものばかりだということに気づきまして、まぁ年に10冊程度ではあってもヘビーな古典にしっかり当たっておくのは、将来何かの役に
「汚名挽回」という言い方は間違っている、とする主張の根拠が分からない http://yunishio.hateblo.jp/entry/2013/02/10/205234 「汚名挽回」を間違いだと主張するひとの多くは、「汚名を挽回するということは、わざわざ汚名を被ることを求めているようだ」と口をそろえて言います。 しかし、「遅れを取りもどす」という言いまわしに「わざわざ遅れを取りにいっているのだ」だとか、「失地回復」に対して「領地を手放そうとしているのだ」などと考えるひとは、あまり多くないでしょう。とすれば、この言いまわしを間違いとする根拠は不充分であると考えます。 なぜ、「汚名挽回」のときだけ、このように疑問の声が大きくなるのか、不思議に思います。 近現代の文豪の用例からすると、さほど好ましくない表現とも言いがたいように思えます。 上記のエントリを読みました。青空文庫の中から、文豪達によ
Handbreakで動画をエンコードする際、コーデックは長年あまり考えずにH.264を使ってきたが、やっぱH.265のほうがよさそうだ。ファイルサイズが半分ぐらいになる。 また色の表現として、デフォルト(無表記)の場合は8bitで、10bitと12bitが選べるが、以下の書き込み(2022年)によると10bitがいいらしい。 https://www.reddit.com/r/handbrake/comments/r01oz8/comment/hsxmen2/ もとの質問は、「エンコ前のソースファイルが8bitsである場合ですら、10bitsを選択したほうがいいという点ではだいたいみんな一致していると思うが、12bitsにしないのはなんで?」というもので、答えとしては、12bitsに対応しているモニターがあまりないこと、見た目が変わらないこと、エンコードに時間がかかりすぎること、になるらしい
暴力団追放を疑え (ちくま文庫) 作者: 宮崎学出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/01/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 53回この商品を含むブログ (2件) を見る 本書についてはAmazonに短いレビューをアップしただけだったのだが、今日の産經新聞の記事で山口組の組長のインタビューを読み、これが宮崎の主張とかなり似ていたので、本書の内容を少し詳しく振り返ってみようと思う。 薄いけどけっこう面白い本だし、ヤクザ論の中では出版されたのがごく最近であるというところもポイントで*1、2010年に起きた事件なども取り上げられている。 (後日追記:このリンク先の産経新聞の記事はすでに削除されています。私は全部保存してたので良いのですが、残念ですね。重要な発言については、本エントリの本文中で引用しています。) 【山口組組長 一問一答】(上)全国で暴排条例施行「異様な時代が来
【追記】このエントリの内容の一部を、とあるメルマガに書きました。【/追記】 サブカル・ニッポンの新自由主義―既得権批判が若者を追い込む (ちくま新書) 作者: 鈴木謙介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/10メディア: 新書購入: 11人 クリック: 185回この商品を含むブログ (99件) を見る 新自由主義=既得権批判 鈴木は本書で「新自由主義」の由来と問題点について論じている。ただし本書には、ハイエクやフリードマン、サッチャーやレーガン、あるいは中曽根や小泉といった名前はほとんど登場しない。それは鈴木が、「新自由主義」をイデオロギーや具体的な政策パッケージというよりも、むしろ潜在的なレベルで現代人の思考に刷り込まれている「価値判断のモード」として取り上げているからだ。個人の能力が自由に発露されることこそが素晴らしいのだという気分のようなものが、暗黙の前提として我々の思考を
「循環型社会」論は、トンデモ感あり、スピリチュアル感あり、哲学論と技術論の混同あり、それでもまじめに議論している科学者ありと、けっこうマニアックな世界になっているようです。 環境問題って意外にあんま関心ある人いないんですが、そのうち人が集まったら「ミッドナイトセミナー」でも勉強会を開きたいと思います。環境系の大学院にいる友達と急に連絡が取れなくなったんですが……。 以下、とりあえずの参考文献リストです(随時更新)。べつの勉強会で差し当たりの考えを文書に整理してあって、一応その過程で読んだものですが、思いつきで読んでるので網羅性とバランスについては自信はないです。 柴田本と武田本はベストセラーなので、一般受けするという意味での面白さはあります。 ★は必読レベル高(論旨に賛成というより、話題をつかむ上で)。 ベストを一冊選ぶなら、トンデモ臭がぬぐいきれない面もありますが、『循環の経済学―持続可
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