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奈良の妊婦死亡、産科医らに波紋 処置に賛否両論なる記事が本日の朝日新聞に載った。書かれていることは、まっとうだと思った。書かれてあることは、だ。たしかに、捜査には不安を持ってる。拮抗してるとは決して思わないけど、賛否両論たしかにある。行政に対する批判も大きい。 でもね、この記事に、書いてないことがありやしないか? 「6時間”放置”」はどうなったんですか?「1時間以上放置」に修正しただけですか?引用符を取り払っちゃって大丈夫なんですか? 私らが不安がってるのは、捜査だけではない。こういう浅慮かつ扇情的に報じられる報道もまた、私は大変に不安である。朝日新聞は、自分たちの記事が医療を追い込んでいるという自覚があるんだろうか。いつまでしらばっくれて、無色無臭の傍観者の振りをしているのだろうか。自分たちの報道が歴史の方向を変えるくらいの力があるという自覚を、なぜ持てないのだろうか。 端的に言って、朝
昨夜、テレビで「容疑者 室井慎次」を観た。「踊る大捜査線」シリーズのファンに対しては、ネットでの評判が今ひとつのようだが、私は「踊る」シリーズを観ていないので、単発の映画としてそれなりに楽しんで観た。寡黙な人物が信念を貫く物語は好きだ。 ただし、本作の制作陣には、「信念を貫く」という態度、あるいは「現場の知」という概念に、あんまり尊敬を持ってないんじゃないかという印象を持った。 たしか、本作の解決のような筋書きを、デウス・エクス・マキナとか言うのではなかったか。主人公たちが二進も三進もつかなくなったところを、いきなり公安が些か強引な手法を用いて解決してしまう。公安の活動する姿は一切画面には出ず、「解決しましたよ。そこの悪役の君、もう出る幕はないよ。」という主旨が説明的台詞に語られるのみ。 今まで引っ張ってたのは何だったんだよと、視聴者としても肩すかしを食った気分になる。Wikipediaの
医療崩壊をあんまり言い立てたくはないよなと思う。 品がない。 負け戦の陣中にあって負けだ負けだと騒ぐのは美しくない。負けが誰の責任だと言い立てるのは尚更だ。その分析は正解かも知れないが、その正解が尊敬を呼ぶとは限らない。敗軍の陣中に我が身があるのも、それまでの縁があり身の来し方があってのことだ。 先の休みに高倉健主演の「昭和残侠伝」を観た。健さんが格好良かった。 健さん演じるテキ屋が(ヤクザとは言いたくない)数年ぶりに復員してみると、組の縄張りは新興の愚連隊に荒らされ、相思相愛だった女は健さんが死んだものと諦めて結婚していた。それでも健さんは不平不満の一言も言わず、崩壊に瀕した組の5代目を継ぎ、愚連隊の横道な挑発にも乗らず、血気に逸る若い衆(松方弘樹とか梅宮辰夫とか)を押さえ、地道に組を立て直そうとする。 「誰が組をここまでじり貧にしたんだよ」とか、「もうテキ屋の時代じゃねえんだよ」とか、
奈良県で緊急母体搬送を18カ所に断られたという報道があった。朝日のウエブサイトでこの報道に「6時間”放置”」との見出しがあった。記事を読むと、主治医が怠慢だったんだろうと攻撃することが主題になっている。本件の最大の問題点は延々18施設に緊急母体搬送を断られ続けたってところにあるんだろうに。「放置」と言うなら、放置したのは主治医じゃなくて奈良県の行政なのではないか?それに6時間放置ったって、奈良県大淀町から吹田市まで、決して近いわけじゃなし、国循に到着した時刻を放置終了時刻だと扱うのは、恣意的になるにも限度ってものがあるんじゃないかと思うのだが。 奈良の妊婦が死亡 18病院が転送拒否、6時間“放置” -朝日新聞- 他紙記事へのリンク(Google参照) 出産で意識不明、18病院受け入れ断る…1週間後死亡 -読売新聞- 処置遅れて出産後に死亡 - 神戸新聞 - 意識不明の妊婦、18病院が転送拒
Dead Letter Blogを拝読して興味を引かれ、病院の売店で週刊新潮を買って読んでみた。分娩予定日よりも早期の帝王切開に関して、宮内庁は異議を唱えていたという。 「もし、胎児が十分に成育していない状態で出産となれば、保育器が必要になる。もし生まれてくるのが将来皇位を嗣ぐかもしれない男児ならば、”弱々しく生まれた”ようなイメージは相応しくない。母児ともに健康であることをアピールする必要がある・・・」 だから予定日(40週0日ですな)までもたせろと宮内庁は主張した由。そんなご無体な事を言っちゃった時点において、自分らが母子の健康を損ねることにつながる主張をしていると自覚していたのかどうかは、文面からはよく分からない。 多少は横車を押してくれてたほうが週刊誌ネタとしては面白いのかもしれんが、実際のところは、宮内庁は無知の勢いで自分らの都合を口走ってはみたものの、愛育病院から医学的に諄々と
「男たちの大和」の興行が京都では二番館まで終わったらしくやれやれと思っている。新聞の映画案内にこの題名を見るたび、何とはなく見たいような見てはいけないような気がして落ち着かなかった。賛同して観ようが批判的に観ようが、入場料を払ってしまえば興行成績の一部としてポジティブにカウントされてしまう。それは不本意なのでこの映画は観ないことにしていた。 私も昔はプラモデルの赤城とか武蔵とか紫電改とか作ってた口である。機械は好きだ。巨大な機械は大好きだ。検査機器をメンテする姿を見られて「お前は機械に赤ちゃん相手と同質の愛情を注いでいる」と同級生の医師に冷やかされたほどだ。それは「男たちの大和」を制作された方々と同様である。特別あつらえの大和が大画面を勇猛に進む姿は一見の価値があったんだろうなと思う。当時プラモデルにつぎ込んだ金額よりも安くで観れたわけだし。画像的には、観たい映画だった。 ただ先の大戦で犠
金曜に当直して土曜に半ドンで帰って、今日は一日オフ。明日はまた当直。中二日をフルタイム勤務したり当直明けに自宅待機番に当たってたりってのもよくある話なので、今回のこのシフトは楽な方である。楽なのを幸い、色々と見聞を深めているところ。 「旧日本軍弱小列伝」には、旧日本軍の兵器が現代に信じられているよりも遙かに弱体なものだったと解説されている。零戦については私も蒙を開かれる思いをした。大和や潜水艦のコンテンツもこれから楽しみにしている。 サイトの本旨には外れるかもしれないが、私が一番衝撃を受けたのが、この言葉と写真。 「その堅牢な防弾装置は、いくら日本機に撃たれてもタンクに火はつかず、乗員すらも傷つかないと日本のパイロットを嘆かせます。それは、たとえ新米の乗る F6Fが、ベテランの乗るゼロ戦に大量に機銃弾を浴びせられて穴だらけにされても生還できるということを意味し、そして次にそのパイロットがゼ
女医さんに「妊娠出産するな」なんて言う大学にも臨床系大学院があって、 若い医師たちが4年間臨床を離れて「研究」をしておられる。 4年ですぜ4年。さらに勉強好きな人はその後に海外留学なんてするし。 ならどうして1年2年の子育て期間を目の敵にできる道理がある? いったい小児科医として、フルタイムの臨床をしばらく離れていた医師があったとして、 1.4年かけて博士論文書いてた医師 と、 2.4年かけて一人(ないし二人)自分で子育てした医師 と、 患者さんにとってどっちが頼りになる医師だ? どっちか取れって言われたら私が小児科部長ならぜったい2番だけれども。 実際には大学院生も病棟で働くことは多いらしくて、 4年間の研究生活のはずが最初の1年はびっちり病棟勤務とかやらされたり。 でもそんな、研究のはずが穴埋め要員扱いじゃあ、不条理の度合いがさらに増す。 いったいそんな半端仕事の傍ら書いた博士論文が世
7月からの記事内広告表示に関するお知らせ はてなに引っ越すことにしました。地元企業だし。自転車好きだし。ときどきご迷惑かけてるし。 exciteさまにはお世話になりました。感謝しています。時節柄、収益を求めるのはやむを得ないことと思います。先立つものがないと世を渡っていけないのは承知しているつもりです。ただ、老婆心ながら、今回の方針変更は御社の収益という面からもほんとうに正しい選択であったのか、疑問とするところです。なにはともあれ、御社の今後のますますのご発展を祈念いたします。 新しいサイトはこちらになります。皆様には、今後ともよろしくお願い申し上げます。 こどものおいしゃさん日記 http://d.hatena.ne.jp/yamakaw+childdoc/ ではなくてこちら http://d.hatena.ne.jp/childdoc/ 追記:はてなのほうでサブアカウントを使ったら、す
日曜祝日に病院は休む。医者はみんな休む。頭の高い業界だ。こんな業界から小児科医不足とか医療費抑制反対とか言われても一般にはピンと来ないんじゃないかと思う。うだうだとした日当直明け。むろんフルタイムで働いて残業して帰宅。 月金の9時5時で営業しててコンビニ受診批判も無かろう。 製造業なら休みを揃えた方がやりやすかろう。休みがバラバラでは仕入れも納入も不便だろうし。だが病魔はべつに曜日を頓着はしないだろう。どうして日曜に揃って休む必要がある? 医師会の内部でどういう申し合わせがあるのかは私は知らない。知りたくもない。知りたくないとは申しながら、もうすぐ四十郎の私には日当直が辛くなってきた。なんで平日に休診日を散らさないんだろう。いつまで俺らはNICUの傍ら「近所の○○先生に罹ったけど治らなくて心配」なお父さんに連れられた子供を日曜に診なければならない?「○○病院には日曜には小児科の先生が居られ
昨日は外来の新人歓迎会があって、私も出席してきた。 外来には子持ちのスタッフが多い。裏を返せば当院の病棟は子どもがいるスタッフには勤務困難であるということで悲しいんだが。今回の宴会もお子さんをお連れのスタッフが多かった。鉄板焼きで朝鮮料理を食わせるという趣向の店だったが、予算の関係でか、焼きそばとかもんじゃ焼きとか、みょうに炭水化物ばかりが多かった。こどもたちにはタンパク質も喰わせてやりたいものだと思った。 中に10歳の男の子が来ていて、喋ってみると愉快であった。頭のよい子がタフな両親の元で真っ直ぐ育った、実に気味の良い少年であった。医者志望なんだそうだが、今はサッカーやブラスバンドやと、いろいろ勉強以外に熱中しているらしい。その語り口を聞いていると、日常を心から楽しんでいる様子で、斜に構えたところがない。普通に喋れる10歳男子と語るってのはこういう気分なのかと新鮮な気分であった。些か羨ま
息子は朝からBSフジで機関車トーマスを観ている。たぶん、ようやく機関車トーマスのストーリーを鑑賞できるようになったのだと思う。昔からトーマスは嫌いではなかったが、それは機関車の蒐集を楽しむ鑑賞だった。プラレールのトーマスシリーズを集め、「トーマス大百科」を眺めるたぐいの。何にしても世の中に楽しめるものが増えるのは幸せなことだし、トーマスを観るためにきっぱりと早起きする習慣がついてくれて親としても便利で嬉しい。私も出勤前にお相伴して観ている。「じこはおこるさ」という挿入歌には参るが、総じてとても楽しい。 機関車トーマスは、子どものヒーローとしては稀な、「よく働くヒーロー」である。「役に立つ機関車」であることを誇りにしている。失敗もするが励まし合って再起する。「悪い奴らをやっつけるヒーロー」ではないのがとてもよい。悪役も出るには出るが、トーマスシリーズの悪役はレギュラー陣に退治られるのではなく
Scottさん経由で毎日新聞の論説を読んで、喉に小骨が引っかかったような気分で居るわけですが。こんな粗雑な新聞だったのかなあって。 官民格差……。長い不況で国民の間には「役人は民間より恵まれている」という意識が広がっている。官民給与の単純比較は難しいが、例えば国家公務員の場合、人事院のモデルでは45歳の本省課長(配偶者、子供2人)で年間給与は1232万円余。一方、国税庁調査によると04年、1年間勤務した民間の給与所得者は計4453万人で、平均年齢は43・5歳、平均給与は年間439万円だった。 「公務員だとたかが課長風情でも1200万円から取ってやがるんですぜ」とかいった煽りを目的に書かれた論説なんでしょうか・・・たしか本省課長ってむちゃくちゃ偉いんじゃなかったですか?本省ですよ本省。たしか課長の上が局長で、その上が次官ですよね。いや、私も世間知らずのこどものおいしゃさんだから、世間の役職と
子どもの心がうつになるとき デービッド・G・ファスラー リン・S・デュマ 品川 裕香 / エクスナレッジ ISBN : 4767803519 一読して感動したので再読中である。大変に勉強になる。対象読者を主に親御さんにおいて書かれているが、小児プライマリ・ケア担当者(医師にせよ看護師にせよ保健師にせよ)にも必読書である。 小児にも成人同様の「うつ」が独立した疾患として存在する。対して、健康な子もときには「落ち込む」こともある。そういう健康な心理の反応としての「落ち込み」と疾患としての「うつ」をどう見分けるかに始まって、小児のうつについて症状・診断・治療を詳しく解説してある。 小児科医として本書を読むと、いわゆる「不定愁訴」として対応に苦慮していたこどもたちを拝見する際の視野が広がったように思える。小児のうつは必ずしも精神症状ばかりではなく、肉体的な症状として現れることも多いようであるから、
京都発 京都迎賓館ではブッシュ氏滞在の折の職員3名の行動について内部調査を進めている。 仲居のAさん(34歳)は会談中のブッシュ・コイズミ両氏にとつぜん「お茶漬け」を届けた。予定外の配膳にブッシュ氏は驚かされた様子であったが、「ジュンイチロウ、君お得意のサープライズか?」と笑い、慣れぬ手つきで箸を使った由。Aさんは「純粋に最高級品のお茶漬けで歓迎したかった」と話しているという。 仲居のBさん(43歳)は迎賓館の玄関に座布団を放置したとして叱責されている。問題の座布団は約半分が上がり框を越えて垂れ下がる形で放置されていた。Bさんは「特に他意はなく単に置き忘れただけ」と話している。また庭師のCさん(55歳)は清掃用具を放置した理由を聞かれている。事情を聞かれたCさんは「箒を一本片づけ忘れただけだ」と答えているというが、問題の箒は迎賓館入り口に逆さに立てかけられてあったという。迎賓館担当者は、い
陽だまり日記 こういう小言めいたトラックバック記事は、書いてて、幼稚園の砂場で玩具を取られて涙ぐんでいる子どもを慰めているような気分になるが、こういう幼い詠嘆は早めに卒業しておかれる方がなにかと為になる。ちと酷だがあれこれ申し上げることにする。 まず私はこの記事が非常に不愉快である。それは申し上げておく。私が筆致を抑えているように思われたら、それは彼女への気遣いではなく自分の品位への気遣いだと思われたい。 Mari先生の時とはずいぶんと態度がちがうじゃねえかというご指摘はたぶんあるでしょうがこの人とMari先生との差はけっこう大きいと思うので。同じ診療科の身びいきかもしれませんが。でも、うまく言語化できないけれど、なにか違います。やっぱり。 医療現場には考えたら動けなくなる現実が普通に横たわっている・・・って、この場合は先生の考えが足りないから動けないのである。この記事にある、「定職に着い
読売新聞の8月5日の「編集手帳」より引用。 料理人の修業は鍋洗いから始まり、厨房(ちゅうぼう)では「鍋屋」と呼ばれた。底にソースが残っている。味見できれば先輩の技を盗める。盗ませてなるかと、渡される鍋には石鹸(せっけん)水が混ぜてあった。18歳の鍋屋は肩を落とした◆オムレツを焼いた。火の通り具合がむずかしい。「こんなものをお客様に出せるか、責任を取れ」。お前が食べろ、という。焼いても、焼いても失敗した。先輩の前で20個のオムレツを食べたことがある◆帝国ホテルの総料理長を務めた村上信夫さんは本紙に連載された聞き書き集「時代の証言者」(読売ぶっくれっと)の中で、せつなくも懐かしい修業の昔を回想している けっ。 という一言で終わっては記事にならないから注釈的に書き足すことにする。読売新聞の編集手帳君には些か八つ当たり気味で酷かもしれないがご容赦賜りたい。 無批判にこういう記事が世に問われるたびに
ちりんのblog 予防接種についての記事、おおむね賛成。 とくに麻疹の予防接種をわが子に受けさせるのは、我が子を麻疹に罹患させないためではない。 それは2番目の目的である。勘違いしてはいけない。 1番目の目的は、「我が子を殺人者にしないこと」である。 我が子が他人様の子を殺してしまうことがないようにというのが、麻疹ワクチンの本来の目的であると、私は考えている。 我が子に拳銃やバタフライナイフを持たせないのと同様、我が子に麻疹ウイルスを持たせてはいけないと思う。世の中には通り魔も居るし丸腰では危険だと、我が子が学校に拳銃持参で行くのを黙認する親があろうか。 何遍も繰り返しているような気がするが、「はしか」は死ぬ病気である。 麻疹で死んだ子がいれば、その子に麻疹をうつして殺した人があるのである。 ついでに、このリンク元の子育てエッセイは、自分では医者や製薬企業やなんか全く相手にしない態度を誇示
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