(1)の章では『象は静かに座っている』の監督、胡波(フー・ボー)の学生時代について記した。この章では同映画の制作から監督の自殺に至るまでの過程を記す。 映画制作会社<冬春影業> 大学卒業から2年後の2016年、青海省の省都である西寧で開催される「First青年電影展」[映画祭]に参加した際、胡波はついに自分の映画を撮る機会に恵まれた。 受賞には至らなかった胡波だが、映画プロデューサーの劉璇(リョウ・シュアン)は彼の脚本を読み、夫である著名映画監督の王小師(ワン・シャオシュアイ)に推薦した。脚本を読んだ王は「物語と文体が総じて不思議な雰囲気を醸している」と高く評価し、彼と劉璇が運営する映画制作会社<冬春影業>による胡波の長編第1作への投資を決定した。この知らせを聞いた胡波は非常に興奮し、范超に60万元の投資を受けたと語っている。「アートハウス系の王小師に認められたよ。嬉しいなあ、俺の作品を撮