サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
体力トレーニング
joi.ito.com
シリアにおけるオープンソースソフトウェア・コミュニティの中心人物の一人、Bassel Khartabil (バセル・ハルタビル)が「国家の安全保障を脅かした」として2012年3月以来シリア政府によって収監されている。国連の恣意的拘禁に関する作業部会はその拘束を恣意的なものと宣言し、即時放免を求めてきた。 アサド政権内の人物たちからKhartabil氏の妻、人権弁護士の Noura Ghazi (ノウラ・ガジ)氏に接触があり、Bassel に対して死刑判決が下された旨が伝えられた。(Noura 氏の Facebook への投稿(アラビア語)に英文の翻訳とコメントがついている。)このうわさの真偽を確認することは不可能だが、Bassel の友人、ならびに表現の自由を守るすべての人々にとって非常に憂慮すべき報告だ。 ブラジルのジョアンペソアにあるインターネット・ガバナンス・フォーラムはシリア政府に
この度、MITメディアラボからBassel Khartabil(バセル・ハルタビル)に市民メディアセンターでの科学研究員の職をオファーすると発表できることを誇りに思う。就任してもらえれば責任者である主任科学研究員Ethan Zuckerman(イーサン・ザッカーマン)の直属となる。メディアラボの科学研究員として、オンラインでの表現の場を守る彼の長年の仕事を続けることができるようになる。その仕事は同センターの中心的な研究使命に調和するものである。特筆すべきは、彼は今、ISISが襲撃、破壊した場所のひとつである古代都市パルミラの遺跡を3Dで再建しようとしている。 Bassel Khartabilは大切な友人であり、クリエイティブ・コモンズでの元同僚でもある。インターネットの自由なカルチャーのために声を挙げ、尽力している優秀な人物である。2009年には僕をダマスカスに招待してくれて、シリアの学生
Bitcoin が勢いを増し、起業家、ハッカー、事業者、政治家、学界の関心を集める昨今、MITメディアラボでは Bitcoin 他、暗号通貨全般を中心に扱う『イニシアチブ』を設立することを決定した。MIT内から広く、教員、学生が参加する。 イニシアチブではメディアラボのメンバー企業の支援や参加を得て、教員や学生が重要な研究テーマに取り組むことになる。設立のきっかけは、MIT Bitcoin Club や MIT Bitcoin Project の運営に携わってきた学生たちと、 Bitcoin Expo など様々なイベントであった。MIT Bitcoin Clubの代表Jonathan Harvey-Buschel と Wellesley Bitcoin Club の代表 Jinglan Wang MIT によって今年開催されたBitcoin Expo は、まさに我々が今後進めていきたい B
この投稿で僕は、技術の歴史における、現在と別の重要時期/ターニングポイントとの強い類似性を掘り下げてみたいと思っている。このような比較で常なのが、相違点が、類似点同様に示唆を含んでいるということだ。どこまでメタファーを適用していくのがよいのかまだわからないが、我々はBitcoin の未来について、インターネットの歴史から多くを学ぶことができるかもしれない。Bitcoin に関する投稿は今回が初めてだし、主張を通すことよりも皆さんに反応や新しい発想をいただくことに主眼を置いている。フィードバックや、僕が読むべき内容へのリンクなどをいただけると非常にありがたい。 僕は根っからのインターネットパーソンであり、本格的なビジネスライフを始めたのがインターネットの黎明期であって、成人後の人生のほとんどをインターネットのレイヤーや要素を組み上げる仕事に関わってきた。日本発の商用インターネットサービスプロ
Edge恒例の質問は、今年は「思考する機械についてどう思うか?」だった。 僕の答えは以下のとおりだ: 「考えることについて考えるには必ず、何かについて考えることを考えることになる」 ― シーモア・パパート 思考する機械について僕がどう思うか、という問いの答えは、その機械が考えることになる対象による。僕自身は明らかに、AIおよび機械学習が社会に大きく貢献すると信じている一派に属している。人間が苦手としていることを、機械がはるかに上手にこなすことがわかってくるだろうと期待している。大量のデータ、速度、正確さ、信頼性、従順さ、演算、分散ネットワークおよび並行処理などがからむ事項だ。 ここにはパラドックスがある。我々はどんどん人間に近い挙動をする機械を開発しつつあると同時に、子供たちにコンピューターのように思考し、ロボットのように行動するよう促す教育システムを作り上げてきた。そして我々の社会が現時
自分の24歳の誕生日はとても明確に記憶している。1990年で、映画「インディアン・ランナー」の共同制作責任者の仕事を終えたところだった。東京の六本木にあるナイトクラブを、シカゴの「The Smart Bar」のチームと共に経営していた。マドンナが「ヴォーグ」をリリースしたばかりで、シカゴのハウスミュージックがアシッドハウスに進化し、レイブシーンが盛り上がっていた。世界も僕の人生も、楽しくて騒がしい時期だった。 僕が最初にTimothy Leary(ティモシー・リアリー)に出会ったのは共通の友達である、当時 Kyoto Journal の編集長を務めていた David Kubiak(デビッド・クビアック)を通じてだった。レイブシーンにより1960年代的テーマがいくつもリバイバルしていたため、ティムに会えるのを非常に楽しみにしていた記憶がある。僕は意識と精神について書いた本をいくつか読んで自分
メディアラボに着任して最初に学んだ言葉のひとつに「antidisciplinary」(脱専門的)というものがある。新設の教員職の求人情報に、必要条件として記載されていたのだ。異なる専門の人々同士が連携することを「interdisciplinary」(学際的)と言うけれど、脱専門的なプロジェクトというのは、いくつかの専門分野の総和ではなく、真新しい何かを意味している。「脱専門性」という言葉自体、定義が難しい。僕自身は、従来の学界的な意味での専門分野の区分けに適合しない何か、もしくは誰か、すなわち独自の語句、フレームワークや手法をもつ研究分野、の意味に解釈している。研究者の多くは、論文審査(ピアレビュー)のある著名な専門誌への掲載回数でその実績をはかられる。論文審査は通常、ある人が属する専門分野の実力者たちが、その人の仕事をレビューして、重要かつ独創的であるかどうかを判断するというものだ。この
Last year, a group of Media Lab students visited Shenzhen with, bunnie, an old friend and my hardware guru. He's probably best known for hacking the Xbox, the chumby, an open source networked hardware appliance, and for helping so many people with their hardware, firmware and software designs. bunnie is "our man in Shenzhen" and understands the ecosystem of suppliers and factories in China better
Synbiota(シンバイオータ)について初めて耳にしたのは今年のSXSWi で彼らが Accelerator Award を受賞した時のことだった。発表によると Synbiota は世界中の科学者、研究者、大学などを繋げ、遺伝子工学を用いて複雑な問題を解決するバーチャル連携サイトとのことだ。彼らはその週のうちに世界初の大規模オープンオンライン科学(Massive Open Online Science、MOOS)イベントの実施を発表した。「#ScienceHack」と銘打たれたそのイベントは、世界中の何百という研究者たち(よくわからない僕らみたいなのも含む!)が新型の「ウェットウェア」キットを使い、本来なら高額すぎて作れない部類の医薬品を数分の一のコストで作り出す、というものだった。 ひと月後、以下のメールが届いた。 From: Connor Dickie To: Joi Ito Cc:
去年、メディアラボの学生グループが、僕の旧友でありハードウェアまわりの師である bunnie と中国の深川(しんせん)を訪問した。bunnie は、主に Xbox のハッキングやオープンソースのネットワーク化家電ハードウェアである「chumby」、多数の人々をハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアの設計面で支援してきたことで、おそらくは最もその名を知られている。僕らにとって深川の窓口役である彼は、僕が知る誰よりも、中国の納入業者や工場のエコシステムを理解している。 彼のおかげでうちの学生たちは、我々の誰もが利益を享受しつつも、ほとんど目にしたり存在を認識したりすることすらないエコシステムを目の当たりにして、体験することができた。先週までは、学生たちの話やレポートを通じて間接的にはチェックできていたけれど、ようやく僕自身も bunnie と実際に深川を見てまわることができた。 bunni
Andy Rubin - Photo by Joi Ito ユーザーインターフェースのデザインは、ユーザーがそのシステムを理解し、制御できる力を持てるようにすることを目標とする。出力は画面やスピーカーから、入力はキーボードかタッチスクリーン、もしくはジェスチャーで行う。そしてそれらのユーザーは、我々の意識、すなわち、状況を掌握できていると思っている脳の論理的な部分であると想定されている。 しかしその意識は、自らが思っているほどには状況を掌握できていない。実際、意識よりも大きくて、大抵はずっと賢い精神、すなわち神経系のうち感情的で無意識で並行処理やパターン認識を担う部分は、意識を操作したり欺いたりすることすらあるのだ。このことはずいぶん昔に二重過程理論としてまとめられており、Kahneman(カーネマン)はそれらをシステム1(思考の広大で素早く自動的な側面)およびシステム2(理論的な検討と判
このフレームワークが最初に話題に出たのはJohn Maeda(ジョン・マエダ)との会話中だったと思う。発端となった見解は、芸術家と科学者の間の連携相性がよく、デザイナーとエンジニアとの間でも連携相性が良いのに対して、科学者とエンジニア、および芸術家とデザイナーだと相性が悪い、というものだった。エンジニアとデザイナーは物事の実用性に着目し、観察と問題の制約の把握を通じて解決法を編み出すことで世界を理解しようとする傾向にある。一方で芸術家と科学者は、自然や数学からインスピレーションを受け、純粋なる内的なクリエイティビティを通じて創造を行ない、単なる実用性などといった不完全なものではなく、真実や美しさなどの要素との関連が大きい形での表現や体現を追い求める。これはすなわち、脳には、左右の半球に分割する以外にも多くの分けかたがあることを意味する。 しかし僕は、面白く印象深い創造を行うにはこれら4つの
Shakaが著書「Writing My Wrongs」(自分の過ちを著す)をリリースした。彼のウェブサイトから購入できる。素晴らしい本であり、物語だ。今週、この著書の発売記念パーティーに出席した。Flickrに写真を何枚か載せておいた。MITメディアラボのディレクターズ・フェローの1人でもあるShakaは、Knight FoundationのBME(Black Male Engagement)アワード受賞者であり、僕の友人の中でも屈指のインスピレーショナルな人物だ。彼の著書に序文を書かせていただいた。以下の通りだ。 MITメディアラボは2012年7月1日、Innovators Guild(イノベーターズ・ギルド)の創設を発表した。学者、企業家、デザイナーからなるチームが世界各地のコミュニティに出かけ、イノベーションの力で人々を助けよう、という試みだ。その最初の焦点になったのがデトロイトの街
1990年代初め、僕はEccosysという小さなスタートアップを経営していた。 僕のアパートに来ていた友達を寄せ集めてスタートした小さな会社だ。 僕たちはインターネットのことをよく知っていたが、世間の人たちは知らなかった。 その後、マスコミがインターネットのことをだんだん取り上げるようになるにつれて、 多くの企業がインターネット関連製品を開発しそれを売り始めた。 Eccosysは、インターネットを実業につなげることに苦労していた。そのとき フロムガレージという会社のCEOだった林さんに出会った。フロムガレージは 広告の企画制作を請け負う小さな会社で、僕のアパートから歩いてすぐのところにオフィスがあった。 フロムガレージの最大の得意先は電通だった。フロムガレージとEccosysは手を組んで 当時としては珍しい、インターネットを利用したプロデュースを行うチームを作った。 そして、SunのJav
Bassel / joi / CC BY 2012年3月15日にシリアの首都ダマスカスのメッゼ地区で行われた一連の逮捕で、Bassel Khartabil(バセル・ハルタビル)が拘束されました。それ以後、家族には拘束の理由および彼の所在に関する公式な説明は一切されていません。しかし彼の家族は最近になって、ダマスカスにあるKafer Sousa(カフェル・ソウサ)の保安支部で拘束されていた人々から、Basselがそこに捕らわれていることを知りました。 Bassel Khartabilはパレスチナ生まれの31歳のシリア人で、オープンソースソフトウェアの開発、すなわちインターネットの基盤となるような貢献を専門とする一流のコンピュータエンジニアです。10年前にシリアでキャリアをスタートさせ、いくつかの地元企業のもとでパルミラの遺跡修復や、Forward Syria誌などの文化的プロジェクトにテクニ
2009年にロスのメイドカフェで会って飲んだ時に僕が撮ったDanielの写真 Daniel Suarez(ダニエル・スアレス)著の小説『Kill Decision』(キル・デシジョン)を読み終えたところだ。Danielは『Daemon』読後に僕の最も好きなSF作家の一人となった。『Daemon』が未読なら、ぜひとも読んでみてほしい。2008年にもここで話題にした。Danielはその後『Daemon』の続編『Freedom™』も書いていて、そちらも素晴らしかった。 途中で読むのをやめられない手に汗握るスリラーであると共に、これらの小説に登場するのがいずれも現存もしくは近未来の技術であるため、ストーリーが尋常じゃないくらい恐ろしく、説得力をもっている。Danielは「Daemon」の執筆時点で「Fortune 100社の複数社に独立系システムコンサルタントとして貢献。防衛、金融、エンターテイン
僕の友人の中には、「若いころ、辞書を最初から最後まで全部読んだ」という驚くべき人物が何人かいる。百科事典の「ブリタニカ」を全部読んだという人もいる。 妹によれば僕は「興味の向くことしか学ぼうとしない人」らしい。おそらく、「飽きっぽい」とか「長期的視野に立った計画が立てられない」とか、そういうことを言いたいのだろうと思う。僕にしてみれば、辞書を最初から最後まで読むなんてことは想像すらできない。実際、じっと座って辞書を読み通すことができる人なんて、そうそういないだろう。 辞書や百科事典を通読する話しはいささか極端に聞こえるかもしれないが、このことは、我々が公教育を受ける子どもたちに求めていることと同じではないかと感じることがある。 授業はかっちりと連続的に編成されていて、生徒たちは教室から教室へ急ぎ足で移動し、授業中はずっと座って、教師が微積分や歴史や、文法について延々と話しを続ける間、集中し
I just posted a blog post on the MIT Media Lab blog officially taking a position against SOPA and PIPA. This is a longer blog post co-authored with Ethan Zuckerman describing the issue in more detail. SOPA - the Stop Online Piracy Act - and a sister bill, PIPA - the Protect IP Act - seek to minimize the dissemination of copyrighted material online by targeting sites that promote and enable the sha
MITメディアラボは2012年1月17日に「The Power of Open: Scaling the Eco System」(オープンという力:エコシステムのスケーリング)をテーマにした1日限りのイベント、「MITメディアラボ@東京2012」を開催する。この会議はメディアラボの既存メンバー、産業界の思想的リーダー、およびメディアラボのネットワークの一員になることに興味をもっている企業や個人を対象にしており、かなり興味深いプログラムとなっている。 本イベントは開催費用の一助とするためにチケット制とし、座席数は150と限られているので、参加申し込みは早い者順とした。 プログラム内容および登録方法は以下からご確認いただける。 http://www.media-lab-tokyo.jp/?lang=ja 詳細は以下の通りだ。 イベント名称:MITメディアラボ@東京2012 テーマ:The Po
僕がニューヨーク・タイムズ紙に書いた「イノベーションを迫られ続けるオープンソース社会」の元のバージョンをここに紹介したい。ニューヨーク・タイムズ紙版も悪くないが、オリジナルはこちらだ。 -- インターネット、イノベーション、学習について インターネットは、本当は技術というよりも信念の体系、すなわち信条と呼べるものだ。 自分のコンピュータに小さなソフトウェア「MacPPP」をインストールした日を、僕は明確に覚えている。「MacPPP」はコンピュータ上で実行中のプログラムをグローバルなインターネットに接続するためのものだ。こじゃれたテレックス装置であった僕のコンピュータは、これを入れた瞬間、我々が今日当たり前のように享受しているマルチメディア的なインターネットの原始バージョンとも呼べるものに変貌を遂げた。 僕は当時、テレビ、映画そして音楽に関わる仕事をしていて、インターネットが何もかもを変える
Here's how the article that I wrote for the New York Times started before it turned into "In an Open-Source Society, Innovating by the Seat of Our Pants". The New York Times version isn't bad, but here's the original "unabridged" version. The Internet, innovation and learning The Internet isn't really a technology, it's a belief system - a philosophy. I remember very clearly the day I installed a
IBMのTHINKフォーラムへの参加準備をしながらリーダーシップについていくつか考えたことをここに書いてみる。 インターネットは、アイディアと情報の生産・流通にかかるコストを急速にほぼゼロにまで押し下げた。その結果、アイディアの爆発的な急増と低コストの連携がもたらされ、多くの革新が生み出されることとなった。しかし一方で、今よりも時の流れが緩やかで単純な時代に合うようにできている多くの組織や我々人間が作り出したシステムから見ると、世界を困難で危険な場所とする複雑性と速度、増幅のスペースをもまたもたらすこととなった。 変化が激しく複雑なシステムを設計、予測、管理する場合、そのためのコストが、実施のコストを上回ってしまうというのは、その設計や管理の対象が何であれよくあることだ。実際、結果を予測してリスクを管理するよりも、まずはやってみて、試行錯誤しながら改善を施すほうが容易であることも多い。過去
Here are some thoughts about leadership as I prepare to participate in IBM's THINK Forum. The Internet has enabled the cost of the production and distribution of ideas and information to plummet nearly to zero-resulting in an explosion of ideas and a low cost of collaboration. This has prompted a great deal of innovation, but also a complexity, speed and capacity for amplification that makes the w
Safecast.orgでは、我々が測定、収集している放射線量のデータについて、データ利用者による帰属先の明示を法的に求めるクリエイティブ・コモンズの著作権者表示(Attribution)ライセンスではなく、CC0のパブリックドメイン・デディケーションを用いることを私からチームに奨励した。理由は、著作権者表示が必要な場合には利用者にとって困難であったり障害であったりする、データ分析やサービスの一環としての利用の柔軟性を確保したかったからである。 著作権表示が必要だと、多くの大規模データ集約プロジェクトは破綻してしまう。例えば、仮にセンサーを携帯するすべての人の著作権表示が必要で、メガトレンドを見つけるための膨大な分析作業で、過去のすべてのセンサーデータが用いられ、その中に我々のデータが含まれるとしたら、データを提供したすべての人について著作権表示を行うことは不可能だろう。データを自由に使用
透明性とプライバシーの役割について興味深い話し合いをする機会が過去に何回かあり、これについて思うところがある。我々のこの世界というのは、権力者は秘匿性を持つが、一般の市民には透明性を強いる、そんな世界だと思う。そしてこの傾向は、今のテクノロジーによって拍車がかかっているように思う。僕はしかし、本来はその逆であるべきだと考える。公人や権力を持つ組織は透明性を強いられ、一般市民にはプライバシーが確保され、報復や迫害を恐れることなく発言する権利があるべきだと思う。これは民主主義やオープンな社会に必要不可欠であり、我々はそのことを推進して実現できるように努力すべきなのだ。 権力を持つ組織を透明にしようとする過程で、我々はいくつかの難しい問題に直面する。ほとんどの組織は、それが善の組織であっても、透明性に対して脆弱であるからだ。なぜなら、そもそも透明であるように設計されていないからだ。 まるで、ソフ
Reposted with permission: By: 朝日新聞編集委員 根本清樹 《 伊藤穣一さんインタビュー 》 Q。まず「創発」という言葉をわかりやすく説明して下さい。 「例えばアリは一匹一匹に高い知性はありませんが、群れとしてはとても複雑な共同作業をします。巣をつくり、ごみ捨て場や、死んだ仲間の墓地もつくる。個々の単純な動きが相互に作用し、いわばボトムアップで思いがけない高度な秩序が生まれていく。そういう現象を創発と呼びます。例えば大都市でも、トップダウンの都市計画より住民の相互作用から生み出された街並みの方がうまくいく。これも創発です」 Q。そういう現象が政治にも生じてくるだろうということですか。 「はい。例えば米国に『討論型世論調査』という面白い試みがあります。無作為抽出したごく普通の人々を一カ所に集め、税制とか年金とか、ややこしい問題を数日間議論してもらう。すると一人一人
As many of you know, I've been working closely with Reid Hoffman for years now and one of the things that I've been working with Reid on from the beginning was thinking about LinkedIn, especially in the context of Japan. As LinkedIn begins its global expansion, Japan is an important priority and recently I've been advising LinkedIn on a more formal basis. Japan REALLY needs LinkedIn right now. Lin
知っている人も多いと思うけれど、僕はReid Hoffmanと長い間共に仕事をしている。中でも彼が創業したLinkedIn、特にその日本展開については、最初から一緒に考えてきた。 LinkedInがグローバルに拡大している中、日本展開の重要性が増している。このため最近は僕もよりフォーマルな形でLinkedInにアドバイスをするようになってきた。 日本は、今まさにLinkedInを必要としている。LinkedInは「ソーシャルネットワーク」ではない。「プロフェッショナルネットワーク」なのだ。このネットワークを通じて人々は、社会人としてのアイデンティティを確立したり、ビジネスの専門知識や情報の共有をしたりすることができる。自分に大切な分野についてプロフェッショナルな知識を増やすことも可能だ。 プライバシーについての問題が大きな懸念材料になっている昨今、ゲームやソーシャルネットワークなどのカジュ
今回、MIT Media Labの新しい所長に選んでもらったことを光栄に思う。 去年の11月僕は、シリコンバレーを拠点に活動するたくさんの人々がオックスフォードを訪れ、起業家や大学生などと交流する魅力的なイベント「シリコンバレー・フォーラム(Silicon Valley comes to Oxford)」に出席した。こうしたカンファレンスは旧友と再会をするまたとない機会となることが多い。 今回のカンファレンスには僕が知る中でも最も魅力的な人物の一人であるMegan Smithが出席していた。 Meganと会うと、よくこうなるのだが、僕達はとにかくいろいろな事について語り合った。 その中でMeganが、「Joi, MIT Media Labの所長になるのに興味ない? 実は今、ちょうどNicholas Negroponteとその話をメールでしていたの」と突然僕に言った。僕は、「うーん...よし
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Joi Ito's Web』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く