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日本郵政の社長、西川善文氏が辞任に追い込まれ、後任に元大蔵事務次官だった斎藤次郎氏が就任する見通しとなった。 辞任を決めた西川氏は、自分が辞めなくてはならない理由を「郵政民営化に関する政府の方針が変わったことで、このまま自分が日本郵政に止まっても大きな隔たりがあり、適切でないと判断したからだ」とだけ説明した。 マスコミは、後任に決まった斎藤次郎氏が、元高級官僚であり、民主党の掲げる「脱官僚」という方針に矛盾すると書き立てているが、問題の本質はそんなところにはない。 第一には、今回の西川氏の実質的な更迭は、日本の金融システムのオープン化・健全化をどう考えるかという郵政民営化の本質に関わることである。郵政民営化が議論されていた前提を思い出してほしい。 かつては、「ゆうちょ」、「かんぽ」に蓄積された200兆円にもおよぶ国民の預貯金が、大蔵官僚のさじ加減ひとつで特定天下り団体や道路財源などへの資金
「返済猶予制度」原案固まる 亀井氏「追加融資もさせる」 亀井静香金融・郵政改革担当相がぶち上げた「返済猶予(モラトリアム)法案」が国会に提出されることがほぼ確実になった。政府の検討チームがまとめた原案は亀井担当相の当初のアイデアに沿うものとみられ、同担当相も「これで中小企業に元気を出してもらえる」と上機嫌だ。.(J-CASTニュースより).. ... 亀井金融大臣の中小企業に対する「返済モラトリアム」が物議を呼んでいる。 金融の専門家筋は、亀井がいうようにモラトリアムを実施すれば、回収が困難になると考える銀行が、ますます融資のハードルを高くし、結果としては貸し渋りや貸し剥がしを助長することになると警告している。 しかし、亀井の提案を真っ向から批判できないのは、中小企業をめぐる金融がどうしようもなく傷んでいる実態があり、その危機的な状況に対して誰も処方箋を提出できそうにないからだ。 危機的状
建設が進んでいる東京スカイツリーの足下、墨田区の京島に「キラキラ橘商店街」という私の好きな商店街がある。ここを舞台に「のんちゃんのり弁」という映画が制作され、先週からロードショーが始まった。 物語は、親のすねをかじっているだけのダメ亭主に見切りをつけた、小西真奈美が演ずる主人公、小巻が、幼稚園児の一人娘、のんちゃんを連れて家を飛び出す場面からはじまる。小巻は母親の住む墨田区、京島の実家にまい戻って仕事を探すのだが、子連れで何のスキルも持たない主人公に世間の風は冷たい。 シングルマザーとして生きていく現実の厳しさに一時は途方に暮れるのだが、商店街の人々から支えられながら、得意の料理の腕前を生かして弁当屋を開くまでが描かれている。 女たちが自立して生きていくことの哀しみ 映画作品としては、コミカルにテンポよく展開していて楽しめる良い作品だが、扱っているテーマは大変重い。主演した小西真奈美がイン
ブログの更新がすっかり疎かになている間に、世の中では鳩山政権がスタートし、「脱官僚依存」が、次なるキーワードとしてメディアを賑わしている。 多分にパフォーマンスも入っているのだろうが、政治主導を印象づけるやりとりがメディアを通じて流されている。苦笑させられたのは、環境省の着任式で小沢鋭仁新大臣に対する小林事務次官の言葉だ。 小沢大臣「・・・皆さんには私は力が無さそうに見えるかもしれないが、鳩山総理には一番近い存在だと自負している」 小林事務次官「総理の一番の懐刀でもある素晴らしい大臣を迎えられたと、心よりお慕い申し上げております」(マークは筆者の判断で挿入) 小沢大臣が、自分は総理の「虎の威を借る狐」だと、わざわざ言い立てる神経も相当なものだと思ったが、そういう新大臣に向かって「お慕い申し上げております」と臆面もなく全国放送のテレビカメラの前でしっぽを振って見せる小林事務次官の姿にも思わず
自民党が結党以来の大敗北を喫して、戦後初めて総選挙によって政権交代が実現した。 前代未聞の解散予告で始まった長い選挙戦は、当初は自民党にとって有利に働くと考えられていたが、結局、選挙戦の終盤には、民主党に地滑り的に支持が集まるという結果になった。(写真:産経ニュースより) 民主党よくやった!とほめるところかも知れないが、どうもそういう気分にはならない。というのも、民主党が圧倒的に支持を集めたというより、自民党が自滅したという印象が強いからだ。思えば、2年前に安倍首相が、ストレスから下痢ピー状態になり政権を投げだしたのがミソの付き始めだった。 安倍政権の後を受けた福田首相もわずか1年で降板し、禅譲に近い形で首相の座に就いた麻生太郎は失言続きで、国民ばかりか党内の人心も離れダッチロール状態に陥り、とても政権を担っていける状況ではなかった。 麻生は今回の総選挙の結果を「有権者の自民党に対する積年
与党、自民党と公明党が、民主党に対するネガティブキャンペーンを始めている。 自民党は、ネットCMプロポーズ篇というアニメを制作し動画サイトで流しているが、鳩山由紀夫に似た主人公キャラクターが甘言を弄して恋人に結婚を迫るという内容だ。 男:僕の方が君を幸せにできる。僕と交替してみないか、バラ色の人生が待ってるよ。 出産や子育てや教育の費用も、老後の費用も介護の費用も、僕に任せれば全部OKさ。 高速道路も乗り放題だよ。 女:お金はだいじょうぶ? 男:細かいことは結婚してから考えよう 公明党のCMでは、小学校の教室で、窓ガラスを割ってしまった子供が、周りのクラスメートの子供達から咎められ、しらを切り通すのだが、苦し紛れに「秘書がやった」と答える。あまり出来のいいCMとはいえないが、小沢一郎前民主党代表のことを揶揄したものだろう。 日本の選挙広報キャンペーンの中では、相手の欠点や弱みを突く、こうし
政権交代をかけた夏の総選挙が始まった。 4年前の夏の「郵政民営化解散」総選挙では、小泉首相ペースで全てが進み、自民党が大勝した。それにひきかえ、この2009年の夏は、無脳宰相、麻生太郎が仕掛けた「バカタロー解散」によって、自民党の惨敗が既定のものとされ、世間の関心は、既に政権交代後の世界に移っている。 実質的に戦後初めてとなる政権交代が実現しようとしているにもかかわらず、ますます、この国が内向きになっていると感じるのは何故なのだろう。この4年で世界は大きく変わったが、この国においては何事も変わっていないし、変わるとも思えない。 4年前の郵政解散総選挙を色々な意味で象徴していたのは、ホリエモンの出馬だった。 若者や個人投資家たちにカリスマ的な人気を持っていた、時代の寵児、堀江貴文が、郵政民営化に賛同して小泉純一郎の刺客候補となって、広島六区で亀井静香とぶつかった。 国家元首になろうとしたホリ
近所にあるスーパー、イオンの店頭に「麦の薫り」というビール風味飲料・第3のビールが山積みセールされていた。 よく見るとイオングループのプライベートブランド「トップバリュー」の商品として売られている。350ml缶が100円という低価格もさることながら、驚かされたのは、サントリーとのダブルブランドになっていたことだ(写真)。 大手流通のPBをナショナルブランドのメーカーが製造するケースはこれまでにもあったが、PB商品のパッケージにサントリーのような大手メーカーのブランドマークが並記されることはまずなかった。 同じマーチャンダイジングを、サントリーは、セブン&アイ・ホールディングスとも行っており、全国のイトーヨーカドー、セブンイレブンの店頭には、「SUNTORY」のロゴが明記された、1缶100円のPBビール風飲料「THE BREW」が並んだ。 流通PBとのダブルブランドを売り出したサントリー サ
東京都議選の自民党の大敗から麻生おろしの声が噴出したのに対し、麻生首相は予告解散という異例の手段にうって出た。 麻生退陣と総裁選の前倒し実施を要求する反主流派の封じ込めを狙ったもので、執行部の切り崩し工作が功を奏し、21日には予告通りに麻生首相の下で解散がおこなわれ選挙戦に突入する。 党内反発は抑え込んだものの、解散総選挙に向けた勝算は、当の麻生首相も含め、自民党内の誰一人としてもっていないだろう。マニフェストもまとまっていないような状況で「玉砕戦」といってもいいような負け戦を自民党の議員は強いられることになる。 玉砕戦を強いられる自民党議員、奇妙な戦犯論 都議選に負けたのは、東国原知事を国政に担ぎ出そうとした際のドタバタ劇や、反主流派による党内の足並みの乱れが原因という奇妙な戦犯論が石原伸晃を中心とした党執行部から出てきたが、おかど違いも甚だしい。有権者は、無脳宰相「麻生太郎」にNoを出
わが家には長じた娘が2人いるが、彼女たちがまだ幼かった頃、足立区の商店街のうどん屋(製麺販売)の3階に間借りしていた時期があった。写真は、年賀状用に撮った当時の写真である。「玉うどん」という、うどん屋の看板が、その頃のカトラー家の目印だった。 商店街の通りに面した窓を開けると、眼下に向かいの八百屋の軒先が見えた。 とある週末の夕方、娘をその八百屋におつかいに行かせ、その様子を窓から眺めていると、八百屋のおやじが、明日になれば真っ黒に変色してしまうような萎びた椎茸をしきりに娘に売りつけようとしている。 「おい、おやじ、そんな半端ものうりつけるな!」 と窓から首をだして怒鳴ると、八百屋のおやじは頭上の私の姿に気が付いて、ばつの悪そうな顔をして「お手伝いできる良い子だからおまけしてやろうっていってたんだよなあ、嬢ちゃん」と娘の頭を撫でながら言い訳してみせる。 商店街の人々は、せこい人たちが多かっ
東京都渋谷区は18日、区立宮下公園の命名権(ネーミングライツ)を、スポーツ用品メーカー「ナイキ・ジャパン」(東京・品川)に売却する方針を区議会で明らかにした。ナイキ側の予算で公園改修も進めるという計画だ。(アサヒコムより) 渋谷区が、ナイキに宮下公園のネーミングライツ(命名権)を売り、「ナイキ宮下公園」化する計画を公式に発表した。ナイキ・ジャパンが費用負担する形で、宮下公園内に新たにスケートボード場(1100平方メートル)、ロッククライミング施設が整備され、夜間は施錠されることになるという。 この計画に対しては、ホームレス支援を行っていたグループが中心となって「みんなの宮下公園をナイキ公園化から守る会」という市民団体が結成され、反対運動も始まっているが、彼らの声が多数意見となるとは考えにくい状況だ。というのも、一般区民の中には、「ナイキ公園になればキレイで明るくなり、ホームレスもいなくなる
鳩山邦夫総務大臣が辞任したゴタゴタで麻生政権の支持率がまた急落している。 カンポの宿の売却問題に端を発する今回の騒動は、結局、無益な混乱だけを残しただけに終わった。単に混乱を招いただけではない、落札が決定していたオリックス不動産が購入を辞退して売却計画が白紙撤回されたことで、日本郵政の民営化プロセスも停滞を余儀なくされた。そもそも、バルクセールを前提としていたカンポの宿の売却について、その資産評価方法、入札のプロセス、いずれをとっても何の瑕疵も存在していなかった。 当初、鳩山は不正を暴き出すと息巻いていたが、埃一つ出てこず、全くの空振りに終わった。マスコミは日本郵政の西川社長に対して、十分な説明責任を果たしていないと批判の矛先を向けていたが、お門違いも甚だしい。正当なプロセスを持って行われた入札という自由な経済行為の結果に対してそれ以上何の説明をしろというのか。要するに事の発端から今回の辞
アゴラで池田信夫氏が、「ノマドの反乱」というコラムを書いている。その中で「日本人が極端にリスクを嫌うのは農耕民族だからだという説明がされるが、これは歴史的におかしい」と述べているが、まったく同感である。 池田氏は、網野善彦氏の知見を引きながら、土地に縛られた農民だけを社会の中心に据えて歴史を考えることは、天皇制を支えた律令制度が生み出した農本主義的歴史観に過ぎず、「日本人=農耕民族」という歴史観自体が、共同体間の交易や「まれびと」とよばれるノマド(移動民)が経済、文化活動において大きな役割を果たしていた事実を隠蔽することによって成立していると指摘している。 同じように、現代の終身雇用制に裏打ちされた正社員中心の農本主義的な社会システムも1960年代以降の高度成長経済の下でたまたま成立した擬制に過ぎない。今般の不況下において、経団連、そしてそれと対峙する大企業の労働組合も、口を揃えて「終身雇
新型インフルエンザ騒ぎで、そこかしこにマスク姿の人々を目にするようになった。 ニュースなどで大阪の通勤風景が報じられていて、電車待ちをしているプラットフォーム上のほとんど全ての人々がマスクをつけている様は、異様な感じがする。 高城剛が、ロンドンのヒースロー空港でも日本人だけがマスクをしていて、これは日本人の集団ヒステリー現象に他ならないと自分のブログに書いているが、そのブログ記事がKY(空気読めない)発言だと反発を買っているようだ。 日本の状況について高みの見物よろしくKY(空気読めない)な事を言っていると、連れ合いの川尻えりかの芸能活動に影響するぞと脅しまがいのことを書いているゴロツキのようなマスコミもある。高城のように「外国に比べて・・・・」という言い方で外からの視点を殊更に強調するのもいささか危うさを感じるが、この国の人々が、外からの侵入者というイメージに過剰反応してしまうことは残念
小沢一郎が辞任し、民主党の代表レースが始まった。 小沢一郎という人物は、今の日本の中では、権力というものの本質を知っている稀有な政治家だと考えている。権力とは何か、それは、人をひれ伏させる無言の力のことである。 議会制民主主義の世界においては、権力には、常に「根拠」が求められるし、現代のような情報社会においては内閣支持率など、その「根拠」とされるデータがメディアを通じて株価のように日々伝えられてくる。 そうしたメディアが伝える大衆的な支持や人気投票が、権力の指標であることを否定はしないが、それだけでは権力の本質を説明したことにはならない。 政治的な人間、権力を掌握する権力者に求められる最大の資質とは、暗さだと思う。 「政治とは、最高の道徳(善)である」というアリストテレス言葉があるが、これには2つの意味が隠されている。第一義的には政治は理想を持っていなければならない。しかし、理想と現実は常
8月にも想定されている衆議院総選挙に向けて、地方票の取り込みを狙った農家へのばらまき・アナウンス合戦が激しさを増している。 そもそもの発端は、先の参議院総選挙で、民主党の小沢一郎代表が農家に対する「戸別所得補償」という政策をぶち上げ、自民党の牙城ともいえる農村票を鷲掴みにして、参議院総選挙に大勝、参議院における与野党、逆転状況を作りだしたことにあった。 政権交代を賭けた次回の衆議院総選挙では、自民党は農村部で絶対に負けるわけにいかない、そこで今回の補正予算案において、農業補助のためのさまざまな予算をばらまくことにしたのだ。民主党の農家に対する「所得補償」というのは、ネーミングが良かったので農家の支持を得たが、実際には転作農作物の販売価格が生産費を下回った場合にその赤字を補填する「生産費保証」に近いものだった。これに対して、現在、補正予算で審議中の農業補助は、総額で1兆302億円に上り、米粉
新型インフルエンザ(H1N1Flu)、通称「豚インフルエンザ」の感染拡大が止まらない。 ここにきて、発生源と見られているメキシコの保健衛生上の対応に疑問の声が上がっている。これまでも他国に比べて死者の数が飛び抜けて多いことが疑問視されていたのだが、突然、メキシコの保健相が、新型インフルエンザで死亡したことが確実な死者の数を大幅に引き下げる発表を行ったのだ。日本でも感染が疑われる旅行者が入管の簡易チェックに引っかかり大騒ぎになったが、結局、新型ではないと判定された。 そもそも新型インフルエンザ(H1N1Flu)によるものかどうか確認するには、遺伝子レベルの照合を行う必要があり、日本でも国立感染症研究所に検体を持ち込まなければ判断がつかないようなものをメキシコではどのように判定していたのか H1N1型による死者の認定数を引き下げたことは、危機の度合いが小さくなったことを意味しない、むしろその逆
SMAPの草なぎ剛が、泥酔して全裸で真夜中の赤坂の公園で騒いでいとところを公然猥褻罪で逮捕されたことが大ニュースになっている。 このニュースを出張中の新幹線の中で流れていた文字ニュースのテロップで知ったのだが、全裸というのがユーモラスに感じられて、世間では笑い話になっているのかなと思ったら、テレビ、新聞がトップで取り上げるような大ニュースになっていた。 憔悴しきって警察の車に乗り込む草なぎの横顔(写真)が各紙に掲載され、日本でも指折りの人気者だった草なぎ剛が、一夜明けてみれば、「犯罪者」扱いされていた。 メディアの対応もさることながら、違和感を感じたのは、草なぎが「公然猥褻罪」で現行犯逮捕されたということだ。一体、誰が誰に対して猥褻だったのかというのか?報道などから判断する限り、草なぎは、知人たちの飲んだ後、赤坂の檜町公園に行き、そこで一人で裸になって、何事かを騒いでいたということだ。夜中
最近、上海や北京に行った人が印象に残ったこととして必ずあげるのが、電動自転車が街のあちこちを走り回っている光景である。 一昔前の日本のメディアが、中国を描く際に、必ずといっていいほど取り上げるステレオタイプ化された映像があった。それは、人民服を着た膨大な数の中国人労働者が自転車に乗って一斉に職場に出勤するシーンだ。自転車に乗った人々が蟻の大群のように街のそこかしこから溢れ出て行進する姿は、中国という国の貧しさ、そして同時にその膨大な潜在力を象徴していた。 その光景が、現在の中国の発展を示すように、自転車から電動自転車へとスイッチされようとしている。 電動自転車といっても、日本でも流行っているヤマハのパッソルのようなアシスト機能の備わった高級自転車ではない。自転車に電池とモータをくっつけた、日本で言えば原付自転車の原動機部分がガソリンエンジンではなく、「電池+モータ」になったものといえば想像
‘Surgical’ Bankruptcy Possible for G.M. By MICHELINE MAYNARD and MICHAEL J. de la MERCED Published: April 12, 2009 DETROIT — The Treasury Department is directing General Motors to lay the groundwork for a bankruptcy filing by a June 1 deadline, despite G.M.’s public contention that it could still reorganize outside court, people with knowledge of the plans said during the weekend. ゼネラル・モーターズ(GM)の破
この顔をクローズアップでまたテレビ画面で見せられることになるとは思ってもいなかった。千葉県知事となった森田健作の顔である。 千葉県の知事選などは関心がなかったこともあり、森田健作が立候補していることすら知らなかったし、森田のような一昔前のタレント候補が一体どうすれば当選できたのかと訝しく感じた。しかも、投票結果を見ると、民主党などの推薦を受けた吉田候補に圧倒的な差をつけての堂々たる圧勝である。 森田健作の勝利が物語っているのは、日本の政治が、消去法だけに動かされるダッチロール状態に入ってしまったことだ。つまり、こいつも駄目、あいつも駄目とバッテンをしていった挙げ句に、残ったものだけが浮かび上がるという政治状況が生まれている。 麻生太郎が宰相として全く不適格なことは、与野党も国民も認識しているが、自民党内に代わる候補がいないためにゾンビのように政権に居座っている。麻生が自民党内の消去法の帰結
「国策捜査」が漂流している。 前回のエントリー記事でとりあげた、小沢一郎の公設第一秘書が逮捕、起訴された問題に関して、民主党、小沢一郎代表の政治的責任問題とは別に、検察の国策捜査のありかたを巡って批判の声が広がり始めている。 「国策捜査」という言葉は、もともと検察の内部用語で、国家の意志・政策、あるいは世論の動向に基づいて訴追ありきという形で捜査をすすめることを意味していた。しかし、この言葉が、マスコミや一般国民にも知られるようになったのは、鈴木宗男事件で逮捕、起訴された元外務官僚、佐藤優氏の「国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫) 」が出版され、ベストセラーになってからだろう。 この本の中で佐藤氏は、「国策捜査」というもののありようと、その「罠」にはまった時の個人の無力さを自身の体験をもとに赤裸々に報告している。この本が出て以来、「国策捜査」という言葉は、検察に対する批判
西松建設の違法献金疑惑の渦中にあって、進退が取りざたされている小沢一郎が、TIMEアジア版2009年3月26日号の表紙を飾っている。 政権与党の麻生太郎首相ではなく、野党の党首である小沢が登場しているということは、この国の宰相の存在感が世界的にいかに稀薄かということの証左でもあるが、日本の政治が、結局、小沢一郎という政治家を焦点に動いていくということを暗示している。 西松建設の小沢一郎の政治資金管理団体「陸山会」への献金を巡って、政治資金規制法違反の疑いで公設第一秘書が逮捕され、窮地に立たされた小沢一郎は賭けに出た。党執行部に対して、企業献金を全面的に禁止することも含めて対応策の検討を指示したのだ。これに対して、自民党の幹部連中が猛烈に反発した。 「盗人たけだけしいとはこのことだ」 町村(町村派会長)「政官業癒着の象徴みたいな人がそんなことを言っても始まらない」 山崎拓(山崎派会長) 小沢
経済が縮減し、ついには1/2になってしまう「ハーフ・エコノミー」の恐怖が現実のものになりつつある。 3月発表された米国の新車販売台数は、約68万台で、DSR(1日当たり販売台数)は前年同月比約38.9%減、17カ月連続のマイナスとなった。中でも米国メーカーの落ち込みがひどい、ゼネラル・モーターズは前年比-51%という惨憺たる状況だ。 自動車市場だけではない、現在、世界を覆いつつある「恐慌」の震源地となった米国の住宅市場も価格の下落と販売減に歯止めがかからない。2005年7月に米国の新築住宅販売戸数は、年率140万戸のピーク値を打った後、ずるずると下がり続け、今年の1月には、年率30万戸台の水準にまで落ち込み、前年比-50%という正に壊滅的状況を呈している。 米国経済の主力牽引エンジンである自動車、住宅市場が、前年の半分に縮小するという「ハーフ・エコノミー」化の現実を目の当たりにしている。
楽天の三木谷社長から、以下のようなメールが届いた。 「楽天の三木谷です。平素は格別のご高配賜り厚く御礼申しあげます。 今までの私の楽天人生において出会うことのできた方々に今の私の考えをどうしてもお伝えしたく、メールを書かせていただきました。長文にはなりますが、ぜひご一読ください。 数多くのメディアにて取り上げられておりますが、この度、厚生労働省は一般用医薬品の通信販売(ネット販売を含む)を今年の 6月から大幅に制限する省令を公布しました。 7日付けの日本経済新聞や8日付の朝日新聞の社説では、この改正を痛烈に批判しており、まったく国民不在の行政であるばかりではなく、省令の実効性にも疑問を感じております。 また、ネットにてなんとか食い扶持を保っている地方の薬局だけではなく、伝統薬をはじめ通販に頼っている事業者は数多く廃業に追い込まれるはずです。 このようなことを十分な議論もなく、どちらかという
20年前の表参道は今とは違って人通りもまばらな閑静な場所だった。その頃、知人の仕事場が伊藤病院の裏にあったので、よく辺りをぶらつき、散歩の途中でよく立ち寄って覗いて見たのが同潤会アパートだった。 同潤会アパートは、関東大震災後、大正期に建設された日本のコンクリート住宅の草分け的建物で、既にかなり老朽化が進んでいたが、アーティストやデザイナーが入り込み、ブティックや雑貨店を開き、表参道のランドマーク的存在になっていた。再開発の話が持ち上がった時に、何とか残したいという声が方々から上がったが、最終的には取り壊されてしまい、3年前に森ビルが経営する「表参道ヒルズ」に生まれ変わった。 設計を担当した建築家の安藤忠雄氏も同潤会アパートの記憶を今に遺したいと考え、アパートの一部をそのまま復元し、そこに接続させる形で現在の表参道ヒルズの建物を完成させた。 オープンして半年ぐらいした時に、建築好きな知人に
バラック・オバマが、第44代米国大統領に就任した。就任演説を聞いたが、よく練り込まれ考え抜かれた内容であり、しかも人々の心に届く強いメッセージ性をもった歴史に残る名演説だった。200万人にも達する聴衆が、水を打ったように静まりかえり、オバマ新大統領が発する言葉の一言一句を逃すまいと真剣に聞き入る姿には、政治家の言葉の力というものを深く考えさせられた。 私はバラック・オバマという政治家は、米国の神話の再建を託された巫女のような存在ではないかと考えている。「巫女」というと違和感があるかもしれないが、何もオバマが神がかっているといいいたいのではない。「神=共同体の無意識」と読みかえれば、オバマに渇望されているのは、ばらばらになった米国民の魂をもう一度結びあわせ(unite)、新しい国産(くにうみ)神話を紡ぎ出すための語り部(巫女)としての役割だ。 神がかっていたのは、オバマよりむしろブッシュの方
昨年末、刊行された経済学者の中谷巌の本「資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言 」が波紋を広げている。この本では米国流の金融資本主義が批判の俎上に上げられているが、そこに書かれている内容よりも、この本において新自由主義的経済学の旗振り役と目されていた中谷が、米国流の経済学から決別し、180度「転向」を表明していることが話題になっているのだ。現在発売中の週刊朝日にも登場し、「改革が日本を不幸にした」と中谷は懺悔している。 中谷巌は、米国の70~80年代を席巻した市場原理を重視した経済理論の日本への紹介者で、マル経(マルクス経済学)とケインズ経済しかなかった当時の日本に米国流の市場原理に基づくプラグマティックな経済理論を持ち込み、小渕内閣の首相諮問機関「経済戦略会議」の議長代理を務めるなど、経済政策ブレーンとして中心的役割を果たした。中谷のつくった道筋は、小泉内閣の竹中平蔵氏に受け継
大晦日から日比谷公園で「年越し派遣村」が開設されていることを知り、3日の朝からボランティアとして参加した。 昨年のリーマンブラザーズ破綻を発端とする米国の金融恐慌が、実体経済にも及び、北米市場を利益の源泉としていた日本の外需産業が軒並み不況に陥っている。トヨタ、キャノンといった日本のトップ企業も派遣切りを行い、数十万に及ぶ派遣労働者、季節労働者が職場を失って、路頭に迷うことになった。そうした労働者のために「年末年始を日比谷で生き抜く」をスローガンに、テント村による住居の提供、炊き出しなどによる食事支援、そして労働相談、生活相談など行うというもので、「NPO法人自立生活サポートセンターもやい」や「反貧困ネットワーク」などが中心となり立ち上げられたプロジェクトだ。 炊き出しの列に並ぶ派遣の人々 これまでの年末年始にも、新宿や池袋などの街頭で炊き出しが行われ、ホームレスの人々などが列を作っている
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