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アメリカ大統領選
liaoyuan.hatenablog.jp
ジョン・マイケル・グリアによる2021年2月3日の記事 "The Last Years of Progress" の翻訳です。 The Last Years of Progress ノー、ここで私は過去数週間のアメリカの政治的混乱に関する議論に長い時間を費やすつもりはない。確かに、2020年中のほとんどの期間、暴力は完璧に許容可能な政治活動の手法であると主張していた [民主党の] 政治家たちが、対立する立場の人々がその言葉通りに行動したとき、無様なかんしゃくを起こしたのを見ることはとても楽しかったと認めよう。また、ソーシャルメディアの狂乱的な大量パージにより、どれほどの量の広告にも及ばないほどのブーストを敵対する陣営に与え、ソーシャルメディア企業が自滅していったのを見ることも、同様に楽しかったと認めよう。Reddit上のデイトレーダーが、オフィシャルな説明によれば、卑劣な金持ちだけが行える
ジョン・マイケル・グリアによる2020年11月25日の記事 "The Great Leap Backward" の翻訳です。 訳者補足: ダボス会議の主催で有名な世界経済フォーラム (World Economic Forum) は、今年6月、2021年開催予定の次期総会のテーマを「グレート・リセット」とすることを発表した。WEF自身の主張によれば、グレートリセットとは、特にCOVID-19のパンデミックにより明らかになった世界的な矛盾に対して、"協力を通してより公正で持続可能かつレジリエンス (適応、回復する力)のある未来のために、経済・社会システムの基盤を緊急に構築するというコミットメント"*1 と主張されている。 ところが、テーマ発表の直後から、「パンデミックを、不確かな社会実験のための機会として利用しようとしている」として、特にアメリカのSNSを中心にWEFは強い批判にさらされた。そ
ジョン・マイケル・グリアによる2020年9月30日の記事 "The Mask of Disenchantment" の翻訳です。 The Mask of Disenchantment 今月の始めに、9月には水曜日が5回あると気づいた時には、その5回目の水曜日にこのブログで何を投稿するかまったく決めていなかったので*1、最近復活させた以前の習慣に従い、読者に提案を求めた。いつも通り、そこで起きた議論は活発なものであり、かなりのトピックが議題に挙げられた; 相当数の投票を得た話題については、しかるべき時に記事を書くつもりだ。実際的な理由により、けれども、多くの読者が求めたのは、しばらく前に私が書いたコメントへの補足であった。 ジェイソン・ヨセフソン=ストーム それに先立つ議論で、私はマックス・ウェーバーの「世界の脱呪術化」が現代特有の特徴であるという主張に対するコメントを述べ、その主張は数ヶ月
ジョン・マイケル・グリアによる2019年8月21日の記事 "The Dream of a Managed Society" の翻訳です。 The Dream of a Managed Society 2週間前のこのブログのエッセイ、工業諸国のエリートたちは「エコファシズム」のお喋りを都合の良い口実として利用し、環境保護主義から撤退を始めていると指摘した記事は、私が予想していた通り、活発な反応を生んだ。公平に言えば、ある程度のノイズも存在しており、企業メディアによる流行の物語に対する不同意を止めるようにという一定の憤慨した要求も存在した; ここで私は特に、見たところ3人の別々の人間が書いたと思われる3件のコメントについて考えているのだが、メディアの寵児、グレタ・トゥーンベリへの熱狂的な敬意が不足していることを、区別できない言葉遣いと区別できない親密なお叱り口調で非難するものであった。[左派オ
この記事は2016年4月27日に書かれた。ジョン・マイケル・グリアによる2016年ドナルド・トランプ当選予測に関するエッセイはこちら Where On The Titanic Would You Like Your Deck Chair, Ma'am? 先週、私はとあるブログで人種差別主義者として非難され、また別のブログでは社会正義戦士(ソーシャルジャスティスウォーリア) として酷評されるという面白い経験を得た。私の定期的な読者はご存じの通り、そのようなお楽しみは、ほぼ10年前にこのブログ『The Archdruid Report』を開始して以来、珍しいものであったわけではない。あらゆる問題について、それを考える方法はただ2つしかないという奇妙な信念は、現代アメリカ社会にはびこっている; そのような思考の習慣と矛盾し、一般常識から外れて、第三の選択肢があるという提案をすると、両方のサイドか
この記事は2016年2月24日に書かれた。ジョン・マイケル・グリアによる2016年ドナルド・トランプ当選予測に関するエッセイはこちら The Decline and Fall of Hillary Clinton 過去数週間のアメリカ政治では、私がこのブログ上で議論しているメインテーマを確かめる興味深い事例が見られた。10年前にこのブログが始まって以来、その研究が私のエッセイを導いてきた思想家である歴史哲学者、オズワルト・シュペングラーには、過去数週間のできごとはまったく驚きではないだろう。もしもシュペングラーがアメリカ大統領候補者2名のここまでの運命の分岐について考えたとすれば、彼のしかめっ面がつかの間の喜びでほころぶだろうとあまりにも容易に想像できる。つまり、たった1年以内以前には、ほとんどすべての人が一般投票で対決すると主張していた候補者、ジェブ・ブッシュとヒラリークリントンだ。 あ
この記事は2016年11月16日に書かれた。ジョン・マイケル・グリアによる2016年ドナルド・トランプ当選予測に関するエッセイはこちら WHEN THE SHOUTING STOPS しばらくの間、私は先週の選挙でのヒラリー・クリントンの敗北に対する支持者のリアクションを理解しようと試みてきた。最初、私は単にそれを無視していた。ホワイトハウスを失ったときに民主党・共和党の両党が毎回行なう素人芝居のまた別の回が始まったのだと。2008年を振り返ると、読者たちのほとんどは確実に覚えているだろうが、バラク・オバマの勝利の後何ヶ月間も共和党員の叫び声が続いた。彼らが主張するには -今日民主党員のかなりの人数が主張している通り- 対立候補の当選は民主主義の失敗を意味し、アメリカ合衆国と世界は破滅を運命づけられており、そして敗北した党の支持者は明日にでも一斉逮捕され強制収容所へ送られるというのだ。 そ
この記事は2016年1月20日に書かれた。本記事の2週間前の記事で、ジョン・マイケル・グリアは2016年の予測としてドナルド・トランプが大統領に当選すると述べた。本記事は、その予測記事に対する反響への補足である。 DONALD TRUMP AND THE POLITICS OF RESENTMENT 2週間前、私が新年に立てた予測のうちで一番大きな困惑と冷笑を引き起こしたのは、来年の1月に聖書に手を置いて立ち、次期合衆国大統領としての宣誓をする可能性が最も高い人物が、ドナルド・トランプであるという提案であったようだ。その予測は、人々をイラ立たせるつもりで、あるいは楽しませるつもりで立てたものではない; あるいは、それは世論調査でのトランプ支持率上昇に対する単純なリアクションでもなければ、共和党のどうでもいいライバルたちのトランプを減速させる試みが、散々に失敗したことに対するリアクションでも
現在アメリカでは薬物中毒が深刻な社会問題となっていると、おそらく一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。過去20年の間に、700万人以上が薬物中毒となりそのうち20万人以上が死亡した。50代以下の若年層では、既に交通事故や銃器による年間の死者数を上回っており、HIV/AIDS問題の初期よりも速いペースで死者が増加しているという。2017年10月には、トランプ大統領により「公衆衛生上の非常事態」が宣言された。 本書『Dopesick』は、ヴァージニア州の地元新聞社の元記者であるノンフィクション作家、ベス・メイシーによって書かれたオピオイド危機の始まりから現在までのルポタージュだ。著者は、ヘロイン中毒で19歳の一人息子を亡くした母親の疑問「なぜ息子は死んでしまったのか?」という問いに答えるために、調査を進めていく。 Dopesick: Dealers, Doctors, and the D
下手なサスペンス小説よりも面白くて、硬派で難解な本であるものの一気読みしてしまった。ベンチャー企業の詐欺行為を最前線で追求した迫真のルポタージュというだけでなく、「起業家や経営者が語る夢想的で荒唐無稽なビジョン」に対する態度の再考を迫る、極めて優れた本である。 Bad Blood: Secrets and Lies in a Silicon Valley Startup 作者: John Carreyrou 出版社/メーカー: Knopf 発売日: 2018/05/21 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る シリコンバレーのテック企業のニュースを追っている人であれば、おそらくセラノス(Theranos)の名前をたびたび眼にしたことがあるのではないかと思う。 「医療の民主化」を掲げ、「指先からの血液1滴で200種類以上の病気が診断できる」とうたうセラノス社は、わずか数年前ま
「サイバー」という語の起源と変遷を辿ることでさまざまな技術史と技術の文化史を統一的にまとめ上げる、ポピュラーサイエンス本かくあるべしというお手本のような本。二匹目のどじょう狙いのようなあからさまなタイトルによって、むしろ本書の企画のオリジナリティが分かりづらくなってしまっているのが残念だ。 サイバネティクス全史――人類は思考するマシンに何を夢見たのか 作者: トマス・リッド,松浦俊輔 出版社/メーカー: 作品社 発売日: 2017/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 「サイバー」という言葉は、すっかり日常の語彙に馴染んでいる。サイバースペース、サイバーセキュリティ、サイバー戦争… しかし、改めて「サイバー」とは一体何なのかと考えてみると、よく分からなくなってしまう。 辞書やWikipediaを軽く調べてみると、「サイバー」という接頭語は「サイバネティクス
Sun in a Bottle: The Strange History of Fusion and the Science of Wishful Thinking 作者: Charles Seife出版社/メーカー: Penguin Books発売日: 2008/10/30メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 数年前、ロッキード・マーティン社が、10年以内に小型核融合炉を実用化すると発表したニュースを覚えている人は居るだろうか。当時も、核融合研究の将来性と未来のエネルギー供給に対する、なんとなしの楽観論が広がっていたように思う。どうやら、核融合には私たちの心を捉えて離さない「何か」があるらしい。 本書『Sun in a Bottle』は、副題にも表されている通り、核融合研究の失敗史を通して、その「何か」--希望的観測 (wishful thinking) -- が、どんな
『ブラックスワン』で有名なナシーム・ニコラス・タレブの新刊。 Skin in the Game: Hidden Asymmetries in Daily Life 作者: Nassim Nicholas Taleb 出版社/メーカー: Random House 発売日: 2018/02/27 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る タイトルの 「Skin in the Game」は、文字通りには「肌(身)をゲームに晒す」こと、イディオムとしては「身銭を切る」「自らの言動に対して、自分自身でリスクを負う」といった意味があります。(金融の世界では、投資家のウォーレン・バフェットが投資の判断基準の一つとして述べたことで有名になりました。) 例を挙げれば、自分で栽培した農作物を自分で食べる農家、自身が批判に晒されるリスクを引き受けて世間の誤りを正す人、起業家や自己資金を投じる投資家
私を昔から知っている人は、たぶん、私がちょっとしたトランプウォッチャーだということを知っていると思う。私の好きなアメリカ人ブロガーが2016年1月にトランプの当選を完璧に予測していたこともあり、大統領選挙予備選の早い段階から今日に至るまで、この奇異なセレブの言動に少しばかり注目していた。 そういうわけで、話題のトランプ暴露本『炎と怒り』を読んだ。 炎と怒り――トランプ政権の内幕 作者: マイケルウォルフ,Michael Wolff,池上彰,関根光宏,藤田美菜子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/02/23 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 内容については、いろいろな人が言っているけど「重大な衝撃の新事実」といった情報は多くない。たぶん、トランプ本人のツイートとリーク、新聞などを少し追っていれば、すでにどこかで聞いたことがある情報も多
twitterで「シンギュラリティ」を検索していたら見かけた以下の記事について。 元記事はシンギュラリティというホラを口にして金儲けをする人間の欺瞞が暴き出されておりとても面白いもので、是非読んでほしいのですが、こちらの翻訳はまだ改善の余地が残っていると思うので、私も訳し直してみました。翻訳を添削する過程で、私が翻訳をする際に何を考えながら訳しているのか説明してみたいと思います。 私の訳文についても、完璧だともこなれているとも考えていないので、他の方からのツッコミも歓迎します。(特に私は経済・法律関係は弱いので誤訳があるかもしれません)*1 まず全体的に、この文章での"Singularity"は、「技術的特異点」の意味ではなく、シンギュラリティ大学のことを指しています。 It’s lost Google funding and dealt with allegations of assau
ぐぐってもあまり情報が出てこなかったのでメモ。 Bashで 「$?」を使えば実行したコマンドの戻り値が取得できるのは有名。 $ false; echo $? 1 # falseの戻り値 Bashの場合、パイプされたコマンドの戻り値は 「PIPESTATUS」という配列に格納されることも、それなりに知られていると思う。 $ true | true | false $ echo ${PIPESTATUS[0]} ${PIPESTATUS[1]} ${PIPESTATUS[2]} 0 0 1 # true, true, falseの戻り値 ところが、バッククオートや 「$()」 によるコマンド置換の中で複数のコマンドをパイプし、その出力を何らかの変数に割り当て、かつ戻り値を調べようとするとうまく行かない。 RESULT=$( some_command | false | true ) echo
Kerasの作者、フランソワ・ショレ氏によるディープラーニングとKerasの解説本 『Deep Learning with Python』の読書メモ。 第二部「Deep Learning in practice」では、実践的な問題にディープラーニングを適用する方法を扱う。5章は畳み込みニューラルネット(convolutional neural network; CNN, convnet) を用いたコンピュータビジョンに関する話。 理論的な話は後で出てくるので、とりあえずCNNのサンプルプログラムを動かす。最初にも出てきたMNISTデータセットを使って、画像の分類を行う。 from keras import layers from keras import models model = models.Sequential() model.add(layers.Conv2D(32, (3, 3
フランソワ・ショレさんのディープラーニングとKerasの解説本『Deep Learning with Python』の読書メモ。今回で前半部分の第1部は終わり。ここでは、前回に引き続いて正則化の手法のドロップアウトを扱う。 ドロップアウトは、ニューラルネットに対して最も有効であり、最も広く使われる正則化手法で、ニューラルネットの「ゴッドファーザー」トロント大学のジェフ・ヒントン教授とその教え子によって開発された。ドロップアウトはどのような手法かというと、モデルの訓練時に一定の割合のノードの出力をゼロにする (値をドロップアウトする) というもの。この手法により、過学習を緩和して、汎化性能を向上させることができる。 ヒントン先生がドロップアウトの手法を考案したきっかけについて、本書では本人が語った面白いエピソードが紹介されている。 「私は銀行へ行った。窓口の行員は交代し続けており、私は彼らに
以前に取り上げた3つのサンプルプログラムでは、学習を続けていくと、訓練データの予測精度は向上するものの検証スコアは悪化していった。このように、訓練用データはうまく予測できるものの、逆に一度も入力されたことのないデータに対する予測性能が下がってしまう現象を過学習 (overfitting) と呼ぶ。過学習への対処は機械学習の中心的な課題である。 一般的に、過学習に対して最も効果がある対処法は訓練データを増やすことである。それができない場合は、モデルが保存する情報を減らすことである。 この4.4節では、過学習に対応する方法が記載されている。 ネットワークのサイズ減少 過学習に対する最もシンプルな対処法は、ニューラルネットのサイズ (レイヤー数やノード数) を減らすことである。たとえば、50万ビットのパラメータを持つモデルは、MNISTサンプルの5万個の数字の画像全てに対して、対応した数値を記憶
4章では、ディープラーニングに限らず機械学習全般に関わる内容を扱っている。このエントリの内容は、主に4章中盤部の内容をまとめたもの。 4.2 機械学習モデルの評価 訓練(training), 検証(validation), テスト(testing) 機械学習モデルの評価をする際には、データセットを訓練データ、検証データ、テストデータの3つに分けて使用する。訓練データを用いて機械学習モデル自体を調整(学習)し、学習に使用していない検証データを用いて、学習の結果を評価する。最後に、モデルの学習が完了した時点で、学習にも検証にも使用していないテストデータを使ってモデルの最終的な予測結果を評価する。 ここで、シンプルに訓練データとテストデータの2つに分ければ十分ではないかと思うかもしれない。それではダメな理由は、一言で言うなら、検証データに対する過学習を避けるため。 機械学習モデルを開発する際には
前回まで、書籍のサンプルプログラムを動作させてみた。ここでは、ディープラーニングの動作原理の基礎と構成要素を簡単にまとめる。「Deep Learning with Python」本の中では、2章〜4章にまたがって説明されている内容をまとめたもの。 ニューラルネットの計算は一体何をしているかと言うと、「前の層から入力された値の重み付き和を取った後、バイアス項として定数を加える。得られた値に対して何らかの関数 (ほとんどの場合において非線形関数) を適用する」という計算をしている。Pythonのコードで書くと以下の通り。 output = relu(dot(W, input) + b) 各変数はテンソルである。数学の人には怒られそうだけど、実務的にはNumpyの多次元配列と思っておけば良い。inputが入力、Wが重み、bがバイアスを表す。また、関数dotはテンソルのドット積で、reluはランプ
経済学が基礎としている概念は、その根底において、個々人の価値観と無縁では存在しえません。 根本的な概念があやふやである以上、表面上をどれほど数学的に取り繕ったとしても、経済学はまともな科学とは言えず、その人が信じる価値観を表明する政治的プロパガンダとしての性質を逃れられないのです。 これは、経済学の概念を物理学における基礎概念と比較してみれば理解できます。 例として、力学における質量を取り上げます。全ての物質は質量を持っていますが、そのことは何らの道徳的な意義を持っていません。どうして物質に質量が存在するのかという理由は、最近ようやく理解が進み始めたところですが、しかし古典力学の範囲においても、質量は完全に操作的定義が可能です。質量の定義は、キリスト教徒だろうとムスリムだろうと無神論者だろうと議論の余地はありません。 一方で、経済学の基礎概念は物理量とは全く異なります。「商品」、「サービス
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