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やる気の出し方
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ビジネスの世界には「売上をあげるマネタイズで疲弊している企業」と「疲弊が少ないまま、ヘルシーに売上を伸ばしつづける企業」があります。 その差の理由には様々な複合要因がありますが、ここでは「ビジネスにおける資産」の視点で説明します。会計上の資産の定義に囚われず「実際のビジネスにおいて、お金に換えられるもの」をビジネス上の重要資産と定義して話します。 マーケティング成果は、“資産価値”との掛け算で決まる マーケティングで成果を出す考えのひとつの断面からみた捉え方ですが、マーケの成果とは「何かしらの資産を、4P施策でマネタイズしたもの」と捉えることができます。 無理やり公式化すれば “マーケティングの成果=ビジネス上の資産の大きさ×マネタイズ4P施策の良さ” となります。 そのマーケにおける資産ですが、おおまかに3つあります。 ・実体資産 (研究開発・技術力、製造力、組織力など) ・ブランド資産
多くの企業は無自覚ですが、それぞれの会社に「マーケティングで得意としている型」と呼べるものがあります。 それらのマーケの型は、業種、ビジネスモデル、事業ライフサイクルのステージである程度規定されてしまう部分もあるのですが、同じ業界内の会社でも得意とする型が大きく異ることは少なくありません。 むしろ「型」が違うからこそ、アウトプットであるブランドや商品・サービスが異なり、その結果、同じ市場の中で棲み分けているとさえ言えます。 「型」は視点次第で、無限にレイヤーと分類があるのですが、この記事では、「目に見えにくく定性的」だけど、企業のマーケにおける得意~不得意を分ける根源的な「価値の作り方」と「実行の序列」という2つの視点から説明します。 ”アップルとサムスン”、”テスラとトヨタ”は、「価値のつくりかた」がどう違う?商品・サービスは、顧客に何かしらの心理や機能の便益を通じて「価値」を提供してい
巨額の資金調達をしたスタートアップ、すでに売上・収益の規模が大きな大企業には潤沢なマーケティング投資資金があります。 しかし、世の中の大半の企業は、巨額の投資資金は持たない企業です。そのような大半の企業は、マーケティングの何から投資すれば良いのでしょう? マーケ投資は、顧客獲得=売上と距離の近いところから投資するのが原則 投資リソースの少ない企業のマーケ投資の鉄則は、 1.売れるものをつくる~調達する(顧客と接点があったら、一定の確率以上で売れる需要のあるもの) 2.売ったあと、顧客が満足が得られるようにする(商品・サービスを買った顧客が、一定の確率以上でリピートする満足をつくる) 3.コミュニケーション施策で販売・営業を支援する場合は、売る現場に近いところから順番に投資をする(顕在化需要の顧客層の数が尽きてくるなら、潜在顧客層を掘り起こす施策に投資を徐々に増やしていく) これが考えかたの
多くの企業が、「仕事が忙しいのに、儲からない」という、経営者が辛いだけでなく、社員の給料も上げようがない、シビアに言えば事業に関わる全員が将来に希望を持ちにくい事業構造にはまりこんでいます。 収益性が低い儲からない事業は、将来に向けた投資もできないので、経営として選択肢が狭まり、良いことはなにひとつありません。別に「儲からない事業に価値がない」とか、「関わる人は全員不幸」だと見下したいわけではありません。ただ、儲かったほうが、もっと事業の価値や関わる人の幸福度を上げる投資ができます。 創業時は、巨額の資金調達をするような一部のスタートアップのような会社でない限り、大半の会社は投資のリソースが少なく、限られています。 そのリソースを噛み砕くと、 ・人(施策実行を担う人の絶対数が劣ったり) ・モノ(製造設備、顧客分析~CRMの高度で高額なソフトがなかったり) ・金(そもそも広告をうつお金はなか
弊社インサイトフォースは、社名にインサイトとつけちゃうだけあって、非常に振れ幅の大きな「インサイトの筋の良し悪し」を、社員の採用においても、また、プロジェクトの振り返りレビューにおいても企業文化として大切にしている。 しかし、この「インサイトの筋の良い人と悪い人の見極めや育成」は実に難しい。正直、育成のなかで一番難しい。ということでインサイトフォースの経営11期目で、マーケの仕事21年目の私の雑感を書いてみる。 筋の良いインサイトは、形式知な知識の蓄積量と比例しない現実人によって「成果を決定づけるインサイトの筋の良し悪し」は、ものすごい格差があるものの、その格差の源は、どうもマーケティングの戦略理論や、インサイトを把握するための調査手法の知識など、形式知の総量と比例しないと感じることが多い。 端的に言えば、 ・知識の総量はすごいけど、絶望的にインサイトの筋が悪い人 ・知識の総量は少ないが、
毎年のように出ては消えるバズワードマーケティング業界では、毎年のように「◯◯マーケティング」というような流行語キーワードが出てきては消えていきます。マーケティング施策の手法やメディアレベルの概念の言葉もあれば、「デジタルマーケティング」、「デザインシンキング」、「デジタルトランスフォーメーション」みたいな、より長期的メガトレンドの考え方やアプローチに近いものまで様々です。 これらのキーワードは玉石混交ながら、勉強熱心なマーケターは、それだけ毎年のように出てくるキーワードを勉強し、時に自らの仕事で実行し・・・と大変忙しい対応となります。 しかし、それらの新しい手法を追い続けて、肝心の成果は出た人はどれくらいいるのでしょうか? 拙著「マーケティング業界の仕事とリアル」でも書きましたが、業界では、やたら勉強熱心に本を読む、セミナーで学ぶ等の行動は多いが、肝心の自分が関わる仕事でのマーケティングの
ダイヤモンド・オンラインで日清食品 安藤社長と対談記事掲載昨日~今日と、ダイヤモンド・オンラインさんで日清食品 安藤徳隆社長との対談記事が掲載されました。 前編記事 記事の内容は、安藤社長のお話が非常に面白いので、ぜひ読んでいただきたいのですが、日清食品さんは、私が知る限り、ソフトバンクさん、ユニクロさんと並び、オーナー社長のガバナンスの良さ(最後はトップダウンでジャッジが明確)が明確な強みとなっている会社だと思います。 そして何よりも、単なる話題化ではなく、成熟市場の国内で売上が伸び続けていることがすごいことです。 --- このnoteでは、私がよく耳にする「日清食品みたいなマーケティングをやりたい」という話に関して思うことを速記で。 そもそも「日清食品みたいなマーケとは何か?」の定義はひとまずおいておき、近いやり方をしたいという方には、3つの自問自答が必須だと思っています。 「日清食品
*本記事は、ダイヤモンド・オンライン掲載の内容に、noteだけの独自追記をしたものです 「仕事の面白さを重視しているので、お金にはさほど関心はないんです」--これは、どんな業種・職種であれ、若い方に定番のリアクションでしょう。 たしかに、新卒で働き始めてから2~3年程度は、目先のお金の事は考えすぎずに仕事に専念するスタンスが重要です。しかし、20代半ばを超えても、自分のキャリアやお金のことを考えないままでいると、大きな機会ロスをする恐れがあり、ギアチェンジが必要です。 このマガジンでは、マーケティング職としてステップアップしていく道筋のそのポイントをまとめた私の新刊『マーケティングの仕事と年収のリアル』から、マーケティング職の方はもちろん、より広い職種の方にも通じるテーマを抜粋して紹介していきます。 目指すゴール&年収目標は? 「マーケティング職として、あなたのキャリアのゴールは何ですか?
【後編】「8つの流派」を知らずして、マーケティング業界は語れない!各流派の欠点を感じさせる人は「段位が低い」?! #マーケリアル マーケティング業界の「8つの流派」。残りの4つも一挙公開です。10/18発売の新刊『マーケティングの仕事と年収のリアル』から、マーケティング職の方はもちろん、より広い職種の方にも通じるテーマをお送りするnote投稿連載。前回から2回にわたり、仕事のスタイルや判断基準が異なるマーケティング業界の「8つの流派」を紹介しています。流派のクセを知れば、上司や交渉先とのコミュニケーションに活かせるうえ、自分と会社の相性も見極められます。さて、あなたやあなたの上司はどの流派?(イラスト:ひらのんさ) 前回から2回にわたって、私の独断と偏見で整理した、マーケティング職の「8つの流派」について解説しています。今回は流派4から流派8まで。 ちなみに他流派からの評価として「◯◯と思
【前編】「8つの流派」を知らずして、マーケティング業界は語れない!上司や交渉相手の流派を知れば、交渉も転職もうまくいく! #マーケリアル マーケティング職としてステップアップしていく道筋とそのポイントをまとめた新刊『マーケティングの仕事と年収のリアル』から、マーケティング職の方はもちろん、より広い職種の方にも通じるテーマや関連する対談をお送りする本連載投稿。今回から2回にわたり、仕事のスタイルや判断基準が異なるマーケティング業界の「8つの流派」を紹介します。流派のクセを知れば、上司や交渉先とのコミュニケーションに活かせるうえ、自分と会社の相性も見極められます。さて、あなたやあなたの上司はどの流派?(イラスト:ひらのんさ) マーケティングの4P施策(「Product(製品)」「Promotion(購買喚起)」「Place(販売チャネル)」「Price(価格)」)は、事業会社の中で、多様な部門
セブン-イレブン絡みの出来事でこんなお話が。(余談ですが、セブン-イレブンの正式表記はセブンとイレブンの間に「-」が入ります。ブランドやマーケティングの仕事している方は覚えておいて損はない小話) かいつまんで言うと、セブン-イレブン店頭にビールサーバーを設置し、生ビールを販売するというお話です。 大企業において簒奪戦が有効なわけセブン-イレブンくらい大企業になると、新しい商品やサービスを売ろうとした場合、ゼロから新カテゴリをつくる商品を提案するよりも、すでにある大市場から顧客とシェアを簒奪するほうが圧倒的に打率は高くなります。 イノベーションは、言葉の響きがかっちょいいからみんな夢中で研究するけど、簒奪戦の話は響きが物騒なので研究してる人はアカデミックな人に留まる印象です。 日本の国内市場に限って言うと、これから、 ・人口減 ・労働所得のある現役世代の減少 ・現役世代の所得水準減少 とトリ
企業のコミュニケーション施策の目的には、 ・ブランドへの尊敬や信頼を得るためのもの(ブランディング) ・注意をひきつけ、購買喚起するためのもの(販促) がある。 ざっくり言えば、 前者は煽らず事実や思想を真摯に伝えたほうが長期的成果につながる。 後者は目を惹くためにあざとく煽る表現をしないと短期的成果が出にくい。 両立すれば良いけど、これはなかなか両立しない。 となると、コミュニケーション施策のディレクションは、最後はブランドの人格的信頼をつくるためのものか、販売促進のためのものか、その目的が問われる。それが明確でないと、ディレクションも曖昧になるし、成果の評価もできない。 今朝のNewsPicksの #さよならおっさん ネタは、ブランドへの人格信頼を得る目的であれば少々あざとい一面があるのは否定できないでしょう。実際にSNS上では反発の声も多数見かけます。 *補足のために書くと、広告の
「思想~ビジョンや、提供する価値が明確なブランドは何が良いか?」 単にコアファンができたら、指名買いで価格競争から逃れやすくなるだけではありません。思想が明確なブランドの効用は、社内外をまたいだバリューチェーンにおける取引と関係維持のコストが著しく下がることにあります。 強烈なブランドは、その価値に惹かれた従業員が集まり、その価値に惹かれた顧客が集まる、ある種のインナーサークルのコミュニティのような存在になります。 そこでは、阿吽の呼吸を含めたハイコンテクストなやりとりが高速で実現する。社内同士、顧客同士、社内と顧客の間で発生する、その深くて速い相互交流が他では得られない体験となり、それは最終的には企業に経済的価値をももたらします。 ある種の同一性、陶酔感を含めて、ブランドの思想は強烈になるほど、宗教と似てくる側面もあります。 また、ブランドの満足〜不満足は、事前期待との一致やギャップで生
今週はWantedlyさんの上場報道絡みで、いろいろな記事が飛び交いました。この記事はIPOではなく、ブランドと事業の関係を考える題材として、Wantedlyさんは非常に面白いと思ったので書いてみます。 Wantedlyのサービスの骨子は、無味乾燥な言い方をすれば、人材募集の広告メディアであり、求人したい企業と職を求める個人をつなぐマッチングプラットフォームです。特徴としては、ベンチャー企業がターゲットという色が感じられます。 ベンチャーの求人というのは、いわゆる有名大手企業に比べれば、目先の年収~福利厚生条件は弱いのが一般的です。 採用市場で戦うには、目指すビジョン、難易度の高いチャレンジそのもの、それを共にする仲間を、丁寧に伝えて”ウリ”にするしかない。 でも、既存の人材募集プラットフォームでは、それらを伝えることに最適化されたUX~UI、そしてブランドイメージになっていない。 つまり
この数日間、SNSのタイムラインの皆さんが自分のキャリアを振り返って「合ってる!」とおっしゃる記事がありました。 記事 自分のキャリアの作り方。何歳までに何をやるべきか。http://blog.tinect.jp/?p=24552 リンク先記事の中で語られることの論旨は「仕事には、幾つかの節目がある。その節目は、おおまかに言うと28歳、34歳、そして40歳と50歳だ」という話で、それまでに何をすべきか?を示していました。 みなさんがあまりにも「合ってる!」と大合唱するので、私も年齢を数えて掘り返し、このネタにのっかってみました。 ---28歳 ソニー子会社で戦略コンサルティング事業部という部門の事業部長しておりました。しかし、前任のベテランの部長の急逝から引き継いだあと、業績自体は伸びていたものの、自分の能力や経験の不足は自分がいちばん感じていて、自分や部下の成長を考えると、より学びのある
よく、潜在顧客の調査をやったときに「競合の王者ブランドA社は◯◯が強く、チャレンジャーである自社は◯◯が弱い。じゃあ、自社の◯◯を強くすれば、もっと顧客に選ばれるはずだ。」一見正しいようで、この場合の多くは◯◯が強くなっても顧客に選ばれないという罠があり、実に多くの企業で蔓延しています。 これは調査やマーケティングが悪いのではありません。調査の限界と戦略の原則を知らないことで起きてしまうことです。 顧客から、関与度・リテラシーが低い商品・サービスの調査は、回答者も対象の評価がよくわからず漠然としていて、大手ブランドとより弱いブランドでは”安心できる””信頼できる”みたいな項目で差がつきます。でも、これは定性的なインタビュー調査で掘っていくと「答えようがないのでそこにつけた」みたいなニュアンスも感じられます。 つまりその定量調査の差を素直に埋めれば、上位の王者ブランドとのビジネスの差が埋まる
4月になると定番の「新社会人に必要な心得」やオススメ書籍のブログが賑やかになります。 それらの話題からの流れで『山口さんからみてマーケティングの仕事についた新社会人にオススメの本は?』と聞かれたのですが、こちらの本が全体感が見えてオススメです(キリッ #自著ステマ http://amzn.to/2oEhQtQ 真面目なお話をしますと、マーケの仕事をされる新社会人が初期に読む本は、もちろん別に私の著作でなくても良いのですが、大事なこととしてメッセージしたいのは『俯瞰して構造を把握してから、細部を掘り下げる話をインプットしていったほうが学びの効率は高い』ということです。いきなり偏った細部の掘り下げや特定のアプローチから入ると、マーケ全体の中で、自分は何をしてるのかわからず迷子になる。 特に事業会社側ではなく、マーケティングを外部から支援する会社というのは、なにかひとつの機能やアプローチに特化し
私やインサイトフォースは別に「働き方改革」の専門家ではないのですが、ちょくちょくそれらの取り組みの実情が耳に入ったり、その文脈背景のなかで「事業レベルでの生産性を高める」テーマのご相談をいただくことがあります。 色々お話を伺いつつ思うのは、事業の生産性を高めるときに、無駄な業務プロセスの見直しはもちろん必須なのですが、最後の最後は、結局のところは 「収益性の低い顧客・サービス・業務から、手を引くことなしに、短い時間で高い成果を産むことは難しい」 ということに行き着きます。 乱暴に言えば、生産性を高めるには、、 1.個人レベル:業務スピードを高める(根性含む) 2.業務プロセスレベル:無駄を省く~再構築する 3.事業レベル:儲からない事業・サービス・顧客から手を引く の3つがあるのですが、3の話は要するに、身も蓋もない話ですが「捨てる」ということです。 (もちろん、より儲かる顧客・サービス・
本日、2016年9月18日は、私の父・山口峻宏(たかひろ)の一周忌です。ちょうど1年前、父は四度目の癌により、79歳で息を引き取りました。 身内の身びいきではありますが、父は日本のビジネスシーンに一定の貢献と爪痕を残したオーディーエス(以下、ODS)という会社の創業経営者でありました。 彼のビジネスパーソン〜経営者としての全盛期は1980年代となり、インターネットが普及する前のため、父の名を検索しても、パブリックな活動の足跡は、Amazonで在庫切れの著書や翻訳書が数冊出てくるのみです。 息子の感傷的な思い出話として、ではなく、ビジネスパーソン〜経営者として、山口峻宏が経営したODSの記録をネットに残しておきたいと思います。それが息子としてできる供養かな?と。(もう感傷的やんけ) ここからの話は、生前の父の自己申告の話を沢山聞いてきた私のうろ覚えの記憶で書くものです。事実関係の細部は誤りが
「強いブランドを創った会社なら、ブランド戦略がうまいに決まっているでしょ?」 そう思うのが素直な反応です。 しかし、今回は、変な逆張りを言いたいのではく、私が長年のブランド~マーケティングのコンサルティング活動によって見えてきた、”日本の大企業のブランドが20世紀に成功し、21世紀に入り衰退した真因”についての大真面目な定性的考察です。 --- 20世紀に世界で存在感を高めた日本発のブランドHONDA、SONY、Canon、TOYOTA・・・20世紀に世界市場で成功を納め、先進国を中心に世界中にその存在を知らしめた日本ブランドは、製造業を中心に多く思い浮かびます。それらの成功~躍進の体験は戦後世代の一部の日本人の自信の源泉のひとつとも言えるものでした。 しかし、21世紀に入り、総じて日本企業のブランド力は停滞~低下し、相対的に日本発メガブランドのランキングは低下傾向にあります。(但し、日本
昨日、ITmediaマーケティングさんに連載の最終回『ブランディングとセールスの連動、「CMO待望論」より必要なこと』を寄稿させていただきました。 http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1606/13/news045.html 内容をざっくり言えば ・日本企業は、創業世代の経営者が去った後、誰かひとりに権限が集中することが文化的に馴染まないことが多い ・そのため、マーケティング関連の判断権限が一極集中するCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を設置するよりも、各部署からメンバーを出して、部門横断的に検討するCFT(クロス・ファンクショナル・チーム)の運営が現実的な最適解である という話です。 ちなみにCFTではなく事業部や商品企画部門だけでブランドのコンセプトを立てると、こうなります・・・ とにかく合意が得られず、マーケティング施策はバ
ビジネスをある程度の年数していると、いちど名刺交換したことがある程度の関係の人というのは膨大な数になります。 私に人を見る目がないのか、成功には多様化したパターンがあるからなのかはわかりませんが、名刺交換した程度では事前に成功する人や会社を見抜くことはなかなか難しく、たまに昔の名刺情報の整理をしていて、いま大成功した経営者の雇われサラリーマン時代に、実は一度会っていたことに後で気づくこともあります。恥ずかしながら、それだけのことを成し遂げた方でも、印象に残っていないことは沢山あります。 逆に、あとで刑事事件やかなりモラルを逸脱した何かを起こして報道される人というのは、一度の名刺交換でも覚えていることが多く、なにか危ない引っ掛かりを感じ、妖気センサーがたち、あまり関わらないようにしよう・・・と思っていた記憶がよみがえることが多い。 主観であっても、自分なりの妖気センサーを信じ、信頼のおけない
数年前から動きは沢山ありましたが、また最近、立て続けに、戦略コンサルティングやクリエイティブの垣根が取り払われ、能力の統合を試みる買収のニュースが増えてきています。 デロイト、カンヌ8冠の制作会社買収:止まらないコンサルの広告業拡大http://digiday.jp/agencies/deloitte-acquire-cannes-winning-creative/コンサルとクリエイティブの統合ではありませんが、最近ではこんなニュースも。 博報堂DYHD、IDEOに出資 過半数取得も視野にhttp://www.advertimes.com/20160210/article217313/言い尽くされていることですが、戦略コンサル、広告代理店、クリエイティブ、デザイン、テクノロジーなどの専門分野の垣根が取り払われ、それらを統合して提供することが求められている、という背景があります。 この手のニ
「次は、どんな本を読めばいいですか?」 「次は、どんな知識を身に付ければ人材として価値が上がりますか?」 ブランドやマーケティング業界の方で、ご自身のキャリアアップに関心がある方から聞かれる定番の質問です。 マーケティングというのは、事業会社側にいると4P施策満遍なく実施されているのを社内の出来事として見渡しやすいのですが、外部支援側の企業、つまり、広告代理店、クリエイティブ、コンサル会社、調査会社、メディアなどに身をおいていると、そのなかの一部分を切り出した仕事ばかりに繰り返し触れることが多くなり、視界が狭くなりがちです。 また、そもそも外注される側の産業規模として、日本では特にマーケティングの「プロモーション」領域だけが圧倒的に大きいため、どうしても広告・PRコミュニケーション領域以外に目が向きにくい罠もあるようです。 この手の質問をいただいたとき、私も質問者の方の現在のステージを理解
先日、ベンチャー経営者、マーケティング責任者、プロのシェフ、カオスな対談をいつもうまいことまとめてくださる編集者の方々と楽しく夕飯をご一緒させていただきました。 その場で上記の参加者達の間で飛び交っていた、鋭い人の心の洞察話=インサイトに触れていて改めて感じたことですが、インサイトが鋭い人というのは、結局のところ「人の無意識の領域を、意識的に客観視できる人」ということに尽きるなぁ、と。他人を観察したことで得たエピソードだけでなく、お酒に酔って自己開示される、ここでは書けないようなご自身のエピソードが異様に深く、面白い(笑) 仕事で腹が立ったり、嬉しかったり。恋愛でのしょうもない下心だったり、子供とのふれあいの中での嬉しい気持ちの揺れ動きだったり。そういった無意識レベルの心の揺れ動きと、それが顕在化した自分の行動を、もうひとりの自分が「おまえの心のツボはそこかい!」と直視できるかどうか。 そ
昨日、ソフトバンクの営業利益が初の1兆円超えという決算が発表されました。しかも国内で営業利益1兆円超えまでにかかった年数は、NTTが118年、トヨタが65年、ソフトバンクは33年という最短記録とのこと。 【参考記事】 ソフトバンクがドコモ超えて売上首位 孫正義社長、ボーダフォン買収時を振り返る「当時はSB役員すら笑っていた」 ソフトバンクは、過去10年という単位で見ても他に類を見ないほど急激に国内で認知と好意を高め、成功したブランドと言えそうです。 でも、本屋さんを覗くと「孫正義」という人物の人生を掘り下げた本は山のようにあるのですが、「ソフトバンク」という企業の戦略面を、特にブランド~マーケティングの側面で掘り下げた本は意外にも見かけません。 *白い犬のお父さん本はいくつかありましたが、それは広告施策の一部 ならば外部から見える情報で勝手に考察して学んでみよう・・ということで、「勝手に戦
「ブランド」と「マーケティング」は、組織や立場で定義と理解は大きく異なるブランドとマーケティングという言葉の定義は組織や個人によって大きく異なるのが常。「ブランド」は“CIロゴ”や“広告による人格イメージ訴求(かっこいい、親しみやすい)”など、ごく一部の要素をイメージして話している人が多く、「マーケティング」も同様に“調査”、“営業・販売”、“広告”という狭い理解で使われがちです。 メーカーの場合は子会社の社名で「○○販売」を「○○マーケティング」と変更した会社が多いものの、実態の業務は営業・販売のみというケースがあり誤解が蔓延しやすい環境といえます。 “ブランドやマーケティングの知識が豊富な人”と、逆に“知識の弱い人”との会話は、この定義レベルでずれて分かり合えないまま空回りしていることが多く、相手の理解レベルを注意深く考察して、そこをすり合わせるのが最初のステップになります。 解決の鍵
いきなり禅問答のようなタイトルで恐縮ですが、これからnoteで、企業向けのコンサルティング経験を通じて得た学びを書いていきたいと思います。 本日のテーマは、よく聞かれる「経営者の見極め」。ちょっと大きすぎるボールですね、あくまでも私の経験則で。 経営者の本質は、外部からはわからない。私は人事・組織の専門家ではなく、ましてや転職を支援するコンサルタントでもないのですが、ブランド~マーケティング領域でそこそこの年数を仕事しているうちに、知り合いから転職の相談を受けることが増えてきました。(相談者は、セカンドオピニオンとして、本職の転職コンサルタントと違う視点のアドバイスを期待されているようです) そこでは現在所属する会社や、転職先候補の会社の「経営者をどう思うか?」という話が必ず出てきてきます。 これは非常に難しい質問で、その際、私がお伝えするのは「経営者と接触時間の短い外部からの評価はアテに
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