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こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 JAMA誌の2021年2月2日号に掲載された、 無症状の頸動脈狭窄のスクリーニングの意義についての、 アメリカ予防医学作業部会(USPSTF)がまとめた、 ガイドラインの解説記事です。 頸動脈の狭窄というのは、 主に動脈硬化が原因となって、 脳に血液を運ぶ血管である頸動脈が、 狭くなるという病態のことです。 このうち無症状性頸動脈狭窄は、 虚血性梗塞や一過性脳虚血発作、 それ以外の頸動脈狭窄に由来するような神経症状を、 伴わない頸動脈狭窄症のことです。 以前は頸動脈の狭窄を発見するには、 聴診器で頚部に雑音を聴取することが、 重要な所見であると教科書に記載されていました。 その確定診断には血管造影という検査が必須でした。 しかし、超音波検査が進歩し、 ドッ
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 Nature Medicine誌に2020年6月18日ウェブ掲載された、 新型コロナウイルス感染症罹患後の、 抗体の持続期間を検証した論文です。 これはほぼ予想されていた現象ですが、 改めて提示されると矢張りショッキングで、 抗体を測定することで、 新型コロナウイルスに対する免疫の有無を推定しようという、 現状の考え方に大きな疑問を投げかける知見です。 ウイルス感染に対して人間の身体は、 そのウイルスに特異的に結合する抗体を産生し、 その抗体価が一定レベルに維持されると、 その後の再感染は阻止されます。 これがたとえば麻疹(はしか)のような病気の場合には、 一度感染して血液のIgG抗体が上昇すると、 基本的にはその後一生麻疹に罹ることはありません。 終生免
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 Nature誌に2020年4月1日ウェブ掲載された、 新型コロナウイルスのPCR検査を1人の患者で頻回、 かつ採取部位を変えて検査し、 抗体価の推移も計測して、 患者さんのトータルなウイルス量の推移を、 詳細に検証した論文です。 今までの報告とはかなり異なる部分があり、 一読ちょっと驚きました。 ただ、これまでの報告と違う部分については、 必ずしも今回の結果が事実であるとは現時点で言い切れません。 その点には注意の上お読み下さい。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、 SARSコロナウイルス(SARS-CoV)と、 遺伝子的に高い相同性を持っています。 このため新型コロナウイルス流行の早期においては、 このウイルスの感染様式は、 SARS原因ウイ
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2018年のCell Host & Microbe誌に掲載された、 BCGワクチンが結核以外の多くの感染症に有効なメカニズムを、 少人数ながら厳密な介入試験で検証した論文です。 後ほど説明しますが、 この試験結果などをもとにして、 現在新型コロナウイルス感染症が流行しているオランダなどで、 医療従事者を対象とした臨床試験が実施されています。 論文の内容と新型コロナウイルス感染症には何ら関連はありませんが、 BCGワクチンがその感染予防や重症化予防に、 一定の有効性があるのでは、という期待から、 話題になっているものです。 BCGワクチンというのは、 牛の結核菌由来の生ワクチンで、 結核の予防ワクチンとして開発されました。 そのまま他のワクチンのように接種す
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 JAMA誌に2020年3月11日にウェブ掲載されたレターですが、 中国の複数の病院で様々な部位から採取された検体による、 PCR検査の陽性率を比較したものです。 PCR検査でウイルス遺伝子が増幅され検出されれば、 少なくとも新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の、 感染があること自体は確認出来ます。 しかし、不顕性感染があり、 持続的にウイルスが検出されるような事例の報告もある以上、 検査が陽性であるからと言って、 その人が病気であるとは言えません。 また、検査が陰性であっても、 それは新型コロナウイルスの感染が否定された、 ということにはなりません。 病気があっても検査の陽性率は、 検体を採取した部位やウイルス量などによって、 大きく左右されてしま
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から事務仕事をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 先週、ちょっとトンデモニュースに属するものが、 カナダから寄せられて、一部で話題になっています。 カナダで統計を取ったところ、 以前に季節性インフルエンザのワクチンを打った人の方が、 新型インフルエンザに感染し易かった、 というのです。 カナダではこの統計のみを根拠にして、 季節性インフルエンザの接種を中止する動きがあるそうです。 普通ワクチンを打って免疫が存在した方が、 病気には罹り難くなる筈なのに、 却って罹り易くなる、というのですから、、 天地の引っくり返るような仰天話です。 この現象について、 ある免疫学者の先生は、 ワクチンによる免疫の増強効果が、 却って他の種類のウイルスに感染し易くするような現象があり、 デング熱などの実例があるので、 そうした現象が起
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2019年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された、 現状の自動血圧計を使用した血圧測定の精度を検証した論文です。 血圧は非常に重要な健康指標であることは間違いがありませんが、 その測定法についてはまだ多くの議論があり、 何が正しいのかという結論に至っていません。 正式な血圧測定の方法は、 現在でも腕を加圧して、 聴診器で医者や看護師が、 血管から生じる音を聴く聴診法ですが、 元々の機器自体が今は水銀の毒性の問題があって、 使用出来なくなっていますし、 実際にその音の実態が何であるのか、 という本質的な部分が実はよく分かっていません。 それに代わって、 今では多くの大学病院でも使用されているのが、 皆さんが自宅で測定に使用するような自動
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診の整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 マイスリーという商品名で、 日本でも使われている睡眠導入剤があります。 一般名は酒石酸ゾルピデム。 世界的で現在最も多く使われている、 睡眠導入剤です。 数年前、この薬で意識状態が改善したり、 植物状態から復活したなどという、 常識では考えられないような報告が、 複数寄せられました。 睡眠薬が意識のない人を目覚めさせるというのです。 そんなとんでもない話が信じられますか? 普通は有り得ないことだと考えますよね。 ただ、僕はこの話を聞いた時、 満更嘘ではないのではないか、 と思いました。 もし人が吐いた嘘なら、 もっとありそうな嘘を吐く筈だからです。 人間の思考の枠を超えた突飛さは、 概ね真実の証拠なのです。 先日のNHKスペシャルで、 その実際の事例が放送されまし
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今年の2月22日にNHKの健康バラエティ的人気番組で、 糖尿病と睡眠の質との関連性が取り上げられ、 その中でスボレキサント(商品名ベルソムラ)という、 比較的新しい睡眠障害治療薬を使用することで、 血糖コントロールが改善する、 というような話がありました。 これがネットで炎上し、 番組のサイトでは多分2月26日だと思いますが、 訂正とお詫びの文章が掲載されました。 全て番組側が悪いという趣旨の内容です。 しかし、本当にそうでしょうか? 色々な意味で怖い話です。 番組を動画サイトで観たのですが、 予想以上にひどい内容なのでビックリしました。 ネットの炎上はかなり意図的な感じのものなので、 それはそれで嫌だなあ、とは思っていたのですが、 今回についてはあまりに内容がひどすぎる
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今月のthe New England Journal of Medicien誌に掲載された、 新しい帯状疱疹予防ワクチン(HZ/suワクチン)の有効性についての論文です。 帯状疱疹は身体に帯状の湿疹が出来、 強い神経痛を伴う病気で、 症状自体は一時的ですが、 その後に帯状疱疹後神経痛という、 その名の通りの辛い神経痛が長く残ることがあります。 この病気は水ぼうそう(水痘)と同じウイルスの感染によって起こります。 初感染は水ぼうそうという形態を取り、 おそらくは神経節という部分に、 残存しているウイルスが、 身体の細胞性免疫が低下すると、 再燃して帯状疱疹を起こします。 通常水ぼうそうのウイルスに感染したことがあるかどうかは、 血液の抗体の上昇で判断し、 抗
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は金曜日でクリニックは休診ですが、 老人ホームの診療などには廻る予定です。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今月のJ Clin Endocrinol Metab誌に掲載された、 男性ホルモンの測定法と、 いわゆる男性更年期症状との関連を検証した論文です。 この問題については、 これまでにも何度も記事にしています。 女性の更年期があるように、 男性にも更年期症状があるのではないか、 というような議論は以前からあり、 アンチエイジング的な考えでの男性ホルモンの補充は、 今でも国内外を問わず行われています。 ただ、医学的に女性における更年期治療と同じような意義が、 男性の更年期に対してもあるのかどうか、 また比較的高齢の男性や元気のない中年男性に、 男性ホルモンを補充することの効果と安全性はどうなのか、 というような点については、 正直
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今年5月のLancet Diabetes Endocrinology誌にウェブ掲載された、 家族性の高コレステロール血症において、 リポ蛋白(a)という検査値の意義が、 意外に大きいことを示した論文です。 リポ蛋白(a)というのは、 比較的簡単に測定可能な血液中の脂質の1つで、 動脈硬化性疾患に関連する指標として、 健康保険でも測定が可能です。 ただ、その数値の意味と、 高コレステロール血症の治療における意義については、 まだあまり一定の評価がありません。 そもそもリポ蛋白(a)というのは一体何でしょうか? 血液の中をコレステロールや中性脂肪などの脂質を移動させるため、 脂質はアポ蛋白という蛋白質と結合して、 リポ蛋白という形態を取っています。 要するに、
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今月のChest誌に掲載された、 喫煙者と非喫煙者では、 肺炎の予後に差があるという現象について、 その要因を分析した論文です。 喫煙が慢性の肺の炎症などの原因となり、 また肺の機能低下の原因となることは、 広く知られた事実です。 その一方で、 疫学データでは、 喫煙者の方が非喫煙者よりも、 肺炎の死亡率は低い、 という不思議な現象が複数報告されています。 肺炎にはタバコを吸っている方が罹り易いのですが、 重症の肺炎で死亡する頻度について見ると、 喫煙者の方が低いのです。 何故このような現象が起こるのでしょうか? 上記論文の著者らは、 細菌性の肺炎として頻度が高い肺炎球菌性の肺炎において、 その血清型のうち、 死亡リスクの低い軽症型の感染が喫煙者では多いの
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今年のCirculation誌に掲載された、 5年間のスタチンの治療が、 その後の20年間の患者さんの予後に、 与える影響についての論文です。 LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の高値が、 心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の大きなリスクであり、 そのリスクの高い方に限定して治療を行えば、 スタチンというコレステロール降下剤により、 心筋梗塞などの予防効果のあることは、 多くの精度の高い臨床試験で実証された事実です。 ただ、実際の治療効果は、 概ね5年から10年程度の期間で検討されていて、 それを超える長期間の患者さんの予後については、 そのデータはまだ不足しています。 今回の研究はスコットランドにおいて、 45から64歳で心筋梗塞の既往がなく、 血液の
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今月のBritish Medical Journal誌に掲載された、 ベタヒスチンという古い薬の、 めまいに対する有効性を検証した論文です。 めまいの発作というのは極めて頻度の高い症状です。 その中でめまい発作を繰り返しながら、 聴力の低下などを伴い、 進行性の経過を見せるのがメニエール病です。 メニエール病には手術療法を含めて、 様々な治療法が存在していますが、 ある治療がスタンダードである、 という性質のものではなく、 その評価もまちまちで、 逆に言えば決定的なものはありません。 そして、一般の診療において、 日本でも広く使用されているめまい止めの薬が、 ベタヒスチン(betahistine)です。 代表的な商品名はメリスロンになります。 このベタヒス
こんにちは。 石原藤樹です。 朝から意見書など書いて、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2010年のAnnals of Internal Medicine誌に掲載された、 最近流行の低炭水化物ダイエットの、 20年以上という長期効果を検証した論文です。 どうして古い論文を持ち出したかと言うと、 先日テレビに有名な某先生が出演されていて、 この先生は「炭水化物をドシドシ食べましょう」という、 低炭水化物ダイエットに真っ向から反するようなことを、 日頃から良く発言をされているのですが、 低炭水化物ダイエットが身体に良くない根拠として、 この論文をテレビで引用されていたからです その説明は、 「低炭水化物食と高炭水化物食を20年続けた結果を比較すると、 低炭水化物食では男性で1.5倍癌のリスクが増加していた」 というようなものでした。 低炭水化物ダイエ
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日なので、 診療は午前中で終わり、 午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。 それでは今日の話題です。 先日平成27年度のインフルエンザワクチン株が決定されました。 今回のワクチンは非常に大きな変更点があります。 それがこちらです。 これまでのインフルエンザワクチンは、 A型が2種類とB型が1種類の3種類の抗原を含む、 3価のワクチンでした。 それが、今年のシーズンから、 B型の抗原が2種類に増えた、 4価のワクチンになるのです。 (製薬会社の資料よりの引用です) この変更にはどのような意味があるのでしょうか? 現在日本で使用されている、 季節性インフルエンザワクチンの有効性については、 問題の多いことを否定する専門家はいません。 現行日本で使用されている、 季節性のインフルエンザワクチンは、 スプリットワクチンと言って、 インフルエンザウ
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日なので、 診療は午前中で終わり、 午後は産業医の面談に廻る予定です。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今年のPLOS ONE誌に掲載された、 本邦では咳止めとして使用されている、 デキストロメトルファンという古い薬の、 新しい気管支拡張作用のメカニズムについての論文です。 デキストロメトルファン(商品名メジコンなど)は、 咳中枢に作用するタイプの咳止めで、 風邪に伴う咳症状に対して、 一般の臨床で頻用される薬です。 1958年には既にアメリカで承認されていますから、 非常に古い薬です。 一方で、このデキストロメトルファンは、 CYP2D6という酵素により代謝され、 デキストロルファンになるのですが、 この代謝産物が、 NMDAと呼ばれるアスパラギン酸の受容体の拮抗薬として作用する、 ということが比較的最近明らかになりました。
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2014年のBMJ Case Rep.誌に掲載された、 抗凝固剤であるワルファリンによる、 足の塞栓症の副作用についての症例報告です。 ワルファリンはビタミンK依存性の凝固因子の阻害剤で、 血を固めて血栓にするのに必要な凝固因子を抑えることにより、 血栓を生じ難くする薬です。 一般には「血をサラサラにして脳卒中を予防する薬」、 のように説明されます。 その主な使用目的は、 心房細動という不整脈の患者さんの、 脳塞栓の予防と、 静脈血栓症の患者さんの肺塞栓の予防です。 最近までこの目的に使用可能な飲み薬は、 ワルファリン(ワーファリン)だけだったのですが、 2011年以降、 直接トロンビン阻害剤のダビガトラン(プラザキサ)、 凝固因子Ⅹa阻害剤
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今年の4月のCancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌に掲載された、 不妊治療でよく用いられる薬剤と、 乳癌のリスクとの関連についての文献です。 先日コメント欄でご質問を受けた内容です。 不妊治療においては、 妊娠率を高めるために、 排卵誘発剤を用いて、 卵巣を刺激することが一般的に行なわれます。 この時に使用される内服の排卵誘発剤の代表が、 クロミフェン(商品名クロミッドなど)で、 実際に生理周期や排卵を起こすために、 脳下垂体から分泌されているホルモンとほぼ同じものを、 注射で使用するのが、 hMG-hCG療法です。 不妊治療の最初のステップは、 自慰で採取した精液を精製して、 膣に注入する
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 1997年のLancet誌のレターです。 古いものですが、 先日リハビリテーションの先生の講演の中で、 紹介されていたので、 興味を持って読んでみました。 高齢者の転倒は、 高頻度に骨折に結び付き、 寝たきりの原因となると共に、 その生命予後にも大きな影響を与えます。 しかし、そのリスクを予測することは、 そう簡単なことではありません。 今回の研究においては、 「歩きながら喋ることが出来るか?」 というシンプルな区分けにおいて、 それが不可能であることが、 その後の転倒を予測する因子として、 有用であるかを検証しています。 対象となっているのは、 スウェーデンの介護施設に入所している、 平均年齢80歳の高齢者58名で、 歩行
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今月のthe New England Journal of Medicine誌の巻頭の、 ニュース的な解説記事で、 小ネタ的なものですが、 ちょっと面白いのでご紹介します。 ジェネリック薬品と言うのは、 パテントの切れた医薬品を、 自由に他のメーカーも製造販売出来るようにしたもので、 自由に、と言っても当該の国の認可がないと駄目ですが、 新薬は当然開発費などが上乗せされているので、 非常に高額に設定されていますから、 概ねその値段はかなり引き下げられ、 医療費削減の意味でもメリットがあり、 かつ低所得層や発展途上国の患者さんにも、 安価に薬剤を供給するための制度として、 世界的に広く普及しています。 アメリカも当然ジェネリック大国で、 パテン
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今月のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、 医療についての解説記事です。 韓国において甲状腺癌の超音波検査による検診が、 積極的に導入されたところ、 その後10年を経て、 甲状腺乳頭癌が著明に増加し、 大きな社会問題となっている、という事実は、 これまでにも多く報道がされています。 今回のものは論文ではなく、 韓国の疫学の専門家による解説記事ですが、 この問題について簡潔にまとまっていて参考になります。 巻末の引用文献を見る限り、 あまりまとまった文献が、 他に出ている、ということはないようです。 1999年から韓国では、 国が主導となって癌検診を積極的に行ないました。 この癌検診は乳癌、子宮
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 外は台風で大荒れです。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 メルク社が開発した、全く新しいメカニズムによる睡眠障害治療薬、 スボレキサント(Suvorexant:商品名ベルソムラ)が、 先月日本での販売承認を取得し、 11月下旬頃には発売予定となっています。 アメリカのFDAの承認が、 今年の8月のことですから、 時を置かずに承認となったことが分かります。 これは日本を含めた世界規模の臨床試験が行なわれ、 その同じデータを元に承認が行なわれたためで、 ドラッグラグをなくすという意味では、 この方針は誤りではないと思うのですが、 その一方で後述しますように、 今回提示された日本のこの薬の用法用量には、 かなり問題があるように思います。 それではまず、 スボレキサントとはどういう薬
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2013年12月のPLOS ONE誌に掲載された、 福島以外の日本の3地域における、 小児甲状腺超音波検診の結果をまとめた論文です。 福島でかつてない規模の、 小児甲状腺超音波検診が行なわれていますが、 それと比較するべき、 被ばくの影響が考えられない地域での、 お子さんのデータを取ることが、 その主な目的です。 対象は3歳から18歳までのお子さんで、 青森で1630名、山梨で1366名、長崎で1369名が、 今回集計されています。 これだけ多くの健康なお子さんの甲状腺の検診データは、 これまでにあまり例のないものだと思います。 その結果をかいつまんでご説明します。 まずこちらをご覧下さい。 年齢で補正した甲状腺の嚢胞と結節の頻度を示したもの
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2012年のJournal of Clinical Ultrasoundという、 聞き慣れない雑誌に掲載された、 小児の異所性甲状腺内胸腺腫という、 特殊な疾患の超音波画像についての韓国の文献です。 お子さんの甲状腺の超音波検査において、 大人とは異なる所見として注意の必要なものの1つが、 異所性甲状腺内胸腺腫です。 1980年代には既に隈病院の先生による報告があるのですが、 日本で超音波の教科書などを見ても、 殆ど記載はありませんし、 画像など全く載っていません。 しかし、診療所でお子さんの甲状腺の超音波検査をしていても、 時々所見がありますから、 そう珍しいものではありません。 異所性甲状腺内胸腺腫とは何でしょうか? 胸
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、 午後は産業医の面談に廻る予定です。 それでは今日の話題です。 これは先日コメント欄で、 ご質問を頂いたものです。 薬の添付文書という使用の説明書には、 その薬の「禁忌」という項目があります。 「禁忌」というのは非常に強い言葉で、 ある薬がある病気で禁忌であれば、 健康保険でその病名が付いた時点で、 一切その薬の使用は出来ない、ということになります。 ただ、この禁忌と書かれている項目には、 もっともだと思うものがある一方で、 確かにそうしたこともあるけれど、 一律に禁止とするのは却って診療上の混乱を招くのではないか、 と疑問に思うようなものもあります。 たとえば風邪薬や咳止めなどに含まれる抗ヒスタミン剤は、 その多くで緑内障という目の病気が禁忌となっています。 しかし、緑内障にも多くの種類や病態があって、 実
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2006年の日本内科学会誌に掲載された、 日本でポピュラーなイソジンといううがい液による、 甲状腺機能低下症の発症についての論文です。 東京女子医大の先生による研究で、 英文の体栽ですが実際には日本の雑誌です。 2つの事例が紹介されていますが、 事例2が物凄く簡略な説明でバランスが悪く、 事例の尿中ヨードは測定されていないなど、 内容は正直詰めの甘い感じなのですが、 この話題をご紹介するにはまとまった内容なので、 取り上げることにしました。 (関係者の方がお読みになりましたら、 失礼をお許し下さい) イソジンのうがい液は市販もされていますし、 処方としても良く出されています。 風邪の予防のために、 毎日何度もうがいを繰り返し
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日なので、 診療は午前中で終わり、 午後は産業医の面談に廻る予定です。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今年の4月のJ Clin Endocrin Metab誌に掲載された、 チェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌の、 長期予後についての文献です。 ドイツとベラルーシの研究者による論文で、 主にベラルーシで甲状腺の手術を受け、 その後ドイツで放射性ヨードによるアブレーションの治療を受けた、 トータル234名の患者さんが対象となっています。 1986年のチェルノブイリの原発事故後に、 事故当時お子さんであった年齢の方に、 放射性ヨードが原因と思われる、 分化型甲状腺癌の増加が起こりました。 その殆どは甲状腺乳頭癌というタイプのもので、 それ以外に少数の濾胞癌が含まれています。 原発事故後約5年からその増加は始まり、 チェルノブイリ
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