サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
rokushin.blog.ss-blog.jp
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 ブルーライト問題というのが、 一般にもかなり知られるようになりました。 ブルーライトというのは、 波長が400~500nmという、 比較的低波長の光のことで、 これが目で見ると青から紫として理解されます。 より低波長で見えない領域の光が、 紫外線です。 光が色として見えるのは、 その特定の波長の光を受け止める、 一種の光受容体があるからです。 これを視細胞と呼んでいます。 太陽からの白色光は、 皆さんご存じのように、 プリズムで7色の光に分かれます。 光というのは、物を見る働きばかりでなく、 体内時計を正常に保つために、 大きな役割を果たしています。 昼に充分な光を目から取り入れることが、 夜の健康な睡眠に結び付くのです。 しかし、このよう
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から診療報酬のチェックをして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はホルモン関連の病気の話です。 まず、事例をお話します。 患者さんはKさん。60代の男性です。 血圧がやや高めでしたが、 治療を要するほどではなく、 他に特に大病をしたこともなく、 これといった持病もお持ちではありませんでした。 事情があり早期退職制度を利用して、 仕事を辞めました。 1人息子は既に独立しており、 奥さんとの2人暮らしです。 Kさんの体調に異変が起こったのは、 それからまもなくのことでした。 まず風邪を引いたのかな、と思うようなだるさがあります。 何となく朝から身体が重く、 動くのも億劫な感じです。 食欲もあまりなく、 無理に食べるともどしてしまいます。 それでも1週間くらいは 風邪によるお腹の症状なのかな、 と思って様子を見ました。
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2012年のJournal of Infectious disease誌に掲載された、 帯状疱疹の再発を、 ワクチンで予防することが出来るのか、 という問題を検証した論文です。 今日はこの文献と、 今月のNew England Journal of Medicine誌に掲載された、 帯状疱疹についての総説とを主なソースにして、 帯状疱疹の治療と予防についての、 問題点を考えたいと思います。 帯状疱疹というのは、 ヘルペスウイルスの1つである、 水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症です。 まず初感染の際には、 水ぼうそう(水痘)という形を取るのですが、 その水ぼうそうが治った後、 主に脊髄や脳神経の知覚神経節という部分に、 ウイルスが潜んでいて、
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2009年のPharmacotherapy誌に掲載された、 コレステロール降下剤による、 認知機能低下の副作用についての論文です。 非常に興味深い内容ですが、 一般にはあまり知られておらず、 医療関係者の認識も低いのではないかと思います。 コレステロール、特に悪玉コレステロールと通称される、 LDLコレステロールの上昇が、 動脈硬化を進める大きな要因となり、 その血液の濃度を低下させることにより、 心筋梗塞や脳卒中の再発が減るなどの、 効果があることは、 多くの臨床研究により確認された事実です。 そのコレステロール低下療法でもっぱら使用される薬が、 コレステロールの肝臓での合成を抑える作用を持つ、 スタチンと呼ばれる薬剤です。 最初のスタチン
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2010年のJ Am Osteopath Assoc.に掲載された、 プレガバリン(商品名リリカ)の依存と中毒の事例報告です。 プレガバリンは抗痙攣剤の一種ですが、 神経障害性の疼痛に効果のあることが注目され、 最近日本でも非常に多く処方されている薬剤です。 日本での適応は、 末梢神経障害性疼痛と線維筋痛症です。 アメリカの適応は、 糖尿病に伴う神経障害性疼痛と線維筋痛症、 帯状疱疹後神経痛と他剤無効の痙攣です。 ヨーロッパの適応は、 アメリカのそれに加えて、 全般性不安障碍と中枢性神経障害性疼痛です。 このように、 この薬は世界中で、 原因のはっきりしない慢性の痛みに対しては、 あまり制限なく使用されている、 ということが
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日なので、 診療は午前中で終わり、 午後は産業医の面談に廻る予定です。 それでは今日の話題です。 今日は昨日に引き続いて、 今年の2月下旬より人間への感染の事例が、 中国において確認され、 ウイルスが同定された、 インフルエンザ(H7N9)についての話です。 このインフルエンザウイルスは、 これまでに人間への感染が確認された事例はなく、 他の動物においても、 全く同じウイルスの感染は、 確認されていませんでした。 ただ、 タイプとして同じH7N9のウイルスは、 鳥に感染するインフルエンザとしては確認されていて、 そのために、 おそらくは鳥インフルエンザのウイルスが、 変異したものが今回のH7N9ウイルスではないか、 と考えられているのです。 こちらをご覧下さい。 昨日ご紹介した、 New England…の論文の中にある図です。 今回のH
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から色々とやることがあるのに、 結局何も出来ず、 今PCに向かっています。 診療はいつも通りです。 それでは今日の話題です。 今日は雑談です。 先日ある漫画家の方が、 飛行機の機内での、 小さなお子さんの泣き声を、 耐え難く感じて、 そのことに対する問題提起を文章化したところ、 多くの方から非難された、 というネットの噂話めいた記事を目にしました。 その漫画家の方は女性で、 旦那さんと一緒に飛行機に搭乗されていて、 同乗していた女性の乳幼児のお子さんが、 延々と泣き続けているのを耐え難く感じ、 そのお母さんに、 「あなたのお子さんはしばらくは飛行機に乗せない方が良い」 と話し、 飛行機から降りると言って騒ぎを起こした、 というのです。 多くの方はその漫画家に批判的な意見を、 ネットなどで開陳されていて、 概ねその内容は、 乳幼児は泣くのが普通のこ
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 ある症例を今日はお示しします。 Bさんは30代の男性です。 建設関係の仕事に従事されています。 痩せ型で、やや神経質な印象がありますが、 いたって健康で、 入院したのは、10代で盲腸の手術をした時だけです。 アルコールは付き合いで飲むことはありますが、 毎日ではなく、深酒もしません。 晩酌も寝酒に時々ビールを1缶飲む程度です。 そんなBさんが食後の腹痛に悩まされるようになったのは、 夜遅くまでの突貫工事が続いていた、 疲労のピークでのことでした。 建設現場での仕事で、 帰りはどうしても遅くなります。 夜遅くにビールを飲み、 つまみを兼ねたような夕食を摂って、 すぐに横になります。 と、差し込むような激しい痛みが襲い、 眠りを妨害します。 痛
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日も早い更新になります。 今日の内容は、 先日とある大学教授の先生の講演で、 お聞きした話です。 たとえばメタボのおばちゃんがいて、 運動不足で膝の痛みもあり、 無理のない運動を勧める、 というような場合、 概ね推奨されるのが、 水泳や水中歩行です。 しかし、 その方針は本当に正しいものなのでしょうか? スポーツ種目ごとの突然死の危険率を計算したデータがあり、 それによると、 水泳の突然死リスクは、 ウォーキングの7倍以上になる、 という結果が得られています。 また、 フィットネスクラブの死亡事故の統計では、 死亡事故の75%は、 水泳中かその前後に起こっています。 こうしたデータを見る限り、 水泳は安全ではないばかりか、 他の運動より、 むしろ急死や死亡リスクの高い種目である、 ということになります。 それでは、 何故水泳がメタボの状態などの運
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日は時事ネタめいた話です。 以下の記載は現時点までの報道と、 当該の研究者のこれまでの論文などからの推測です。 ほぼ事実に近いのではないかと、 現時点では考えますが、 誤りがあったり、 この問題の状況に変化の生じた場合や、 個人の尊厳に関わるような場合には、 削除させて頂きますので、 その点はご了承下さい。 特定の個人を誹謗中傷するつもりはありません。 ただ、僕も以前は研究にも関わっていたので、 他人事とは思えない部分もあり、 絶対に許せないと思える事項もありますので、 僕なりに検証をさせて頂きました。 まずこちらをご覧下さい。 M先生という東大に一応の籍のある研究者が、 まだ臨床応用が一般にはされていない、 iPS細胞を用いた心筋移植という治療を、 アメ
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 診療所は今日から通常通りの診療に戻ります。 今日は事情があって、 いつもより早い更新になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2001年の日本内分泌学会誌に掲載された、 長崎とチェルノブイリ近郊での、 甲状腺結節の頻度と、 尿中のヨードとの関連についての文献です。 これは最近一部で話題になったものなのですが、 僕なりに現時点で正しいと思うことを、 まとめておきたいと思います。 長瀧重信先生や山下俊一先生は、 笹川財団の支援の元に、 ベラルーシやキエフなどで、 大規模なお子さんの甲状腺の検診を行ないました。 全体で21万人を超えるという、 それまでにない大規模なものです。 そして、その結果として、 原発事故後の小児甲状腺乳頭癌の増加が、 確認されたのです。 当時僕は大学の内分泌の教室にいて、 内分泌学会では何度か長瀧先生にはお会いしまし
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 昨年からインフルエンザワクチンの、 小児用量が変更になりました。 日本のこれまでの小児用量は、 効力の強かった全粒子型と呼ばれるワクチンの時代に、 決められたもので、 それが安全性は高く効果は落ちる、 スプリットタイプのワクチンに変更された後も、 その効果のしっかりとした比較や検証のないまま、 そのまま使用されていた、 という経緯があります。 それを、 昨年から遅ればせながら、 海外用量と同一のものに改めたのです。 その結果として、 たとえば3歳から5歳までの年齢層では、 これまでの倍以上の用量が接種される、 という形になりました。 急に接種用量が倍以上になって、 それで何か問題は生じないのでしょうか? ワクチンの副反応が、 増えるようなことはないのでしょう
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日なので、 診療は午前中で終わり、 午後は産業医の面談に廻る予定です。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 昨年のCancer誌に掲載された、 低リスクの甲状腺乳頭癌に対する、 放射性ヨード131によるアブレーションという治療により、 その後生じた放射線誘発癌の頻度を検証した論文です。 昨日の記事に書きましたように、 低リスクの甲状腺乳頭癌の治療は、 日本では甲状腺の部分切除とリンパ節の切除が、 専ら行われますが、 アメリカでは甲状腺の全切除と、 その後の放射性ヨードによるアブレーションと呼ばれる治療が、 併用されることが多いのです。 放射性ヨードによるアブレーションには、 根治率を上げ、再発の早期発見を可能にするなど、 幾つかの利点があるのですが、 その一方で放射線治療ですから、 放射線の誘発により、 別個の癌を発症させてしまう、
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 アセトアミノフェンという薬があります。 殆どの風邪薬に含まれている、 非常に一般的な解熱剤の成分です。 最近風邪薬と頓服の解熱剤を一緒に処方すると、 薬局から疑義照会が来て、 アセトアミノフェンを含む製剤の、 2種類以上の併用は、 禁忌となったので、 他の薬と変更するか、 処方を中止するかの、 いずれかにして欲しい、 という要望が必ず寄せられるようになりました。 お話を聞くと、 近隣の医療機関の中には、 頓服の解熱剤をロキソニンなど、 アセトアミノフェン以外に変更するという、 方針のところもあるようです。 その根拠となっている、 添付文書の記載を見ると、 2011年3月の改訂事項として、 次のような記載があります。 【警告】 ①本剤中のアセ
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日もいつもより早い更新になります。 それでは今日の話題です。 今日は昨日に引き続いて、 チェルノブイリ原発事故後の、 甲状腺乳頭癌についての話です。 チェルノブイリの原発事故後、 4年くらいが経過した時点から、 被ばく地域において、 小児の甲状腺乳頭癌が、 増加しているのではないか、 という報告がなされるようになりました。 最初の有名な報告は1992年のNature誌のものです。 その後長瀧重信先生や山下俊一先生らのグループが、 笹川財団の資金援助の下に、 当地で大規模な甲状腺検診を行ない、 その結果及び、 当該地域の医療機関による、 甲状腺癌治療の報告事例の蓄積などから、 放射線被ばくを誘因とした、 小児甲状腺癌の増加が、 ほぼ間違いのない事実であることが判明しました。 それが1990年代の後半のことです。 こちらをご覧下さい。 笹川財団の検診
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 Nature誌関連のウェブ科学誌である、 Scientific Reportsの今月号に発表された、 福島原発事故後の、 プルトニウムの飛散状況についての、 放射線医学総合研究所の調査結果の報告です。 原発事故後にプルトニウムが放出されたかどうかについては、 事故後しばらくの間は、 「放出されることは有り得ない」 という意見の専門家の方や、 専門家ではないけれど、 同じくらいにエラそうで、 同じくらいに声の大きな、 同じ意見の方もいらっしゃいました。 しかし、 確か昨年の5月くらいでしたか、 原発敷地周囲で、 プルトニウム検出、のような報道があり、 それに対しては、 「プルトニウムは重いので、 仮に僅かな量の放出があったとし
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 1997年のThe British Journal of Radiology誌に掲載された、 妊娠中の腹部へのレントゲン照射が、 胎児に与える影響についての、 それまでの研究をまとめて論じたレビューです。 著者はタバコと肺癌の関連でも多くの業績のある、 疫学研究のエキスパートです。 この内容は、 以前から一度きちんと取り上げたいと思っていたのですが、 福島の原発事故時に、 ご妊娠をされていた方に、 無用なご不安を与えることを危惧して、 これまで避けて来ました。 ただ、事故より1年が過ぎ、 事故後の被ばくを受けて、 今ご妊娠中の方は、 もういらしゃらない時期になりましたので、 今回記事にさせて頂きます。 極力慎重な記載を心掛けたいと思いますが、
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日で診療は午前中で終わり、 午後は終日レセプトの点検作業の予定です。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 昨年の9月に発表された、 Nicotine & Tabacco Research誌のレビューです。 この内容は同時期にメディアでも報道されました。 タバコには微量の放射性物質が含まれていることは、 以前から知られていました。 ただ、この発表以前のあちこちの記載を読むと、 1日20本の喫煙を1年間続けたとしても、 実効線量としては、 概ね積算でも0.2ミリシーベルト程度に留まる、 という見解が一般的でした。 国内外を問わず、 そうした内容の論文は多数存在しています。 たとえば、手元にある2006年のギリシャでの文献では、 タバコ1本には平均13ミリベクレル程度のポロニウム210と、 矢張り同等のベクレル数の鉛210とが含まれ、 1
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 昨年の12月のRadiation Research誌に掲載された、 広島・長崎の被爆者の健康調査を継続している、 所謂LIfe Span Studyの第14版の報告書のまとめの文献です。 日米の共同研究として、 放射線影響研究所が行なっているものです。 何故か今年の3月になって、 【がん死リスク、被爆で4割増】 のようなちょっと誤解を招くような表現で、 報道がされました。 この研究は1950年以降、 8万6000人を超える被爆者の追跡調査を行ない、 亡くなられた方については、 その推定される被爆量と共に、 その間にどのような原因で、 亡くなられたかを検証したものです。 今回の14報は、 1950年から2003年に亡くなられた方についての、 ト
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日なので、 診療は午前中で終わり、 午後は産業医の面談に廻る予定です。 それでは今日の話題です。 「夜足が吊って痛い」という訴えは、 診療所の外来でも、 しばしばお聞きするものです。 ご高齢の方の場合には、 年齢による末梢神経の機能の低下が、 その元にあることが多く、 循環障害や糖尿病が、 その原因となることもあります。 しかし、より若い年齢層で、 同じ現象が繰り返し起こる場合には、 別種の原因を考慮する必要があります。 まず、事例をお示しします。 患者さんは30代後半の男性です。 大学を出てあるIT関連の会社に就職します。 仕事は非常に不規則で、 締め切りのあるようなプロジェクトの追い込みの時期には、 徹夜の続くようなことも稀ではなく、 そうしたことがなくても、 帰りは終電になることが殆どです。 独身なので食事は深夜に、 牛丼とビールで
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はチェルノブイリ原発事故後の、 小児甲状腺癌の発症について、 その代表的な文献を元に考えます。 これはご存じの方も多い話なので、 「そんなことは今更いいよ」と思われる方はスルーして下さい。 ただ、あまり根拠なく、 「あれは微小癌を見付けてしまっただけで、 実際にはそれほど増えてはいないのだ」 と言われる方が、 今でもチラチラいらっしゃるので、 そうしたご意見の方の誤解を解きたいと思い、 改めて記事にすることにしました。 こちらをご覧下さい。 1994年のCancer誌に掲載された、 比較的初期の文献です。 ミンスクの甲状腺腫瘍センターという一箇所の施設で、 1991年と1992年に手術された、 トータル84名の小児甲状腺癌のお子さんが、 その対象です。
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日は甲状腺微小癌の頻度と、 との意味について考えます。 まず、こちらをご覧下さい。 これは1975年のCancer誌に掲載された、 古い論文ですが、 今でもこの分野ではよく引用される基礎となる文献の1つです。 内容はどういうものかと言うと、 世界中の解剖されたご遺体より採取された、 甲状腺の全組織を、 2~3ミリ間隔でスライスし、 その中にあるしこりを分析して、 甲状腺癌の有無を調べたものです。 症例数は1167例に及びます。 年齢は10歳以上で成人層が主体です。 これまでのこうした研究の中で、 現時点でも最も大規模なものの1つです。 この中で仙台から提供された、 102例の日本人の甲状腺と、 ホノルルの日系人248例が含まれていて、 日
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今年の5月に新規の高尿酸血症治療薬が、 日本で発売になりました。 フェブキソスタット、商品名はフェブリクです。 今日はそのフェブリクを含めて、 高尿酸血症の治療を考えます。 血液の尿酸値が高いことで、 身体にとってどのような問題があるでしょうか? 一番最初に思い付くのは所謂「痛風」の関節炎です。 尿酸が高い人がたとえばお酒を飲むと、 その翌日に足の指の付け根が真っ赤に腫れて、 歩けないような酷い痛みが襲います。 これが痛風の発作です。 この痛風発作は、 必ずしも尿酸が高いことのみを、 原因として起こる訳ではありませんが、 血液の尿酸値が6.0mg/dl 以下では起こり難いことは間違いがなく、 従って痛風の関節炎を起こして、 その時の尿酸値が
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 予防注射をすると、 打った場所が次の日になって、 赤く腫れて痛みを伴うことがありますね。 軽い腫れや痛みであれば、 そのままにしておいても2、3日で良くなりますが、 場合によっては1週間以上腫れや痛みが残る場合もあります。 インフルエンザのワクチンでも、 そうしたことはよくあります。 これは一種の皮膚のアレルギー反応で、 ワクチンには比較的多い副反応です。 誰でも、腕が腫れたり、痛んだりするのは、 不快で嫌なものです。 それでは、ワクチンでこうした副反応を減らす方法はないのでしょうか? 色々なことを言う人がいます。 打った場所をよくもめば赤くならないよ、 という意見もあれば、 逆にもむと却って赤くなり易いから、 もまない方がいい、と言う人も
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 皆さんがワクチンの注射を受ける時、 皮膚に対して斜めに針を入れ、 それほど深くない位置で注射をするのが、 皮下注射という方法です。 その一方で、筋肉の盛り上がった位置に、 真っ直ぐに深く針を入れ、 筋肉の中に注射をするのが、 筋肉注射です。 ワクチンは海外では、 殆ど筋肉注射で使用されています。 ところが、日本ではB型肝炎など一部の例外を除いて、 殆どのワクチンが皮下注射で行なわれています。 これは一体何故でしょうか? これは知っている人は良く知っているし、 知らない人はまるで知らない、 という性質の話です。 僕は正直最近までその理由を知りませんでした。 製薬会社の方が見えた時に、 どうしてなのかをお聞きしたところ、 「さあ、僕も良く知らな
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝からレセプトのチェックなどして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 先日何とも驚天動地で戦慄的な、 こんなニュースがありました。 【子ども150人、過剰内部被曝】 【○○市立○○病院の放射性物質を使った検査で、日本核医学会などが勧告する基準を超える同位元素が投与され、子ども約150人が過剰に内部被曝していることが分かった。】 【同病院で1999年から今年までにこの検査を受けた15歳以下の子どもに同医学会や日本放射線技師会など複数の推奨基準を超える量のテクネチウムが投与された。うち40人が10倍以上だった。】 【過剰投与された子どもたちの全身の内部被曝線量を算出すると生涯の推計で平均約30ミリシーベルト。多い子で150ミリシーベルト以上だった。】 【大半の子が腎臓の働きを調べる検査を受けており、腎臓に特化した影響を示す内部
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日も事情があって、 いつもより早い更新になります。 早く安心したいのですが、 物凄く好意的かつ楽観的に見ていても、 今朝のニュースでも、 圧力容器が高温になっているだの、 地下水の放射線量が高濃度になっているだの、 でもそれは安心でまだ安全だの、 検査機器の故障のせいかも知れないなどと、 いつもの調子なので落ち着かなくて困ります。 それではさっそく今日の話題です。 今日は放射線と医療の話です。 放射線が医療行為において不可欠のものであることは、 皆さんも良く御存知のことと思います。 何処の医学部にも、 放射線科という科が存在し、 放射線医学の専門医が存在します。 放射線と医療、という観点で考えると、 その主な医療における放射線の活用は、 その種類から言えば、 X線による診断と、 放射性物質を利用した、 診断及び治療の技術に分けられます。 僕も皆さ
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は水曜日なので、 診療は午前中で終わり、 午後は少し自由時間があれば良いな、 という感じです。 それでは今日の話題です。 最近複数の方から、 ホールボディカウンターという、 放射線の内部被曝の測定装置の測定値について、 ご質問を頂きました。 ネットにも、 実際に測定された方の数値が、 幾つか紹介されています。 そこで今日はその点について、 僕の理解の及ぶ範囲で、 整理をしておきたいと思います。 明らかに誤りと思われる解釈が語られていたり、 検査はしたものの結果の意味が分からず、 却って不安に駆られている、 というような意見を多く聞きましたので、 そうした方のご不安を、 少しでも軽減する一助になれば、 と思い記載をさせて頂きます。 もとより僕はこうした機器の専門家ではありませんので、 これまでに収集した情報を元に、 僕の理解の範囲で正しいと思える
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 朝から健診結果の整理などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 New England Journal of Medicine誌の最新号に掲載された、 ワーファリンに変わる抗凝固剤の新薬、 リバロキサバンの臨床試験の結果報告です。 心房細動という不整脈があり、 その不整脈の持続により、 心臓に出来た血栓が脳に飛んで、 脳卒中の原因となります。 そのため、脳卒中のリスクが高いと想定される方には、 血栓を作り難くするような、 そうした薬が脳卒中の発作予防のために、 継続的に使用されます。 この目的でこれまで最も広く使用されて来た薬が、 皆さんご存知のワーファリンです。 ただ、このワーファリンには、 食事に影響されてその効果が減弱したり、 肝臓の代謝酵素の影響を大きく受けるので、 その効きに個人差があり、 また
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『北品川藤クリニック院長のブログ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く