2013年1月、世界経済会議に出席したメルケル首相は「ユーロ圏の大きな問題は若年層の失業率だ」とコメントした。 リーマンショックによる混迷により、ドイツを除く多くの国では雇用者数が未だにショック前と比べて凹んだままとなっているが、若年層(15-24歳)の失業率は特に悪化が激しく、欧州、中東、北アフリカなどでは新たな政情不安の種となっている。 ILO(国際労働局: International Labour Organization)のデータによると、12年末時点で、分かっているだけで世界には7,460万人の若年層の失業者がいるという。この数字はフランスの全労働者の2.5倍、イタリアの3倍に相当する規模だ。 企業のIT化が進んでいることや、経験のない若年層を優先して雇い入れる経済的余裕がないことが主な要因であるが、ギリシアの若年層失業率は44%、スペインは46%、イタリアは29%、フランスは2