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今日、大野左紀子(id:ohnosakiko)さんの本を読了。 「女」が邪魔をする 作者: 大野左紀子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/06/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 60人 クリック: 498回この商品を含むブログ (38件) を見る読みやすい、というか、今まで元になる文章や議論は結構目を通していたので、既視感でもってぐいぐい読んじゃったかな。というわけで、僕にとって「目から鱗」はあまりないが、議論はきれいにまとまっており、ジェンダー・セクシュアリティ関係のいい入門書の一つだと思う。 この本を貫いているテーマは「女の生きづらさ」だと思う(まあ、フェミニズムって、そういうものだが)。女(若しくは「女子」)が日々感じる「違和感(モヤモヤ)」の本当の原因は何、という疑問に答えようとした本といえばいいか。当たり前だが、「じゃあ、そういう(女)役割、辞めればいいじゃ
テレビ大阪(東京)の「週刊ニュース新書」を見ながらブランチ。もちろん、大江麻理子さん目当てだが、硬派な番組だよな。メインキャスターの田勢康弘さんも、良くも悪くも「華」がない人なので(すみません)、ワイドショーめいたニュース番組ばかり見慣れている身からすれば新鮮。 で、今回この番組では、例のウイグルでの「暴動」が特集されていた(テレビ東京の撮影クルーが中国当局に拘束された、ということもあったので)。 もちろん、僕はチベット同様、こういう暴動を引き起こしてしまった中国政府の少数民族政策の拙さを指弾したいが、翻って日本国内の動きを見てみると、やはりというかチベットの時と同様「それ見たことか」と「喜んでいる」人々が散見される。要するに、中国をバッシングする材料を求めているような人々だ。そういう人は少数派と思いたいが、「日本の台湾統治をネガティヴに描いたNHKはゆるさん」と訴訟を起こすような人も出て
とは言え、洗濯したりして、家から出たのは既に夕方と言っていい時間だったけど。今日も、積み上げている本の要点を書き写して、授業案作り。 催眠術の日本近代 作者: 一柳廣孝出版社/メーカー: 青弓社発売日: 1997/11メディア: ? クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る精神病の日本近代―憑く心身から病む心身へ (越境する近代) 作者: 兵頭晶子出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2008/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (7件) を見る青弓社の「○○の日本近代」シリーズ(というと語弊があるか)。千里眼事件―科学とオカルトの明治日本 (平凡社新書) 作者: 長山靖生出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2005/11/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (23件) を見る透視も念写も事実であ
深夜、たまたまだが、テレビ朝日のドキュメント「テレメンタリー」を見る。 今日のテーマは、東京都教育委員会に逆らったことで目をつけられた都立三鷹高校校長土肥信雄さんに関するもの。公式サイトから引用すると、 校長辞すとも自由は死せず〜生徒と歩んだ最後の半年間〜2009年6月22日放送〜 生徒とともに…土肥信雄さん 2006年4月 東京都教育委員会の突然の通知により職員会議で「挙手・採決」が禁止された。 このままでは教育現場から“言論の自由”が無くなると主張し、たった一人で東京都教育委員会に反旗を翻した校長先生がいた。 都立三鷹高校 校長 土肥信雄さん。 「教育現場に言論の自由がなければ生徒の幸せはない!」 34年間の教員生活、全てをかけた土肥さんの闘いが始まった。しかし、定年間際に迫った土肥さんにとって残された時間はわずか半年だった… 新聞報道で多少は知っていたつもりだったが・・・。いやあ、聞
先ほど、風呂の中で読了(半身浴、というか足湯で読書して、汗を流している)。 民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書) 作者: 塩川伸明出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/11/20メディア: 新書購入: 15人 クリック: 94回この商品を含むブログ (60件) を見るタイトル通り、ナショナリズム問題の入門書。巻末の参考文献も充実しており(日本語限定、というのが却ってありがたい)、助かる。塩川先生が後書きで自らおっしゃっているように、先生のような旧ソ連・ロシアをフィールドにしている人が、そこの数々の事例を列挙していき論証しようというのは、意外と今まで少なかったので、その意味でも有用だろう(実際、他地域の記述よりも、力が入っている気がした)。例えば、僕などはアルメニア=アゼルバイジャン紛争について全く知らず、欧米の綺羅星のような知識人たち(デリダ、レヴィナス、バー
明日の大学院ゼミの予習として、超ロングセラーを今更ながら読了。 日本人の法意識 (岩波新書 青版A-43) 作者: 川島武宜出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1967/05/20メディア: 新書購入: 13人 クリック: 78回この商品を含むブログ (69件) を見る川島先生、この本が出て40年経ちましたが、いまだにここで描かれているような「裁判嫌いの日本人」がここにもいますよ〜と言いたくもなる。 僕として興味深かったのは、2章と5章。 2章には戦前の事例が色々載っているのだが、一言でいうと政府の権力を法の拘束の外に置き、「切り捨て御免」の権力がいかに発動していたという事例(例えば、軍の備蓄していた火薬が爆発し周りに被害を出したのに、火薬製造は公的なものだから国に責任がない、という判決が出ていたりする)の紹介は、いまだに震撼とさせるものがある(今も警察がまずほとんど謝罪しないっていうの
気になりつつもスルーしていたニュースがあった。それは、「幸福の科学」が政党を作り本格的に政治に打って出ようとしている、というニュースだった。この短い記事からは何とも言えないのだが、ブックマークでisikeriasobi先生からご質問もあったので、これを機会に思ったことをつらつら書いておく(今、大学は静かで暇だし)。 で、ブックマーク先の記事は、「幸福の科学」の雑誌の目次なのだが、実は僕、この雑誌をこの二年間ほど毎月送ってもらっています。大学時代の知り合いで、この教団関係者がいるので。もらっておきながら、実はちゃんと読んではなかったのだ(済みません)。こういう商売(宗教学者)をしていると「ああ、例のアレね」というように、トンデモな主張や記事もスルーしてしまう癖が付いてしまっていたからだ。 そこで、例の記事を読み返してみましたが、うーん、これは・・・。この教団の教祖が、歴史上の偉人を呼び出して
このところ本を読む集中力がなく(いつものことだが)、カフェや喫茶店に行って、無理矢理「目の前のこの本しか読むものがない」という状況に持ち込んでお勉強することが多い。今日もそうで、夕食の後、最近よく通っている西大路御池の「Globe Mountain Coffee」という店に出向き、おかわりまでしつつ長居。読み終えたのこは、大学院ゼミで読む予定のこの本。 国民の天皇 戦後日本の民主主義と天皇制 作者: ケネス・ルオフ,高橋紘出版社/メーカー: 株式会社共同通信社発売日: 2003/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る結構長かったが、読みやすかった。結論は、乱暴に言ってしまうと、現在の天皇制(特に昭和から平成に代替わりしてその傾向が顕著になるが)は、右派が「堕落した」とか嘆くのとは裏腹に、「堕落した=民主主義化した」がゆえに、広範な国民の支持を得て、現在まで連綿と続いて
だな、と思わず呟いたのがこのニュース。少し引用すると 自民党町村派の23日の総会で、5日放送のNHK番組(NHKスペシャル シリーズ・JAPANデビュー 第1回『アジアの“一等国”』)について、批判が相次いだ。 番組は日本の台湾統治を取り上げたが、稲田朋美衆院議員は「台湾は李登輝元総統など親日家が多いのに番組は反日の部分だけを偏向して報じた」と批判。町村信孝前官房長官も「番組をみたが率直に言って首をかしげた」と同調した。安倍晋三元首相は「週刊新潮も取り上げたが、番組はひどすぎる。関心を持ってこのシリーズを見てほしい」と呼びかけた。 先日放送された台湾の植民地支配に関するNHKスペシャルに、この手の問題では常連の議員の皆さんが噛み付いている、というもの。ほんと、いつものメンツで頭がクラクラする。 統治された側が「ありがとうごぜえますだ」なんてヘコヘコすることがあると本気で思っているなら、この
前に注文しておいた資料集が二つ届いた。これはそのまま大学図書館に登録される(大学って、やっぱ「こんなの、誰が読むの?」というような本を集める義務があると思う。極端にいえば、100万部売れた本は仕入れなくて良いと思う。そんなのブックオフに行けばいいし)。 ヂンダレ・カリオン全3巻・別冊1 作者: 関亜新,張志坤出版社/メーカー: 不二出版発売日: 2008/12/25メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見るこれは知り合いが解説論文書いていたし、在日コリアンの文藝運動という渋いところを突いているのが気に入ったので、僕の名前で発注。 もうひとつは、はまぞうで出ないけど、 吉永進一編・解説『日本人の身・心・霊―近代民間精神療法叢書2(全7巻)』クレス出版、2004年。 最近、日本近代の「宗教隣接」の分野、特に医療(医学)との関係に興味があるので。パート1は、姉妹校
今日は京都仏教会主催の研究会。発表者は薗田稔先生。僕たちにとって薗田先生は、まずピーター・バーガーの翻訳者として記憶されている。 聖なる天蓋―神聖世界の社会学 (1979年) 作者: 薗田稔,ピーター・L・バーガー出版社/メーカー: 新曜社発売日: 1979/07メディア: ?購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (5件) を見る今日のお話しは、古代まで遡って、神道とはどのような「宗教」であるか、というのを再考しようとしたもの。以前から先生が唱えている議論だと思う。誰でもの神道―宗教の日本的可能性 作者: 薗田稔出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 1998/09メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る大分前に、図書館で読んだ記憶がある(手元にはない)。 今日の議論の骨子を僕なりに乱暴にまとめるなら、以下のようなことだったと思う。宗教と
自分の肉親(父や兄)が靖国神社に勝手に祀られていることが耐え難いという訴えは、残念ながら予想通り敗訴となった。殉職自衛官護国神社合祀訴訟から、こういう流れは変化しないんだよなあ。 僕は前々から言っているが、靖国が好きな人、あそこに自分の肉親が祀られていると思い、それを誇らしく思う人の「自由」は当然ながら認める。でも、みんながみんなそうじゃないって事くらいいい加減そろそろ認めても良いと思う。「好きな人だけどうぞ」という、普通の宗教法人に靖国は脱皮するべき。「民営化」されて、60年以上経っているんだから。そうしたら、こういう訴えに靖国も煩わされなくて済むのにね。 そして、靖国に祀られる人がほとんど増えず、参拝者もそれに従って減少していくというのが「美しい姿」だろう。建物を縮小とかは無理でも、数十年後、もしくは百年後くらいに靖国神社の職員は半減しているくらいが、日本全体にとっては望ましいよね(要
入試業務は早めに終わったが、せっかく大学に来たし、何せ自宅より余程暖かいので、読書及びお仕事をすることに決定。読みかけだった以下の本を読了。研究者仲間の大谷さんがおっしゃるように、「現代宗教研究における研究者の立場性と研究の公的性格に関する問題提起的な議論が本書全体を通底して」いた。 カルトとスピリチュアリティ―現代日本における「救い」と「癒し」のゆくえ (叢書・現代社会のフロンティア) 作者: 櫻井義秀出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2009/01/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 42回この商品を含むブログ (12件) を見る目次は以下の通り。 はじめに 序 カルト問題の比較文化社会学……櫻井義秀 Ⅰ カルト問題 1 人間関係への嗜癖としての回心―「摂理」と学生・青年信者…櫻井義秀 2 過程としての回心―エホバの証人、福音派からカトリックへ…渡辺 学 3 脱会
今日届いたのは以下のもの。 日韓交流スクランブル―各界最前線インタビュー 作者: 小針進出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 2008/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る知り合いの小針先生の新刊。色んな人にインタビューして、日韓関係の今を探る、という感じか。死生学〈2〉死と他界が照らす生 作者: 熊野純彦,下田正弘出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2008/12/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るこれでこのシリーズの終わり。とは言え、僕の方はまだほとんど読んでません。植民地朝鮮の警察と民衆世界 1894-1919 作者: 愼蒼宇出版社/メーカー: 有志舎発売日: 2008/11/25メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見るこれまた知り合いの愼蒼宇さんの博士論文の書籍化(祝、出
昨日、濱野智史さんの本を読了。非常に読みやすく、個々の議論も説得的。 アーキテクチャの生態系 作者: 濱野智史出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2008/10/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 99人 クリック: 1,146回この商品を含むブログ (262件) を見る僕の実感を付け加えるなら、日本とアメリカのSNSの違いというのは、アーキテクチャの違いでいうと、MySpaceは外部からアクセス可能ということで、日本人がイメージするSNSとは別物と考えた方がいいと思う。有名な芸能人や政治家がMySpaceを使っていることがよく見受けられるが、基本的にあれは「あなたとはつながっていますよ(繋がりの社会性)」ということを「錯覚」させる宣伝ツールとして利用しているのだろう(もちろん、リアルな知り合い同士はその限りではないが)。 Facebookはmixiみたいにランダムに「足跡」
新書をまとめ買い。 日本にノーベル賞が来る理由 (朝日新書) 作者: 伊東乾出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2008/12/12メディア: 新書 クリック: 80回この商品を含むブログ (17件) を見る伊東先生のウェブ連載が面白かったので購入。サクッと読めた。『栄光ある天才たち―ノーベル賞の裏話付き』というおもむき。ノーベル賞の授与に国際政治のパワーバランスがすごく影響している(というか、ノーベル賞選考委員会がバランスを考慮している)、というようなお話など(原爆作りの一員だったファインマンと、「被害国」の朝永振一郎が同年に受賞していることとか。「ご冗談でしょう、伊東先生」とは茶化せないなあ。目から鱗)。コミックマーケット創世記 (朝日新書) 作者: 霜月たかなか出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2008/12/12メディア: 新書購入: 4人 クリック: 126回この商
最高裁の違憲判決を契機に(ここ重要)見直しが進んでいる国籍法だが、以前の「人権擁護法案」のときと同じような形で「このままでは日本が危ない」というデマをまき散らすやつらがいるようで、頭が痛い。本当、既視感バリバリ。 すでにこのようなデマに対する反駁は出ているので(例えばこことかここを参照)、詳細はそちらに譲るが、この「危機感」と実際に考えられるデメリットの乖離はどうしたわけか。そういえば「在日外国人に参政権を与えればやばいことになる」っていうデマも以前よく聞かれたけど、例えばさあ、60万人の在日コリアンに参政権与えて、どれだけの影響が出るというのか。その何十倍もの選挙に行ってもいない日本人の方がよっぽど政局に影響与えているよ(笑)。 せっかくだから、出たばかりのブックレットを紹介しておきます。 法に退けられる子どもたち (岩波ブックレット) 作者: 坂本洋子出版社/メーカー: 岩波書店発売日
なんか、ほとんど被害妄想と躁病が合併したように失言を続ける例の大阪府知事だが、朝日批判がエスカレートしちゃって、すごいことになってますなあ。「ある言論機関がなくなれば世の中のためになる(あえてサンケイから引っ張ってきました)」だなんて、どこの独裁国だよ。レトリック(言葉のあや、ってやつ)だとしてもひどいし、本音とすれば(恐らく本音)開いた口がふさがらない、という類の発言だ。 こういうのを見ていると、例えば岸信介とか中曽根康弘って、本当に「頭がよかったんだなあ」と感慨に浸らざるを得ない(笑)。このことは前にもこのブログで言ったことがあるけど。 ついでに、ネットでニュースを見ていると、ご自身が「戦後教育の失敗例」としか思えない元首相が「日本がこんなに悪くなったのは、何でもかんでも日教組のせい(要約)」という、何か悪いものでも食べたのかと疑いたくなる発言。 昔は良かったと言い始めるのは老化の始ま
小泉内閣の時、文部科学大臣をやっていて、従軍慰安婦問題とかでくだらない発言を連発していた中山成彬氏が今度は麻生内閣で国土交通大臣に任命されて、以前を上回るペースで失言を量産中というニュースを目にして、「戦後教育」の無力さを感じる今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしですか、って、「きっこのブログ」みたいなオープニングになっちゃったけど、このおっさん、本当に「懲りない性格」というか、「皆さんも実はそう思っているんでしょ」と自分の本音と「大衆の本音」を重ねて正当化を図る典型的な政治屋だね。橋下といい、この中山といい、こういうのが蔓延ることこそが「亡国」の兆しだよ。 追記:あっという間にやめてなんじゃこりゃって感じ。昔の藤尾某のように「おれは正しいことを言った。自分からは辞めない」くらいのことは言う確信犯だと思っていたのに。まあ、そういう「(無駄な)骨太さ」を見せつけられても尊敬は一切しないが(
なんか、かつてのプレジデント誌の「戦国武将に学ぶ部下掌握術」とか、そういうのと誤解されちゃいそうだけど(笑)、まあ、僕の言いたいことはそれに近い。またまた、例の橋下大阪府知事のこと。 潰すことを計画中の(ここ重要)「国際児童文学館」の職員の働き具合を隠し撮りしていた、という記事だ。 「民間では」と橋下やその支持者は二言目には言うけど、そういう「民間の論理」自体が異常だ、とは思わないのかなあ。四六時中仕事を監視カメラでチェックしていて会社の上の人間はそれを元に恫喝する、なんていう職場はまっぴらごめん、っていうのが「普通」の感覚なんじゃないの、と素朴に思ってしまう。 お客に扮装して接客態度をチェック、なんて話は聞くけど、デスクワークの人を撮影して、その「やる気」の有無なんてどうやって見分けるのか。まさか「心眼」だなんて言わないよね。例えば、その撮影の瞬間たまたま何かの調べ物で何らかの本を読んで
今朝の新聞を読むと、全国学力調査のニュースが大きく取り扱われ、特に橋下大阪府知事が大阪府の「低迷振り」に怒り心頭、らしい。ちょっと引用すると、 文部科学省が29日に発表した全国学力調査の結果で、大阪府の公立小中学校の児童・生徒の学力が昨年に引き続き全国平均を大きく下回った。教育関係者は戸惑いをみせる一方、昨年から準備してきた学力向上施策を着実に進め、巻き返しを図ろうと意欲を見せる。 ◆習熟度別授業を拡大 独自の新テスト導入 「教育日本一」を掲げる橋下徹知事は29日夕、報道陣に「教育委員会と教職員はもっとしっかりしろと言いたい」と厳しい口調で語った。府教委の綛山(かせやま)哲男教育長も、「改めて大阪の抱える課題が大変厳しいということを認識した」とコメント。授業力の改善をテコに、学力向上をめざす決意をにじませた。 いや、頑張れというのは良いんですけどね、橋下さん、あなた就任直後に「少人数クラス
八王子でも、「誰でもよかった」とわめいて人を殺したのが出てきてしまったが、こういうのは、津山三十人殺しの時から同じで、要するに、「無理心中」。 もちろん、自爆テロも通り魔も、犠牲になる人にとっては大きな違いはないが、自爆テロには「私の屍を乗り越えて前に進め」というような訴えが背後にあることが多かろう。古典的な考えだが、こういう「自殺」は、デュルケームの『自殺論』の「集団本意的自殺(suicide altruiste)」という概念を思い出させる。でも、一連の「通り魔」にはそのようなものを見出すことは困難だ。 というわけで、秋葉原の事件も、今回の八王子の事件も、広い意味で「社会への復讐」というのが読み取れるかも知れないが(特に加藤容疑者の雇用状態などは同情の余地があるかも知れぬが、際限なき同情は同情ではなくなる)、僕はそこまで彼らの意を忖度してやる必要はないと判断する。
昨日の新聞に出ていたけど、下関の教育長がたわけた発言をしたそうだ。この人の脳みその中身はどうなっているのか、マジで理解不明。ちょっと引用すると、 山口県下関市の嶋倉剛教育長(44)が26日、学校への教育補助金増額を求めて訪ねてきた山口朝鮮学園の金鍾九理事長と保護者らに、日本の朝鮮半島に対する植民地支配について「植民地支配は歴史的事実に反する」と述べた。 同学園は山口朝鮮初中級学校を運営。この日、保護者側は「植民地支配によって日本に渡航せざるを得なかった朝鮮人子弟が通っている。ほかの外国人学校とは経緯が違うことをふまえて対処してほしい」と要望した。これに対し、嶋倉教育長は「植民地支配という部分については歴史的事実に反するので受け入れられない」と述べた。 保護者らは机をたたくなどして激しく抗議し、金理事長も「歴史的事実は歴史的事実と受け止めて」と主張した。嶋倉教育長は「日朝併合の部分をいかに言
秋葉原の例の通り魔事件、あまりの凄惨さに声も出なかった(彼が自分の犯行の言い訳として用意した物語の「あまりの単純さ」及び凶行に及んだ時間の短さにも衝撃を受けた)。連日ワイドショーやニュース番組はこの事件の報道に時間を割いているが、昨晩あるニュース番組を見ていたら、自宅前で「謝罪会見」をさせられている容疑者の両親が写っていて驚いた(さすがに首から下だけを映していたが)。 僕が思ったのは、「親も被害者」だということ(殊に、成人した子供の犯した犯罪だ。保護者の義務もあったものじゃないはず)。このように身内の犯した罪を親族がかぶらなければならない、なんていう「連座」を強いるマスコミの報道姿勢に素直に腹が立つ。被害者の家族・関係者に「今のご心境は?」と訊くことも、加害者(容疑者)の家族・関係者に「何か言うことは」と訊くこと、共に醜悪。
両親と兄一家は今も大阪府民。僕も高校卒業するまでは大阪府民なので、やはり他人事とは思えない。 で、例の知事殿が、様々なパフォーマンスをしているのは羞恥周知のことだが、宮本大人さんがまとめてくれているように、「大阪府立国際児童文学館」が「無駄」として切り捨てられそうな状況である。これには、当然ながら僕は反対。言いたいことはほとんど宮本さんが言っているので、ここでは繰り返さない(僕個人は、この前「ドーンセンター」存続署名に一筆書いた)。 こういうのは一度つぶれたら、平松大阪市長が言うように二度と取り返しがつかないものだし、「余り儲けにならないが重要なこと」を行うのが「公共機関」てなものだと僕は思うのだが(儲かってしょうがないような事業なら、それこそ民間が黙っていても手をつける)。 「こういう知事を選んだ民意(だから仕方がない)」、という言葉もネット上で散見されるが、もちろん民意は大事、でも、間
『思想地図』掲載の拙稿に対して、umeten君が詳細な書評を書いてくれた。まずはその労に感謝する。この書評、この雑誌全体の感想ではなくて、拙稿にだけが対象なのに、この長さ。これほどの熱意を込めて書いてくださったのだから、不完全な形ではあるが、今思いつく限りでお返事をしたい。 全体的な印象としては、彼は様々な言葉に独特の「定義」を施し、そして僕が用いているそれとの「ズレ」を起こさせる批評の方法を採っていると思うが、批評される側からすると、多少「季節外れの野菜を要求されて戸惑う八百屋さん」の気持ちにならないでもない(笑)。 まず、拙稿では宗教社会学で言う「世俗化」を説明し、要するに「世俗化された現代日本」というのを最初に提示しようとしているわけだが、umeten君は だとすれば、「世俗化」とは何も宗教に限ったことではなく、「権威あるものをノイズとして処理することが冒涜的ではなくなる過程」と言う
こんなブログで呟いても仕方ないとは思いつつも、現在チベットで起きている件について(今後どうなるか判らないが)、まずは中国政府のやり口を非難したいと思う。これは対等な争いではない。圧倒的な軍事力を持つ者と、石ころでしか抵抗できないような人々との流血である。端的に虐殺としか言いようがない。 道義的にも許せないし、暴発を招くまでチベット人を冷遇し続けた今までの政策も下の下だったとしか言いようがない。 僕が中国を含めアジア諸国に言いたいのは、「戦争とか虐殺とか公害とか、近現代日本が一通り経験した負の歴史を反面教師にしてください」ということだ。中国政府は今回、南京事件は愚か、「天安門」からすら学べなかった。これを僕は中国のために哀しむ。
花岡信昭という産経新聞の客員編集委員がいる。完璧な「奴隷」の見本である。「言われてやるのはまだ未完成。言われる前に進んでやるようにし向けられれば、支配の完成」というのが規律権力論の要だが、このオッサンはそれの斜め上まで行ってしまっている。だから「奴隷」という表現にした(奴隷は自分のことを「奴隷」と言われると怒る、と書いたのは誰だったか。魯迅だったか。僕はそれを紹介した竹内好の文章をぼんやり憶えているのだが。あと「奴隷と奴隷の主人は同じ」だとか「奴隷は自分が奴隷であることを忘れている(から奴隷)」というようなことも言っていたと思う。今手元になく確認できぬが)。 花岡なる人物、このところ自分のブログで、沖縄の少女暴行事件に関して、被害者の少女に対する「セカンドレイプ」を「大人の常識」とやらを振り回しつつ垂れ流している、どうしようもないオッサンである。その酷さは、最近のエントリを読めば一目瞭然だ
大野左紀子さん(id:ohnosakiko)の新刊を読了。こなれた文章で読みやすい。 アーティスト症候群―アートと職人、クリエイターと芸能人 作者: 大野左紀子出版社/メーカー: 明治書院発売日: 2008/02/01メディア: 単行本購入: 37人 クリック: 1,184回この商品を含むブログ (55件) を見るで、読んだ後やはり思ってしまったのは「authenticityの呪縛」ということ。authenticityとは「真のアートとは何か」という時の「真の」という言葉とか、「本当の私」という時の「本当」という言葉の謂い。アーティストはまさにそれで勝負を懸ける人種(のはず)だが、これはアーティスト(自称も含む)だけでなく、多かれ少なかれどんな人にも当てはまることだよなあ、と嘆息したのだった。僕だって、「自分の才能を生かすのは学問の世界だ」という自意識無くして、大学院に進学したわけがない。
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