サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
www.fin-bt.co.jp
マイナンバーの届出拒否 (証券業界が困惑) 日経新聞の平成29年5月28日付け記事です。見出しは「マイナンバー 証券顧客の乱」です。証券会社は平成31年1月から証券口座(既存口座)の支払調書にマイナンバー記載が義務付けられており、顧客には平成30年12月までに番号の届出を依頼している。新規口座開設では、既に昨年から番号の提出が必須となっています。NISAに関しては、昨年の税制改正で今年の9月までに番号の届出を受けて、NISA非課税処理を行なうこととなっています。番号の連絡がない顧客は、来年以降、NISAでの売買ができなくなります。各証券会社では、WebサイトやDM等を通じて、顧客に届出を要請していますが、野村で5割、大和は2割しか集まってないとのこと。昨年末1069万口座となったNISAも、このままだと来年から半分以上がNISA適合から外れてしまうとのことです。個人の証券口座2300万も、
滋賀銀行が滋賀大学と包括提携 (ビッグデータで地域経済活性化) 金融経済新聞の平成28年10月17日付記事です。滋賀銀行が滋賀大学と包括協定を結んで、ビッグデータの分析を通じて、地域経済活性化を図るという内容です。滋賀大学は来年4月にデータサイエンス学部を創設しますが、滋賀銀の持つビッグデータをデータサイエンス部が、教材として利用しながら解析し、滋賀銀の新商品開発などに活用する計画だそうです。 9月14日には、京都銀行がやはり滋賀大データサイエンス部との包括的提携をしたと報道がありました。こちらもビッグデータを活用して地域的課題に対する支援を行なう趣旨の提携です。同データサイエンス部はわが国で初のデータサイエンス専門の学部です。学生は1学年100名を募集予定で、教師陣は教授、准教授あわせて14名が既に在籍しています。ビッグデータがブームの昨今、多方面から注目されている学部です。 それにして
金融庁が決済インフラ改革移行計画案 ニッキンの平成27年11月20日付記事です。金融庁が金融機関に新金融ネットワークシステム構築と17年度からXML化の試行を開始する案を提示したとのことです。現行の全銀システムにおける固定長電文は20年代に廃止してXMLに一本化することが柱です。商流EDI情報(取引データ)と決済情報(振込データ)を紐付け、EDI情報を管理する機能を検討するとしています。全銀協会長行であるみずほ銀行が窓口となり、銀行界の意見を反映しながら、12月に予定する「決済インフラ改革に向けたアクションプラン」に盛り込む方針だそうです。地域金融機関の中には、コスト増を懸念する声もあると書いています。 この内容にはポイントが二つあると思います。第一は、固定長電文を廃止することです。今の全銀ネットもXML対応はできています。ただ、そのサービス提供をする会員銀行がありません。何故、提供しない
Fintechで日米欧22行が提携 (新決済システムを構築) 日経新聞の平成27年9月30日号記事です。先進国主要銀行が、ブロックチェーンを使った新たな決済システムを共同で構築するというものです。22行はまさに名だたる金融機関ばかりで、日本からはMUFGが参加とあります。 ブロックチェーンは、最近流行りのFintechの中で最も価値があるというか、応用範囲の広いアルゴリズムとして注目されています。ビットコインの主要技術なので、日本では悪用され易い技術とみなされる傾向がありますが、欧米では決済や証券取引などのイノベーションに使えるとして、金融機関やベンチャーがビジネスモデル開発の競争をしていました。どこが先に動くかと思っていたのですが、多数国の主要銀行が協力して決済システム開発に着手したとは驚きです。 記事では、米国Fintech企業「R3」と提携して10月から3つの分科会をNYに設置して、
ネットバンキングのWindows10対応 最近、銀行のIT担当者と話をすると、話題はもっぱらマイクロソフトへの不満ばかりです。というのは、平成27年7月29日に開始されたWindows10無償配布が発端です。今まで主流だったブラウザのIEに替わってMicrosoft Edgeが標準搭載されたのですが、銀行がプレビュー版での動作確認をしたところ、多数の問題のあることが判ったからです。業界紙ニッキンなどは、一部の銀行で推奨環境の対象外としたり、利用者に10へのアップグレードを見合わせるようにとアナウンスしていると報道しました。実際には、一部どころかほぼ全てのIB提供銀行が同様の対応をとっています。海外でも同じような状況です。 面白いのは、単に互換性に問題があるとの告示ではなく、Win10の導入を見合わせるようにと、10に問題があるかのような表現をしていることです。銀行界のMS社に対する不満が読
野村証券が共同利用型オンラインへ移行 日経新聞平成22年12月15日号記事です。野村証券が個人向け業務の基幹システムを全面刷新する。総費用500億円で2013年初めに稼働させる。新システムは自社保有ではなく、野村総研(NRI)が中堅中小の野村親密証券向けに提供している共同オンラインに加入する。この結果、制度変更等、自社で対応してきた作業をNRIに任せられるので、年率10%増と見込むシステム投資を抑え、年200億円の経費抑制を見込んでいるとの内容です。 日経コンピュータのWebサイトも同日付で、STAR-Ⅳを採用すると、ほぼ同じ内容の報道をしていました。メインフレームの自社システムを止めて、NRIのASPに変えることでIT投資の大幅削減が可能になるとのことです。両記事は、野村が共同オンラインを採用して、IT費用を大幅に削減するという論調ですが、どうも、そのままには受け取れません。 確かに野村
クラウド(NECが地銀向け基幹システムを販売) 日経新聞平成22年3月19日付記事です。同じ内容の報道を同日付のニッキンも掲載していました。NECがクラウド指向型共同利用サービスとしてBankingWeb21を4月から販売活動するというものです。八千代銀行と共同開発したオープン系のBW21と関連サブシステムとの連携機能、および、バックアップ・システムを提供するそうです。全体コストの15~20%を削減でき、東西センター利用によるBCP体制を売り物にするということです。従量制料金で、預金量2兆円規模の銀行であれば、初期費用20億円、年間費用10億円程度です。5年で20行程度の採用を見込み、累計200億円の売り上げを目指すということです。両紙ともにNEC提供の資料を掲載しており、ニッキンには副社長コメントも載っていますので、NECが正式にリリースしたのでしょうが、同社Webサイトには何も発表があ
クラウド・サービス (米大手業者の受注相次ぐ) 日経新聞平成21年10月9日号記事です。グーグルやセールスフォース・ドットコム(SFDC)など米国大手クラウド業者が日本国内で、大手企業からの受注を増やしているとのことです。JTBが1万人の社員向けクラウドでグーグル・メール採用を決めた。TOTOやユニチャームなどもグーグルを採用。郵便局で名をはせたSFDCも、経産省のエコポイント・システムやローソンの情報共有システムなどで利用されている。対して、国内勢では富士通、日立、NECなどが、クラウド普及を想定して大規模データセンター(DC)新設を急いでいる。IDCの予測によれば、世界クラウド市場は、今年174億ドルで、2013年には442億ドルになるという。これは、世界IT支出のおよそ10%に相当するという規模です。 いかにも、世界のITはクラウドに雪崩をうって切り替わるという記事内容です。クラウド
アンチマネロン (みずほIRが広島銀行、福岡銀行を支援) ニッキンの平成21年7月17日号記事です。みずほ情報総研が、広島銀行、福岡銀行から「アンチ・マネーローンダリング対応支援」サービスを受託したそうです。7月から作業開始するそうですが、完了時期や費用等に関しての発表はありません。両行はご存知のように全面的なIT共同化を行っており、旧富士銀行親密行です。 昨年末から今年前半にかけて、三大銀行グループが本格的なAMLシステムを稼働させました。6月にはシティバンクがAML態勢不備を理由に、個人金融部門の販売活動一か月停止という大変厳しい行政処分を受けました。余りに厳しい処分なので、大手銀行やメディアの間では、金融庁がシティバンクを目の敵にしているという風評が流れました。地銀の解釈は違ったようです。シティのAML態勢は大手米銀レベルで自分達より数段上の筈で、それでもこんな処分を受けるのかと相当
決済システム (プライベート為替システム) 金融経済新聞の平成21年4月20日号記事です。2011年秋に稼働予定の第六次全銀システムに関連して、オーナーの東京銀行協会とシステム開発運用を受託するNTTデータの間で、従来のデータ通信サービス契約(通称、デ通サ)とは異なり、ソフトの所有権を発注者側が保有する契約条件が検討されているということです。第六次全銀で間に合わなければ、2019年頃の第七次全銀では所有権が発注側になる可能性があるそうです。その場合、全銀システムとは別に、任意の銀行グループによる新たな為替システムが構築され、料金やサービス内容に競争原理が取り入れられる可能性があるとしています。 デ通サ契約期間が2011年11月に切れる第五次全銀システムは、第六次でTCP/IP化され、XML採用でコメント電文の機能強化が予定されています。開発費等創設費用が3百数十億円とされており、何でそんな
決済システム改革 (金融庁が資金決済法案を準備) 平成21年1月23日付ニッキンの記事です。金融審議会の1・2部会報告を受けて、金融庁が金融商品取引法の改正と資金決済法創設の準備を開始したということです。金商法改正では、格付会社の登録制や指定金融ADR機関の創設、取引所の総合化を可能とする制度改正が行われる予定だそうです。資金決済法では、昨年来注目を浴びてきた決済WGの議論を踏まえて、収納代行や代引き決済の規制化は、当面見送られますが、銀行の為替業務に大きな影響を与える改正が組み込まれます。第一が、銀行業以外にも為替業務を認めることになる資金決済業の創設で、第二は、銀行間資金決済を行う場合の資金清算機関の制度化です。 決済WGでは、リテール決済サービスの多様化を受けて利用者保護のための議論を中心に行われました。前払式支払手段としての電子マネーやポイント・サービスが議論の対象です。結局は規制
システム統合 (三菱東京UFJが移行完了) 日経新聞平成20年12月16日号記事です。BTMUが史上最大規模のITプロジェクトを完了ました。12月13日、14日の土日を使って、旧UFJ最後の115支店無事に移行させました。約3年でピーク時6千人、総額3300億円のプロジェクトでした。関係者の皆さんは、判っていたとはいえ、安堵と達成感で一杯でしょう。 日経コンピュータやニッキンなどは報道していましたが、全国紙は日経くらいで他紙は無視というか、この成功はなかったことにしたいようです。最近ですら、筆者のところに[移行において、どんなトラブルがありえるか?」などと聞いてくるくらい、ネタ待ちでした。そんなに難しいプロジェクトだと思うのなら、「何故、大きな障害もなく、プロジェクトを達成できたのか?」という報道でもすれば良いのにと思います。それでも、未練がましく「効率が落ちて現場に不満があり、10年遅れ
銀行次期システム(スルガ銀IBMのNEFSSを採用) 10月の連休を使って千葉興銀がNTTデータでの新システム移行を完了させました。予定を半年遅らせましたが、無事に稼動したことは何よりです。ネットバンキングや24時間365日対応、新商品対応の容易化などを実現しながら、年間IT費用を3億円ほど下げられるそうです。 日経新聞10月19日号に、スルガ銀が次期システム「新経営システム」にIBMのNEFSSを採用決定したという記事がありました。稼動予定は2007年、費用は予定額の半分100億円だそうです。基幹系、勘定系、業務系などといった表現でなく、情報系と一体化させて新経営システムと称するところに、スルガのIT戦略ビジョンが見えるようです。 この記事の出所がどこかは知りませんが、少なくとも公開発表ではないようです。内容もIBMにとって有り難い記事かどうか疑問です。稼動時期が2007年10月以降です
システム統合 (三菱東京UFJ銀が移行開始) 貼り付けたのは朝日新聞平成20年5月12日夕刊の一面見出しです。一応、セブン銀との提携取引が止まったとの表現ですが、大多数の読者はBTMUのシステムが全面的に止まったと受け取ったようです。システム統合初日は、このほかに提携金融機関のATM入金等に不具合が発生したということです。マスコミはこぞって全面障害の如き扱いをし、金融庁も勇躍、長官による記者会見をしました。ITになじみのない大多数の人は前述の誤解をし、IT経験者はマスコミの扱いに憤激しつつ、BTMUの対応の速さに、たいした技術力だと感心します。もっとも、内部を知る人達は、対応の技術的難度は高くないと言い、かつ、何故テスト漏れしたのか疑問に思ったようです。 今回の障害は騒ぐような話ではなく、電車で言えば、ドア故障による遅延で一万人強が通勤において不都合が出たという程度のことです。代替策は豊富
オンメモリーによるファイル高速処理 ニッキンの平成20年4月18日記事です。日立のインメモリーデータ処理技術を使って、大手銀などがオンラインやバッチ処理の超高速化を検討しているという内容です。DASDなど外部ストレージから、必要なデータをメモリー上に展開しておきファイルIOを極少化するとともに、DASDの百倍以上の速度を持つメモリーでデータ処理する技術です。オンメモリーともインメモリーとも言います。 ニッキンでは、このような特定ベンダーの製品を紹介する場合、第13ページのIT欄に掲載しますが、この記事は3面総合欄で大きく報道されています。ニュースソースが銀行なのかと思いましたが、日立の製品発表が4月9日だったので、紙面枠調整の都合で3面に掲載されたのでしょう。日立としては得をしたことになります。 オンメモリー技術は以前からあります。弊社サイトの使えるIT製品・サービス欄でも、5年前にターボ
金融庁のプリンシプル案に民間が反発 金融経済新聞平成20年3月17日の記事です。金融庁が業界団体に根回しを行っているプリンシプル(行動規範)案に、民間金融機関から過剰介入と反発が強まっているという内容です。 金融庁は、昨年12月から銀行、保険、証券業界などと共同(強制参加?)でプリンシプルと呼ぶ経営基本原則を作成してきました。2月4日には各業界に提示し、3月には内容を確定する予定でした。しかし、会長会社が協会に持ち帰った案に、さまざまな否定的反応が出ているようです。「プリンシプルとは何ぞや?」「取引マナーにまで行政が介入するのは行き過ぎ。」「ルールの範囲があいまいで行政裁量が強い。」などです。笑ってしまうのが「利益相反ビジネス上のコンフリクト」「取締役のフットアンドプロパー」などカタカナが多くて意味を誤魔化しているという批判です。筆者のように長く外資系に働き、欧米流コンサルティングに携わ
NTTがNGNでSaaSに参入 日経新聞平成20年2月8日の記事です。NTTが今年3月にサービスインするNGNで、企業向けSaaSビジネスに参入するとのことです。年内に数十から百億円程度の投資を行って、データセンターを構築し、認証や決済(課金?)機能などを整備するそうです。百社以上のソフト会社からアプリの提供を受け、年間数百億円の売上を目指すということです。アプリとしては、CRMや会計、人事などを想定しているようです。 NTTは、計画の内容を何ら発表しておらず、記事のどこまでが本当で具体的なのかは判りません。記事内容から見ると、具体的かつ実務的に詰めた内容とは思えません。ただ、記者に語るからには、会社としての方針決定はあるのでしょう。最近、SaaSビジネス参入を発表するIT企業が多いので、NTTとしては法人向けNGNビジネスの先行ユーザーとして、SaaS業者を想定しているのかもしれません。
「10年後、金融はこう変わる。」 (日経金融新聞のアンケート予想) 日経金融の平成20年1月29日号を見た時に驚きました。「中国、邦銀を買収」とあるのですから、どこが誰に買われるのか?と一瞬考えてしまいました。有識者12名と日経金融記者14名の予想確率だったのです。同紙は、今月31日をもって休刊(廃刊)となり、今後はWebでニュース配信しつつ3月16日創刊の週間「日経ヴェリタス」と衣替えします。それを記念しての特集予想だということでした。金融業界、市場、景気・政策、企業に関して予想しています。金融関連について紹介します。 1. 大手損保が統合し、メガ保険が誕生する。70~77%。これには筆者も同調します。どことどことは判りませんが、ランチェスター法則論で言えば33.3%以上のシェアを持つ必要があるでしょう。 2. 生保から相互会社が消える。55~57%。株式会社化は増えるとは思いますが
EC市場規模は140兆円(経産省が調査結果を公開) 経産省は、6月26日に第八回電子商取引調査結果を発表しました。日経新聞平成18年6月27日付けの記事です。詳細は同省サイトで公開されています。 http://www.meti.go.jp/press/20060626003/20060626003.html 今回調査は、これまでとは調査主旨を変えて、米国との比較に重点を置いています。調査主体であるIDC社の日本法人だけでなく米国本社も協力して日米の企業、個人に対して電話アンケートやインタビューなどで調査しています。 調査結果概要は以下のようなことです。 ◇B2Bの規模は約140兆円で狭義EC化率12.9%である。これは米国の92兆円、5.7%と比較すると大巾に高いEC化率といえる。 ◇EC化率が高い業界は製造業(20.1%)で、特に輸送用機械業が35.2%と際立っている。次いで、電機情報関
金融商品取引法(不招請勧誘禁止) 平成19年7月31日付け日経記事です。金融庁は、金融商品取引法の行為規制の一つである不招請勧誘禁止に基づいて、夜間、早朝、休日などの電話や訪問による営業活動を原則禁止する方向で検討しているということです。顧客の事前の合意を受けて、予約した時間の営業であれば規制外であるが、悪質な違反行為に対しては登録取消しなど厳しい処分がありうるとしています。 金商法の施行は今年9月30日と決まりました。金商法では、いわゆるJ-SOXが注目され、上場企業や大手企業では財務などの透明性と説明性確保に膨大な労力とコストを投入し、ITベンダー各社は、一大商機と活発な(中には品格に欠ける)営業を行ってきました。当法は、原則として証券取引法をおきかえるものとして、従来規制外にあった私的ファンドなどにも利用者保護の観点から様々な行為規制が課せられています。投資性金融商品が対象なのですが
ITサービスのビジネスモデル 5月になって上場IT企業の決算発表が続いています。ITProによれば、業績の二極分化が進んでいるということです。SI企業においても同じ傾向で、NTTデータ、NRI、CSKが好調を持続し、CTCやNSSOLなどが増収増益に戻っていますが、TIS、ユニシス、富士通ビジネスシステム、NSWなどが不採算案件のために低迷しています。総合ベンダーの日立、NEC、富士通は、相変わらず一部事業の赤字を理由として、元々低い利益率を更に減少させています。数万の社員が必死に働いて数兆円も売り上げた結果が、赤字や数百億円の利益です。いっそ米国TBでも買って、寝ていた方が株主に還元できるではないかと思う状況です。我国には2千社を超えるITサービス企業がありますが、10年以上も新たなビジネスモデルを捜し求めてきました。しかし、まだ、見つかっていません。 http://itpro.nikk
このレポートは、金融財政事情2005年4月4日号への寄稿を加筆したものです。 地方銀行を始めとする金融業界のベテランと日立、NTTコムウェア、IBMなど大手IT企業の金融業界専門家など10名による共同研究の概要を紹介します。 共同研究を行なった契機は、地方銀行における構造改革の進展度合に関する懸念でした。今後の経営環境の変化を考えれば、根本的な経営戦略見なおしと確実な実行が不可避であることが明白なのですが、具体的方向性や施策が不明確な場合や実行性に対する疑問もありました。ITに関しては、戦略的活用がなされていないという行政当局の指摘がありますが、戦略的IT活用とは何か?阻害しているのは何か?これからは、どうあるべきか?という課題も議論したいと考えました。 各地方銀行の実状を知るに従って、画一的な戦略や実行計画がありえないことが再確認されました。しかし、地方銀行の歴史において最大規模の変化が
P2P融資オークション(英国のZopa) 昨年3月にスタートした個人間の融資をオークション方式で仲介するサービス「Zopa」(Zone of Possible Agreement)が日本でも注目されだしたようです。6万人近くの会員を集めて成功しつつあることと、今年に入って米国カリフォルニアでも「PROSPER」という同様のサービスが開始されたからでしょう。 日経金融の平成18年5月8日号でCFOアレクサンダー氏とのインタビュー記事を掲載していました。Zopaはネット専業銀行エッグを立ち上げたR.デュバル氏とアレクサンダー氏が、個人の投資と小口資金調達をマッチングさせるミクロ融資を目指して開設したオークション・サイトです。 筆者は20年程前に、企業向けに私募債をネット・オークションで提供するサービスを提唱したことがあります。金融関係の皆さんは「理屈上はありえるが、金融はそんな簡単なモノではな
このレポートは、地域金融研究所の月刊誌『New Finance』平成17年12月号への寄稿文に加筆したものです。 注目を浴びている銀行代理店制度に関しては、金融サービスを根本から変革する契機とする考えがある一方で、ビジネス・モデルが成立しないと消極的な評価もあります。筆者は、積極的に評価する立場をとっていますが、成功するためには長期的戦略に基づきバランスのとれたチャネル戦略として着実に実行していくことが必要と考えています。 なお、当レポート内で「戦略」「ビジネス・モデル」という耳慣れてはいるものの定義が定まっていない言葉を使っていますが、ここでの定義は以下のものとしてご一読願います。 戦略:市場や競争条件を考慮しつつ選択した事業目標に対し、人的資源、物的資源、資金的資源、知的・情報資源を適切 な時間軸に従って配分すること。 ビジネス・モデル:対象とする事業分野に投入する商品・サービスの開発
銀行次期システム(横浜とほくほくFGが共同化) 日経新聞平成17年11月25日号の記事です。横浜銀行とほくほくFG(北陸銀行、北海道銀行)が次期システムをNTTデータと共同で開発するということです。稼動は2009年を想定しています。共同というよりは、同一システムを共同利用するのでシステム統合という形態になるようです。対象業務は、勘定系、外接系、DWH系と主要サブシステムです。 数年前から共同化やアウトソーシング化が進み、多くはその際にシステムを部分的にでも更新しています。次期システム化の方針が定まっていない地銀が数少なくなり、特に富士通ユーザーの上位地銀の動きが注目されていました。横浜、静岡、北陸、北海道、七十七などです。富士通としては、東邦銀行と共同開発したPROBANKを活用したかったのかもしれませんが、これら上位地銀での採用は難しいのが実状です。特に横浜銀行はシステムの寿命からして、
News ! ■ 講演予定 ■NPO 「金融 IT たくみs」 ※ オンラインセミナーを定期的に開催しています。 ※ 会員募集中です。
郵貯民営化(郵貯銀システムに大手行システムを検討) 日経新聞の平成18年3月23日号トップ記事です。民営化企画会社である日本郵政は、郵貯銀行の基幹システムとして現行貯金システムの増改造や新規開発ではなく、旧UFJか旧富士銀行の勘定系システムを購入する方向で検討しているという内容です。 この記事の反響は大きく、多くの方が話題として出します。MUFGやみずほFGが競合先の郵貯に売るだろうか、なぜ三井住友のシステムは検討しないのか、現行貯金システムは捨てるのか、 本当に数百億円も払うのか、記事の最後にでてくるDTSはどんな会社なのか・郵貯とどんな関係があるのか?などなどです。結構笑ってしまう疑問が多いのですが、郵貯システムの民営化対応や金融業界における開発力の問題など根本的なものを含んでいることも確かです。 多くの方が勘違いしていることが二点あります。第一は郵便貯金銀行(予定)と郵便局を混同して
◇ 金融 I T ニュースコメント ◇ 金融 業務削減4万人分 (大手13社がDXで生産性向上 2021/12/02 進む金融分業 (大手身構え) 2021/11/24 金融庁がシステム管理 (みずほ銀に異例処分) 2021/9/24 SBIが新生銀に同意なきTOB (元金融庁長官が会長候補) 2021/9/13 デジタル証券で小口投資 (三井物産がファンド) 2021/9/09 スマホ決済 消耗戦限界 (PayPay加盟店手数料を全面有料化) 2021/8/25 銀行、顔認証で入出金 (FIDO認証の採用) 2021/8/10 地銀「山口の変」の戒め (事業変革の障害) 2021/08/02 フェイクの姿が見えた (オピニオンの科学) 2021/7/19 りそな銀が日本IBMなどと新会社、地銀のスマホ金融支援 2021/7/15 繰返すシステム障害と企業文化 2021/7/4 銀行の
金融SIビジネス(SE不足が深刻化) 日経新聞の平成18年3月15日号の記事です。金融関連のSE不足が深刻であり、中小ソフトハウスへの引合いも急増しているそうです。しかし、人手不足から受注に応じられない状況で、このままだと、SE単価は上がるものの、大幅な売上増に至らず業界の本格回復を制約しかねないとしています。また、インドや中国などアジア勢にビジネスを奪われる可能性もあるとしています。需要急増は、東証や郵貯を含む大型案件5件が要員をかき集めているからだということです。 金融関連の熟練SE不足は、以前から予見されています。理由は簡単です。長い低迷で若手SEに実戦の場が少ない上、ベテランSEを大手SIerが放出してしまいました。東京三菱とUFJの合併やJCB,郵政のプロジェクトは各々で数千人規模の技術者を必要とすることが明白でした。そこに東証やみずほFGの次期システムが加わるのですから、新規開
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『株式会社金融ビジネスアンドテクノロジー』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く