南米のアマゾン川流域では、毎年、日本の四国と同じぐらいの規模の熱帯雨林が消失しているという。こうした自然破壊を食い止めるべく、企業や官公庁、地方自治体の緑化運動と連携し、国内1,200ヵ所以上、海外も含めて1,500ヵ所以上で植林活動を行い、約3,000万本の木を植えてきたのが、植物生態学者の宮脇昭氏だ。高度経済成長期、誰もが経済性の追求にまい進する中、ただもくもくと森の再生について研究し、考えてきた。バブル崩壊から約15年。人間や企業が、「自然と共生できるのか」が厳しく問われる時代になった。宮脇氏が不遇の時期に培った知恵が、いま脚光を浴びている。