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人間が物や考え、状況の改善を求められた時、その要素の一部を引くのではなく、新しい要素を足す傾向があることを報告する論文が、Nature に掲載される。その結果として、新たな要素を加えて問題を解決する方法が採用され、特定の要素を除去する方法は、たとえ優れた代替案であっても検討されない可能性がある。 物や考えの改善(例えば、技術開発や主張の強化)は、斬新な点を加えること、あるいは、既存の要素を減らして物や考えを合理化することで達成される。しかし、人間は、可能性のある全ての選択肢を探索することによる疲労に対処するために、検討する考えの数を絞り込む傾向があり、最適解が得られないことが多い。 今回、Gabrielle Adams、Benjamin Converseたちの研究チームは、1153人が参加した実験で、さまざまな課題(例えば、幾何学パズルを解くこと、レゴで作られた構造物の安定性を高めること、
Cover Story: チャネルの切り替え:オルガノイドやアセンブロイドによって、ティモシー症候群の治療候補を検証するモデルが得られた Nature 628, 8009 (2024年4月25日) ティモシー症候群は、心臓の障害、自閉症、てんかんを特徴とするまれな遺伝性疾患で、変異型のCACNA1Cが原因である。この遺伝子は、カルシウムイオンチャネルをコードしている。今回S Pașcaたちは、この変異によって生じた欠陥を修正してティモシー症候群を治療できる可能性がある戦略を提示している。彼らは、変異を持つタンパク質コード配列が使われるのを減らし、他の塩基配列が使われるようにすることを目的とした、アンチセンスオリゴヌクレオチドを開発した。次に、ティモシー症候群の患者から集めた幹細胞から得た三次元(3D)組織モデル(皮質オルガノイドと前脳アセンブロイド)で、この方法を検証した。著者たちは、この
マウスにおいて、アルコール中毒が行動に及ぼす影響は、肝臓ではなく脳で生成されるアルコール分解物(代謝物)が原因である可能性があることを報告する論文が、Nature Metabolism に掲載される。この知見は、アルコールが脳にどのように影響するかを知る新たな手掛かりをもたらすとともに、アルコールが行動に及ぼす影響をよりよく制御する道を開く可能性がある。 運動障害など、アルコールがヒトやマウスの行動に与える影響は、アルコールの分解の際に生じる代謝物が原因と考えられている。そうした代謝物の1つである酢酸塩は、肝臓に多く存在するALDH2という酵素によって生成される。肝臓で生成された酢酸塩は、血流に乗って脳へと移動し、そこで抑制性の神経伝達物質であるGABAを介したシグナル伝達によって運動機能を障害する。 今回、Li Zhangたちの研究チームは、3つのヒトの脳試料と11匹のマウスを調べ、AL
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ウィズコロナの図書館運営 ─大学の国際化、これまでとこれから コロナ禍によって国をまたいだ人の往来が制限を受けるようになり、大学の国際教育は大きな打撃を受けている。現代において、国際化は大学に必須の要件であるが、今後はそれをどのように進めるべきか。シュプリンガー・ネイチャーは、図書館員をはじめ大学関係者がこの問題にアプローチするためのセミナーを2020年9月17、30日にオンライン開催した。 COVID-19により、海外への留学を中止したり延期したりせざるを得ない学生が多い。さぞ落胆していることだろう。留学を卒業の要件にしている大学や学部もあり、そこでは問題はより深刻だ。 このような中、「ウィズコロナの図書館運営─大学の国際化、これまでとこれから」と題するシュプリンガー・ネイチャーのオンラインセミナーが開かれた。講師は、一橋大学全学共通教育センター教授の太田浩氏。セミナータイトルは「図書館
1962年、Leonard Hayflickは中絶胎児から1つの細胞株を樹立した。 この細胞株は「WI-38」と名付けられ、その後50年以上にわたって研究用正常ヒト細胞の重要な供給源となってきた。 と同時に、さまざまな論争の原因にもなってきた。 1982年に撮影された、WI-38細胞をチェックしているLeonard Hayflick。彼が中絶胎児の肺から作り出したこの細胞株は、多くのワクチン製造に使われ、それらは現在も世界中で多くの人の命を救うために貢献している。 COURTESY OF LEONARD HAYFLICK 1962年、スウェーデンのある病院で、1人の女性が合法的に人工妊娠中絶を受けた。その女性は妊娠4か月だったが、もう子どもは欲しくなかった。胎児は女の子で、緑色の滅菌布に包まれた体長20cmの遺体は、ストックホルム北西にあるカロリンスカ研究所に送られた。そこで摘出された左右
Nature はこれまで以上に、政治に関するニュースやコメント記事および一次研究論文を掲載していきます。 2020年10月16日、東京都内で菅義偉首相と会談した後、記者団の取材に答える日本学術会議の梶田隆章会長。 Credit: Kyodo News/Kyodo News/Getty Nature には、創刊以来、科学と政治に関するニュース記事やコメント記事、一次研究論文を掲載してきました。しかし、なぜ科学の専門誌が政治を取り上げねばならないのか。これは、読者から頻繁に尋ねられる重要な質問です。 2020年10月8日号のNature には、11月3日の米国大統領選挙でジョー・バイデン候補が勝利した場合に科学が受け得る影響を概説する記事(177ページ)、ドナルド・トランプ大統領が科学に遺した数々の問題を時間の流れに沿ってまとめた記事(190ページ)が掲載されています。今後は、世界中から寄せら
SARS-CoV-2のさまざまな株は、今のところ、パンデミックの経過に大きな影響を与えていない。だが、 免疫反応をすり抜ける可能性は否定できない。 SARS-CoV-2のスパイクタンパク質には、タンパク質を閉じた形(左)から開いた形(右)に切り替えるように見える共通の変異(赤丸で囲んだ部分)がある。 Credit: SOURCE: STRUCTURAL DATA FROM K. SHEN & J. LUBAN 2020年、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)により引き起こされる感染症「COVID-19」が世界中に広がり始めたとき、ウイルス学者のDavid Montefioriは、このウイルスがヒトからヒトへと伝播する中でどのように変化していくのか知りたいと思った。デューク大学(米国ノースカロライナ州ダラム)でエイズワクチンの研究室を率いる彼は、ヒト免疫不全ウイルス(
退陣した安倍晋三首相を引き継ぐ者は、科学における多様性と外交、および科学に対する規制の改善を推進する必要がある。 2020年8月28日に辞任を表明した、安倍晋三首相。 Credit: Kiyoshi Ota - Pool/Getty Images 2012年に安倍晋三が首相の座に戻るまでの日本は、5年間に5人の首相が次々と登場し、先進国の中で経済が大きく低迷していた。それから8年後、在任期間が史上最長となった安倍首相が健康上の理由で辞職したが、日本は政治的に安定した。しかし、経済成長と社会発展の名の下に行われた安倍首相の改革の成果は功罪相半ばだ。科学、特に生物医学研究を通じて経済を活性化させる政策が積極的に実施されたが、安倍政権において成長率は上がったり下がったりの状態で、2017年に記録した2.3%(OECD調査では1.7%)を二度と超えることはなかった。 右派政党の自由民主党を率いる安
水素化物(水素を豊富に含む化合物で、有機物成分に由来する)に高い圧力をかけたところ、室温での超伝導が観測されたことを報告する論文が、今週、Nature に掲載される。今回の発見は、完全に効率的な電気システムを作るという宿願の実現に向けた一歩となる。 超伝導とは、電気エネルギーが抵抗なく物質中を移動する現象である。超伝導効果は最初、絶対零度に近い温度で観測された。室温での超伝導が実現すれば、熱の発生が最小限に抑えられて、導電体と電気デバイスの効率が高くなる可能性がある。 高圧力下の水素に富んだ材料は、実証可能な超伝導温度が他の材料よりも高く、摂氏マイナス23度程度であることが明らかになっている。今回、Ranga Diasたちの研究チームは、電気抵抗ゼロの超伝導状態が達成される温度を摂氏15度まで引き上げた。この超伝導効果は、光化学的に合成される炭素質水素化硫黄の三元系において、267ギガパス
2020年はロザリンド・フランクリンの生誕100年に当たる。彼女はDNAの構造解明で「不当な扱いを受けたヒロイン」として知られているが、卓越した研究者であったことこそ広く知られ、記憶されるべきだ。 Credit: Universal History Archive/Universal Images Group via Getty Images ウィルズデン・ユダヤ人墓地(英国ロンドン)にあるロザリンド・フランクリン(Rosalind Franklin)の墓石の真ん中に「科学者」の文字が刻まれ、それに続けて、「彼女のウイルスに関する研究と数々の発見は、今でも人類に永続的な恩恵をもたらしている」と記されている。 フランクリンは、20世紀を代表する卓越した科学者の1人であり、その研究業績は全人類に利益をもたらした。2020年7月に生誕100周年を迎えたことを機に、DNAの構造解明におけるフランク
放射性炭素年代測定法では、樹木の年輪年代データが較正の基礎になっている。 Credit: Tomekbudujedomek/Moment/Getty 放射性炭素年代測定法は、先史時代の試料の年代決定に欠かすことのできない重要なツールで、測定結果は較正曲線を用いて暦年代へと変換される。この較正曲線が今回、数千に及ぶ新たなデータに基づき、7年ぶりに改訂されることになった。この更新は、多くの考古学的試料の推定年代に影響を及ぼす可能性があり、例えばシベリア最古の現生人類の化石の年代は、以前の推定結果より1000年新しくなるという。今回の改訂ではまた、較正の適用限界も5万5000年前まで延長される。これは、現在使われている2013年版の限界年代よりも5000年古い。 全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。 本サービスでは、サイトご利用時の利便性を向
重度のてんかん治療のために、脳梁離断という過激な脳外科手術を受けた一群の患者がいる。彼らの協力による心理実験や調査が1960年代から行われ、左右脳の機能や神経科学に関して、多くの知識がもたらされた。 Michael Gazzanigaは50年間にわたって分離脳患者を対象とする研究を進めてきた。 Credit: PHOTO BY MIKE MCGREGOR/CONTOUR BY GETTY てんかん治療としての脳梁離断 Vickiは、脳外科手術を受けた後の数か月間、食料品の買い出しに行くたびに腹立たしい思いをした。スーパーマーケット内の通路に立ち、陳列棚にある商品に目をやり、それをショッピングカートに入れたいと思っても、それができないのだ。「欲しい物に右手を伸ばそうとすると、そこに左手が割り込んできて両手が争う形になりました。まるで反発し合う磁石のようにね」と彼女は話す。その週は、食品を買い
先史時代のアメリカ大陸とポリネシア東部の間の航海に関する新たな証拠を示した論文が、今週、Nature で発表される。今回の研究では、現代人と古代人の遺伝的データの解析が行われ、ポリネシアの歴史を明らかにする手掛かりがもたらされた。この解析結果は、太平洋上の島々におけるヒト集団の形成においてアメリカ先住民が果たした役割に関する長年の議論に決着をつける上で役立つ。 先史時代にポリネシア人とアメリカ先住民が接触していた可能性については、これまでのゲノム研究で得られた結論が矛盾していたため、盛んに議論が交わされている。今回、Andrés Moreno-Estrada、Alexander Ioannidisたちの研究チームは、ポリネシア人とアメリカ先住民(計800人以上)のゲノムを解析し、西暦1200年頃にアメリカ先住民とポリネシア人が交雑したと推論した。ポリネシア東部では、ポリネシア人と、現在のコ
羊膜類の卵の進化に関する新たな手掛かりをもたらした2つの研究について報告する論文が、今週、Nature に掲載される。Mark Norellたちの論文では、最初の恐竜が柔らかい殻の卵を産んだという見方が示されており、この見解は、恐竜類が硬い殻の卵を産んだとする一般的な見解と相いれない。一方Julia Clarkeたちの論文では、南極大陸で初めて発見された化石卵である柔らかい殻の大型の卵について記述されている。 羊膜類は、鳥類、哺乳類、爬虫類を含む分類群で、胚の乾燥を防ぐ働きをする内膜(羊膜)を持つ卵を産む。羊膜類の中には、トカゲ類やカメ類のように殻の柔らかい卵を産むものもあれば、鳥類のように強く石灰化した硬い殻の卵を産むものもある。こうした多様性は、さまざまな進化の軌跡を示している。石灰化卵は繁殖の成功に寄与し、その結果として羊膜類の生息地の拡大と多様化に寄与した可能性が高いため、環境スト
オキシトシンが脳に与える影響は複雑なものであることが、この数年で明らかになってきた。その結果、この物質を単なる「抱擁ホルモン」とする見方を一刻も早く改めるべきだという考え方が研究者の間で広がりつつある。 2011年4月、ニューヨーク大学ランゴン医療センター(米国)の神経科学者Robert Froemkeのチームは、未交尾の雌マウスの脳を再プログラム化しようと、あるホルモンを1回注射した。注射前の未交尾マウスは、不安な仔マウスがあげる鳴き声にほとんど無関心で、仔を踏みつけることさえあった。ところが、このホルモンを注射した後、その未交尾マウスは母親のような反応を見せ始め、弱々しく鳴く赤ん坊を口にくわえ上げるようになった。Froemkeは、何が起こったのかを知ろうとマウスの脳を調べた。 未交尾の雌マウスでは最初、仔マウスの鳴き声を聞いたときの神経信号は不規則でわずかだった。ところが、オキシトシン
査読報告書には、論文執筆者と査読者の間で交わされている魅力的で重要な議論が記されています。それを公表することで、読者にも議論の恩恵を届けたいと考えています。 Credit: Getty 査読の価値を認める点で、各研究コミュニティーの意見は一致していますが、査読過程の透明性向上を求める声が高まっています。その一環として、研究者は、論文出版に関する決定がどのようになされるかを知りたいと望み、査読者と編集者が偏見を持たずに公正に行動することの確実な保証を求めています。 Nature を含む数多くの学術誌における論文査読では、通常、単純盲験法のように誰が査読者なのかが論文著者に分からないようになっていました。それと同時に、査読報告書の内容や著者、査読者、編集者間のやりとりの秘密は守られています。 そのため、読者は、著者と査読者の間の大事な話し合いの中身を知ることはできません。しかし、それは、興味を
Article: 同種造血細胞移植後のヒト細胞傷害性T細胞におけるレパートリーの多様性と遺伝子発現の特徴 Features of repertoire diversity and gene expression in human cytotoxic T cells following allogeneic hematopoietic cell transplantation doi: 10.1038/s42003-021-02709-7 同種幹細胞移植(allo-HCT)あるいは臓器移植の後のサイトメガロウイルスの再活性化は重要な問題である。今回、仲宗根秀樹たちは、allo-HCT後の免疫再構築についての我々の理解を深めるために、臨床的に移入されたT細胞のレパートリーの多様性と遺伝子発現における変化を調べた。
論文の執筆には、誰もが苦労している。英語で書くのはもちろんのこと、研究内容を論文として、独自性を示しながらまとめ上げなくてはならないからだ。では、それに対して若手研究者や学生は、大学でどのような指導を受けているのだろう。実態を知るため、ネイチャー・ポートフォリオは2019年秋、日本の大学に所属する研究者や教職員、学生を対象に、学術論文の執筆に関するアンケートを行った。 アンケートの回答者は1255名。ここでは、原著論文執筆の可能性がある人、あるいは、その指導的立場にある人の回答に着目した。すると見えてきたのは、指導的立場の人が研究以外のことに追われて疲弊しており、指導に十分な時間を割くのが困難ということだった。 なお、本稿の「若手」とは、学生とポスドクを合わせたくくりで、内訳は学部学生4%、大学院生46%、ポスドク50%。また「指導者層」(以下、メンター)は、教授、准教授、助教、講師の中で
動物界で最も複雑とされるシャコの眼が、実は色を感知するシステムとしては非常に単純であることが分かった。 シャコは、単純だが素早く色を感知できるシステムを使っているらしい。 Credit: THINKSTOCK 甲殻類であるシャコは、どうやら我々ヒトと同じような仕組みでは色を見ていないようだ。シャコ類の眼には、ヒトよりもはるかに多くの種類の光受容細胞が存在するが、色を識別する能力は限られているとする報告が、Science 2014年1月24日号に掲載された1。 色を感じ取る光受容細胞の種類は、ヒトの眼には通常、赤、緑、青の光にそれぞれ反応する3種類しかないが、シャコの眼には12種類もある。そのためシャコは、ヒトが識別できない色でも見分けられるのではないかと考えられてきた。しかし今回の研究によって、シャコの色覚は、12種類の光受容細胞からの情報を組み合わせるのではなく、個々の光受容細胞からの情
古代の節足動物の複数の化石が直線状に整列した状態で発見され、これは、集団行動を示しており、環境からの合図に応答したもの、あるいは繁殖のための季節的移動の一環とする見解を示した論文が、今週掲載される。今回の研究で得られた知見からは、現生動物と同じような集団行動が早ければ4億8000万年前から存在していたことが示唆されている。 集団的な社会的行動は、数百万年にわたる自然選択によって進化してきたことが知られており、数々の実例が現生節足動物によって示されている。例えば、鎖のようにつながった状態で移動するチョウやガの幼虫、アリやイセエビだ。しかし、集団行動の起源と初期の歴史は、ほとんど知られていない。 今回のJean Vannierたちの論文には、モロッコのオルドビス紀前期(約4億8000万年前)の三葉虫(節足動物)の一種であるAmpyx priscusの化石が直線状に集まった状態が数例見つかったこ
英語が堪能でない研究者は、しばしば新しい言語を学習すること以上の困難に直面する。 Credit: RICHVINTAGE/GETTY 科学者という職業に魅力を感じる人は世界中にいる。しかし研究者は、たとえ出身地が北京やベルリン、ブエノスアイレスであっても、自分の思い付きや発見のほとんどを英語で表現しなければならない。科学は英語という優勢言語を持つことでプロセスを合理化することができたが、余分な壁や衝突の可能性も生じさせてしまった。例えば2019年1月には、デューク大学(米国ノースカロライナ州ダラム)の生物統計学のアシスタント・プロフェッサーが中国出身の学生にキャンパスでは中国語で会話をしてはならないと注意したとして物議を醸した。 そこでNature は、7人の研究者にプライベートや仕事に関して経験した言葉の壁について語ってもらい、考えを聞いた。 単純な問題ではないYANGYANG CHEN
近くにいる成鳥のさえずりを学習している幼い鳴き鳥の聴覚皮質の深層に存在するニューロンが、その成鳥のさえずりの音響特性に同調するようになることを示した論文が、今週掲載される。この研究は、鳴禽類において音声コミュニケーションが聴覚符号化を作り上げる仕組みを明らかにしており、これと同様の過程がヒトの幼児期の発話学習を下支えしている可能性を示唆している。 ヒトと鳴禽類が一生持ち続ける聴覚技能とコミュニケーション技能は、幼少期に体験した聴覚手掛かりから発達する。その結果、ヒトの聴覚皮質は、他の音よりも発話音声に優先的に反応し、それと同様に、鳴禽類の聴覚皮質は、合成音よりもさえずりに優先的に反応する。しかし、この同調性が、幼少期からずっと固定されているのか、種特異的な発達の仕方があるのかは明らかでない。 今回、Sarah WoolleyとJordan Mooreは、キンカチョウ(Taeniopygia
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