呪いというものは呪われた者が呪われていることを知って始めて効果を得るのではないだろうかと以前から思っている。 人から呪われているという事実*1は呪いのターゲットである本人が如何に意識から拭い去ろうと思っても、 その人の深い部分に作用し、本人のコントロールできない心理的効果を及ぼすのではないか。 例えば、呪われている事実を知ったあと、些細なことで怪我をしたとする。本来であればそれは些細な怪我であり、その事故によって本人の気持ちが揺らぐことはない。 しかし、これが「呪われている」事実を知ったあとでは少々事情が異なってくる。 ほんの、本当にほんの些細な事故でも、「呪われている」という意識はネガティイブな作用を、それも呪われている本人がいくらそれを否定しようとも、脳裏のどこかにひっかかり、無意識レベルでじわりじわりと影響を及ぼしていく。 やがて、そのネガティブな作用は心理的効果から徐々にターゲット