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MtFレズビアン、ミソジニー、想定されるコード 「ポストオペレーション・サバイバル」に続いて、ある友人との再会から「思い出した」ことをメモします。 彼女が指摘した事実に次のようなものがあります。 「『MtFレズビアン』(MtFトランスセクシュアルで、かつ女性を恋愛対象とする人)の率が、常識的なレズビアンの比率に比べてあまりにも多い。FtMゲイの比率は一般のゲイとそれほど変わらないように感じるが、この不均衡さは不自然だ。MtFには、女性が好きすぎて女性になってしまった人がいるのではないか」。 この指摘にはかなり決定的な事実が含まれていると同時に、片手落ちな部分もあります。 統計的に確かめたわけではないのでなんともいえませんが、わたしの知る限りで、(広義の)「MtFレズビアン」の数は確かに多いです。 そして、一般的な理解でみれば「女性が好きすぎた」と見なせば理解しやすい「MtF」が少なくないよ
クウェンティン・クリスプと"Legal Alien" --"Englishman In New York" Sting クウェンティン・クリスプ。 この名前を聞いてすぐにピンとくる日本人はほとんどいないでしょう。 1908年ロンドン南東の町サットンに生まれ、幼い頃からこっそりお母さんの服を着るのがすきだったクエンティン。デザイナーとして活動しつつ、当時は珍しかった「女装するゲイ」として人気を得、第二次大戦を経てヌードモデルやダンス教師などを転々。『オルランド 』という映画にはエリザベス女王役で出演されています(このあたりの詳細については歌川泰司さんによるAll Aboutの「クィア列伝! 1 ぱちぱちのクィア・ノート」が詳しいです)。 こう書くと「あぁ、また『歴史的トランス』の話か」と思われるかもしれません。よくある展開です。「昔からトランスセクシュアルは存在して・・」という下り。正直、わ
お前に「気にされる」筋合いは1ミリもない 先日、久しぶりに戸籍上の性別のことを話さなければならない機会がありました。 航空券を購入するのに、パスポートと一致している必要があったのです。 某旅行会社のカウンターで、四十代くらいの男性の方がお相手だったのですが、一瞬動揺させてしまったのか、「あ、いえ、わたしは気にしないんですけどね、最近はほら、テロとかそういうので、うるさいんですよ」という台詞が出てきました。 まず最初にお断りしておきますが、このヒトに一ミリも悪意はない、ということはよくわかっています。 ちょっとトークがぎこちないヒトでしたが(笑)、チケットもすんなり希望のものが取れて、とても満足しています。 ですから、以下の記述については、このヒト個人がどうこうとかいった問題では全然なく、人間の思考様式一般のことだと了解してください。 本題です。 「気にしない」そうです。 ほかのトランスセク
MtFトランスジェンダー/トランスセクシュアルのフェミニズム親和的可能性 「トランスジェンダー/トランスセクシュアルとフェミニズム」で、両者の微妙な関係に触れました。とかく世間では、トランスジェンダー/トランスセクシュアル、レズビアン/ゲイ/バイセクシュアル、インターセックスといったいわゆるセクシュアル・マイノリティによる運動、そしてフェミニズムが「抑圧されている者同士」などと簡単に手を結べそうな楽観主義がまかり通っていますが。ことはそう簡単であはりません。 トランスジェンダー/トランスセクシュアルとフェミニズムについて言えば、『トランスセクシュアル帝国』のジャニス・レイモンドによる猛烈なMtF攻撃、といったような本質主義フェミニズムとの相反に加え、同化主義的トランスセクシュアルは社会構築主義的視点からも批判される、といった様々な問題があります。 個人的には、これらの対立点を安易に曖昧化す
「華奢でキレイ」なMtFはノンパス 瑣末な話題ですが。 先日MtFの友人と話していてつくづく話が合ってしまったのですが、「華奢」とか「キレイ」とか言われるMtFはパスしていない(もしくはどこかから情報が漏れている)だけです。 時々ネイティヴの女から容姿を評価されて調子に乗っているMtFがいますが、実に滑稽なことです。 おそらくMtFとしては恵まれたことに、わたしは身長も比較的低く、胸板の薄い華奢な骨格に育ちました。小さい頃から「細い」キャラだったわけですが、それはあくまで「男性としては」です。 ひとたび普通の女として暮らし始めれば、どうしたって女子標準よりは「ゴツい」です。今までずっと「自分は華奢」と漠然と思っていたのが、いきなり「ゴツい」キャラに鞍替えしなければならないわけです(笑)。わたしが武道や格闘技にいまだにこだわっているのも、自分の「ゴツさ」をごまかす良い口上になるから、というの
トランスジェンダー/トランスセクシュアルとフェミニズム トランスとフェミニズムについてメモしておきます。 「性」を巡る語らいであり、しかもセクシュアリティというよりはジェンダーを問うものとして、トランスとフェミニズムには何か関わりがありそうです。実際、フェミニズムによって構築されてきた理論には、レズビアン/ゲイ・スタディーズと並んで学ぶべきところが多くあります。しかし少し考えてみれば、フェミニズムとトランスは、それほど簡単にすり合わないことがわかります。 フェミニズムにはMtFトランスに対し排斥的な動きがありました。ジャニス・レイモンドはその1979年の著書の中で「トランスセクシュアルは皆、女性の身体を人造物におとしめ、それを自分たちのために流用するという形で、女性の体をレイプしているのだ」と弾劾し、トランスセクシュアルはホルモン・手術療法による創造物だとしています。身体的特徴や過去の経験
ジェンダー/セクシュアリティ入門書 ワークショップの時に櫻庭先生が推奨されていたので、『セクシュアリティの心理学』(小倉千加子 有斐閣)を読んでみました。 非常に簡潔で適切な入門書です。 ジェンダー/セクシュアリティ関係に興味があるけれど右も左もわからない方、またトランスジェンダー/トランスセクシュアル、性同一性障害の問題から入ったために、この領野の全体像や歴史、その中でのトランスの位置づけのわからない方に、強くお勧めしたいです。大変わかりやすく、論調も平易でサクッと読めます。 これに岩波の思考のフロンティアシリーズ『フェミニズム』(竹村和子 岩波書店)、『クィア・スタディーズ』(河口和也 岩波書店)などをあわせると、バランスの良い導入になるかと思います。性同一性障害関係の概括として一冊だけ選ぶなら、何度か取り上げている『性同一性障害』(吉永みち子 集英社新書)が適当でしょう。 これらはい
トラニーチェイサーの謎 (このテクストは当初、「〈女〉を巡って」および「真夜中のトランス」の前座的ポジションとして、トランス問題についてかなり茶化した調子で語るために用意されたものです。相当バイアスのかかった内容で、ほぼMtFのみを話題にしており、また筆者の主眼自体上のテクストにあったのですが、一つのものの見方として試みに公開してみるものです。なお、筆者は現在の性同一性「障害」治療を全面的に是としているわけではありませんが、これを否定したり先人の労苦を軽んじようとする意図はまったくなく、実際個人的には多いにお世話になっていることを明記しておきます) ## トランス業界界隈の男性について触れておきましょう。染色体で判別するなら全部「男性」なのですが、トランスでも何でもない「普通の男の人」のことです。 ニューハーフ系のお店に関しては、遊びに来るのは文字通り「普通の男」です。中には「ニューハーフ
「病気」の呪縛 (このテクストは当初、「〈女〉を巡って」および「真夜中のトランス」の前座的ポジションとして、トランス問題についてかなり茶化した調子で語るために用意されたものです。相当バイアスのかかった内容で、ほぼMtFのみを話題にしており、また筆者の主眼自体上のテクストにあったのですが、一つのものの見方として試みに公開してみるものです。なお、筆者は現在の性同一性「障害」治療を全面的に是としているわけではありませんが、これを否定したり先人の労苦を軽んじようとする意図はまったくなく、実際個人的には多いにお世話になっていることを明記しておきます) ## 「病気」から「生き方」へ、という視点の理解のために、同性愛と精神疾患の関係について寄り道してみます。 冒頭で性同一性障害、つまり「病気としてのトランス」を理解するのにICD-10を参照しましたが、ここではアメリカ精神医学会APAが発行している精神
女装者こそ男の中の男 (このテクストは当初、「〈女〉を巡って」および「真夜中のトランス」の前座的ポジションとして、トランス問題についてかなり茶化した調子で語るために用意されたものです。相当バイアスのかかった内容で、ほぼMtFのみを話題にしており、また筆者の主眼自体上のテクストにあったのですが、一つのものの見方として試みに公開してみるものです。なお、筆者は現在の性同一性「障害」治療を全面的に是としているわけではありませんが、これを否定したり先人の労苦を軽んじようとする意図はまったくなく、実際個人的には多いにお世話になっていることを明記しておきます) ## おおざっぱに女装カルチャーと呼んでみましたが、この世界はGID業界やニューハーフ業界以上に一般社会から隔絶しているためか、実にヴァラエティに富んだ人たちがいらっしゃいます。職業ニューハーフにも「中身丸っきり男」からGID治療下にある方までい
現在表示されているこのページがトップページです。お手数ですが、リンク・ブックマークの変更を何卒よろしくお願い申し上げます。 運営者はいわゆるMtFトランスセクシュアル当事者ですが、現在は平凡な?女性として染色体上の性別を明かさず生活しており、狭い意味でのトランスセクシュアリティ自体についてはそれほど興味がありません。ただ一見わかりやすいこの問題を導入とすることは、人間経験について精緻な思考を展開する上で有効であり、現在の「性同一性障害」(いわゆるGID)を巡る言説の向こうにこそ、この現象の真価があると考えています。 それはおそらく、死に至る生=性の狂おしいエロティシズムの表現となるでしょう。そのため、用いられる論考が、時に反動的に見えたり、当事者の現状に即さないような(当事者の利益に反する)印象を与える可能性もあります。これは先人たちの多大な功労の上に築かれた「治療」プロセスを否定しようと
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