競争力の高い国は何が違うか。スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)が毎年発表している「世界競争力ランキング」では、一人あたりGDP世界トップクラスの国々がこぞって政府の能力という点で国際的に高く評価されている。また、日本より上位にオーストラリアや中国があることから、国土の大きさは言い訳にならないことがわかる。関山健、鹿島平和研究所 編著『稼ぐ小国の戦略』より紹介しよう――。 政府の強い成長志向と明確な戦略 一人あたりGDP世界トップ10の小国に共通する特徴として、第一に、中長期的な視点での危機感に基づき、強い成長志向を打ち出した政府が、明確な戦略で企業の予見可能性を高め、その挑戦を引き出している点を指摘したい。 ①成長志向の強い政府 本書で取り上げた国々の政府は、次節以降で後述するとおり、その人材育成にせよ対外開放にせよ、限られた条件を最大限活かして経済を成長させることを強く